4月11日(火) まり子と淳之介と「もう一人の女性」
午後、衆院第一議員会館の廊下で「牧ちゃんじゃないかい?」と声を掛けられた。気がつくと、小粒のエネルギッシュ男・道新のナベ
ちゃんじゃないか。20数年振りである。懐かしそうに「自民党本部が焼き討ちされた時、一番先に二人で逃げ出したよな」とナベチャン。
そんなこともあったけ。
気が会った同士で、暇なときは自民党クラブの隅で競馬の話を良くしていたものだ。道新とは特別、抜いた抜かれた、のライバル意識が
なかったから、どんなに親しくなっても、誰からも文句が出ない。だから、いつも笑いこけていた。
そのうちに、僕が外務省担当になり、彼は札幌の本社に移って、音信が途絶えた。まあ、その程度の親しさだったが、どうして、ナベ
ちゃん、ここに居るの?
名刺を貰ってビックリした。彼、北海道新聞の常務になっていたのだ。「偉くなったんだ」と言えば「例の再販の問題で議員さんのとこ
ろを門並み歩いているんだ」
自民党の独禁法調査会が午後から党本部で開かれていた。議題は新聞の再販問題。新聞の宅配制度や同一紙で全国一律の価格を支えてい
る「特殊指定」の見直しが大問題になっている。新聞業界に取っては死活問題。そこで、各地の議員に「ご理解」を得るために陳情してい
るのだろう。ナベちゃんのような経営者には大事な仕事なのだ。
幸せと言おうか、不幸と言おうか、大病が原因で、当方、サラリーマン的にはまったく出世しなかった。だから、この種の苦労とは無関
係。朝日の秋山クンも大変なのだろう。当方、一記者として、勝手に書き続けている。圧力もないではないが、仲間の支援で「自由な言論」
もほぼ確保している。幸せだ。ナベちゃんの苦労を垣間見て、思わず「筆一本の喜び」を感じてしまう。
「こんど札幌に来たら、一杯飲もう」と言ってくれた。多分、出世したナベちゃんのおごりだろう。それも、また幸せではないか。
国会からJRA。それから表参道。夕方、社に戻って、各所で雑談。仕事場に戻ると、水口義朗さんの「記憶するシュレッダー‥‥私の
愛した昭和の文士たち」が送られてきていた。
水口さんは敏腕編集者(文藝記者というべきか)で「週刊公論」「婦人公論」「中央公論」「小説中央公論」で一時代を築いた人である。
渡辺淳一先生の「藪の会」で仲良くなった。(何故「藪の会」なのか、それは渡辺先生はお医者さんだから)何しろ、水口さんは人脈が豊
富で、強引に作家先生から「原稿」を持って来てしまう人だった。
その編集者人生で、懇意になった作家先生の「秘密」を一挙、大公開、と言った感じの本である。一気に読む。面白い。例えば第一話
「吉行淳之介さんを巡る“おんなたち”」では、宮城まり子さんを初め「おんなたち」が次々に登場する。
8時、NHK・BSで「噂の寅次郎」を見る。何度、見ても名作だ。大原麗子が離婚届を出す場面。これは墨田区役所の前でロケをして
いるが、この辺り、日大一中の頃、隣の両国中の相撲取りの卵と喧嘩していた。懐かしいな。今は高層のホテルになっているので、この
場面、懐かしくて仕方ない。
終って、窓の外を見るとかなり強い雨。また水口本を開く。実に面白い。
今日のスクープ。読売新聞が上海領事館員自殺事件で、平成16年7月、内閣情報調査室は「わが国の機密情報が漏れた恐れがある」と
調査結果を上げていたが、当時の官房副長官(事務)が、小泉さんに上げていなかった。役人同士が「隠した方が良い」と隠蔽したのだろ
う。これは大スクープ。でも、大手新聞、テレビは追いかけていない。何故だろう。
<何だか分からない今日の名文句
多情多恨だから作家センセイ
4月10日(月) 「国のために死ね!」が宗教か?
小沢さんが毎日新聞のインタビューで、靖国神社へのA級戦犯合祀(ごうし)について「そもそもあそこに祭られるべき筋合いではな
かった」と明言した。小沢さんらしい喧嘩作法。対立軸を明らかにしたようだが、まともな意見だろう。
自民党は、この発言にかなり神経質で、安倍さんが早くも「合祀、分祀は宗教法人・靖国神社が決めることだ」と反発した。
しかし、安倍ちゃん、それが間違っている。どう言い逃れをしようが、靖国神社は断じて「宗教」ではない。靖国は国家機関だ。
靖国神社は1869(明治2)年、戊辰(ぼしん)戦争の戦死者慰霊のために創設された東京招魂社が前身。79年に靖国神社に改称し
た後、陸・海軍省直轄で、第二次世界大戦の戦没者ら「国事殉難者」を祭る神社として軍国主義の精神的支柱になっていた。簡単に言え
ば「国のために死ね!」「戦死したら靖国で会おう」という“教え”である。それが証拠に、大空襲や原爆の被害者たち「戦争の犠牲者」
は一人として祀られていない。靖国は「国のための機関」であることは間違いない。
宗教とは何だろうか。憲法第二十条・信教の自由には「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特
権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」とある。宗教を信仰する自由(信仰をしない自由)を保障し、国家権力の干渉を禁ず
る、と日本国は宣言した。
この条文は「国家権力の干渉」を避けるために作られた条文である。(キリスト教の布教のため、占領軍が主張した、という説もあるが、
それは別の機会で書くつもりだが)ともかく、国家権力がある宗教を後押ししたり、ある宗教を弾圧したりすることは出来ない。それにも
関わらず、靖国は特別な扱いを受ける。「国のために死ね!」という靖国の主張は、国家権力の最大の干渉である。これを“宗教の教え”
と主張したとしても「宗教を信仰する自由」と対峙する“ヘンな教え”である。
「宗教上の信仰」とは、絶対的存在(神、造物主、仏、宇宙創造者など)の教えを無条件に容認する人間の精神的行動を言う。国の意向
を無条件容認する事とは、明らかに違う。
ところが、戦後、連合国軍総司令部(GHQ)は政教分離指令(神道指令)を出す。やむなく靖国は「宗教法人」に改組された。ことの
発端は全てここにある。
宗教の仮面を被った靖国の曖昧さ。国家主義の杜の靖国なら「国のため死ね!」と命じたA級戦犯を祀るのは、理論的には至極当然のこ
とである。しかし、それは、靖国に祀られた人々に取っては、あまりに理不尽な処置である。A級戦犯とされた人々は(戦争犯罪人である
かどうかは意見が分かれることはあるが)間違いなく300万人以上の犠牲者を出した「戦争責任者」である。僕の友人の何人かは、父親
が戦死し、靖国に参拝していたが、A級戦犯が合祀されてから靖国神社参拝をやめた。
小沢さんは「分祀は合祀を前提にしている言葉だ」と否定的な考えを示した上で、合祀問題の解決策として「事実上、合祀状態をなくせ
ばいい」と話したらしい。つまり、合祀されている戦没者の氏名を記した「霊璽(れいじ)簿」からA級戦犯の氏名を削除するやり方なの
だろう。
それも一つの考えではあるが、僕はそれだけでなく、靖国が宗教法人に相応しいかどうか、これを議論しなければならないと思う。この
ままでは、この問題は尾を引き、その度に、諸国から「内政干渉」とおぼしき攻撃を受ける。そんなことがないように、するのがリーダー
ではないのか。
靖国を全否定しているわけではない。全ての戦争の犠牲者が「銃を持つ、待たない」に関わらず、全員祀られ、国家主義を放棄する社に
なることを願いたい。
そうそう、初めに「小沢さんの喧嘩作法」と書いたが、小沢さんの本当の狙いは、靖国問題を持ち出して自民党と公明党の間にクサビを
打つことだろう。公明党は首相の靖国参拝を苦々しく見ていたのだから。本音を言えば、小沢さんは「靖国で公明党を引き戻す作戦」。
二大政党なんて言うけれど、残念ながら、公明党がキャステイングボートを握っているのだから。
大きな声では言えないが、小沢さんは自民党から流れた○○の実態をよくご存知だから、攻め易いのかも知れない。
午前中コラム「大きな声では‥‥」に「日本で最も美しい村連合」を話を書く。雨が降ってきたので、午後は仕事場に籠り、資料集め。
<何だか分からない今日の名文句
平和のリトルバーズ
4月9日(日) ブッシュの敗北
フセイン政権崩壊から3年。新聞は「イラクは戦時下としかいえない状況」と書いているが、ハッキリ言って「ブッシュの敗北」である。
今年に入って、殺害されたイラク人は1月に約600人、2月に700人、3月には900人に達している。米兵も3ヶ月で150人
ぐらい殺されている。内戦である。
この日記で、何度か「ベトナムの二の舞になる」と書いたが、もはや「ブッシュの敗北」と言って良いだろう。
ブッシュが言う「統一された国軍」とか「挙国一致内閣」なんて幻想である。アメリカには「内閣が出来なければ撤退する」と圧力を
掛けろ、という世論が強くなっている。ブッシュの敗北である。そんな事態になって(もちろん、アメリカにはイラク増強論もあるが)
日本はどうするのか。一度として、日本の意志で物事を決めたことのない「イラク対応」。そのツケがやって来ている。小泉さんはこれを
隠している。
メディアは、特に民放各社は「イラクと小泉」を取り上げようとしない。刺客の小泉劇場は面白い、面白い、と報じ、ホリエモンは面白
い、と伝えるけれど、イラクのことについて、何も報じない。
小泉さんは○投げ男だ。外交はアメリカに○投げ、経済は竹中(=アメリカ)に○投げ、世論操作は飯島に○投げ‥‥全て○投げである。
イラクは○投げされ、真実は常に報道されない。
でも、中途半端のマスメディアだけが頼りではない。草の芽の反戦運動は続いている。例えば映画「リトルバーズ イラク戦火の家族た
ち」の自主上映。日本のメディアが引き上げた後、イラクに残り、イラクの真実を写し続けた綿井健陽さんのドキュメント。123時間の
映像の中から、102分にまとめられた映画は、日本の各地で上映され「非戦の仲間」を増やしている。(DVDも出来たらしい)
民主党の新代表・小沢さん「小泉さんは、戦争責任者を祀っている靖国に行くべきではない」と話したらしいが、問題はアメリカとの
距離感である。小泉さんよりアメリカ寄り、という見方もあるから‥‥。
週末はゆっくり。桜花賞は格好の穴馬を探し出した。単騎の逃げ馬。一枠。初めて400キロ台に絞り、人気は9番人気。これぞ、穴馬
中の穴馬とウキウキして馬券を買ったのだが‥‥ゴール手前5メートルで力尽きた。でも、久しぶりに興奮。
今週は皐月賞。今度こそ! やっぱり競馬は面白い。
<何だか分からない今日の名文句
平和のリトルバーズ
4月6日(木) 昔の名前の民主党
民主党はどう見ても、一時代前の自民党。予想通り、お互い立候補宣言してから「降りろ!」「降りない!」の駆け引き。俺も黄門に
なりたいとでも、思ったのか、羽田孜元首相が会談設定に現れたのには、思わず笑ってしまった。
僕から見れば代表選の風物詩・河村たけしの方がまともだ。この辺りのことを「青い空 白い雲」で書く。
夜、仲間とJR浅草橋駅近くの蕎麦屋。それから、浅草の「たんぽぽ」(「ひまわり」の姉妹店)。ママに納まっているジュンちゃんは、
このところ、男断ち、酒断ち。すこし、痩せたようだ。
親友の一人、六本木のニコニコ野郎は韓国人ホステスさんとダンスをしてご機嫌。新しく知り合いになったミカチャン(男性)は礼儀正
しい好青年。脚を崩すこともなく、河合なお子の素晴らしさを強調する。また、良い友達が出来た。
深夜は原稿。朝まで。そろそろ、民主党の立候補締め切りか、とテレビをつけると、テレビ朝日が「八戸せんべい汁が全国展開される」
と報じている。僕もせんべい汁大使の一人。協力しなければ。
<何だか分からない今日の名文句
口化粧は美徳
4月5日(水) クリントンと小泉さんの「余生」
朝からTBSラジオの準備をして、午後2時収録。帰りに六本木事務所。4日、小倉競馬場長が散歩中に倒れて急死した。
開催が終わり、ホッとして散歩している最中だったらしい。JRAの柱になる人。残念だ。JRAの社葬?になったので、
目ぼしい幹部は小倉へ。同期の東京競馬副場長らも、小倉に向かった。
だから、JRA六本木事務所は閑散。話し相手が居ないから、という訳でもないのだが、
たまたま時間が空いた高橋さんとホンの少し世間話。ソフトバンクの孫さんが、どういう風に競馬と関わりを持っていくのか。
この辺りが二人の共通の関心事だった。
その後、出社。サンデー毎日の「青い空 白い雲」の担当デスクが隈さんから中根サンに変わった。
で、ご挨拶。中根サンは昔、タマちゃんの下で大学班の仕事をしていた若者。奴がもうデスクに出世したのか?
感無量。時間の経つのは早いものだ。
サンデーのコラム欄は今週号から、なかにし礼、村松友視、池田晶子が加わった。強力な布陣。
よく集めたものだ。山本編集長の力量?
まあ、僕とは守備範囲が違うので、別段、負担にはならない。
仕事場に帰れば、テレビは民主党代表選一色。小沢さんは話すのがヘタだから、選挙になると不利である。
一つだけ、コツをお教えしよう。「ただ」という言葉を使いすぎだ。「選挙でも良い。ただ、話し合いを悪く言うのは間違い。
話し合いは民主主義の最大のルールだから」と強調した。「ただ」がまずい。
それを言うなら「選挙は避けられませんが、民主主義の大原則の話し合いに全力をつくします」と言えば良いのだ。
「後よし言葉」というテクニックがある。「全力を尽くしていますが、納期には間に合いません」と言うより
「納期に間に合いませんが、全力を尽くしています」と話したほうがベーターなのだ。常に前向きで、言葉を終える。
「ただ」という言葉には「言い訳」のニュアンスが滲み出る。(優秀な)政治家が使う言葉ではない。
小沢さんは堂々と「話し合い」で決めようと思ったのだから(それは誰の目にも明らかなんだから)
「話し合いは善」を至極、当然のように話すべきだ。どうせ、人間社会、話し合いで決着するのだから。
もし、小沢さんが負けるとすれば、その原因は‥‥小泉さん、菅さんに比べ、
あまりに彼が口下手であることだろう。
深夜、CBSを見る。クリントンの特集。クリントンはエイズ撲滅で全世界を駆け回っている。
ブッシュの親父と組んで、ハリケーンや津波でも人道支援の先頭に立っている。大統領を終えても、
ライフワークをハッキリと表明して、影響力を持ち続ける。エイズの治療薬の値下げをインドの製薬会社に申し入れた。
大統領を辞めても、米大統領は「僕だから出来る仕事」を持ち続ける。
それに引き換え、日本の政治家は‥‥細川さんは今、何しているのか。海部さんは何しているのか。
総理大臣を辞めてから、一定の影響力を持っているのは中曽根さんぐらい。
政治にロマンを持ち続けることが、日本の首相経験者には出来ないのだ。政治ではなく、魑魅朦朧の世界で、
疲れ切った奴ばかり。ただ、飽き飽きとして、引退するだけである。
小泉さん、戦後3番目の長期政権。在職1807日。(因みに、僕は「中曽根政権1806日」という本を書いたから、
何か、自分の記録が破られたような感じ)
昨今、小泉さんも「サッと引くのが良い」と言っているようだが‥‥。
今日のガセ風?特ダネ。週刊新潮「危篤、自殺未遂説まで流れる小池環境相の病名」。発売より一日早く手に入れたが、
ああ、騙された。
<何だか分からない今日の名文句
口化粧は美徳
4月4日(火) 所有か、使用か
仕事場の壁にくっついている本棚がギシギシ言い出した。ヤバイ!(「カッコいい」というのではない。「危険」という意味だ)
本が入りすぎている。捨てなくてはいけないのだが‥‥思い切りが悪く、捨てられない。プレゼントされ、ペラペラと読み「後で
暇があったら読もう」と思っているのが、そのままになっている。多分、読まないだろう。
どうしてもコレは読みたいと思って、本屋で買ってきた場合「何だ、つまらない」と直ぐ捨てるケースが多い。か「流石に、これは名著
だ」と思ったリすれば本箱の長期滞在者になる。そして、本箱は崩れようとしている。どうしたら良いんだ。
午前中、300冊ぐらい捨てた。でも、これ以上、捨てるのは‥‥躊躇する。ああ、俺って駄目だなぁ。
時代は「所有」ではない。「使用の時代」だ。デジタル技術、インターネット。持たないのが“強み”の時代なのに。生活空間は、いた
るところに、ネット接続の情報端末がある。ものを持っている必要はない。捨てなければならない。「所有」ではなく、使えば良いのだ。
でも、それが出来ない。所有することの安心感。「ネットはいつか故障する。それでも良いのか?」と思ったりする。
時代遅れの人間なのだ。
午前中に設計士の青年が、隣のビルの境界に関する資料を持ってきてくれた。役所の書類はまだ、ネット化されていない。だから書類は
残さなければならない、と思ったりすると、また窮屈なスペースが嫌になる。
午後「競馬はロマン・GT編」を書く。デスクのたまちゃんは「4月から、毎週毎週、書く必要はありません」と言っていたが、春のG
Tシリーズが始まっているので、何ら変わらない。
夜、競馬仲間と一杯。例によって西新橋→観音裏。徳さんは歌がこんなに上手なのか。驚かされる。
深夜、雑誌点検。月刊現代に魚住昭さんの「追及!耐震偽装問題」が載っている。本当の悪者は誰なのか。ヒューザーと木村建設は被害
者ではないか、という視点。実に面白い。
<何だか分からない今日の名文句
会うは別れの初め
4月3日(月) 「大きな声では‥‥」スタート
出社。新年度で、何処も彼処も緊張している。若い奴に冗談が言えない雰囲気。やはり、人事異動は必要なんだろう。
僕に関して言えば、4日付け夕刊から「大きな声では言えないが」というコラムが始まる。「ここだけの話」「キレ珠」の路線は変わら
ず、権力が隠していることを、ズバッと書きたい。通称「実は大声」。いつものように、圧力じみたこともあるだろうから、結構、しんど
いけれど、堂々と書き続けたい。
第1回は「粋な人の迷セリフ」。書き出しに名画「カサブランカ」の名セリフを使いたいので、格安DVD(500円)を購入して、
記憶を確かめてみた。学生時代に見て、覚えておこうと思った、あのセリフ。間違いなかった。いつか、使ってみたいな、と思っていた
が、やっぱり、そんな場面はなかった。俺って、モテないんだ(笑)
「カサブランカ」並みのセリフで「平気のヘイ」で権力者が逃げよとするのに、マキ流でイチャモンをつけた。読んでくれ。
今度のコラムから筆者の似顔絵が出る。「全員、そうするんですから」と言われ、渋々、OKした。こんなに「不細工な顔」だとは思わ
なかった。ああ、恥ずかしい。
夕方、ことしは、まだ花を見ていなかったので強風の中、深川・高橋と上野の山の桜を見にいく。三日月にピンクの花びらが舞う。散り
行く桜は大好きだ。倅が昇進したという知らせ。不忍池の近くの居酒屋で寒ぶりの刺身で、一人で一杯。春だなぁ。
<何だか分からない今日の名文句
4月の桜褪め
4月2日(日) 「負け街」が問題なのだ
3日昼、風邪をこじらした知人の病気見舞いで、日本海側の某市へ。駅を降りて愕然とした。ひとっこ一人、いない。立派な商店街があ
るのだがシャッターが閉まって、開いているのは約200メートルの間に、和菓子屋、薬屋、それに中ぐらいのスーパーだけ。街が死んで
いる。
もう一度、駅に戻って客待ちしているタクシーの運転手に「この町の繁華街は何処?」と聞くと「この辺り」だと言う。商店街を歩くし
かない。約10分の間に、人間を見たのは一人だけ。自動車ゼロ。
地方に行くと、必ず床屋に行くのが趣味? なので、薬屋に入って「床屋は?」と聞くと店番の老人が「ヘッ、床屋? この街には床屋
は‥‥かなり離れているところにはあるけれど‥‥。月の第一週は日曜、月曜が連休だからやっていない」。仕方なく、スーパーの1階
(と言っても2階はないが)の美容院に入る。「ごめん下さい!」と大声を二度出して、しばらくして店員が出てきて「シャンプー? 良
いですよ」
ともかく、人々に活気がない。どうしたんだろう。30年前に来た時には活気があった。「レストランはある?」と聞くと、これも同じ
一階にラーメン屋があるだけだという。「‥‥だったら、みんな、何処に行くんですか?」と聞くと「道の駅ですよ」。国道沿いの「道の
駅」が唯一の繁華街なのだ。
静かに静かに過疎が進んで、気がつくと(地元の人の認識は分からないが、僕から見れば)街は瀕死の重態。時代に乗り遅れ、死を待っ
ているようだ。JRの列車だって、未だに手でドアを開けるんだ。
地域格差がひどい。この市が中心になって、去年、町村合併が行われた。新しく生まれた市のハズレの方は、どうなっているんだろう。
合併で「小さな町の中だけの更なる過疎」が始まっている。無理やり合併させられた村は徹底的に過疎化される。もちろん、平成の大合併
は国、自治体の経費削減が目的だから、カネはさらに流通しなくなる。地方切捨て! でしかない。行政の垂れ流し、政治の怠慢が地方
イジメで、帳尻をあわす。
政治家は、地域を「票田」としか考えない。小泉流の、アメリカ流の民営化で、東京だけが豊になり、しかも、その東京の中心地がすで
に外資のモノになっている。大都会の「勝ち組・負け組」の問題より「勝ち街」「負け街」の地域格差が問題なのだ。それを指摘するべき
野党が、この体たらく。
石原慎太郎さんが3月31日、大東京マラソン構想を発表した。もともと新聞社主催のマラソンに違和感を感じていたらしく、東京都
(つまり「お上」)が中心になってやりたいらしい。これまでの2月の東京国際マラソンと5月の東京シティロードレースを統一して、
参加者3万人の市民マラソンにする。コースは都庁→皇居→東京タワー→品川→東京駅→両国→浅草→銀座。要するに東京名所マラソン。
名所ごとにイベントをするお祭りマラソン。話題になる。
しかし、首都圏には「青梅マラソン」という誇るべき市民マラソンがある。「青梅」が市民マラソンをここまで育てた。三多摩の活性化
の源でもある。この「青梅マラソン」は来年、この「大東京マラソン」と日程が重なり、泣く泣く2月4日に変更された。
何でも「東京」が良いのか。石原さんは「新聞社のマラソンは大嫌い」のようだが、清貧の新聞社・毎日新聞社は「別府大分マラソン」
など地方の歴史あるマラソンを守り通している。(他の新聞社はどうか分からないが)商売ではなく、地域の核になるスポーツを守らなけ
れば、新聞社の存在意味がない、というのが毎日精神である。その精神を無くすと、日本列島、なんでもかんでも「東京一極集中」になっ
てしまう。その「東京」はすでにアメリカに蹂躙されているのだ。
東京マラソンは来年の2月18日。そして、その頃、都知事選が話題になっているはずである(4月22日、石原さんの任期満了)。
まさか、東京マラソンは「慎太郎再選シナリオ」の一環ではないと思うのだが‥‥アメリカにNO! と言える政治家と期待した人もいる
が、慎太郎さんもアメリカの尻馬に乗ったのかしら。
<何だか分からない今日の名文句
アリバイ合併より「地域ごころ」の団結