編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2006.1月

1月30日(月) BBLTで小泉アウト!

 毎日新聞が朝刊で「施設庁発注の工事に官製談合!」とスクープを放ち、それから何時間も経たずに、疑惑の審議官ら3人の技術系官僚 が逮捕された。もし、報道した事実を放置していると、証拠隠滅の恐れがあるし、場合によっては、自殺者も出るという最悪の事態もあり うる。地検は慌てたのかも知れない。

 これで、噂され、現実になった「BBLT」で、小泉お笑い劇場は悲劇な結末を迎えそうだ。(BBLTとは、米国産牛、防衛施設庁、 ライフドア、耐震強度偽装。それに「W」もすぐだが、これは標的が親小泉人脈か、反小泉のトップか‥‥その方向で、事態は微妙に変わ るが、政界不信と言う意味では、何ら変わりない)

 米国牛肉輸入再開問題で、閣議決定した「事前調査」を怠った農水省。30日午前の衆院予算委員会で中川農水相は「責任を取る」とま で言及したが、午後2時半、小泉、麻生、二階、中川が協議して「答弁を撤回して、責任は取らない」という風に作戦を変更した。中川 さんは「辞めたかったハズ」だが、気の毒である。最後まで、国民を愚弄する小泉。許せない。

 しかし、浮き足立っている。まさに政権末期だ。29日、NHKのテレビ討論に武部さんが日程を理由に欠席したのも、イロイロあって ‥‥末期だ。

 先週の「キレ珠」(1月25日)は「Bullに、Bearに、ご注意あれ!、政権末期の小泉さん」という締めで終えた。そこには 「カラ売り(Bear)の外資」と「アメリカ産牛肉(Bear)」という二つの意味を込めたのだが、このカケ言葉通りに、政権は牛で 末期症状である。

 今、永田町で、ライブドアの投資事業組合に関わる政治家の名前が囁かれている。

 今週の「キレ珠」(1月31日夕刊)は、政権末期を具体的に書こうと思っていた。その心算で「カケ言葉」で終えたのだが‥‥どうし ても、書かなければならないことがあるように思える。このまま、放置して良いのか、悩んだ末、マスメディアが意識的か、無意識なの か、自殺で片付けようとしている「あの件」を書いた。読んでくれ!

<何だか分からない今日の名文句>

小泉の日は釣瓶落とし

1月29日(日)小泉さんよ、嘘を言いうな!

 映画なんて、年に何回も見ないのだが「有頂天ホテル」が面白かったので、28日は、 映画主演3年ぶりのジョディ・フォスターの「フライトプラン」を見た。

 事故死した夫の亡骸を乗せた飛行機に、娘ともに乗り込んだ主人公カイル (ジョディ・フォスター)。その機内で、突如として娘の姿が見えなくなる‥‥という サスペンス。

 フォスターの鬼気迫る演技。スリリングな展開‥‥手に汗にぎったが、 終ってみると、犯人はナニを狙ったのか、その辺がチト分からない。 どうも、洋画は物語の伏線に気づくのが苦手だ。

 ホリエモンは、かなり早く、六本木ヒルズのヴァージンシネマズのプレミアスクリーンで、 この映画を見て激賞している。「社長日記」に「エアラインのサスペンスものは大好きなので、 かなーり楽しめました。この冬オススメの映画です。ブログでのレポートもあります。 ジョディ・フォスターさん、すごいかっこいいです。美人であたまも良くて演技もうまい。 最高ですね」と書いていた。本当は、女優さんと一緒に招かれたのがうれしかった(笑)?

 そう言えば、ホリエモン事件。ライフドアへの強制捜査の2日後の1月18日午後、 カプセルイン沖縄3008号室で、血だらけで発見された、側近だった 野口英昭・エイチ・エス証券副社長。頚部、左手首、腹‥‥計4ヵ所に鋭利な刃物で刺した跡が あり、内臓が飛び出していた。警察は早々と「自殺」と断定したが‥‥このところ、 かなり多くの人が「他殺説」に傾いているような気配を感じる。 ネットでは、かなり具体的な言及もあるが‥‥どこまで、真実に肉薄しているのか、 亡くなった野口さんは、草葉の陰で「真相を暴いてくれ!」と叫んでいるだろう。

 29日は、ことし始めての府中競馬場。JRAの春の人事異動で、船場長がやめるので 「ご苦労さん」と挨拶。3年がかりで、総務部長→東京競馬場長として、 天覧競馬実現に苦労した人物。今回のJRAの異動は大規模なもので、取りきり、 優秀とされる「50年組」から理事(重役)が出た。世代交代と言って良いのだろう。

 馬券は3レースやり、2レース的中。でも、それほど儲からなかった。

 毎日新聞は30日から「揺れる日米中」の企画ものを始める。 ギクシャクする日米中の背景を書くものだが、第一回の書き出しは‥‥小泉さんが参院代表質問で 「中国、韓国以外に靖国参拝を批判する国はない」と発言した、その真意から始まる。

 「中国、韓国以外‥‥」という言い草、小泉さんの大嘘。アメリカの親日派も、 靖国神社の戦争博物館「遊就館」の展示内容に強い違和感を感じている。 太平洋戦争を賛美するかのような展示である。親日派が心配している。反対は中国、 韓国だけでないのだ。

 国内だってそうだ。A級戦争指導者と戦争犠牲者を一緒に拝むのに、 心ある日本人は反発している。彼らが「戦争犯罪人」であるかどうかは、ともかく、 日本人を300万人も殺してしまった「戦争責任者」であることは事実である。 彼らの間違った判断がなければ、犠牲は避けることが出来た。

 再三言うが、何か不利なことが起こると、小泉純一郎という政治家は「靖国」 を“おもちゃ”にして、突如「靖国」を持ち出す。ホリエモン、姉歯と不利なこと続くと、 小泉さんは政局を「靖国」にすり替える。

 「不戦の誓いのために参拝する」と平気で嘘を付く。東京招魂社の昔から、 靖国神社は「天皇が行う戦争は聖戦」と信ずる原理主義の社だ。 「不戦を誓う神社」ではない。何故なら、祀られているのは、お国のための死んだ軍人であって、 広島、長崎、東京大空襲で犠牲になった一般市民は祀られていない。

 中国や韓国はA級戦犯合祀を問題にするが、ことの是非は日本人が決めることだ。 日本人は冷静になれば「戦争の犠牲者」を祈ることなく「戦争責任者」を祈る小泉さんの不思議。 これはペテン師だ。戦争で亡くなった人は何と言うだろうか。

<何だか分からない今日の名文句>

残念ながら、死人に口なし

1月26日(木) 有頂天ホテル

 ホリエモン逮捕以降、ライフドア株は1〜2円の利ざや狙いでマネーゲームが続いている。フジテレビの動向、新しく社長になった平松 さんが、読売の渡辺恒雄さんの“子分”だったこと(ナベ恒さんがワシントン支局長時代、平松さんは支局のアルバイトだった。これは、 ちょっとした秘密だが、宇多田 ヒカルのオヤジさん・音楽プロデューサーの宇多田照實さんも、同じように、ナベ恒さんの勧めで、読売 新聞のニューヨークでアルバイトをしていたらしい。歌手の母:藤圭子に聞いた話。ナベ恒の人脈は広い)‥‥あれやこれや、と材料を探 しては、兜町はゲームを仕掛ける。

 日本人の1/4強 が株をやっている、というデータもあるらしいが、欲ボケ国家なのかもしれない。

 午後「青い空 白い雲」を落語調で書く。ホリエモン劇場は“お笑い”の範疇?

 国会で安倍信三官房長官は、シーザーの小嶋社長との付き合いを突っつかれて、幾分、過剰反応だが「追及が甘い」と見て、安倍ちゃん、 反転に出た。

 本当は、例の“宗教団体”慧光塾と「安晋会」の? がりあたりを追及したら、面白いのだけど。

 夜、急に映画が見たくなった。それの喜劇が見たかった。「THE 有頂天ホテル」を見る。四年ぶりの三谷幸喜作品。豪華なキャスト。 役所広司・松たか子・佐藤浩市・篠原涼子・香取慎吾‥‥実は役所が大好き。香取も大好き。

 舞台は“ホテルアバンティ”。副支配人の平吉(役所)はなんとか、大晦日を無事に終えたいと願っていたが、願いもむなしく、トラブ ルばかりが発生していく‥‥というストーリー。相変わらず、三谷作品は愉快だ。

 撮影したホテルは、どこだろうか。気になって、帰ってから、ネットで調べると「ホテルJALシティ羽田東京」。タイアップしているの だろう。 ホテル内の豪華な調度品はすべて、このホテルのものらしい。

  シングルプランは \10、000円 (朝食付き)だそうだ。ちょっと泊まってみたい感じ。喜劇でありながら、ロマンチックになるのが、 三谷映画。

 日本海側は、この週末も豪雪。ホリエモンで、メディアが大雪を忘れている。

<何だか分からない今日の名文句>

そこのけ、そこのけ、市場原理主義が通る
有頂天は誰だろう?

1月25日(水) ダイゾーの運命は?

 毎年、この時期になると、必ずやらなければならない納税関連の野暮用。朝一番で済ます。なぜ、こんなに税金を払わなければならない のか。相続税の延納で何年も、何年も、苦しんでいる当方としては、ありとあらゆることに税金が掛かるのに腹が立つ。酷税ニッポンが 許せない気分。

 その後、それなりの準備をして、昼、TBSラジオで「牧太郎のザ・コラム」を収録。それからJRA六本木事務所へ立ち寄った。昨年 の天皇賞の当日、東京競馬場で国旗が掲揚されなかった。実は、宮内庁との連絡ミスで、宮内庁は「国旗などを含め、日ごろを同じように」 という旨をJRA側に伝えた。天皇は行啓のたび、調度品をそろえるようなことがないように、と気遣われ、いつも、問い合わせには 「普通どおり」に宮内庁は答えているようだ。

 ところが、その連絡を受けたJRAの担当者が「国旗は掲揚しない」という意味と勘違いした。どうして、そう思ったか、混乱していた のだろう。実にドジである。

 当日の安全確保に気を配っていたJRAの幹部は国旗について、特別、気にも止めなかった。ケアレスミスの範疇である。

 競馬雑誌の投書欄に「日の丸がなかった」という指摘があって、多くの人が気づいた。ある週刊誌が「外務省の圧力で国旗を掲揚しなか ったのではないか?」と問い合わせて来たらしい。これも、全くの勘違い。そんなことあるはずがない。何事も、無理やり“日中の喧嘩騒 ぎ”にこじつけるのは、どうだろうか。

 ドジな、批判されても仕方がないが、精々、ゴシップの程度の話ではないか。

 多分、見識のある週刊誌のことだから、適切な扱いをするハズ‥‥と「意見と見通し」を話した。まあ、そんな程度の愚にも付かない世 間話で小一時間。

 そうそう、高知競馬のホリエモン(牡4歳)は28日、出走するらしい。競馬法によれば、馬主資格は禁固以上の刑が確定すると取り消 されるが、その前に「競走馬ホリエモン」は誰かにM&Aされるかも‥‥(笑)

 千葉7区。松本和巳議員が選挙違反の連座制で辞任したのに伴う補選が4月23日に行われるが、自民党は杉村ダイゾーを参院から鞍替 えするという意向だとか。本当か。

 今度は、何も分からない、でも、腹黒くない(ような)元フリーターを衆院選に出すのか。

 今度はダイゾーが広告塔か。バカ幹○長がやりそうな話。もし、衆院選で落ちたら、ダイゾー、元の木阿弥。濡れ手で粟の年収××00 万円が消えてしまうぞ。

<何だか分からない今日の名文句>

ホリエモンが居なけりゃ、ダイゾーがいる

1月24日(火) 逆さまつげ

 ほぼカン徹で、机に向かい、午前6時頃から「おけら街道」を書き出し、うつらうつらしながら、午前8時には完成。また、うつら うつら。

 毎日新聞朝刊の「記者の目・宮崎勤被告とその親」を読んで、目から鱗。思わず、筆者の滝野記者に電話をして「良い記事だった」と 伝えた。「親と子」の距離感は、どの事件でも、最大のテーマ。ホリエモン事件も、そうなんだろう。ホリエモンは「明るい家庭なんて あるものか」と言い続けている。

 前夜、大阪から、終戦特集の主筆賞受賞パーティに出席するため、上京していた広岩が、昼前、仕事場に顔を見せてくれた。「パーティ が終ってから午前5時まで飲んでしまって」。フロントから「チェックアウトの時間です」と言われ、やっと気がついたという。若いなあ。 午前5時まで、付き合うなんて。「幾つ? 56歳ですよ」と広岩。56歳で朝まで飲む。若いなぁ。

 毎日新聞大阪本社の編集局は、列車事故以来、活気付いている。必要な取材にはカネを出す、という当たり前のことが出来ている。積極 的な取材攻勢で、かなり刺激的な紙面を作っているらしい。「言論は現場で守る」という気概。約30分居て、新幹線に飛び乗って、大阪 へ戻っていた。午後4時から、朝刊勤務に入るという。広岩は相変わらず、スーパーマンだ。

 2日ぐらい前から、左目が充血していた。気になって、医者に行こうか、と迷っていたが、昨夜、六本木のニコニコ野郎から「目が赤い」 と指摘されたので、周囲に迷惑を掛けてはと、午後、浅草橋駅近くの目医者に飛び込んだ。

 「逆さまつげ」が折れて左目に入っていた。長さ約1センチ。「痛かったでしょう」と女医さんに居られた。前にも同じようなことが あった。

 「逆さまつげ」は正式には「睫毛内反(しょうもうないはん)」。まつげが、まぶたの付け根から、垂直に近い角度ではなく、鋭角で出て、 目の表面(結膜)に接触している状態である。まぶたに脂肪がついているために、まつげの根元が押し上げられ、まつげと目の表面の距離 が極端に近くなってしまう。赤ちゃんはそうらしい。

 赤ちゃんのまつげは、大人のまつげに比べて細く、ナヨナヨよしているので、腰が弱い。いったん目の表面にくっついて涙でぬれてしま うと、自分自身の弾性でもとに戻ることができない。

 いつも目の表面(結膜)がまつげで刺激されるために結膜に炎症が起きる。

 思いがけぬ「菊池の死」に、顔がくちゃくちゃになるまで泣いてしまったのが、原因か。要するに、やることなすこと、俺、赤ちゃんな んだ。

 夕方、銀座・松屋通りの床屋。帰って、ホリエモン事件の各紙の報道振りを点検した。ようやく、正面切っての小泉批判がチラホラ。 恐る恐る、という感じではある。

 当方は相変わらず、ニセ民営化猛反対。夕刊「キレ珠」で、相変わらず、小泉政治の愚を笑った。題して「牛に熊に、ご注意!」。 是非、読んでくれ。

 テレビは、衆院選でホリエモンと闘った亀井静香センセイのインタビューを流している。まるで、亀井さんが正義、亀井さんが犠牲者 みたいだが、大丈夫か。同時進行の地検特捜部の「M事件」のターゲットは誰なのか、ご存知か。

 寝る前、ネット点検。例の「きっこの日記」は狂牛病。「危険部位が丸々と入ってた狂牛肉を輸出許可したアメリカの検査官たちは 『日本向けの牛肉から特定危険部位を除去するなんて知らなかった』って言う、あまりにもワンダホーなコメントを炸裂させてくれた」 と詳しく書いる。面白いぜ。

<何だか分からない今日の名文句>

すべての権力は やがては死に体

1月23日(月) ホリエモンも犠牲者?

 朝から六本木ヒルズあたりを徘徊した。マスコミ各社の中継車、 ハイヤーが何台か並んでいる。ホリエモンが居住するマンションから渡り廊下のような ドンドン橋を渡って、彼が通常ならライブドアに出社する辺りに、 何人か、カメラマンがいる。

 ワザワザ大きな文字で「PRESS」と刺繍されたコートを着ている若い女性。 「ここを通れば、写真に撮られますよ」と言っているようなものだ。何か、 お祭り騒ぎに喜んでいるような雰囲気。緊張感がないのが、嫌だ。

 ともかく、その時点で「ホリエモン取調べ→逮捕」は時間の問題になっていた。

 考えると、マスコミって、いい加減なものだ。当方は、最初からホリエモンを 「胡散臭い錬金術」と批判し「彼はIT産業ではない、デパート白木屋乗っ取りの 横井英樹のような買占め屋だ」と新聞でも、サンデー毎日でも、 JREASTでも、世界週報でも、書き続けていたから、別に恥ずかしいこともなければ 「ホレ見たことか!」とはしゃぐ事もない。冷静に分析を続ければ良いのだが、 ちょっと前まで「時代の寵児」と持てはやし“ホリエモンもの”で商売をしていたメディア、 特にテレビのコメンテーターが、手のヒラを返すように、ホリエモンを 滅茶苦茶にこき下ろす。

 マスコミって(特にテレビって)無責任極まりない。もしかすると、性悪なのかも知れない。

 そのテレビが「小泉劇場」なんて言葉に乗せられて、小泉圧勝のお先棒を担いで、 日本を軽〜い国にする。嗚呼、嫌だ。嫌だ。

 夕方、NACK5とかいうローカルなラジオ局から電話出演してくれと頼まれ 「ホリエモン逮捕寸前」を話した。パーソナリティさんは「ズバリ、ホリエモンのこの後は?」 と何度も聞いたが、それはどうでも良いことで「メディアの責任、政治家の責任」に ついて話してみた。

 <金儲け=善>の風潮を作ったのは小泉さんであり、竹中さんである。マスコミである。 ホリエモンだって、ひょっとすると、小泉政治の犠牲者かも知れない。

 夜、赤坂プリンスホテルでJRA賞授賞式。終って車に乗ればラジオが 「ホリエモン逮捕!」の速報。仕事場に帰り、窓の向こうの隅田川を眺めると、 首都高速7号線にパトカーに先導されたホリエモンの車列。ああ、やるせない。

 深夜、仕事が終わった倅がやって来て、亡くなったことが1年半後に分かった 菊池伸先生の思い出話。ビールを少し多めに飲む。

 倅が帰ってから雑誌「TARU」の「没後10年・司馬遼太郎に酔う」を一気に読んだ。 司馬遼太郎は産経新聞の記者だった頃「サラリーマンの金言」という本を書いていた。 始めて知った。その時は「福田定一」という本名だった。小遣い稼ぎのノンフィクション?かな。

 ジャーナリストとして時代を書くか、小説で時代を書くか、司馬遼太郎大先輩も悩んだこともあったのだろう。どっかと、座るところを決めた人間は言い仕事が出来る。俺なんて‥‥。  隅田川の夜景は相変わらず綺麗だが、電気が次々に消されると、大都会の虚飾が剥がれていくのを 見ているようで‥‥何となく、何となく、朝まで、眠れなかった。

<何だか分からない今日の名文句>

山笑う、山滴る、山粧う、山眠る‥‥それが人生

1月22日(日) 泣いてしまった

 東京が大雪の21日、非情な葉書が届けられた。

 「亡き夫 伸は平成16年9月、天国に旅立ちました。突然の出来事で、 私自身、気が動転して、お知らせることが出来ず、現在は何とか落ち着きを取り戻せた状態です。 昨年、今年と、年賀状をいただきましたが、ご返事を出さず、失礼いたしました」

 伸‥‥「菊池伸」ではないのか。急いで、差出人の名前を確かめると、 そこに菊池先生の奥さんの名前があった。

 そんなバカな!

 菊池が死んだなんて‥‥それも、一年半前に‥‥まさか。悪い夢ではないか。

 倅に電話した。「菊池から年賀状は来なかった?」と聞いた。「来ていたよ」という返事を 期待した。が「それが、今年も来ないんだ」と倅が言う。この瞬間、 ワッと泣きくずれてしまった。

 菊池先生は、市川市立真間小学校で、倅を3年から卒業するまで面倒を見てくれた教師である。 サッカーの監督をしていた彼は、喘息の持病を持つ倅をゴールキーパーに起用してくれた。 勉強より、健康、伸び伸びと生きる‥‥という熱血教師だった。

 僕より、若干、年下で、すぐに意気投合。何度か、酒を飲むようになった。 父兄というよりは、飲み友達のようなもので、市川からワザワザ銀座へ飲みに行ったり、 痛飲して、翌朝は僕の家から、近くの真間小に出勤したこともある。

 青森生まれ。弘前大学卒業だったと思う。青森訛りで、酔うと、当時、僕が書いていた 月刊現代の原稿を滅茶苦茶に批判したりして、うれしそうだった。 彼が、どう思ったか分からないが、僕は「仲の良い兄弟の口げんか」と思っていた。

 半分は冗談だが「真間小学校の校長になるんだ」「娘は真間小の教え子に貰ってもらう」 と言うのが口癖で‥‥時々、奥さんが病気な時などは「放課後まで、預かってくれ」 とまだ幼稚園にも行かない娘さんを我が家に置いて、登校したりしていた。 お嬢ちゃんを面倒を見ながら、冗談が本当になったら、俺たち、兄弟だ‥‥何て思ってたりした。

 倅が中学に進んでからも付き合いは続いた。彼は市川市内の小学校を転々としたが、 サッカー一筋の彼は、どこに行っても人気者だった。チャレンジをしたいと、 シンガポールの日本人学校の教員を務めたこともある。帰国後、日本人社会のことをイロイロと 教えてくれた。

 前向きで、何しろ、爽やかな奴だった。

 僕が脳卒中に倒れて、市川暮らしを止めてから、会うこともなかったが、 倅との交流は続いていたのだろう、何かにつけて、倅は彼に相談していたらしい。 親にも言えないことを恩師に相談できる。そんな幸せは、なかなか、ないものだ。

 世間から見れば、あるいは「半人前」かも知れないが、倅が、コトの善悪がハッキリ分かり、 自分に(もちろん周囲に)嘘をつかず、明るく、何事にも挫けない若者に成長したのは 菊池先生のお陰である。殆ど、深夜の取材で、家をほったらかしていても、 菊池先生がいるから大丈夫、という思いの連続だった。

 数年前、彼は、僕の仕事場に倅と共にやって来てくれた。ビールを飲みながら、 社会人になった倅に、何事かアドバイスしていたのを覚えている。

 遅くまで、倅の相手をしてくれ、痛飲していくれた菊池先生。俺がいなくなっても、 奴が相談相手になってくれば、倅は大丈夫‥‥と思ったのに‥‥。

 その後、彼は幼稚園の園長をしたり、管理職でも頭角を現したのだろう、 市川市少年自然の家の所長になった、と聞いた。

 2002年、学校5日制が完全実施される年度から、彼は土曜日を中心に小中学生の 「わくわくチャレンジ教室」を開いた。子供たちに「生きる力」を育成するためのイベント。 湿地探検や宿泊天体観望会など盛り沢山だったらしい。いつか、自然の家に遊びに行こうと 思っていたのだが‥‥

 その彼が‥‥突然死なのか。頭が混乱した。電話口の倅は押し黙ったままだった。

 あまりに若い死だ。

 ネットで、彼のことが分かるものがないのか、と検索した。一つだけ、あった。 「市川市役所市役所HOTライン」に彼の文章が残っていた。

   自然に親しむ(市川自然博物館 菊池 伸)

 暑くもなく寒くもないさわやかな季節となりました。この時期に、自然にふれ、 自然に親しみながらゆったりとした気分を味わえる身近な場所として大町公園自然観察園の ご案内を致します。

 湧水によって潤う湿地と斜面林によって成り立っている自然観察園では、 今たくさんの野草や樹木等を楽しむことができます。・・・ピンクのとてもかわいいらしい花を つけて群生しているミゾソバ、目にも鮮やかな朱色のカラスウリ、枝に大きな雨だれのような 感じで数え切れないほどぶら下がっているエゴノキの実・・・

 植物だけでなくトンボやチョウ等の昆虫や群れて泳いでいるカダヤシを 観察することもできます。

 どうぞご家族、友だち同士で市川に残っている貴重な自然を味わってみてください。

 公園に隣接している動物園での小動物とのふれあい、少年自然の家でのプラネタリウム等も あわせてお楽しみいただけます。

 彼は、自然を大事にする教育に力を注ぎ、自然博物館の館長になっていた。 念願の「真間小の校長」にはなれなかったが、自然と共に子供たちと一緒に過ごし、 短い一生を終えたのだ。

 楽しい一生だったに違いない、と僕は必死で思うことにした。

<何だか分からない今日の名文句>

菊池伸、君は「日本晴れの男」だった

1月19日(木) ブラック・マネー?

 朝、外に出ると、寒さでに右足がちぎれるように感じる。多分、気温が2、3度なのだろう。左の足は特に感じないのに、麻痺というも のは妙な現象だ。まったく感覚がなかったり、突如、妙な激痛が走ったりする。風呂場で冷たい水を麻痺した右足に掛けると、熱いと感じ たりする。妙な現象だ。

 ちぎれそうな右足を引きずるようにして約2キロ。たいとう診療所に着いた。今年、初のリハビリ。また、患者さんが増えたような気が する。

 今井先生に挨拶しようと思ったが、彼、喉が痛くて休診。珍しいことだ。今井君がいないと、患者さんがガッカリする。早く治ってくれ!

 仕事場に戻って「青い空 白い雲」を書く。どうしても「ホリエモンもの」になってしまう。他人と同じような調子にはしたくない。

 「青い空」は真面目に書いている。日本の知的衰退を放置してはならない、と思って書いている。

 日本人の知的衰退の理由は幾つもあるが、その大部分の責任はマスメディアにあると思う。マスメディアはあまりに無責任すぎる。 テレビを見ていると、1年前、ホリエモンのことを「時代の寵児」のように持てはやしていたコメンテーターが、平気で、ホリエモンを 「ズルい奴」と解説する。初めから、ホリエモンは胡散臭い、カネの亡者。今に始まったことではない。そう書き続けている当方は、 コメンテーターさんの変身(変心)にビックリしたりする。

 無責任だけならまだ良いのだが、平気で「時の権力」に尻尾を振る。権力者の言いなりだ。権力者が大変な勘違いをしているのに、彼ら の言いなりだ。

 小泉さんは、ホリエモン・スキャンダルを「東証のシステム問題」にスリ変えようとしている。システムの問題は大きな問題だが、政治 家にとっては「汚い錬金術野郎」をスターのように扱ったことの方が犯罪なのだ。大学の先生が政治家になって「市場原理主義」と言う名 の「錬金術」を褒め称える。犯罪のようなものだ。

 今「上流の階層」と「下級の階層」に分かれる、と言われるが「金持ち=上流」なんて考えている政治家は最低だ。カネで人格を区別す るから、世の中に「知的衰退」が起こる。

 本来「上流」とは自らも、他の人も、豊かな生活をしようと努力する「知的な連帯人」のことである。自分だけ儲けようとする人間は 「下流以下」だ!

 今年の大ニュースは姉歯事件、ホリエモン・スキャンダル。それ以上に大きな豪雪。豪雪地帯は地方切捨ての中で、皆が団結して、生命 を維持している。その連帯が上流なのだ。「カネ儲け」では感じられない「爽やかさ」を実感しているのが、上流というものだ。人間を 「金儲け」で区別する政治家はもうゴメンだ。

 そんな気持ちを込めて、ホリエモン・スキャンダルの背景を「青い空 白い雲」に書いた。事態がクルクル変わったので、締め切りが深 夜になってしまった。

 沖縄へ逃避行した(らしい)堀江側近の野口さんの遺体。自殺と断定されたらしい。また「よく知る人物」の死。痛ましい。

 何故、沖縄なのか。何故、那覇のビジネスホテルなのか。疑問が残る。悪い癖だが、僕には一度は「殺し」を考える習性がある。

 普段から「うつ病」であったとか、何か別の要因があって、取り調べの辛さが重なって、死を選ぶこともあるが、今回のケースは‥‥ 簡単に「自殺」と断定して良いのか。子供の中学の進学を機に引っ越したばかりなのに。

 僕は汚職事件で自殺したとされる人間は、10人に1人は殺された、と思う方だ。

 姉歯事件にも言えることだが、闇の組織が、どこかで、大事件には介在しているものだ。ホリエモン・マネーに水面下の闇資金が混じっ ているという兜町の噂。自殺としても、その原因はかなり複雑だろう。

 週末は東京でも雪の予報。大学センター試験になると、必ず雪が舞う。受験生の皆さんほどほどに頑張って下さい。東大に入っても悪事 の数々‥‥という人も多いから。一流大学に入っても「下流以下」はたくさんいるのだから。

<何だか分からない今日の名文句>

ニセ上流にニセ学者 ニセ・マンションに、ニセ人間

1月18日(水) 自殺者が出なければ良いが

 朝、三田病院。血液の検査があるので、朝飯も食べず、薬も飲まずにいたが、 血圧は126−70。血圧の薬を飲まないのに、その数値。最近は血圧が安定している。

 近くに来たので、ライブドア騒動で大揺れの六本木ヒルズ界隈を探訪。 テレビ局の記者がカメラを持って、ウロチョロしている。そこで野暮用1件、済ます。

 この頃、東証は個人投資家のパニック売り注文殺到で、システムが限界。 売買全面停止になった。

 そこで疑問@約定件数が400万件ぐらいでシステム処理が出来なくなる、って本当? アメリカと比べると‥‥お寒い話だ。

 マネックス証券というところは、ライブドア関連の5銘柄の信用取引担保価値をゼロにする、 と宣言した。ライブドア関連銘柄を担保にしている投資家は現金や別の有価証券の差し入れが 必要になる。午前中に売買取引停止だったライブドア関連株は、そんな背景があって、 午後、取引を始めるとストップ安。そして、取引全面停止。

 そこで疑問A信用取引で自己資金の3倍まで買い進んでいた投資家は、 この時点で、元本すべて無くしている計算になる。それでも、全面停止で売れない人がいる。 犠牲者(自殺者)が出たとしたら‥‥お寒いシステムが元凶なのか。

 疑問Bフジテレビは多分、ライブドアの株を12・7%持っている。平成19年まで、 持ち続ける契約だが、どうするのか。責任は誰が、取るのか。

 疑問Cライフドア・パニック相場は世界的な広がりをみせるだろう。市場はグローバル。 下手をすると、恐慌的な広がりになるかも知らない‥‥と、まあ、疑問・不安は広がるばかり。

 仕事場に帰って、ネットを点検。昨日「きっこの日記」に関係があるのでは‥‥と書いた 「×××com」に気になる個所があった。

 ライブドア株の100分割に関係するインサイダー取引の内部告発文書を載せている。 T証券の関係者が書いたものだ。「×××com」は「この内部告発文書その他に関しては昨年4月ごろより、 ある筋を通じて当局に提出していた」と書いている。 この記述が事実なら‥‥「きっこの日記」と同じように、ネットが世の中を動かしているのかもしらない。 「×××ネット」って何者?

 横浜市長の中田さんから手紙が来た。「市長になって4年。初心を忘れずやっている」。 以前、エコノミストに頼まれ「人間探検」の欄で、彼のことを書いたが、彼は「あの頃の志に反せぬ生き方をしています」と 報告してくれた。テレビで見る限り、ちょっと顔色に「暗さ」を感じていたが、 彼、頑張っているんだ。

 さて、4年経って、彼はどんな道を進むのか。興味がある。

 夜遅くなって、東京はかなり寒くなった。

<何だか分からない今日の名文句>

すべてはシステムの責任

1月17日(火) 宮内亮治さんがトップ?

 17日朝まで、ライブドアの家宅捜索が続いたらしい。ホリエモンは午前7時に記者会見をしたらしいが、6分あまりで、ライブドアの 社員が喋ろうとするホリエモンの腕を掴んで、引っ込めたようだ。

 テレビに出たい! 出たい! のホリエモン。その表情は消化不良? のようだったらしい。

 しかし、ライブドアの本当のトップは、すでにホリエモンではない。宮内亮治取締役。ホリエモンより5歳年上の「元UJF銀行行員」 が中心人物だろう。金融は宮内さんが引き取り、ホリエモンはまる投げした「ライブドアの広告塔」。宮内さんの取調べが何時になるのか。 そのヘンが焦点。

 午前中に「おけら街道」を書いてから、午後はテレビに噛り付いて、小嶋さんの国会証人喚問を見る。「刑事訴追の恐れがある」の一点 張りで、何も話さない小嶋さん。水面下で“密約”が出来たな、という感じ。「刑事訴追」なんて、もう当の昔に覚悟して「その後のこと」 で“脅し”を掛け、密約した、と見るべきだろう。しぶとい人だが、そうは問屋が‥‥。それでも、さりげなく「安倍官房長官の秘書」の 名前を出したあたり‥‥小嶋さんはシタタカ。

 日記の読者からメールで「きっこの日記」の筆者は「×××com」の関係者ではないか、という情報。なるほど、なるほど。2001 年2月「正義の星」としてスタートした集団。そう言えば、ジャニーズ疑惑も取り上げていた。「きっこの日記」も芸能ものが光る。 (そうそう、ジャニーズ疑惑は、我が同僚の女性記者もサンデー毎日の頃、取り上げ、奮闘した。その彼女は自衛隊疑惑で新聞協会賞を 2回も取った。関係ないことだが、芸能界の胡散臭いものを追及すると、世の中の「八百長」が良く見えるようになる)

 さて「きっこの日記」と「×××com」が関係あるのか。梨元さんにでも聞いてみるか。

<何だか分からない今日の名文句>

ホリエモン、君臨すれども統治せず

1月16日(月) 「八百長は犯罪」と知れ!

 最近「読者」と名乗る方から「何か不正が起こると、小泉さんが悪いかのように書く。それは間違っていないか。市場原理主義は正しい。 それを知りつつ、市場原理主義の小泉さんを批判するのは最低なジャーナリストだ」というご意見をいただいた。

 多分、地震強度偽造事件についても「小泉流市場原理主義に遠因がある」と書いたことを指して、批判されているのだろう。

 しかし、建築の検査を何の工夫もなく(法的なチェックもなしに)民間に任せるやり方は明らかに「金儲け=善」の小泉流至上主義であ る。「民に出来るものはすべて民」ではなく「民に相応しいことを民に」と考えるのが、まともな指導者。それなのに、検査される業者が、 検査をする側を選べる。これは八百長じゃないか。

 僕は市場原理主義を批判しているのではなく、八百長の市場主義を許すことが出来ないのだ。

 「八百長」とは、事前に勝敗を示し合わせ勝負をつけることーーである。明治時代、八百屋のオヤジ・『長兵衛(ちょうべえ)』通称 「八百長」。相撲の年寄『伊勢海五太夫』の碁仲間だった。碁の実力は長兵衛が勝っているが、商売上の打算から、わざと負けて伊勢海五 太夫のご機嫌を取る。ところが、ある日、「わざと負けた」のが発覚し、大騒ぎ。その後、わざと負けることを相撲界では「八百長」と言 うようになった。

 事前に示し合わせて勝負する八百長は、相撲以外の勝負事でも使われるようになった。が、最近はギャンブルの世界ではなく、経済の 「市場」でも八百長が大手を振っている。

 ライブドアに地検の手が入った。ホリエモンの強引な八百長的取引には、いつか、捜査の手が伸びる、と予想できたが、小泉内閣では 強制捜査はないどろう、というのが大方の見方だった。その意味では、意外だった。

 創業からわずか10年間で連結売上高784億円余、経常利益112億円余(それが正しい数字かどうか、分からないが)の企業グルー プに急成長したライブドア。IT産業と言うけれど、その実体は「買収を繰り返すことで儲ける金融業」である。

 「現金がなくてもM&Aはできる」と豪語する堀江モンだが、この言葉に騙されてはいけない。問題は「カネがある、なし」ではない。 取引の前に、特定の情報を得ているか、いないか、である。

 M&Aは株式交換のほか(1)会社と株主全体を取り込む合併(2)事業の一部を買い取る営業譲渡(3)不特定多数の株主から株式 を買い集める株式公開買い付け(TOB)(4)現金による株式の買い取り−−のイロイロな手法があるようだが、前もって、いずれに しても、特別の情報があり、あるいは嘘の情報を流したりすれば、必ず、勝てる。だから、インサイダー取引は刑事犯罪になる。

 ライブドア・グループが04年10月25日の月曜日、「マネーライフ社(港区)の100%株主であるVLMA2号投資事業組合に、 グループ株1600株を発行する」と発表した。グループは「新たに発行する1600株のグループ株と、マネーライフ社の全株式を握る 組合との間の株式交換による企業買収」と説明した。しかし、特捜部は同組合とグループを出資形態などから「一体」と位置づけ、同組合 がマネーライフ社の総株式を握った04年6月の時点で買収は終了していことを察知した。分かりづらいが、10月25日の発表を「買収 済みなのに、今後新たに買収するかのように装った」と見たのだ。

 この発表で、前週の金曜に340円で引けたライブドアの株価は、25日には終値ベースで20円も上がり、翌週には400円台に乗っ た。架空の情報で株価をアップさせ、高値で売り抜ける、これは八百長である。

 自民党が大勝した昨年9月の衆院選で、ホリエモンは郵政民営化に反対した亀井静香衆院議員の広島6区に無所属で出馬。小泉さんと ツーショットの写真を掲げて、戦った。そんな関係だから、ホリエモンに対する捜査は小泉内閣では出来ない、と思った人も多いようだ が‥‥思い切った、着手である。いずれにしても、八百長か、八百長でないのか を法的に判断するのにはかなり時間が掛かる。

 17日は小嶋さんの証人喚問。例の16日の「きっこの日記」は小嶋さんと伊藤公介との関係で特ダネ満載。面白くなった。でも、 質問に立つ自民党議員は何故か、2人とも「小嶋さんに近い森派所属」。何んとなく、八百長ぽいではないか。

<何だか分からない今日の名文句>

八百長を「想定内」と呼ぶ人々

1月15日(日) 濃いブレザーが流行るかも?

 暖かい週末。15日、ミスター・長嶋茂雄(巨人終身名誉監督)が有明コロシアムのファン交流イベント「長嶋JAPANドリームプロ ジェクト2006」に姿を見せた。

 公に姿を見せるのは、昨年7月3日の巨人−広島戦を観戦して以来。テレビで見ると、明らかにあの時より、しっかりした足取りである。

 笑顔が生き生きとして、素晴らしい。日本中が明るくなる笑顔。リハビリを担当した伊藤さんの話では、言語に障害が残っているようだ が、あの表情なら、言語も大丈夫だろう。ミスターが復活することが、我々、脳卒中患者の励みである。物凄い努力、物凄い精神力。頭が 下がる。

 少年たちに「頑張って!集中して!」と言ったそうだが「頑張って!」だけでなく「集中して!」と言ったところが、長さんの素晴らし さだ。

 完全復活も近い、と安心したら、ファッションが気になった。レザーではないか。カッコいい。テレビでは分からないが、黒か、濃い ブラウンだろう。

 レザーをワイルドではなく、エレガンスに着こなすのが流行だそうだが、ミスターのブレザー姿が中高年のお洒落好きを刺激するような 気がする。

 3月3日から始まるWBCアジアラウンドを観戦する可能性がある。「ミスター、空を飛ぶ」ではないか。

 「みのもんた」も、16日の「朝ズバッ!」で現場復帰する。これも凄い。普通なら1ヶ月は入院するけど、2週間で出る。リハビリで 頑張った。

 どんな洋服で登場するのかなぁ。コルセットを気づかせない工夫が出来るかな。

 今週の「青い空 白い雲」は「姉歯事件の黒幕は総研の‥‥」とスクープした「きっこの日記」のことを書いた。17日は国会の証人 喚問。「きっこ」は何か、スクープするのか。覗いてみると「17日のオジャマモンの証人喚問に向けての準備で、証拠の整理や情報提供、 音声データのコピーとかをやってるから、ハッと気づくと深夜の2時、3時、場合によっては4時」と書いている。「伊藤公介の息の根を 止めるためにブッ放す日記は、すでに書き上げてある」と言うから、注目である。

<何だか分からない今日の名文句>

倒れても、千両役者はタダでは起きない

1月12日(木) 佐渡の宝・本間さん、逝く

 一週間で新たに、年始の挨拶状が30通ぐらいやって来た。懐かしい人からの近況報告。みんな“筆まめ”でうれしい。

 ヘッ?! と驚くこともある。あの人にそんな才能があったのか、とビックリするようなチャレンジの数々。俺たちの世代は結構、 行動的(好戦的?)なんだ。何となく、読んでいてウキウキする。

 八戸の俊ちゃんからは、お守りが贈られてきた。青森県上北郡下田町上久保の氣比神社のお守り。馬の神様だというので、これは霊験 新たか? と思って馬券売り場に向かったが、ご利益はそれほどでもない。考えて見れば「農耕馬の無事を祈る神様」。競馬には関係なか ったのか。

 毎日新聞の先輩・池田友好さんから来たメールに落ち込んだ。長いこと、毎日新聞両津通信部を守っていた大先輩の本間さんが4日、 前立腺ガンで亡くなった、というのだ。知らなかった。

 本間さんは佐渡の歴史に詳しく、トキの保護運動のリーダー。一新聞記者というより佐渡を代表する文化人だった。

 僕が駆け出しで新潟支局勤務をしていた時、何かにつけてアドバイスしてくれた先輩。温厚で、人脈が広く、教育界の人事は誰よりも 早く耳に入るが、自分では書くこをせず「書いてみたら」と特ダネをいつもプレゼントしてくれた。大恩人だ。

 もちろん、力のある本間さんだったから、東京本社への転勤の話も何度かあったようだが、彼は佐渡を離れようとはしなかった。佐渡を 愛し続けていた。

 池田さんのメールによると、入院中、作家の寂聴さんが2度ほど、見舞いに現れたらしい。彼女が「小説・世阿弥」を書いたとき、本間 さんは全国から収集した世阿弥の資料をすべて寂聴さんに提供した。彼がいなければ名作は生まれなかった。「佐渡の宝」がいなくなった。

 午前中「青い空 白い雲」を書き始めたが、上手く行かず、昼、約3キロ歩いて「合羽橋珈琲」へ。一時間、コーヒーを飲みながら考え た挙句、テーマを「自民・民主大合併」から「姉歯事件」に切り替えた。

 「大合併」が絵空事と断定していいのか、迷ってしまった。ちょっと、スランプなのかな。テーマがありすぎて、筆が鈍る。

 新潟の雪。小康状態。週末は気温が上がるので、雪崩が怖い。

<何だか分からない今日の名文句>

「土」に生き「土」に死ぬ

1月11日(水) 文春、新潮の「運も実力」

 週刊文春、週刊新潮が発売になった。普通は東京地区・木曜日発売だが、新年の変則発売で水曜になっている。両誌とも「赤ちゃん誘拐」 が入っている。締め切りの関係でサンデー毎日などは間に合わなかった。来週になると、よほどのことがないと、扱いづらくなるネタであ る。週刊誌にも、締切日の運、不運がある。

 「新潮」が良く出来ている。犯人の指示で、院長は石巻からタクシーに乗るが、その運転士が刑事にスリ替っていたあたりのことを書き 出しに使っている。上手だ。何か、新聞、テレビでは伝えきれない「緊迫感」がある。アンカーの腕なのか。運を実力でレベルアップする。

 誘拐では「新潮」に遅れを取っているが「文春」は「雅子さんもの」で気を吐いている。天皇の誕生夕食会、愛子さんがむずかって2 時間47分遅れた、という話。どこにでもある、他愛もない話だが、料理の仕方が流石だ。お家騒動の本質を書いているように錯覚させる。 瓦版の匂いがたまらない。

 今年も、二つのこの週刊誌が情報をリードすることになるのか。昔なら「上海総領事館・電信官自殺」(週刊文春のスクープ)などは 朝日か、毎日がすっぱ抜くハズなのに。リークする相手が「文春」「新潮」になっているのか。ネットと週刊誌の時代なのか。

 記者クラブ制がメディアの個性を奪い、新聞、テレビの衰退を加速しているような気がする。毎日は、その中でも健闘しているが「見せ 方」が下手なのだろう。どうしても地味になってしまう。

 午前中、来訪者一組。姉歯事件のその後を聞く。昼、TBSラジオ収録→四谷三丁目で野暮用→JRA六本木事務所→八重洲口の床屋。

 床屋のお嬢? に「あの子(同僚)はどうしたんだ?」と聞くと「やめちゃって、音沙汰なし。そう、今夜あたり、久ぶりにメールする か」と話す。

 我々なら「電話してみるか」と言うのだが‥‥何故、メールなのか。「音」で、伝わる情報があるのに。元気なのか。嘘をついていない か。断然、電話の方が優れているように思うのだが。。。俺、遅れているのかな。

 夜、散歩。寒さ、一休み

<何だか分からない今日の名文句>

大聞社!「大」と煽てられたら手脚バラバラ

1月10日(火) 「万能川柳デラックス」

 出社。休み中に届いた郵便物に目を通す。仕事場に1000通ぐらい年賀状が来たが、社会部の方にも数十通あった。それに映画の試写 会の通知が10通ぐらい。映画は特別のケース以外はカネを払って見ることにしている。客席の鼓動のようなものを感じたい。映画は感じ るものだ。だから、送って頂けるのはあり難いが、ちょっと無駄な感じもする。でも、本は違う。手が不自由なので、つい、本屋に行って も買って帰れないこともある。だから、助かる。経済的にも助かる。

 「万能川柳デラックス1000」(毎日新聞刊)が進呈されていた。これ、実に面白い。読者が毎日新聞に投稿された万能川柳151万 句から、選ばれた傑作川柳。始まって15周年を記念した傑作集。実に面白い。

 例えば「サギ師より政府が怖い高齢者」「本当は何歳なのと子に聞かれ」「単身不妊間違ってるが当たってる」‥‥。

 選者はコピーライターの仲畑貴志さんである。多分、カレのコピーだと思うが、腰巻に「人生、多く笑った方が勝ち」とある。

 笑うだけでなく、川柳を学べば日本人の知的衰退を止めることも出来る。ともかく日本人は「皮肉」「シャレ」が分からなくなっている。

 新橋方面で野暮用。仕事場に戻ると「寒中見舞い」を出した関係か「懐かしい」という電話が3本。年賀状より「遅出し挨拶」の方が読 まれるのか。

 警視庁ご用達? のテーラーの青木さんは69歳。「今はカラオケの先生をしているんです。来年も年賀状のやり取り続けてください」 という。懐かしい。

 遅ればせながら、大雪の新潟県津南町で自衛隊の除雪進む。津南より、もっと雪が積もっているところが幾つもある。秋山郷は4メートル、 5メートル。妙高の山の上はもっと積もっているだろう。雪崩が続いている。

 国は予備費2000億円を使い、自治体の除雪費補助をすべきだ。

<何だか分からない今日の名文句>

「笑い組」で行こう!以降

1月10日(火) あの「きっこの日記」を読む

新年、おめでとうございます。

 年末・年始、日記をお休みしたので、相も変らぬ「年末・年始雑感」。

 12月30日。平塚の競輪グランプリ。友人のカーナビで観戦。車の中でテレビを見る習慣がごく普通になった。良いことなのか。

 初出場の加藤慎平から入ったので、見事的中! 久しぶりの大儲け。悲願のグランプリ初制覇を目指した神山雄一郎は、一瞬の気の迷い か、小嶋をけん制したばかりに6着。泣きじゃくった。勝負の世界は厳しい。

 12月31日。新橋へ競輪の配当を貰いに行った帰り、京橋の明治屋でオートミールを買った。来年は減食を徹底したいので、大麦の オートミールは都合が良い。と、思ったのだが、仕事場に戻って、作ってみると、砂糖が多くて‥‥まずい。紅白をちょっと見てから、 熟睡。

 元旦。曇り。近所の第六天榊神社から浅草観音まで約4000歩。まず、新年は歩くことから。去年より人出が鈍いようだが、寒さのせ いか。例によって、浅草演芸ホールで落語。「昔むかし、あるところで、おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に。すると、 どんぶらこ、どんぶらこと、大きなサツマイモが流れてきた。おばあちゃんは、おじいさんに隠れて、サツマイモを食べると、大きな大き なオナラ。山のおじいさん、芝を刈らずに、キサかった。お後がよろしいようで」正月なので、こんな小噺ばかり。

 元旦の毎日新聞朝刊は「昭和天皇の『人間宣言』草案メモ発見!」の大スクープ。このメモでは、GHQが昭和天皇に「マッサーカーに 会い、事前に宣言の内容を報告するように」と求めたが、吉田茂外相がこれに反対した、ことが草案メモで分かる。大スクープだ。ことし も、毎日新聞が「本当の報道」の中核になるのだろう。ならなければいけない。1月2日。例年通り、深川の菩提寺・法乗院閻魔堂。その 後、元旦に入院した、みのもんたを見舞い。「紅白の司会では10%も持ち味が出せなかった」と、みの、ぼやく。そんなことはない。 彼の個性が光った場面が、いくつもあったじゃないか。

 激痛の腰に注射を何本も打って、頑張った彼。僕らの世代のシンボルじゃないか。手術する先生に「よろしくお願いします」と思わず頭 を下げた。

 午後、雨。しっとりとした正月。会いたい人がいるので、ちょっと遠出。

 1月3日、市川で家族だけの新年会‥‥と、まあ、そんな具合で、年が明けた。

 その間、日本海側、大雪。年末、この日記の年賀状に「38豪雪のような大雪になるのでは」と書いたが、それがあったてしまった。

 雪をロクに知らないテレビのコメンテーターが「雪下ろしに、若者はボランティアに行け!」なんて無責任なことを言っている。「雪下 ろし」は、そんな生易しいものではない。訳の分からない若者がやって来たら混乱が起きる。そればかりか、二次災害が起こる。国、自治 体がカネを出し、業者を投入して、自衛隊を導入しなければ、雪との闘いに勝てない。若い頃、孤立した津南町・秋山郷を命がけで取材し たことがあるので、僕には「雪の怖さ」が少しは分かる。その秋山郷が孤立した。テレビでは、津南町役場の前で取材しているから、積雪 3.8メートル。さらに山奥の秋山郷は多分、6、7メートルを越えているだろう。無責任に「雪下ろしにボランティアを」なんて話して いるコメンテーターって、お粗末だ。

 赤ちゃん、誘拐事件もそうだが、新聞、テレビだけでは「本当のこと」が分からない。テレビを信用していいのか、と思ったりする。

 話題ネット「きっこの日記」を読んだ。「きっこ」さんは、本人は自己紹介で「単なるヘアメーク」と言っているようだが、昨年末、 姉歯事件で、次々にスクープした。

 そこには「幸いにも人脈だけは広く、今回も、各テレビ局、各新聞社、週刊誌などの報道記者たちと綿密に連携をとりながら、内河を吊 るし上げることに成功しました。当初は、飯島秘書官から、テレビ局や新聞社に『犯人探しの報道はやめろ』と言う内容の圧力があったの で、テレビや新聞では内河の名前を出すことができませでした。それで、私が日記に『内河黒幕説』を書き、ネット上で情報を拡大させて 『この情報をマスコミが取り上げないと逆に不自然』と言う状況を作り出しました。そして、マスコミに後追いしてもらって、火をつけた のです」と内幕が書いてある。

 暇に任せて「きっこの日記」を読んでみた。実に長々と書いている。面白い。博学である。かなりの情報通だ。果たして、どんな人物が 書いているのか。単独の日記なのか、複数の人間が書いているのか。

 自己紹介では、性別・♀ 星座・さそり座、血液型・A型 前世・毛並みのいい黒猫、住んでいるところ・東京 職業・ヘアメーク‥‥と あるけれど。

 1月9日。雪、小康状態。そろそろ、始動するか。「キレ珠」(1月10日夕刊)は「姉歯の松」を話を書いた。読んでくれ。

 忙しくて年賀状が書けなかったので、9日夜「寒中見舞い」を投函した。

<何だか分からない今日の名文句>

メディアを信ずるか、ネット日記を信ずるか、それが「今年の問題」