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第9巻埋字しりとり1句目 2003.06.17

わたすげや少女に少女の恋ひとつ

<瑞葉>



原句は「わたすげや少女には少女の恋ひとつ」ですが、1文字だけ取りました。今回は、いきなり恋の句からはじまりますが、こういうはじまりかたもあっていいでしょう。それぞれの少女に、ひとつずつ恋が芽生えるのですね。上5の「わたすげ」が、とてもいいですね。「綿菅」は、尾瀬ヶ原、八幡平などでよく見られる、カヤツリグサ科の多年草です。7月ころ、茎の先に小穂をつけ、絹糸状の毛に被われ、まるで綿帽子をかぶったようなたたずまいで、風になびきます。


   くくと泣くをんなごゑあり蝶の昼  <寒太>




【寒太俳句噺(41)】


数日前、川崎展宏さん(朝日俳壇選者)から電話がかかってきて、ずいぶん久しぶりに飲みました。その時の展宏さんのことば。
「最近の俳句は、多弁すぎる。ほとんど季語だけのほうが、まだいい。そんな俳句ばかり・・・」。
確かに、私もそのとおりだと思いました。季語だけあれば、そのほうがいい、そう思うことがあります。いいたいことだけがとりわけ目立って、趣のあるものが少ない。俳句は、ものを言わない、ものが言えない文学であるという自覚が、少なすぎるのかもしれません。

            <寒太>





さて、第9巻1句目のお題

「女」の選考経過です。


最終選考に残った句には★、ほかに◎、○、無印、の4種で、予選結果を掲げます。


○1)山女酒酌み交わす日々遠かりき <遊俳夢>

○2)天涯にをんなのなみだ西日射す <克己>

○3)美女薄命卯の花腐しの闇や佳し  <ふみ○>

 4)めまとひを避けし二歳の女の子 <千尋>

 5)短夜や女のいびき許したり <萌>

 6)くるくると少女の傘に蛙の絵 <ぱろぱろ>

○7)早苗饗や今日は女と紅をさす <DORA>

○8)バッカスてふ神は女か青葡萄 <千絵>

○9)紫陽花の頃のにぎやかをんな寺 <悠>

     *原句は「紫陽花の頃はにぎやかをんな寺」。

◎10)おっとりと育ちし長女糸とんぼ <風太>

★11)わたすげや少女に少女の恋ひとつ <瑞葉>

     *原句は「わたすげや少女には少女の恋ひとつ」。

○12)蒼朮を焼きし女や小さき鈴  <kaoru>

○13)音たてて女の下駄の遠ざかる  <三和奴>

 14)冷や汗やたらぁ〜り寿々女の拙句かな  <寿々女>

○15)汗少し女人高野の仏どち  <尚々>

○16)梅雨初め線路工事の旗振り女  <青い鳥>

 17)門番は女人禁制ひきがえる  <ゆらぎ>

 18)石楠花や女人高野の下向道 <卑弥呼>

 19)祭待つ狐日和に女神  <章文駄>

 20)空梅雨や女だてらも死語となり  <ルナ>

○21)万緑や少女の紅き耳飾り  <地井 健>

○22)何時の日か炎夏の戀と処女句集  <TOPPO>

 23)爪を噛む仕種の女七變化 <美加>

 24)渓流の岩を攀ぢりて山女釣  <弓人>

 25)奧飛鳥女淵にひそと雨蛙  <山法師>

 26)浴衣着てポーズとりたる女かな  <かめ>

○27)女偏どの字もかなし天花粉 <たまご>

 28)夏の女神月からどんどん降りて来る  <猫のくり>

○29)新樹光巫女より受くる守り札  <ガス灯>

 30)親燕やっぱり厨は女人館  <かっちゃん>

 31)あぢさゐや眠つているのか瞽女の唄  <他石>

○32)同行はむかし横綱山女釣  <康ちゃん>

 33)梅花藻をゆらし山女の泳ぎたる  <保母保>

 34)花菖蒲けふも来てゐる雨をんな  <SHY >

 35)女梅雨ひねもすごろり日曜日  <七梟>

○36)不機嫌な女夏帯かたくしめ  <あや>

 37)髪を染め女目覚める桜桃忌  <山茶花>

 38)虹二重汝も狐か女巫  <かのん>

○39)梅雨晴間女の使ふ裁ち鋏  <せつ>

 40)女より威張る男の梅雨の蒸し <暇船>

○41)父の日の次女の土産やママプリン <Chojiro〜>

○42)金魚藻を揺らす少女の白き指 <飯吻>

 43)夕涼み気になる人の浴衣かな <釣人>

     *原句は「夕涼み気になる人は浴衣かな」。

 44)青梅のころがりてあり汀女の碑 <四度>

○45)スポーツカー飛ばす女に夏の雨 <北北西>

    以上、今回の選出句は45句でした。


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