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第9巻埋字しりとり4句目 2003.07.07

手話の手の豆はぢくごと動きけり

<sikinodesi>



今回の決定句は、瑞うさちゃんの、

   そら豆や妖精たちのまくらかな

のかわいい句、それとも、かっちゃんさんの、

   豆ほどに見える日の丸飛行船

はたまた、

   蜜豆のをはればけふの別れかな

の卑弥呼さん・・・、ああ、どうしよう、どうしようとさんざん迷っていたところへ、締め切りがとうに過ぎ去った2時半ごろ、「締め切りを知りながら根性で投稿」してきたsikinodesiさんの句に、急に変更、決定することにしました。原句は「手話の手が豆はじくさまに見えにけり」。少し添削し、また旧仮名にしてみました。
ということで、前3句のかたがた、すみません、あしからず。ですが、本来は締め切り後は受け付けません。今回のみの例外としましょう(管理人注=塾長が句稿をもって、どこか別の場所へ行って選をするなど、「受け付けられなくなる」という状況が多いわけなのです)。




【寒太俳句噺(44)】


今週の掲示板では、俳句の功罪が話題にのぼっていましたね。江戸時代の俳諧師の芭蕉は、「俳諧は夏炉冬扇」といっています。「夏炉冬扇(かろとうせん)」とは、夏の暖炉や冬の扇のことで、世の中にとっては、何の役にも立たないもの、の意味をさしているのです。そもそも、俳句で何かを得ようとか、何かに役立てよう、と思うことが、間違いのもと、と説いているのですね。無用の用こそが、俳句の効用だということでしょう。前にも言ったことだと思いますが、俳句は大いなる「遊び」です。「遊び」ですが、それは本気の遊びでなければなりません。

   尿る子の怒る瞳をして豆の花

            <寒太>





さて、第9巻4句目のお題

「豆」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


★1)手話の手の豆はぢくごと動きけり <sikinodesi>

     *原句は「手話の手が豆はじくさまに見えにけり」。

 2)弁当に莢隠元豆の行儀よし <山法師>

     *原句は「弁当に莢隠元豆の行儀よく」。

 3)浜豌豆渚に子等を解放す  <萌>

◎4)豆腐屋に赤子来る日や花槿 <かめ>

○5)宿題を終はり少年豆の飯 <千絵>

 6)とりどりの豆商ひて西日かな <ルナ>

 7)梅雨空や豆腐百珍お品書き <七梟>

○8)豆柴の目細め歩ぶ白雨かな <TOPPO>

★9)豆つぶに見ゆる日の丸飛行船 <かっちゃん>

     *原句は「豆ほどに見える日の丸飛行船」。

○10)豆飯を炊いてやさしき夜となり <ガス灯>

○11)豆浸す夜の帳や仏法僧 <悠>

○12)豆粒となり消えゆくや夏帽子  <風太>

◎13)豆力士主役をかざる祭りかな  <釣人>

★14)蜜豆のをはればけふの別れかな  <卑弥呼>

○15)畦豆の苗さやさやと青田風  <DORA>

 16)はじきだす枝豆飛んで居間の隅  <保母保>

 17)豆粒の星満天の逢瀬かな  <ぱろぱろ>

○18)手のひらに死んだ振りして豆黄金 <弓人>

○19)昼寝覚め婆の至福や甘納豆  <美加>

★20)そら豆や妖精たちのまくらかな  <瑞々うさぎ>

 21)お多福がお多福豆を喰べる夜  <尚々>

 22)虫刺され豆粒ほどのキスマーク  <稚笑>

 23)納豆とおくら山芋ねばねばねば <Chojiro〜 >

○24)豆の木にジャックが登る夏の夢  <かめ>

○25)豆の葉の脚にざわざわ雨上がり  <ゆらぎ>

 26)豆のよなめだかの眼にも水光る  <瑞葉>

 27)伊豆行きに胸ときめかす夏休み <青い鳥>

○28)豆乳を妻に隠れてそっと捨て  <遊俳夢>

 29)豆冥利茹でられ潰され冷奴  <海月>

○30)朝顔や昔の徒名豆たぬき  <たまご>

 31)小豆氷雲をのけたら水平線  <他石>

○32)海紅豆靴に減り癖つきにけり  <せつ>

○33)隊商の豆つぶと消ゆ熱砂かな  <真砂>

○34)豆電球のごとき目玉の金魚かな  <飯吻>

 35)恋がれ豆熱風煎らるる香に想い  <章文駄>

○36)俳句にも功罪ありし豆の飯  <康ちゃん>

 37)豆は何故莢に這入って成るのかなあ  <猫のくり>

◎38)豆腐屋の朝の明るき半夏生  <四度>

○39)ことことと豆煮る妻や梅雨の朝  <地井 健>

 40)月涼し豆粒大に美容液 <emio>

 41)冷菓子に小豆を選ぶ医のかえり <青い鳥>

 42)立ち寄りし農家の主人豆男 <sikinodesi>

    以上、今回の選出句は42句でした。


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