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第9巻埋字しりとり2句目 2003.06.24

夏の夜の夫のうたた寝少し老ゆ

<千恵子>



年老いた夫婦の情が、よく伝わってくる佳句です。「少」の題に対し、「少年」の秀句が多くありましたが、「少女」に付く句が「少年」ですと、少し前の句につきすぎてしまいます。そこで何句か、涙をのんではずすことにしました。次の3句目は、少し飛躍しましょうか・・・。


   のうぜん花少し愛してすぐ忘る  <寒太>




【寒太俳句噺(42)】


毎日俳句大賞の結果が、すでに発表されています。大賞に輝いたのは、茨城県日立市の町井すみれさん。受賞句は、

  しづけさに蕎麦刈る音を加へけり

毎日俳句大賞に限らず、大きな大会で必ず問題になるのが、類句・類想句です。短詩型の運命のようなものでしょうか。でも、初心のころは、類句・類想を気にする必要はありません。気にしていたら、きっと1句もできなくなってしまうでしょうから。もちろん、知っていて似せるにのは、論外ですが・・・。

            <寒太>





さて、第9巻2句目のお題

「少」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


○1)少しだけバカな私の端居かな <ふみ○>

○2)少年の汗光りをり変声期 <尚々>

◎3)また少し君に近づく蜀葵  <TOPPO>

 4)新じゃがにもう少しねと土を盛る <瑞葉>

 5)少なめに教へし歳や扇風 <ルナ>

○6)月下美人少し荒れたる一夜かな <地井 健>

 7)少し味噌っ歯琵琶じゃ固くて食べられぬ <猫のくり>

○8)星涼し少しだけ飲む赤ワイン <DORA>

 9)少しだけ勧誘の人やさしげに <sikinodesi>

○10)境内に少し光りて沙羅の花 <美加>

◎11)朝練の少年走る靴白し <卑弥呼>

 12)晴嵐や少壮有為巡遊す  <弓人>

 13)少年の日に帰ろうとペダル踏む  <遊俳夢>

◎14)入梅や少し近づく島と島  <釣人>

     *原句は「入梅や少し近づく島の間」。

○15)少林寺跳んでみようと水すまし  <他石>

○16)浴衣着て少し大人の夏祭り  <ぱろぱろ>

○17)飢え知らぬ野球少年肩広し  <たまご>

◎18)遠青嶺少し間延びの木霊かな <ゆらぎ>

     *原句は「青嶺立つ少し間延びの木霊かな」。

◎19)田水湧く山影少し揺れてをり  <悠>

     *原句は「田の水や山影少し揺れてをり」。

 20)薫風やことば少なの深呼吸  <かっちゃん>

     *原句は「薫風やことば少なに深呼吸」。

★21)夏の夜の夫のうたた寝少し老ゆ  <千恵子>

 22)ほてる肌少し酔うてか心太  <ガス灯>

 23)葡萄をば少しばかりと送りけり <かめ>

 24)羊追ふ少年ひとり夏の雲  <ナガチャン>

○25)少し間のありし返事や遠花火  <康ちゃん>

 26)少年のソーサのバットや夢砕き  <保母保>

○27)髪洗ふ言ひそびれたる悔い少し <SHY >

 28)谷少し下りし梅雨の千代紙屋  <千尋>

 29)いつのまにか日焼少々濡れ地蔵  <hanadako>

○30)財少し殖えたる心地梅漬ける  <せつ>

 31)花火屑少し笑って少し泣く  <稚笑>

○32)水無月や言葉少なの妻なりき  <四度>

○33)蛍火や少女の頃の闇夜かな  <萌>

 34)くねらせて波紋少しの青大将  <寿々女>

○35)浴衣着る少し大人の12歳  <三和奴>

 36)青蛙少年の日の終りけり  <かのん>

     *原句は「青蛙少年の日は終りけり」。

 37)水海月少し大きいの小さいの  <飯吻>

 38)バカンスに少し仏語のうまくなり  <北北西>

 39)塩少々胡椒少々生ビール  <七梟>

 40)締めきりに少し間があり駄句三句 <Chojiro〜>

 41)友逝きて梅雨寒少し送り酒 <章文駄>

○42)つややかにサクランボ少したなごころ <風太>

 43)木漏れ日を仰ぐ少女やはつらつと <青い鳥 >

○44)紫陽花や心の襞に酒少し <山法師>

    以上、今回の選出句は44句でした。


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