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第11巻埋字しりとり1句目 2003.10.14

叱られて上目に見るや木守柿

<弓人>



「木守柿」は、「きまもり」「きもりがき」と読みます。来年、よく実がつくようにという、まじないだとも、あるいは、小鳥の分をひとつとってあるのだ、ともいわれます。とにかく、ひとつだけ高い枝のてっぺんに残しておくのです。「上目に見るや」が、可愛らしいですね。叱られた子どもの顔が、よく見えてくる句です。原句の「叱られて上目に見やる木守柿」の中七を、少し直しました。

   上人の雪がもたらす未来かな  <寒太>




【寒太俳句噺(58)】


今週、17日〜19日まで、隠岐の島に行ってきます。隠岐の島といっても、島前・島後とあり、私がいくのは島前のほうです。隠岐の海士(あま)町は、後鳥羽上皇が流された島です。華やかな京の都のスターだった上皇が、はるか都から離れた島に流されたその時の気持ちは、如何ばかりだったろう、と察せられます。いま、この島は観光客で賑わっています。





さて、第11巻・1句目

「上」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


◎1)母の名の滲む上履冬隣 <TOPPO>

 2)艪に唄に紅葉映して最上川 <TSUTA3>

○3)十三夜ほんのり上気してをりぬ  <瑞葉>

○4)上段の間の詫助や息ととのへ <たまご>

 5)腰上げの隠しの記憶木の実降る <信天翁>

 6)爽やかに上天丼を頼みおる <尚々>

○7)酔うほどに身の上話菊の宴 <遊俳夢>

 8)行く秋や虎携帯の上機嫌 <寿々女>

 9)上手の猫爪隠しおる後の月 <猫のくり>

 10)拝啓につづく母上書けぬ夜 <sikinodesi>

 11)十三夜思い上がりの無くもなし <ルナ>

 12)露草や上目遣いの青さかな  <風太>

○13)屋根の上伸びする猫や天高し  <ぱろぱろ>

○14)上品の仏の御手にあきあかね <たぬき囃>

○15)産土神の森の鎮もる稲の秋  <きらきら星>

 16)鎌倉の坂上りゆく柿日和  <ガス灯>

★17)叱られて上目に見るや木守  <弓人>

     *原句は「叱られて上目に見やる木守」

○18)真っ白な月が上手な嘘をつき  <尚々>

 19)年上の風吹かしけり秋祭  <emio >

○20)老犬の上目づかいや柿紅葉  <SHY>

 21)ツィードの上着恋しい秋の夜  <北北西>

 22)上の句の一字が余分鱗雲  <かっちゃん>

○23)鳥影の湖上越え行く秋の暮 <かめ>

○24)上段に構える剣士冬稽古  <せつ>

○25)上方や夢の続きて芭蕉の忌  <悠>

 26)刈り終えし田の上旋回練習機  <DORA>

 27)赤とんぼワルツ競ひし顔の上  <山法師>

○28)蟷螂の鎌上げしまま逡巡し <飯吻>

○29)正一位祀る屋上鳥渡る  <萌>

○30)眉上げて見得切る役者や秋気澄む  <美加>

 31)上等な女にならん吾亦紅  <稚笑>

 32)出雲路の天上会議神無月  <釣人>

 33)送迎車の窓より見あげ蜜柑褒め  <青い鳥>

 34)刈上げの車窓の広き上越線  <他石>

 35)まき上げる着物の裾や初嵐  <桃桜>

 36)見上げたる軍神の墓秋深し  <ひねもす>

 37)海欲りて屋上枯葉の空に舞う  <フジバカマ>

○38)腰上げる時を逸して月の  <ゆらぎ>

 39)眺むれば膳の上なり秋景色  <章文駄>

 40)洋上や叢雲出でし後の月  <澄湖>

 41)上々の天気となりぬ運動会  <四度>

○42)秋澄むや人の舞ふ空見上げをり <青空>

    以上、選出句は42句でした。


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