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第11巻埋字しりとり挙句 2003.12.01

大の字になりて夢みる海鼠かな

<他石>



今回は、他石さんの句に決定いたしました。あの、グロテスクで、しかもユーモラスな海鼠が、来年に向けて何を夢みているのでしょうね。上5の「大の字になりて」が、形容しがたい海鼠をとらえて、なかなかいい味を醸し出しました。原句は「大の字になりて夢みの海鼠かな」でしたが、中7を少し直しました。

   良寛のいろはの三文字雪解けむ  <寒太>


【寒太俳句噺(65)】


俳句は韻文で、文章は散文。このふたつを両立させることは、なかなか難しいようです。俳句がうまい人でも、文章を書かせたらまるで駄目。文が下手な人でも、俳句は素晴らしい場合があります。俳句がうまく、しかも達文の人は、そうざらにいるものではありません。天は二物を与えないのでしょうか。





さて、第11巻・挙句のお題

「字」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


○1)クリスマスあなたとわかる文字の癖 <きらきら星>

 2)黒文字で羊羹なぶる夜番かな <信天翁>

 3)字を知らぬ子の読む絵本日向ぼこ  <風太>

◎4)心とは優しき字なり冬珊瑚 <たまご>

○5)すりこ木ののの字を書きてとろろ汁 <ゆらぎ>

○6)雪安居一字一字の写経かな <たぬき囃>

○7)指文字で交わす挨拶冬の朝 <ぱろぱろ>

○8)添へられし十七文字や冬の音 <TOPPO >

○9)メール字の明朝体や雪もよい <瑞葉>

○10)心字池隔ててひそと冬さくら <澄湖>

 11)横文字の表札零る冬薔薇  <ふみゑ>

○12)名字の由来祖父より蜜柑山 <千絵>

○13)江戸文字の幟はためく師走来る  <ガス灯>

 14)母の字に似し悪筆や年賀状  <かめ>

◎15)太極拳寒空へ文字書きにけり <せつ>

○16)お歳暮の箱に一文字「茶」とありぬ  <萌>

 17)木枯らしの叩く扁額文字薄し  <仲々>

○18)変わらない字(あざ)が無くなる村の暮  <北北西>

 19)冬田道いわくありげな字名かな  <DORA>

 20)寒風に豆粒ほどの字凧かな  <悠>

◎21)半年を文字に紡ぎし幸の冬  <秋櫻>

★22)大の字になりて夢みる海鼠かな  <他石>

     *原句は「大の字になりて夢みの海鼠かな」

 23)年賀状ゑの字が書けず一苦労  <遊俳夢>

 24)ガラス戸に泣き字残して冬日和 <ルナ>

 25)パソコンの寿の字にドキリ寒雀  <寿々女>

○26)沢庵と英字新聞経済欄  <真砂>

 27)丸文字を卒業せんと書を習う  <sikinodesi>

 28)年賀じょう下絵に文字も書いてみし  <青い鳥>

◎29)ゆるゆるとのの字かきます葛湯かな <稚笑>

○30)窓の字の流れて消えし暖炉燃ゆ  <釣人>

○31)字足らずに言の葉さがす湯ざめかな  <青空>

○32)崩し字を読む人の無く古屏風  <弓人>

○33)快復の句の文字うれし十二月  <山法師>

○34)字余りの歌詞多すぎて忘年会  <ともこ>

○35)字面追ふ目の端近く冬蚊飛ぶ  <飯吻>

○36)年用意祝儀袋に太き文字  <美加>

    以上、選出句は36句でした。


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