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第11巻埋字しりとり2句目 2003.10.20
ニット帽目深にかぶる脆さかな
<ゆらぎ>
冬が近づいている感じが、「目深にかぶる」によく出ていますね。実は、尚々さんの「目の上のたんこぶ」の句もいいと思ったのですが、この巻が「上野」の句から出発したのを思い出し、ゆらぎさんの句を決定句として選びました。
目の位置にゐて蝸牛昏れ残る <寒太>
【寒太俳句噺(59)】
好天に恵まれた隠岐の島の旅は、大変すばらしいものでした。ここは、加藤楸邨の転機となった島です。
昭和16年、楸邨36歳の初春、切迫した思いを抱きながらこの島に渡り、一気に176句の大作をつくりました。太平洋戦争に突入したのは、その年の12月です。ここから楸邨の俳句が大きく変わり、後に「人間探求派」と呼ばれるようになります。そのきっかけとなったのが、隠岐の島の旅だったのです。
隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな <楸邨>
さて、第11巻・2句目「目」の選考経過です。
最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。
○1)目玉焼きこんがり焼ける今朝の冬 <きらきら星>
2)目に凍みる葉のなき枝の自我を見る <章文駄>
3)白檜曾に鉈目新し暮の秋 <信天翁>
★4)ニット帽目深にかぶる脆さかな <ゆらぎ>
5)茶の花や目の前いっぱい大夕焼け <DORA>
6)エッシャーの夢に目眩や秋寒し <光砂>
7)潮の目を読んで満悦大釣果 <Chojiro〜>
8)目くばせの挨拶秋の大通り <瑞葉>
○9)秋澄むや目利きの選ぶ猪口一つ <萌>
10)目の上を蜂に刺されし神の留守 <ガス灯>
11)四つ目垣秋明菊の額となる <ぱろぱろ>
○12)鉈彫りの仏の目もと菊日和 <たまご>
○13)はにかみて目礼したり落ち葉焚き <悠>
◎14)目の上のたんこぶの無き秋寂し <尚々>
15)目と鼻の先に美人や草紅葉 <かっちゃん>
16)脳味噌の目方がちょっと足りないの <猫のくり>
17)人目引く菊人形の紅一点 <ふみゑ>
18)亡き母に目元似るなり照紅葉 <桃桜>
19)秋うらら広告目ざとく探す母 <sikinodesi>
○20)兄弟の目元そっくりお茶の花 <千絵>
○21)箒目のあとに木犀また零る <美加>
○22)帰り来て夜目にも著るき石蕗の花 <せつ>
◎23)基督の赦す目ありて冬灯 <TOPPO>
○24)悪戯は駄目とたしなめ毛糸玉 <弓人>
○25)目配せを交わす背中に冬の月 <たぬき囃>
26)よそ目にも金に縁なし秋の暮れ <北北西>
○27)結び目は解かぬと決めり山葡萄 <他石>
28)秋深し綱引き競い目に涙 <青い鳥>
29)役目終え運ばれて行く案山子かな <澄湖>
30)大き目の花簪や七五三 <かめ>
31)眼帯が取れて達磨の両目開く <遊俳夢>
32)〆切に目ん玉剥きしそぞろ寒む <ルナ>
33)出鱈目のシャンソンひとつ秋深し <飯吻>
34)負けてなお目処つく地元の新酒かな <寿々女>
○35)秋の夜父の目の位置テレビ置く <山法師>
36)長き夜や木目に探す人の顔 <稚笑>
37)盲導犬役目を終えて秋の空 <風太>
○38)一列に並び上がりし金目鯛 <釣人>
39)魚の目の底の固さやすずろ寒 <TSUTA3>
○40)味噌汁の豆腐さいの目実南天 <千絵>
41)目鼻だち生き写しなり返り花 <青空>
以上、選出句は41句でした。
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