編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2005.9月

9月29日(木) NHKニュースの不思議

 乗りつくしの関口君が大好きだ。午前7時45分からNHKハイビジョン 「関口君の鉄道乗りつくし秋編」。JR20000km全線走破にチャレンジする。 北陸、甲信越、東北、北海道と攻め込んで最後は根室駅らしい。

 今日は海ノ口駅。北アルプスの麓を走る大糸線。木崎湖に面し、ホームからは水上スキーや ウインドサーフィンを楽しむ人たちの姿が見える。

 26日の九頭竜湖駅(越美北線)からスターとして和倉温泉駅(七尾線)→城端駅(城端線) →海ノ口駅。明日は 野辺山駅(小海線)。多分、野辺山駅は八ヶ岳の麓。 JRの駅としては最も高い所(1345m?)にあるらしい。

 28日(29日放送)の糸魚川では、関口君、高橋竹山さんの茅葺の家を訪問した。 良い所だな。「乗りつくし」があるから視聴料を払うんだ。

 午後から、国会は参院本会議。ちょっと時間がなくて中継が見られなくて、 NHKの午後7時のニュースを見ると、放送したのは「公明党の浜八津さんの質問」と 「小泉さんの答弁」だけ。野党の質問はまるでない。どうしたことなのか。

 与党の質問より、野党の質問を取り上げるから、論争の模様がわかるのに。

 知人に聞くと、民主党の円さんは郵政民営化問題で「外資の餌食」と追及した。なかなか、 質問をしたようだが‥‥NHKに編集権はあるとは思うが、ちょっとヘンだ。

<何だか分からない今日の名文句>

良いNHK、悪いNHK

9月28日(水) リンドウ、コスモスを買う

 朝、散歩。浅草橋駅の西口あたりで黒ちゃんに出会う。この間、お姉さんと地球博に行ったとか。楽しそうに話す。お姉さんという 「相棒」がいるから、楽しいだろう。

 「私、10月6日生まれだから4日間だけ、お姉さんだ」と言う。ああ、もうじき10月10日で、当方、61歳だ。

 10月15日に育英小の同窓で舟遊びするけど、来ないか、という誘い。残念ながら、船は駄目だ。皆に「残念だ、と言っておいて」 と頼む。「うん、分った」と彼女。口数は少ないが、実に素直だ。

 帰りに駅の近くで、リンドウ、コスモスを買う。我が猫の額の原始林? ことしはミカンが殆ど実っていない。どうしたんだろう。 少し、寂しい。

 昼、少し前「調布の親友」と落ち合い、麹町のウナギ屋。満員で少し待つ。世間話。彼から涙の出るような選挙美談を聞いた。

 お勘定は彼が払う。喫茶店は僕のおごり。いつも僕が得をする。申し訳ない。

 話の最中に、北島三郎の弟さんなど4件の携帯。結構、忙しい。「よろず相談所だな」とからかわれた。

 それからJRA、日本財団へ。夕方、仕事場に戻って、サンデーのグラビア「ディープインパクトと武豊」を書き上げる。原稿の方も 結構忙しい。

 27日夕刊の「キレ珠・タイゾー、大好き!」は皮肉を込めて書いたのだが、4人の読者から「何故、味方するのか?」という手厳しい お怒り。皮肉が通じなかった、とすれば筆力不足。まだまだ、勉強が足りない。(でも、会う人、会う人「実に愉快なコラム。ニタニタし て読んだ」と褒められた、のも事実)

 夜にも、農林中金の関係者など数人から電話。珍しく、情報ラッシュの一日だった。

<何だか分からない今日の名文句>

リンドウ咲いて恋を知る

9月27日(火) スーパードライを作った男

 北陸経由長野発「あさま」で、午後、帰京。急いで「おけら街道」を書く。 社台の御曹司の結婚式の話。書き上げてから約一時間、眠る。

 起きてから、留守中の郵便物を三分の一程度、点検。「たかがビール、されどビール」 (日刊工業新聞社刊)という本が送られて来ていた。筆者は元アサヒビール・マーケティング 部長・松井康雄さん。昔、赤坂プリンスホテルの支配人Tさんから紹介され、一時期、 親しくしてもらった人物である。アサヒビール再建の切り札・スーパードライを創った人物である。

 パラパラと読み出したら、プロローグの最初に、誰よりも先に「牧太郎」が登場するので 驚いてしまった。

 そのプロローグによれば‥‥僕が松井さんを「尊敬するスポーツ新聞の社長」に紹介した。 その時、社長が「たかがビールじゃないか。俺たちの仕事は人間の精神作業の成果だ」 と話し、新聞作りとビールを一緒にするな、というようなことを言ったらしい。 松井さんは「されどビールです」と猛烈に反論した。社長は「そうか、すまん。改めて話そう」 ということになり、一ヵ月後、我々は、とある料亭で会食した。

 その席には、ある女流作家も同席していた。話が弾み、スーパードライの大成功の話になった。 松井さんは一気に、裏話を交えて、誕生の秘密を明かした。皆が「これは本にした方が良い」と 勧めた。その時、女流作家だけは「松井さん、この話をあなたが本にする時は、 あなたがトップになってからやりなさい。さもないと、あなたは負け犬の遠吠えと いわれかねませんよ」と言ったそうだ。

 その真意は定かではない。サラリーマン生活を送る場合、自慢話になるようなことは 出世の邪魔。トップになってからの方が良い、とでもいう意味か?

 松井さんは、この言葉が頭から離れず、幾ら出版社から誘われても、 出版を断り続けたらしい。

 そして、今度「たかがビール、されどビール」という本になった。 息もつかせぬ超一流のノンフィクション、と腰巻にある。

 松井さんは「アサヒの次期社長」と噂されながら、アサヒの専務で関連会社に移った。 そこで社長になった。間違いなく、トップに上り詰めた。それで筆を取ったのだろう。

 現場で「歴史に残る偉業」を成し遂げ、サラリーマンとしてトップに輝く。 なんと幸せな人なんだろう。

 それに引き換え‥‥この僕は名もなく、貧しく‥‥。でも、書き続けることだけは出来る。

僕も大いに幸せ。

 僕の記憶では「たかがビール」と言ったのはスポーツニッポンの牧内社長、 「トップになってから書け!」とアドバイスしたのは、多分、澤地久枝さんだったと思う。

 夜、仕事場近くの亀清楼で、親しい人と夕食。知らないことが幾つもあって、 勉強させてもらう。

 まだ、旅の疲れが残っていたので、日付が変わらないうちに寝る。

<何だか分からない今日の名文句>

たかがブンヤ、されどブンヤ

9月26日(月) 何年ぶり?完徹

 25日夜から「眠い、眠い」と言いながら、金沢のホテルで完全徹夜した。個人的な悩み事もあったりして‥‥でも、徹夜の原因は主と して原稿ラッシュ。野暮用を簡単に済ませ、ホテルでモバイルに没頭。チェックアウトを26日午後3時まで伸ばして、頑張る。

 「日本共産党の戦後秘史」(兵本達吉著)はやっと読み終え、書評を書く。筆者の兵本達吉氏は1998年“ある事件”で党を除名され た人物で「恨み辛みの私史」なのかと思ったが、そうでもなかった。

 彼がもっとも精査に力を入れたのは「50年問題の謎」。これが面白い。そんなことを書く。(10月5日号に掲載されるらしい)

 「キレ珠」はゲラチェック。夢の永田町正社員・タイゾーのことを書いた。

 サンデー毎日のグラビアに「ディープインパクト」特集が載る。一回分が、僕の担当になってしまった。で、阪神競馬場に足を伸ばした が、こちらは、途中まで書いてギブアップ。

 新たに「Maiぱれっと」という毎日新聞の付録に「ここだけの話Part2」が始まる。1998年1月7日から毎日新聞火曜日夕刊 (地域によっては水曜朝刊)に書き続けた「牧太郎のここだけの話」。約7年書き続け、この春で連載400回を向かえ、タイトルを 「キレ珠」に変えたのだが「ここだけの話流」の言い回しが好きな読者が多いらしい。月一度だが、その新連載? が結構、負担で「毎日、 書きっぱなし状態」が続いている。

 折角、金沢に来たので、茶屋街の格子つくりの店で、コーヒーを飲み、夜、高速を走って富山へ。もう一泊するか。

<何だか分からない今日の名文句>

貧乏暇なし、眠りなし

9月25日(日) ああ、眠たい

 23日(休)ホテル・ニューオータニで社台の御曹司の一人・吉田正志君と ミス百万石の竹内早智さんの結婚披露宴。盛大。

 24日(土)新幹線で甲子園近くのホテルで、仲の良い仲間と夕飯。26日(日)は その仲間と、神戸新聞杯観戦。ディープインパクト6連勝。終わって、急行「雷鳥」で金沢へ。 野暮用。原稿が溜まっていて、ホテルに帰って執筆。

<何だか分からない今日の名文句>

‥‥‥‥

9月22日(木) 新聞は紙屑? それがどうした!

 「週刊文春」からの注文で「日本共産党の戦後秘史」(兵本達吉著)の書評に取り掛かる。ともかく分厚い。 467ページだ。一気に読むという訳には行かない。ああ、引き受けなければ良かった。結構、 面白いから夢中になるが、他の仕事が出来なくなる。

 それに、若干の取材も必要だろう。「あとがき」に「執筆を勧めた宗近」は知り合いだから、電話で「出版の意図」を聞く。 筆者の兵本にも、一応、礼儀として「書評を引き受けた」と報告する。と、親しい仲だから「批判しても良いから、 本が売れるように書いてくれよ」と冗談を言う。でも、これが本気かも知らない。どう書いたら良いんだ。 ああ、引き受けなければ良かった。

 午後、散歩。スーパーで秋刀魚を買う。

 夜、読み続ける。やっと3分の1。で、どこに書評が載るのか?

 送られてきた「週刊文春」をバラバラすると「ヘンな見出し」にぶつかった。

 猪瀬直樹さんのコラム「ニュースの考古学」。「新聞は紙屑になるが、改革は歴史に残る」という見出しである。

 新聞は物理的に紙屑になる。それは間違いない。改革は歴史に残る。これも事実だ。 が、これを何故、並列にするのか。分らない。

 どうやら、新聞の批判はくだらないから、歴史に残らない。小泉改革は立派だから歴史に残る、とでも言いたいのだろう。

 新聞は情報を発信する道具だから、最初に歴史をデッサンする。新聞は紙屑になって当然であるが、 新聞が発信したものが、歴史の土台の一部になる。だから、間違いないようにデッサンする。新聞は歴史を作る道具で 「歴史」自体になろうというものではない。

 まして、新聞記者は「歴史に残ろう」なんて考えない。人間、死んで、愛する人の思い出に残れば良い。と僕は思っている。 「新聞記者は紙屑になる」と書かれても本望だ。

 政治家は違う。小泉改革は歴史に残る。当然である。どんな革命も、反革命も歴史に残る。小泉さんは歴史に残って 当然である。驚くこともない。

 大悪人も、天災も、金正日も、聖徳太子も、オウムの麻原も、歴史に残る。改革の中身で、残り方は違うが、一応、 歴史に残る。改革と共に同世代を生きた何人が、小泉さんと同じように歴史に残る。ごく普通なことだ。 今始まったことではない。

 わざわざ「新聞は紙屑になるが、改革は歴史に残る」なんて「おべんちゃら」をいう必要があるのか。おかしい。

 小泉内閣の組閣が近づいている。それにしても、権力者にゴマをすって、自ら権力者になろうとする人が居るとしたら‥‥ 猪瀬さんまで‥‥こうして、恐怖の翼賛政治が始まるのか。

 一人になっても、翼賛を食い止めるぞ!という気持ちになってしまった。

<何だか分からない今日の名文句>

集まれば、散る それが権力ですよ

9月21日(水) 後藤田さんに教えてもらったこと

 19日、後藤田さんが亡くなっていた。知らなかった。後藤田さんから教えられたこと。

 @外交の責任者はオンナに気を付けなければいけない。オンナとの交際をネタに第三国に脅される。 そんなことは日常茶飯だ。(その後、橋○のことを思い出した)記者も気を付けないと、 オンナを使ってスパイに仕立て上げられることもあるんだぞ!

 A政治部記者より社会部記者の方が数段上だ。調査能力のない番記者なんかになるな。

 B自衛隊が一度も外国人を殺さず、一人の自衛隊員が外国人に殺されない、これが日本の誇りだ

 C休みは必ずスーパーに行く。物価がどうなっているか、自分の目で確かめるのが、官房長官の務めだ。

 別に、僕だけに言ったという訳ではなく、多くの人に言ったことだとは思うが、僕には印象に残っている。 傲慢自民党の世に、カミソリ後藤田が逝く。平和の後藤田さんが‥‥。中曽根さんが、もうちょっで「小泉さん(=大統領)」 になりそうになった時、押し止めた後藤田さんが‥‥複雑な思い。

 夜、社会部の歓送迎会。10月1日付けで、かなり大掛かりな異動がある。

 この種の会合で、乾杯の音頭を取らされるので、出来るだけ、遅く行くようにした。長老扱いされるのが、 我慢できない。でも、結局、最後に挨拶しろと言われた。

 九州本社に転勤する、可愛い「千代」が社会部に来たときの思い出話を披露していた。 「サンデー毎日にもう少し居ろ!」という編集長の僕に楯突いて「新聞記者になりたくて毎日に入ったんです。 週刊誌から出たい!」を言い続け、静岡支局経由で社会部に来た、というような話をする。良かったな。 千代、一流の社会部記者に成長した。

 でも、僕と「千代」が言い合った三日後に、これが原因で、僕が脳卒中で倒れた、というのはちょっと違う。 で、倒れた頃の「逸話」を披露した。結構、怖い話で、皆、ビックリしたいた。

<何だか分からない今日の名文句>

「自由と平和」の懐刀

9月20日(火) 原良馬さんの「ハイセイコー」

 サンデー毎日のグラビア短期集中連載「私の見た 思い出の名馬」という続き物が始まった。第一回は原良馬さんの「ハイセイコー」。 なかなか読ませる。実はこの続き物、たまちゃんの企画・構成。ディープインパクトが三冠を目指す。そこで、サンデーでは珍しい「名馬 もの」をやりたいと考えたらしい。神戸新聞杯でインパクトが始動するからグッドタイミング。(菊花賞に行かれないので、神戸新聞杯は 必ず、見に行くぞ!)

 文章だけではない。「名馬の名場面」がグラビアに載る。今回は1973年春の弥生賞。ハイセイコーの大ファンとしては切り抜かねば ならない。これは、お宝だ。

 でも、ちょっと残念。僕としてはハイセイコーなら書きたかった。でも‥‥やっぱり、編集者としては「原良馬」だったのだろう。残念。

 午前中、競馬ロマン大学を書き、午後、可愛い女性競艇選手(21歳)の来訪を受け、夜は出社して、ハリケーンのアメリカから帰って 来たばかりの若者6人と応接。若者は率直に話すから、楽しい。

 「週刊文春」編集部から、書評の注文。ある共産党の私史もの。筆者を知る数少ない? 友人の一人なので「俺が書かねば、誰が書く?」 という気持ちで、執筆を快諾。でも、今週はかなりキツイ執筆ローテーションになる。

 頑張るぞ!

<何だか分からない今日の名文句>

編集に私情なし、執筆に私情あり

9月19日(月) 民主党前議員を逮捕する日時

 民主党が新代表を選び、役員人事を進める最中に、民主党前議員が覚せい剤取締法で逮捕される。 偶然の一致なのか。とても、そうとは見えない。明らかに、新布陣にケチをつけるやり方。テレビは 民主党のマイナスイメージを撒き散らす。警察は小泉政権の顔色を見ながら、捜査をするのかしら‥‥以前にも、 こんなことがあった。

 小沢チルドレンの小林憲司前議員には、イロイロ噂があったのだから‥‥何故、 民主党の晴れの日に‥‥何か、嫌な感じ。

 今週の「キレ珠」は“ネット盲目”を書く。不倫相手の妻を殺そうとした救急隊員の悲しさ。 ちょっとばかり小泉批判も滲ませたが‥‥このところ、権力の怖さを感じるので‥‥まあ、 徐々に、批判するか。

 終日、散歩と読書。今月の「文藝春秋」は読みでがあった。

<何だか分からない今日の名文句>

雷鳴にクワバラ!クワバラ!

9月18日(日) 民主党の自民党化?

 17日は民主党両院議員総会。前原誠司さんが新代表に選ばれた。なかなかの男前。まだ、迫力不足だが、ポストが人を大きくするだろう。

 民主党は派閥乱立の党。旧社会党、旧民主党、旧さけがけ、小沢グループ、鳩山グループ‥‥と大体20人前後のグループがある。対立候補の菅さんは、グループの指導者 に支持を求めたが、今回は党内グループが殆ど自主投票。党所属国会議員192人が無記名で前原さんが96票。菅さんを2票差で破った。言わば“党内無党派”が、 前原さんを選んだということか。

  その流れが決まったのは、衆院選で小沢グループが大量落選して、小沢さんの発言力が弱くなったのだろう。鳩山さんに「小沢さん!党のため、死んでくれ!」と言われ、 小沢さん「死ぬのは良いが、選挙がないのに、死ねるか」と言ったらしい。

 前原さんは岡田前代表より9歳も若い。小沢さんは‥‥と考えると、世代交代は否応なしに進んでいる。

 「小さな政府というよりは、効率のいい政府。本当に必要な所にはお金を回していく。セーフティーネットをしっかり張っていく」と話したが、問題は「どこが自民党と 違うのか?」ということだろう。戦力の不保持を定めた憲法9条2項を削除して、自衛権を明記する、という立場だから、前原民主党は極めて自民党に近い野党になるだろう。

 憲法が最大の争点になった時、民主党は分裂するかも知れない。むしろ、分裂すべきとも思う。

 18日朝はTBSラジオ。民主党代表選びの裏話をする。その後、中山競馬場で、フェザーレイを応援。昇級戦で3番人気に支持されたが、どん尻。気性が激しいので、 最後まで追わなかったのでビリになった。それは仕方ない。敗因は8キロ減と距離。1600は長いようだ。

<何だか分からない今日の名文句>

似たもの同士の二大政党

9月15日(木) 哀しいすぎる

 午前中にやっと「青い空 白い雲」を出稿。午後、世田谷区役所の方が来訪。 オウム事件を風化させないための講演会を開きたいとのこと。喜んで、参加させてもらうことにする。

 参院議員会館で野暮用1件。終わってJRAへ。先週、札幌競馬で、地方馬だけのレースがあった。 JRAの馬の出ないレース。前代未聞じゃないのか。ちょっと取材。

 インターネットの復讐サイトに殺人を依頼した女性の話。社会面のトップになった。 世間は「馬鹿!」というけれど‥‥こんなところに、日本の危うさがあるみたい。

 それにしても、あまりに哀しい話で‥‥早々と眠ってしまった。

<何だか分からない今日の名文句>

不倫は盲目?

9月14日(水) 染物屋・京屋さんが来た

 また体重が増えた。テレビのニュースショーが「小泉絶賛」で気持ち悪く、ストレスで? 太るのかな。 朝から仕事場の近くを歩き廻る。美味しい冷やし中華を半分、 残したりする。でも、太る。あるいは便秘が原因か。

 午前中「青い空 白い雲」を書き始めた。雑誌「世界」の続き物「民族の罠」を面白く読んでいるが、その筆者 「佐藤優」さんのことを調べたくって「世界」の編集部に電話するが、午前中は電話が?  つながらない。雑誌社は、どこでも朝が遅い。テレビは早朝から動いているのに。 どうも活字の世界は夜型で、結果的に情報が遅れるような気がする。月刊誌だから良いのかも知れないけど。

 午後1時、浅草橋の染物屋「京屋」さんが現れた。50年ぐらい前に、つまり当方が小学校の頃、お会いした人である。

 実家の「深川亭」に出入りしていた染物屋さんで、義母の牧キミが可愛がっていた。スポニチの「おけら街道」を読んでいたが、 その筆者が「深川亭の息子」と知り、訪ねて来られたという。懐かしかった。

 もちろん、僕の知らない昔話。京屋さんに教えてもらった新事実。

 @大正時代、省線・両国駅と秋葉原駅は? 繋がっていなかった。つまり、総武線と山手線は? 繋がっていなかった。 それを繋げるために高架を作り、浅草橋駅を造った。 知らなかった。(京屋さんは昭和2年生まれで、浅草橋駅の真裏で生まれた)

 A深川亭は戦後も隆盛で、池田勇人がたびたびやって来た。(「イナダイ・田舎代議士」は店にいれない、 という我が家訓と相反する事実。ちょっと信じられないが) 彼は池田さんに玄関で「ご祝儀」を貰った記憶があるという。知らなかった。

 B両国の川開きの日は、深川亭の出入り職人は全員、手伝いにくるが、ある年、お客を送りだして、キミが帳場に戻ると、 手提げ金庫がなくなっていた。でも、キミは「こんなこともあるんだね」と平然としていた、という。知らなかった。

 という具合で、約1時間、昔話。面白かった。

 続いて、来客1組。ビル管理の野暮用。当方から、某参院議員に野暮用の電話。それが終わってから「世界」 の岡本編集長と話し「佐藤優」さんとの長い付き合いを知る。

 再び「青い空」に取り掛かり、夕暮れ、散歩。秋の気配。

<何だか分からない今日の名文句>

暑さ寒さも彼岸まで

9月13日(火) つめ掃除をした

 午前中は衆院選の分析。昼「おけら街道」の執筆。ソフトバンクと岩手競馬の提携について書く。 午後、例の八重洲口の床屋で、こんなことを聞いた。

 男性でもネイル(nail)ケアする人が多くなった、と言うのだ。「芸能人?」と聞くと 「最近は金融系の人が多い。外国人と握手をする人はやっていますよ」。

 そうなんだ。多分、ネット金融でうけに入っている勝ち組の若者が爪をピカピカにしているのだろう。

 「でも、最近は老人ホームでもやっているんですよ」「本当か?」「手癖が悪い人にネイルケアすると治る、 というデータがあるみたい」の女性従業員。手癖?

 盗癖のことか。爪を綺麗にすると、盗癖が治るなんて‥‥よくよく、聞いてみると、 手癖とは暴力行為のことらしい。周囲の人を抓ったり、引っ掻いたりする老人が、爪を綺麗にすると、何故か、 この種の暴力をしなくなるんだそうだ。面白い話ではないか。

 で、僕もやってもらう。いい気分。でも、経済的なことを考えて、最初で最後の冒険?ということにする。

 遅くなってからの出社。たまちゃんから「馬小屋(競馬紙面の編集部)が引っ越します」と聞かされた。 「ここは喫煙室になるらしいです」 喫煙男はいる場所がない様子。

 で、馬小屋は、どこに引っ越すの?

 「教育取材班の隣です」

 ヘッ、お堅い教育取材班の隣。まあ、毎日新聞は総合紙だから、こんな配置も良いけど、教育取材班の面々はどう思うかしら。 ともかく、たまちゃん、仲良くしようぜ!

 サンデー毎日に顔を出す。大手週刊誌は選挙結果を入れるので、朝日も、文春も、新潮も、14日発売になる。勝負勝負!

 小耳に挟んだことだが、このところ「週刊朝日の売上げが悪い」とのこと。武富士から取材協力費を貰って、 それを隠していたスキャンダルが響いたのか。

 夜、浅草橋の160円コーヒーを飲んだ後、「競馬ロマン大学」に取り掛かり、何とか書き上げて、バタンキュー。熟睡。

 
<何だか分からない今日の名文句>

綺麗な爪に棘はなし

9月12日(月) フリーターは投票したのか?

 朝、ワイドショーで、鳥ちゃんが自民党圧勝の秘密は「小泉さんがセクシーだから」と話していた。以前「キレ珠」で「小泉さんは鼻筋 が通っているから人気」と書いたが、なるほどセクシー? そういうことも言えるかも知れない。

 あまりの自民大勝で、皆、無理やり「原因探し」をしている。でも、僕はそれほど、驚いてはいない。超圧勝ではあるが、昨日も書いた が、小選挙区制であれば、このくらいのことは起こって当たり前。イギリスの政権交代は、いつも大差がつき、ドラマチックだ。今回も、 自民党の得票率が47%、民主党が36%。それで議席数は4倍の差。それが小選挙区制である。議席数だけで民意を判断しては間違える。 一割の人が気分を変えれば、結果はガラッと変わる。

 それに、ハッキリ言えることは、自民の圧勝には公明党(創価学会)の力が大きい。自民+公明>民主であって、これも池田さんの気分 が変われば、ガラッと変わる。

 終日、選挙の結果を分析した。すでに新聞、テレビでイロイロと報じられているから、特別、書くつもりもないが、興味があるのは、フ リーターは投票したのか? という疑問である。

 20歳代が自民党を最も支持した世代だそうだが、フリーターはどうしたのだろう。「イヤなら辞めろ!」と言われ、仕方なくサービス 残業をさせるフリーターが政治をどう見ているのか。正社員のような「取りあえず勝ち組」を感じている層とは大分違うはずだ。結婚でき ない、やりたいことが分らない、「人件費って悪なの?」と叫びたくなる。そんなフリーターが、どんな投票行動を取ったのか? 興味が ある。

 ガリバー・小泉さん、記者会見。余裕の劇場。野党だけでなく、与党も膝まづく。心配したことが現実になるような嫌な感じがしないでは ない。

 60年前の9月12日、一時はガリバーだった東条英機は「勝者の裁きに立つことは出来ない」と拳銃で自殺を図った。翼賛政治の悲し い結末。そんな不幸を二度と経験することは出来ない。右傾化(自由の放棄)はあってはならない。

<何だか分からない今日の名文句>

そこのけ、そこのけ、小泉(実はブッシュ)が通る

9月11日(日) 覚悟だ! 出番だ!

 第44回衆院選。自民党が296席。公明党とあわせた連立与党の議席数は衆院議席の3分の2を越えた。超圧勝。小選挙区制だから、 風が吹けば、こんな結果が出てもおかしくないが、それにしても、小泉さんは大変な選挙上手ということになる。

 次期国会に再提出する郵政民営化法案は、参院が否決しても、再び衆院で可決するば成立する。

 小泉さん、おめでとう!

 しかし、正直言って、これで「良心の市民」の出番がやってくるような気もする。我々、新聞人にも「出番」がやって来た。

 秋、小泉さんが隠した「日本の難問」が次々に明らかになる。例えば、安保理常任理事国入りは絶望的な状況。北朝鮮の核開発を巡る 六ヶ国協議では、何も発言することなく、拉致事件解決は見通しが立たない。

 10月には海上自衛隊をインド洋に派遣しているテロ特措法の期限が切れる。12月には、イラク派兵の期限切れが来る。同盟国アメリ カでも、ハリケーンがらみでイラク撤退論が出ている。

 いずれにしても、難しい選択が求められる。国政選挙を「郵政民営化にYESか NOか」の国民投票にすり替えて大勝した小泉翼賛 政治がどんな選択をするのか。

 もし暴走? したら、誰がチェックするのか。

 力なき、数合わせの政党人ではなく、御用学者でもなく、御用テレビでもなく、ごく普通の「良心の市民」のチェックだろう。

 「知的基礎能力を持つ市民」の連帯が求められる。

 ペンを持つ者は覚悟しなければならない。出番!だ。

<何だか分からない今日の名文句>

聞こえてきたぞ!「万歳!小泉自分党」

9月8日(木) 最年少51歳の総理は幻だった?

 朝、たいとう診療所で検診。今井院長から「3キロ痩せましょう。僕も3キロやせますから」と言われる。67キロになると、どうして も血糖が上がる。放置すると、合併症になる。いつも64キロぐらいまで減食するのだが、リバウンドしてしまう。

 その後、リハビリ。いつも面倒を見てくれる女性の印象が違う。メガネを掛けている。グッと知性的に感じるが‥‥コンタクトの方が 良いような気がする。俺って、知性派は苦手?

 午後、TBSラジオで野暮用。その後、出社して「青い空 白い雲」のカット写真を届け、JRA六本木事務所に回り相談事。たまに、 当方が相談を受けることもある。

 夕方、埼玉のFM局に電話出演。選挙の若干の裏話。

 さあ、11日は投票日。

 有権者の関心は高いようだ。各種世論調査では70、80%が「投票に出かける」と答えている。この5年間、一番若い20〜24歳ま での投票率は、2000年衆院選が35.64%、2001年参院選が32.65%、2003年衆院選が32.39%、2004年参院 選が31.36%‥‥ドンドン下がる一方で、下手をすると30%を下回す危険があった。それが、今度は「行く!」と言っている。

 選挙のたびに投票率は下がっていた「若者層(39歳以下)」が投票の権利、義務に目覚めれば「70%」も夢ではない。何しろ60歳 以上は70%だから。

 これは一重に、小泉さんのパフォーマンスによるものである。これは大変な功績である。やり方には‥‥とても賛成できるものはない が‥‥これだけは歴史に残るものといえるだろう。胡散臭い選挙戦だが、もし「投票率が70%」が達成できれば憲法違反? の解散・ 総選挙も、意味があった、と言える。

 もう一つ、意味のある選挙だった、と降り返せる“可能性”があった。戦後最年少総理大臣の誕生である。

 実は、小泉陣営が一番、怖かったのは「戦後最年少総理・岡田で年金改革!」だった。このままでは、年金で損をする50歳以下の層に、 新年金のプランを提示する。岡田さんの売り物は「田中角栄より若い51歳」だった。小泉さんに勝てるのは「若さ」だった。

 選挙は政策たが、勝負はキャラである。

 異性を選ぶ時、多くの人は知性ではなく、美しさと若さで選ぶ。キャラで選ぶ。僕が民主党の絵を描く立場なら「老練な小泉vs若さの 岡田」の図式を創っただろう。真面目より、バイタリティ。最年少総理誕生のテーマソングを作っただろう。

 「51歳が創る新ニッポン!」だった。まあ、民主党さんの考えることだから、何も言うこともないけど‥‥。

 未だに、どの党を選ぶか、決めかねる。不安な小泉自民、不安な岡田民主、もっと不安な公明、共産、力なき、その他の党‥‥。

 さて、その混迷の軍配は?

 選挙後のダイナミックな展開を期待しつつ、「風」の行方を見る週末だ。

<何だか分からない今日の名文句>

とりあえず、投票所で会いましょう

9月7日(水) 14号とカトリーナとイラク派遣

 比較的早く、出社。読者からの選挙評論に対する読者のメール類を受け取る。10数通。賛否両論である。「近くの駅まで走っていって、 新聞を読んで、感激した」という方もいるが「下品だ。新聞を止める!」という方もいる。両論あるのが健全。その健全さが、小泉政権の 中で姿を消そうとしているのが、心配なのだ。

 午後「青い空 白い雲」を書く。選挙の前に締め切りになり、選挙の終わったころに発売する、ヘンなカタチになる。選挙がらみのもの はまずい、と思った。編集部は特別「青い空」だけ、選挙が終わってから書けるようにする、と言われたが、他のコラム氏と同じようにし た方が全体としてベターだ、と考え、辞退する。で、今回は政治がらみの原稿は止めて「韓流がらみのちょっと良い話」にした。たまには 肩に力の入らない原稿もいいじゃないか。

 台風14号は暴風域を伴いながら日本海を北東に進み、日記を書いている今(8日の未明)北海道せたな町付近に再上陸したらしい。

 行方不明者のうち山口県岩国市の山陽自動車道の崩落現場で2人、宮崎県内で3人が遺体で見つかた。台風による死者はザッと数えて 18人、行方不明者は9人。最近では珍しい「猛烈な台風」だった。

 世界はハリケーンの季節。年に平均6個は発生するが、今年は大西洋の海水温が高く、9〜11個は発生するだろう。温暖化が「猛烈な ハリケーン」を作る。

 4個目のハリケーンがカトリーナ。堤防の決壊でニューオーリンズ市は市街地の八割が冠水し、まだ沈んだままの人が多いらしい。数日 前のCNNニュースでは、市長が「死者が一万人に上っても多すぎるという感じはしない」と言っている。

 イラクやテロ対策に集中しすぎて、堤防改修の予算を削ったのも、大災害の原因? 連邦緊急事態管理局(FEMA)が米本土をテロか ら守る国土安全保障省に吸収され、予算が減り続けたのだろう。その点、日本は防災に関する限り、アメリカよりレベルが高いような気が する。

 アメリカでは、多分、カトリーナが政治問題化するだろう。イラク撤退議論が出てくる。日本でも、選挙が終われば、イラクがまた焦点 になるのだろう。

<何だか分からない今日の名文句>

地球温暖化には敵なし?

9月6日(火) 防災グッズを買う

 台風14号、九州直撃。死者7人、不明者は10数人。テレビを見る限りでは大台風のようだ。どうも「災害の秋」のような気がする。

 「おけら街道」(双子馬のことを書いた)を仕上げ、渋谷の東急本店に防災グッズを買いに行った。何か、東京にも天災がやって来るよ うな気がする。小泉人気が異常すぎて? 神がお怒りになるような気がする。強すぎる馬は時々、故障する。(もちろん冗談)

 東急百貨店が、この種の防災グッズでは一番、力を入れている。避難生活用品のセット(8000円強)を買った。

 食糧は最低3日分必要だと言うが、リュックにそれだけのものを入れられるのか。重たくて、背負えるのか。疑問は多々あるが、とりあ えず、一日分入れてみるか。

 久しぶりに渋谷の町を歩く。確かに、人出は流石だが、店が一杯なのは、180円コーヒーだけ。ガラガラのところもある。ラブホテル のあたりを循環バスから眺める。人出はまるでない。セックスレスの時代なのか。

 6日は朝・夕刊に、僕の原稿が掲載された。社から携帯に「読者からのメールが入っている」という知らせ。10数通だが「賛否両論で すね」とのこと。反対意見があると、むしろ安心する。反対の考えを知らないと、大馬鹿になるものだ。

 夜「青い空 白い雲」のテーマを何にするか、かなり迷った。選挙の結果が出ないうちに書き、選挙の結果が出てから発売される。 だから、苦しむ。

<何だか分からない今日の名文句>

名馬に癖あり 名馬に怪我あり

9月5日(月) 八戸グランドキャニオン?

 ビジネスホテル・メッツ八戸で、泥のように寝むっていたら、携帯がけたたましく鳴る。午前10時半。寝すぎたか、と携帯を取ると、 俊ちゃんだった。「日記に八戸に泊まる、と書いてあるけど、八戸に本当にいるんですか?」

 俊ちゃんは一口馬主の仲間。競争馬の美しい姿に惚れて、牧場に婿入り? した。この次期、トウモロコシの収穫期で忙しいと聞いてい たので、連絡するのを躊躇していたが‥‥WEB日記の威力は凄い。当方がどこにいるかが、すぐ分ってしまう。「いつも10時半に日記 を開いていますから、大体、どこにいるか分りますよ。午後に時間が出来ますから、駅で会いましょう」ということになった。

 ホテルで「競馬ロマン大学」を書き上げてから、落ち合うと、俊ちゃん、すこぶる元気だ。「牧さんが来たら、どうしても見せたいもの があるんですよ」と車で山手の方に向かう。

 階上町(はしかみまち)の住友鉱業の採石場。展望台と表するところに上ると、驚いた。これまで見たこともない壮大な眺めだ。東西 900メートル、南北1400メートルに亘って、岩盤を砕いている。標高マイナス135メートルも掘り進んでいる。トラックが米粒の ように見える。地球に吸い込まれる感じ。

 俊ちゃん、つい最近、発見したらしい。「八戸グランドキャニオンですよ」。これは観光名所になるかも知れない。

 俊ちゃんの実家を訪問した。八戸で味は一番、と言われたパスタ屋をやっていた親父さんは、60歳で勝手に? リタイヤして悠々自適。 うらやましい。

 世間話をしていたら、政治部から「一面企画“衆院選、何が問われるか”ですが、6日朝刊に、牧さんの原稿を載せます」という知らせ。

 「恥多き衆院選」というキーワードで、日本人は「恥」を忘れていないか、と問題提起した。アメリカに「恥の文化」を否定され、文化 面で、アメリカの属国になっていないか、というようなことを書いた。「恥の文化」を忘れた国の「恥多き選挙」。かなり本音で書いた。

 政治部デスクは「マスメディアこそ恥知らずだ」と書いた部分が気になったのか「こそ」を削ったら、どうか、とアドバイスしてくれた。 確かに「恥」を忘れた教育“こそ”問題だから‥‥で「マスメディアこそ」を削った。削ったほうが良いと思う。ありがとう。でも、恥多 き選挙を演出しているのはマスメディア、特にテレビであることも間違いない。(ともかく、6日朝刊一面「衆院選・何が問われるか・第 6回“恥”忘れて厚化粧」を読んでくれ)

 午後5時ごろ、新幹線に飛び込み、帰京。読む新聞、読む新聞、自民圧勝の予想。

<何だか分からない今日の名文句>

恥を忘れたカナリアはカイカク、カイカクと鳴くんだよ

9月4日(日) 同じ新聞を読ませる人々

 衆院選はどうなるのだろう。

 2日夜、関西から客人の招きで、アークヒルズで美味しい中華料理を楽しんだが、話題が選挙のことになると、やはり複雑だ。テレビ主 導の選挙だ。選挙でテレビ特番が幾つも組まれる。もし、若貴騒動が、この時期に起こっていれば、それほど、サーカスのような、プロレ スのような選挙戦に、国民の関心は集まらなかったような気がする。要するに若貴騒動のような関心だ。

 選挙がプロレス風になって、政治に多くの人が関心を持つことは結構なことだ。しかし、問題はプロレス的な八百長が横行していること である。

 一緒に食事をした財界人も、喜んで良いのか、何党に入れるか、困っている様子だった。各界のリーダーは政治家の八百長を良く知って いるから‥‥。

 午後8時に客人と別れ野暮用。この日、一番大切な用事だが、そこでも、小泉流政治が話の中心になる。人気の小泉さんに太刀打ちする 人材がいない。

 3日は未明に「世界週報」の原稿を書き上げ、飛行機で三沢経由で北端に向かう。午後4時ごろ、北のはずれの港で、ウミネコと一緒に、 イカ釣り船の帰りを待った。町中、子供も、お爺さんも、おばあさんも総出で、大漁旗を迎える。朝4時に漁に出て、夕方4時に帰ってく る。重油の値上げで、夜の漁が少なくなった。

 この集落出身の演歌歌手・林あさ美さんがデビュー10年を迎えた。NHKのバライティに出ていた結構有名な歌手だそうだが、僕は知 らなかった。

 実は急死した親友「ラジオ屋・雨ちゃん」が最後に手がけた企画がこの「林あさ美10周年記念コンサート」だった。雨ちゃんの変わり に見に行った。

 今、揚がったばかりのイカを肴に「林あけ美一座」と公演成功を祈り乾杯。彼女のお母さんが経営するクラブで二次会。僕だけ、抜け出 し、ホテルに帰って「キレ珠」を書く。

 5日朝刊はホテルに読売新聞しかなくて、東京に各紙の紙面を問い合わせる。と、全紙、読売と同じように「自民、過半数に届く勢い」 が一面トップである。何故、こうなったのか。まるで大本営発表のようだ。勘ぐると「自民党候補に入れないと“死に票“になります」と 新聞に言わせてしまう策謀。

 小泉さんは強い(らしい)。でも、何も、同じ日に、同じ扱いで「小泉圧勝」を予想するのか。これは不思議だ。

 「キリ珠」は選挙期間中で、唯一の掲載。あえて「選挙もの」にした。「本当は国家財政が破産するであろう2008年問題」で議論す べきだ、と書いた。これが“本当の争点”であることは自明の理。自民も、民主も、逃げている。

 しかし、しばらくして、歴史に残る選挙期間中の紙面だから「民主主義を守る大事」を書いておかなければならない、と思った。ハッキ リ「解散は違憲」と書いておこう。そこで、全面書き換え、送稿する。たとえ圧勝したとしても、ルール違反の解散だったことを書いてお く。これはちっぽけな言論人の「五分の魂」である。

 あけ美さんのコンサートは成功だった。700人集まった。その村の人口は12000人だから、5%を越えている。三沢の航空ショー で12万人も集まったのに、青森県駅伝で町中が応援していたのに、700人があけ美さんのために駆けつけた。喜んでくれ。雨ちゃん、 大成功だったよ。(この話は選挙が終わったら、どこかで書きたいと思う)

 夜、ちょっと疲れたので、八戸のホテルに泊まる。

<何だか分からない今日の名文句>

行司「待った!土俵が違うじゃありませんか」

9月1日(木) 公職選挙法

 選挙になると、正確に言えば公示にはいると、何となく、表現が鈍る。それで良いのか。大事な、大事な選挙なら、言論はもっともと 自由であって良い。

 インターネットが公選法に違反するということになると、憲法違反のような気もする。国民(選挙権)の選挙が、政党、議員、候補 (被選挙権)だけの選挙になっている。

 そんな思いで「青い空 白い雲」で、公選法のマヤカシを書いた。

 夜、仕事場に「尊敬する人生の先輩」が遊びに来てくれた。話が尽きず、日付が変わるまで飲む。浄土真宗の教えに感服。

 眠くなり、日記はおざなり。

<何だか分からない今日の名文句>

憲法はどこに行った

8月31日(水) 世間話に隠れた本質?

 31日毎日新聞朝刊一面に企画記事「衆院選・何が問われるか」が始まった。第一回は山田・編集局次長執筆の言わば「総論」。上手に 書けている。多分、4回か5回に載るはずの原稿を早々と書いて、午前中に出稿した。「選挙と文化」と言った視点から、この選挙の馬鹿 馬鹿しさ、を書いてみた。

 午後、出社。「朝日新聞の捏造記者のN君は毎日新聞も受験していた。ペーパーテストはほぼ100点で優秀だったが、作文に難があり、 落ちた。最近は、毎日に落ちて、朝日に行くケースも結構、多い。落としておいて良かった」という冗談話とか「○○党幹部が、毎日新聞 は××党寄りの紙面だ、と文句を言ってきた。かなり、神経質だ」という話とか、若干の世間話。

 朝日新聞は社説で、何やら、謝っているような、そうでもないようなことを書いている。官僚機構みたいな大新聞のアリバイ社説はどう も‥‥。

 たまちゃんの倅が朝日で飯を食っているので、朝日の悪口がどうも書き辛い。その倅も毎日に入りたかったが、落ちてしまって、朝日に 行った。これも運命だから仕方ない。

 ○○党は支持率抜群なのに、何故、神経質になるのか。理解できない。僕なんか、新聞の大半が○○党寄りではないか、と思うんだけど。

 30数年前、新潟支局時代に面識があった朝日新聞の記者が退職して、九州に移り住むことになった。その送別会を秋山新社長(秋山君 も新潟支局が振り出し)が音頭を取り朝日だけで開くというので、彼、九州から上京した。そのついでに、毎日にも顔を出すというので、 再会を楽しみにしていたのだが‥‥ちょっと遅れて行ったので、会わずじまい。申し訳ない。

 朝日にしては、大人しい記者だった記憶があるが、どんな記者生活を送ったのか。機会があれば、会いたい。

 夕方、浅草演芸ホールの「林家三平追善興行・林家一門会」。ごぶ平が正蔵になってから初めての一門会。隠れた落語ブームで満員。 でも、正直言って、午後7時半までは、概ね「下手ぴ」ばかり。(かん平さんは脳卒中の後遺症と闘っているから、本来の力は出せない。 これは仕方ない)7時40分ごろ、たい平が登場してから、まあ納得できた。

 サンデー毎日の「青い空 白い雲」で「古典を知らない、こぶ平が正蔵?」と異論を書いたので、その後の勉強ぶりを見たい、と思った が、かなり「古典の幅」が出来てきた感じ。でも、まだまだ「名人上手」にはほど遠い。

 10時すぎ、浅草ROXのセブンイレブンで、おでんを買って帰る。独身気分。そろそろ、秋気分。

<何だか分からない今日の名文句>

斜めに読みたい「朝日新聞斜説」