編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2005.10月

10月30日(日) 集団的自衛権を学ぶ

 週末は憲法の勉強に費やす。小泉猿芝居の内閣改造劇は、テレビや御用記者に任せて、憲法改正(改悪)を今のうちに勉強しなければ‥‥。

 自民党新憲法起草委員会(森喜朗委員長)は28日「新憲試案」をまとめ、党政審・総務会で了承された。これなど、小泉圧勝の前なら、 ひと悶着あるところだが、小泉専制政治だからスムースにコトが運ぶ。

 新憲試案は8月1日に発表された「第1次案」に「前文」部分を加え「9条」の1部分は書き替えがあった。

 「前文」は「国を愛する責務を共有する国民」という表現。自主憲法の装いである。

 「9条」は第1項を残して、第2項を全面的に書き変え、国の平和と独立、安全の確保のために「自衛軍を保持」するとした。

 改正の狙い、間違いなく「集団的自衛権」、つまり同盟国・アメリカと海外で共に戦うか、どうかの規程である。9条第二項のAの規程 である。自衛軍は「法律の定めるところにより」という文章である。この試案でも「集団的自衛権」が存在するかどうか(法的、学問的に) 微妙なところだが、現実には時限立法で、すぐ戦争に加わることが出来る、という不安が残る。アメリカはそれを狙っている。

 軍事面で「51番目の州」を狙っている。本当に日本の自主憲法なのか、甚だ、疑問。しかし、それとは別に、憲法を議論するのは遅す ぎたようにも思う。60年も、店晒しにして、拡大解釈ばかり。この点、早く議論を重ねなければいけない。

 勉強しなければ‥‥小泉さんの猿芝居に付き合って、その日その日の表面的報道をしてばかりいると‥‥ジャーナリストは馬鹿になる。

 で、勉強の成果は幾つかあった。現憲法の「最初の違憲」は驚くなかれ‥‥もっと分析して、これは何かに書かねば。

 土曜日は午後から、息子一家が遊びに来る。一年に2、3回しか会わないが、この日記を読んでいるらしく、僕の行動はすべて知ってい る。だから、息子一家と適当な距離感が保てる。

 日曜日は憲法の勉強を終えてから「天覧天皇賞」。この日のエピソードは「おけら街道」に書くつもり。

 スタンドで、新潟時代のライバル・読売新聞の小松崎記者から声を掛けられた。懐かしかった。聞けば報知新聞の社長だという。出世さ れた。

 当時の新潟の記者仲間は宗ちゃんがサンスポの代表、秋山君が朝日の社長。僕だけがサラリーマンとしては出世に縁がなかったけど‥‥ 皆がトップにいるのは誇らしいことである。(毎日新聞でも、新潟支局で一緒に働いた山ちゃんと岡部ちゃんが重役になっている)

 その他、天皇賞だからイロイロな人に出あった。ここに書ききれない。

 奥田さんの姿を見たが、組閣名簿に上っているという噂。声を掛けるのをやめた。

 明日(31日)は組閣のドタバタ劇か。サプライズという“ド素人”入閣の繰り返し。怖い、怖い。

<何だか分からない今日の名文句>

赤信号、小泉一人で歩けば怖くない

10月27日(木) 書きまくる快感

 朝一番で、世界週報のNさんから「締め切りが近づいています」のFAX。このところ、原稿ラッシュ。時間を上手く使わなければなら ない。

 俳優の根上淳さんがなくなった。妻のペーギー葉山さんが「糖尿病に気づかなくてゴメン」と書いた“最後のラブレター”をお棺に入れ た、とテレビの朝ワイドが伝えている。ちょっと涙ぐむ。糖尿の気があるから、僕も歩かなければならない。

 霧雨が舞ってはいるが、辛うじて歩けると判断して散歩。毎年、この頃になると麻痺した右脚が堅くなる。そのままにしておくと、歩け なくなるような気がする。だから歩かなければ‥‥。

 ところが、400メートルぐらい歩いたら、ザーザー降りになった。体中、ビショビショ。傘がつかえないのが恨めしい。

 仕方なく、午前中はデスクの引き出しの整理。すると、一枚の古びた葉書が出てきた。「秋風のたよりがやっと聞こえ出した今日この頃、 皆様、お元気でお過ごしでしょうか。ご心配をおかけしましたが、小生、昨年の冬以来、278日ぶりに、9月6日、都内の病院を退院い たしました」

 そこまで読んで、僕が友人に出そうとした葉書だったことに気づいた。

 約15年前、脳卒中に倒れ、翌年秋に退院した時の挨拶状。なぜ、これを投函しなかったのか。それが分らない。

 それにしても、278日も入院していたのか。何か、感無量である。

 「『東京竹橋発午前1時 負けてたまるか闘病記』が唯一の仕事です」と書いてある。ああ、あの時は苦しかった。仕事がなくて、出社 するのが苦しかった。

 でも、今は違う。週一回、毎日新聞に「キレ珠」「競馬ロマン大学」、スポニチに「おけら街道」、サンデー毎日「青い空 白い雲」を 連載。月に1回毎日新聞PR版に「新ここだけの話」、それに世界週報、4ヶ月に1度「JR EAST」。これが決まり物。その他に、 単発の頼まれ原稿がある。

 日曜日朝8時のTBSラジオの「牧太郎のザ・コラム」も6年続いている。たった7、8分のコーナーだが、固定ファンが増えた。

 正直言って、書き捲くっている感じ。ともかく、立派に社会復帰した、と思う。

 書く機会を与えてくれた人々に感謝しなければ‥‥「世界週報」のNさんの顔を思い浮かべ、引き出しの整理はソコソコに執筆開始。 書き捲くる快感である。

 午後、八重洲口の床屋。いつもやってくれる女性が昨日、誕生日を迎えたと言う。幾つ? と聞けば、26歳だという。子供のように 見えるけれど、もう26歳か。

 「嫁に行けなくなるぞ!」とセクハラ発言。彼女はニコニコして「私の結婚式、出席してくれます?」。「もちろん、行くよ」。かれこ れ、4年も髭をそってくれたんだから。

 夜、競馬会の重鎮、スポニチの先輩達、それに遅れて来た、たまちゃんと西新橋の「はなわ」で一杯。インパクトの三冠を祝う。

 留守番電話に大事な知人からの伝言あり。「今日、手術しました。成功です」。万歳、万歳!

 みんな、元気で行こうじゃないか。

<何だか分からない今日の名文句>

健康以外に宝なし

10月26日(水) ムネオ告発の第2弾

 日本シリーズが第4戦。野球にあまり興味がないので、日本シリーズがどんな展開をしているか、知らなかった。でも、ロッテが3連勝 していると聞き、何故だろう? という疑問から4戦目をテレビで見た。

 阪神の選手、ガチガチである。どうしたんだろう。阪神が強いはず(と聞いていたんだ)なのにガチガチである。

 やっぱり「阪神買占め」が見えないストレスになったのか。まさか‥‥でも、僕だって、もし勤め先の毎日新聞社がホリエモンのマネー ゲームの餌食になったら‥‥それはストレスに違いないだろう。ちょっと、精神的に弱くなる選手が出たっておかしくない。

 村上さんが日本シリーズの直前に「買占め」を明らかにしたのは、どんな狙いがあったのか。日本シリーズの結果より、全く違う興味が 沸いた。

 「TBSvs楽天」も、何が、どうなっているのか分らない。でも、他人が苦労して作り上げたものを平気でお金で頂するのが資本主義‥ ‥というのは、間違っているように思う。江戸っ子は、その種の「金満」はデェ嫌れェだ。マネーゲームの餌食になって「報道のTBS」 はどこへ行く。

 明日(27日)発売の「週刊新潮」を手に入れた。例のムネオ実名告発「外務省の犯罪」がいよいよ佳境に入った。竹内前次官が土下座 して「次官にして下さい」を頼んだ、と言うあたり、いかにもありそうな話。それよりも、Mロシア課長(告発は実名)の赤坂の醜態。 恥ずかしい。頭の良い顔つきで、下品な言動を繰り返す外務官僚。知っているだけで数人いる。が、ムネオさんだから書ける。

 どんどん書いてもらいたい。モスクワ大使館で行われた蓄財はまさに犯罪である。野党はムネオ告発問題で、国会に特別委員会開催を要求 すべきだ。こんなだらしのない外務省にまともな外交なんて出来るハズがない。

 夜は強い雨。「ロマン大学」を二本、書き上げる。

<何だか分からない今日の名文句>

悪も一度は「正義」に気づく

10月25日(火) 天皇家の2大ニュース

 首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東京大学長)が第14回会合で、皇位継承資格を女性皇族に拡大し、女性・女系天皇を認めること を正式決定した。父方が天皇家の血を引く「男系」によって受け継がれてきた天皇制は歴史的な大転換を迎えることになる。今年、最大のニュースだ、と思う。

 僕の私見。天皇家の人々の(政治的)発言が極めて制約されている。天皇が何を考えているか、それを国民が知らない、ということはあまりに不自然だ。昭和天皇は「人間 天皇」を宣言された。が、それは神格を否定しているが「意思のない天皇」を宣言したということではない、と僕は思う。

 天皇家の人々がもっと積極的にメッセージを国民に伝えられようにすべきである。皇室のメッセージは天皇家改革のもう一つの視点だ。

 もう一つ、ビックニュース? 30日の秋の天皇賞を天皇、皇后両陛下が観戦されることになった。JRA創立50周年の昨年に計画されたが、新潟県中越地震の被害者に 配慮して、陛下が中止された。それがやっと実現する。うれしい。

 1905年5月6日、横浜市の日本レースクラブが明治天皇から「菊花御紋付銀製花盛器」を賜って「エンペラーズカップ」を開催した。天皇賞の前身である。今年は100 周年。エンペラーズカップは「帝室御賞典競走」と名前を変え、戦前から春が阪神、秋が東京と年2回施行され、戦争による中止を経て47年春に「平和賞」として復活する。 この年の秋から天皇賞に名前が変わった。天皇賞は平和賞だった。

 平成11年11月1日、日本記者クラブ30周年パーティーで天皇陛下とお話しする機会を頂いた。その折、話題が前日の天皇賞になった。陛下は競馬に造詣があり、 イロイロと話された。楽しかった。話し終ったら、宮内庁の職員が僕のところにやって来て「陛下とのお話を他言できません」と言われた。だから、お話の内容は明らかに 出来ないが、その折の「陛下と僕の夢」が実現した。実に、うれしい。

<何だか分からない今日の名文句>

皇室に人間主義を!

10月24日(月) 大きなゴムの木

 JR浅草橋駅近くの民家の玄関に、巨大なゴムの木が育っている。物凄いスピードで、四方八方に伸びている。全長6メートルぐらい。 熱帯のようである。

 インドゴムノキ(インドゴムの木)であろう。学名:Ficus elastica 桑(くわ)科。Ficus elasticaのFicusはイチジク属を表し、 elasticaは「弾力のある」という意味らしい。

 熱帯アジア原産。 樹液から天然ゴムを採取する。観葉植物としてはよく見かけるものだが、喫茶店やレストランなどあまり日のあたら ないようなところに置くらしい。日が照ると大きくならないからなのか。しかし、それにしても、こんなところが熱帯のようになるのは、 異変ではないのか。

 全長6メートルのゴムの木を見ていたら、欲しくなった。どうして大きくなるのか、見たい。福井町の「花友」でゴムの木を買った。 笊をつけて約15000円。仕事場のビルの玄関に置くことにした。

 夕方「おけら街道」を書き上げると、毎日新聞宣伝紙の「Maiぱれっと」の鍛冶嬢から「新・ここだけの話」の締め切りの電話。急い で「恥ずかしながら、恋をした」を書く。

 恋をした相手? これは、皆さんに宣伝紙が届くまで秘密。立て続けに2本書くとなるとかなりキツイ。

<何だか分からない今日の名文句>

温暖化 町内に来る

10月23日(日) 皇后さまのメッセージ

 週末の資料整理で、71歳を迎えられた皇后様が宮内記者会の質問に答えた文書回答を改めて読んだ。初め読んだ時には、さほどでもなか ったが、何度も読み返すと「良くぞ、ここまで書かれた」という実感が沸いてきた。特に以下のクダリである。

 サイパン陥落は、陛下が初等科5年生の時であり、その翌年に戦争が終りました。私は陛下の1年下で、この頃の1歳の違いは大きく、 陛下がかなり詳しく当時の南方の様子を記憶していらっしゃるのに対し、私はラバウル、パラオ、ペリリュウ等の地名や、南洋庁、制空権、 玉砕等、わずかな言葉を覚えているに過ぎません。それでもサイパンが落ちた時の、周囲の大人たちの動揺は今も記憶にあり、恐らく陛下 や私の世代が、当時戦争の報道に触れていた者の中で、最年少の層に当たるのではないかと思います。そのようなことから、私にとり戦争 の記憶は、真向かわぬまでも消し去ることの出来ないものであり、戦争をより深く体験した年上の方々が次第に少なくなられるにつれ、 続く私どもの世代が、戦争と平和につき、更に考えを深めていかなければいけないとの思いを深くしています。

 戦没者の両親の世代の方が皆年をとられ、今年8月15日の終戦記念日の式典は、この世代の出席のない初めての式典になったと聞きま した。靖国神社や千鳥ヶ淵に詣でる遺族も、一年一年、年を加え、兄弟姉妹の世代ですら、もうかなりの高齢に達しておられるのではない でしょうか。対馬丸の撃沈で亡くなった沖縄の学童疎開の児童たちも、無事であったなら、今は古希を迎えた頃でしょう。遺族にとり、 長く、重い年月であったと思います。

 経験の継承ということについては、戦争のことに限らず、だれもが自分の経験を身近な人に伝え、また、家族や社会にとって大切と思わ れる記憶についても、これを次世代に譲り渡していくことが大事だと考えています。今年の夏、陛下と清子と共に、満蒙開拓の引揚者が 戦後那須の原野を開いて作った千振開拓地を訪ねた時には、ちょうど那須御用邸に秋篠宮と長女の眞子も来ており、戦中戦後のことに少し でも触れてほしく、同道いたしました。眞子は中学2年生で、まだ少し早いかと思いましたが、これ以前に母方の祖母で、自身、幼時に引 揚げを経験した川嶋和代さんから、藤原ていさんの「流れる星は生きている」を頂いて読んでいたことを知り、誘いました。初期に入植し た方たちが、穏やかに遠い日々の経験を語って下さり、眞子がやや緊張して耳を傾けていた様子が、今も目に残っています。

 何度も読んでみると、皇后さまは「戦争経験の継承」に強い意思を持たれている。僕はそこにハッキリとした「非戦の誓い」を感じる。 継承すべきは非戦の意思である。

 現憲法では天皇、皇后は「シンボル」であって、政治的発言に制約がある。その制約の中で、ギリギリのところで「危うい日本」に警鐘 をならしている‥‥ようにお見受けする。

 右傾化する風潮、翼賛的な風潮、自分で考えない、意欲のない階層が結果として小泉翼賛を許している‥‥美智子さまは、この風潮に、 強いメッセージを送っておられる。

 違憲の疑いがある解散を断行、刺客を送り込んだ小泉劇場政治は憲法改正に突き進む。“踊る右傾化”の危機が進む。

 今週のサンデー毎日「青い空 白い雲」では、改めて、小泉さんの靖国参拝の矛盾について書いてみた(早いところでは24日発売)

 25日夕刊(一部26日朝刊)の「キリ珠」では、共産党みたいになった自民党の“踊る粛清”を書いてみた。

 僕には制約が少ない。幸せである。御身大事で信念を捨てる気持ちはサラサラない。そんな柔な人間ではないつもり。

 23日の日曜日は、未明まで雷雨。その後、久しぶりの快晴。富士山が綺麗だ。午前中、「たいとう診療所」の研修会で闘病・社会復帰 をテーマに講演した。医療の主役は患者である、という持論を話した。職員の皆さんだけでなく、患者仲間まで来てくれて、うれしかった。

 菊花賞。インパクト三冠達成! 万歳、万歳! 強い馬が圧倒的なスピードで勝つのは、気持ちが良い。武豊はプレッシャーに強い。 圧倒的な、精神的な強さを見せないところがまた魅力。

 酔った。酔った。競馬って良いな。

<何だか分からない今日の名文句>

天馬に酔い、天才に酔う 競馬こそ劇場

10月20日(木) インパクト、世紀の一瞬は刻一刻

 久しぶりに快晴。それと関係あるのか、やたら来客、電話が殺到する日。

 来客は、台所の蛇口の修理。コピー機のインク取替え。信用金庫の積立集金‥‥(それに、ここでは書けない来客1件)

 電話は、例えば、近くの脳卒中患者の奥さんの近況報告、JRA仲間の飲み会のお誘い、脳卒中戦士の「元六本木の帝王」の良く意味の 分らない報告3回も(彼の言語障害はまだ重い)競艇女性選手とのデートの約束?‥‥等々。(もちろん、ここには書けない秘密事項は他 に2件)。電話に出てばっかりで、原稿が進まない。

 それでも「青い空 白い雲」を書き上げる。自分で考えない人が「下流」と言われる階層になり、小泉ペテンに騙されている、というよ うなことを書く。

 小泉翼賛でテレビも新聞も「ヨイショ報道」ばかり。一人ぐらいは、小泉さんに楯を付く記者が居たって良いじゃないか。

 午後3時ごろ、出社。社会部→馬小屋→サンデー毎日。経済部のOBの集まりがあるらしく。懐かしい顔に出会う。

 午後7時、八重洲口の床屋で散髪。途中にスポニチの編集部から電話。「菊花賞の観戦記を書いてくれ」という注文。インパクトの世紀 の一瞬を書けるのは光栄だが、理由があって、23日は京都へは行けない。

 理由の一つは金欠。これは、資金を調達すれば良いのだが、23日は「たいとう診療所」の研修会。そこで講演をする予定なのだ。実は 講演を頼まれ時点で、この日が「世紀の菊花賞」と知ってはいたが「たいとう診療所」は僕の「命の恩人」。断ることは出来ない。それに、 脳卒中患者の本音を医療関係者に知ってもらう良い機会と思い、選択した。

 「競馬ファンとして菊花賞に行かないのはインパクトを冒涜するものだ。終わったら、新幹線に乗り込め!」という意見もあるが、これ は時間的に無理だ。

 丁重に「菊花賞観戦記」を辞退した。これで、当分、注文がなくなるかな。

 朝日新聞の有吉正徳記者から最新の「AERA」が送られてきた。彼が「ディープインパクト 無敗の3冠への神速の奇跡」を書いてい る。「AERA」で4ページ書くのは記者冥利なのだろう。すぐ読む。良く取材している。

 インパクトはまだ名前がないとき「ハーちゃん」と呼ばれていた、というのは、有吉原稿で初めて聞いた。母親のウインドインハーヘア から取ったのだろう。大人しい子だった。そのハーちゃんは立って眠る精神力を持つに至っている。有吉原稿にはないけれど、聞くところ によると、ダービーのスタートの直前、インパクトはゲートの前で居眠りしていた。凄い馬だ。

 世紀の菊花賞が刻一刻と近づいている。日本人はこぞって、インパクトをテレビで見よう。F1カーの神速を見よう。

 何かの因縁なのか、この日、我が愛馬・フェザーレイは東京競馬場で、ロックスピリットは福島で走る。この日に走れるのが、栄光?  彼らもインパクトと同じ時代を走ったのだから。

<何だか分からない今日の名文句>

天馬は立ったまま眠る

10月19日(水) ムネオの逆襲

 予想した通り、ムネオの逆襲が始まる。

 サンデー毎日の「青い空 白い雲・ラスプーチン? が指摘した『同語反復』の怖さ」(10月2日号)で「鈴木宗男が小泉さんの天敵 になりかねない」と書いたが、その通りになりそうな気配。

 明日(20日)発売の週刊新潮でムネオさん「実名告発手記・外務省の犯罪を暴く」という連載を始める。第1回は「真紀子追い出し 騒動」。外務官僚が「真紀子を追い出して欲しい」とムネオに頼んできたことを暴露している。面白い。真紀子さんと相打ちに辞任したの は、飯島首相秘書官の頼み。小泉さんから、お礼の電話を受けた。

 以前、外務省が大臣に渡さない資料までムネオには渡していたことは周知のことだが(河野洋平外務大臣の時にも、同じだった)、 その外務官僚が「復活ムネオと付き合わない対応マニュアル」を作った。それに腹を立てて「実名告発手記」を書いた、というストーリー。 それなりの新事実。しかし、彼が隠している事は山ほどある。

 これは、対応マニュアルが出たのを幸いに、怒りを込めて告発するフリを見せ、行く行く、アレもコレも「小泉さんの致命的な汚点」 までばらすぞ、と脅しをかけたのだろう。国会に戻ってきたムネオさんは、以前、付き合いのあった官僚に電話を掛け捲って「俺を、 舐めるなよ!」と強面だったという。多分、手記も、彼の手練手管の一つだと思うが、もし、国民のために、ムネオさんが本気で「権力の 犯罪」を次々に暴露すれば喜ばしい限りである。

 午前中、国際医療福祉大三田病院で大山ドクターの検診。血を採った。

 午後、TBS収録。シマちゃんに会った。シマちゃん、TBSラジオで「対談番組」を持っている。「対談の相手になってくれ」と頼ん で、一度も断られてことがない。人徳である。

 帰りに鳥チャンの見舞いに行こうとしたら、18日に退院していた。素晴らしい速さ。テレビのインタビューを幾つもこなしている。 凄い。

<何だか分からない今日の名文句>

タダでは起きない人々

10月18日(火) 加藤さん、今頃、年金議連?

 朝、御所の周りを散歩。新島襄の旧宅を発見した。新島襄は江戸・神田の生まれと記憶していたので、江戸っ子と誤解していた。神田と 言っても安中藩邸で生まれと言うから、彼は「群馬県の人」ということか。群馬県人には教育者が多い、と聞いたことがあるが‥‥。

 京都の旧宅は同志社英学校があった場所。そこから500メートル離れた今の同志社今出川キャンパスは薩摩藩邸跡である。

 この旧宅に住んだのは、明治11年から、永眠する明治23年までの約11年間。木造2階建ての瓦葺きだが、外観は立派な洋風建築 だった。

 隣の喫茶店で、モーニングのコロッケサンドを食べる。何か、学生時代を思い出すような気分。京都って、良いな。

 大好きな哲学の道の南外れに、新島の墓があったような気がする。若王子神社のあたりだったが‥‥行ってみたいが、時間がなく、 10時半発の新幹線で帰京。

 午後は永田町あたりで野暮用。雨が激しい。永田町は早くも内閣改造の話。靖国の話などは新聞だけのこと。本音は人事、人事。

 女性閣僚が5人を越える、との噂。もしかしたら聖子さん、と言っても、野田さんではなく、橋本聖子さんが起用されるかも。文部科 学相なんてどうだろう。ちょっと期待したいのだが、まかり間違っても、チルドレンの起用なんてことになると‥‥またまた小泉劇場にな る。多分、情報バラエティ番組は、また「女の戦争・内閣改造編」を見せるのだろう。

 明日(19日)加藤紘一が「年金議連」を結成する。派閥を失った加藤さんが、影響力維持のために議連を作る。何を今更、年金議連? 

 夜、浅草橋駅前の売店を通りかかると「今週はサンデー毎日が売れてるよ」とおばちゃん。村上ものが、売れ筋なのか。バブル的気分が 東京には充満している。

 台風はそれるようだ。

<何だか分からない今日の名文句>

「ジンジ、ジンジ」と秋の虫

10月17日(月) 日米首脳会談は何故11月16日?

 終日、京都で野暮用。

 小泉さんが靖国簡略参拝。もしかして、大晦日に参拝するのでは‥‥と推測していたが、やはり秋季例大会を選んだらしい。「簡略」に 工夫あり。

 しかし、である。靖国参拝を公約にしたばっかりに、中国、韓国の反発を覚悟の上で、形を変えて参拝しなければならない。結果的に、 小泉さんは「靖国」を「政治的おもちゃ」にしてしまった。

 僕は参拝に反対だ。何故なら、合祀されているA級戦犯の方々は「戦争犯罪人」であるかどうか、議論の分かれるところである。しかし、 数百万人の日本人を死に至らしめた「戦争責任者」であることには間違いない。

 中国や韓国が内政に関与する、しないに関わらず「戦争責任者」と「戦争犠牲者」を合祀する社で、総理大臣が「不戦の誓い」をする。 この理屈には無理がある。戦争を憎む、日本人の大多数が違和感を感じている。

 靖国神社は「お国のために死んだ英霊」を祀る原理主義の社である。広島、長崎、東京大空襲の民間犠牲者を慰霊しようとはしない。 何故「お国のせいで犠牲になった市民」を慰霊せず「戦争指導者(戦争責任者)」を合祀するのか。それは「お国のために死ぬ原理主義」 を残したい意思がそこに存在するからだ。

 そこに「日本国の危うさ」が隠れている。

 11月15日、紀宮さまと黒田慶樹さんが結婚式を挙げる当日、ブッシュ大統領が来日する。この日午前、東京・千代田区の帝国ホテル で神式の結婚式。両陛下はその後一度、皇居に戻り、三権の長らから祝賀を受けられる。

 この前後にブッシュが来日する予定だと言う。これは、かなりの大掛かりな日米同盟ショーになるだろう。

 そして、ブッシュは京都に迎い、京都御所に3月完成した迎賓館に一泊する。迎賓館に要人が泊まるのはブッシュさんが始めてである。 御所に泊まる同盟国の大統領。そこに、何か、属国・ニッポンを感じる。

 そこで、京都にいる間に‥‥と午後、迎賓館を見学した。と、言っても、もちろん、外から。京都市上京区京都御苑23。敷地面積 約20,000平方メートル 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄骨造) 地下1階、地上1階 (一部2階)建  入母屋屋根(一部切妻屋根) 緩勾配 金属板葺き 最高軒高 約7.6m 確かに立派だ。和風に粋を凝らしている。

 首脳会談の最大の懸案は在日米軍再編に絡む沖縄の米軍普天間飛行場移設問題。そこで、前進があるかどうか、甚だ疑問だが、京都の美 しさ、日米の美しい団結は世界に発信される。

 別に異論はないが、我々は、イラクで米兵が次々に戦死している現実を忘れてはいないか。

<何だか分からない今日の名文句>

帝国主義の残滓

10月16日(日) バクチ打ちニッポン

 村上ファンドの阪神株買占め、楽天のTBS買占め‥‥表面化していない幾つかの買占め。その背景を考えながら、週末はボサッと過ご す。

 8月以降の日本株の上昇局面は間違いなく、外国人投資家。彼らは日本をこう見ている。

 小泉さんが圧勝して、規制緩和という名前の元で激しい経済戦争が始まる。郵政民営化でカンポのカネは外資の物になる。

 この経済戦争で、日本人は約5%の勝ち組(富裕層)と約95%の負け組(貧困層)に別れる。サラリーマン大増税、消費税アップ‥‥ 負け組に打撃が次々にやって来る。細々と貯めた預金は低金利政策で実質的な資産減。年金もアテにならないとすれば、貧困層が「株」に 目を向ける。

 貧乏人が再び「株式投資」にやって来る。貧困層にまでバブルが広がるのではないか、‥‥と外国投資家は見ている。

 事実、夕刊紙、雑誌に株欄が増え、例えば「株で年収3000万円は可能」なんて特集が出る。日本列島は「バクチ打ち」の雰囲気だ。

 楽天をはじめ「買占めグループ」は「放送とネットの融合」なんて言葉で奇麗事を言うが、これは「博打」だ。(放送とネットの融合は 今始まったことではない。5年前から、起こっていることだ)

 郵政マネー、団塊の世代の退職金、それに、原油高で勢いづくオイルマネー‥‥株を取り巻く環境は大分、違っている。

 それが大多数の日本人(つまり負け組)に、どう影響するか。そうした中、我々、ジャーナリズムはどうしたらいいのか。マスメディア の公共性をどう守るのか。

 そんなことを考える。今こそ「同一価値労働・同一賃金」を実現する国民運動が必要ではないか。同じ価値がある仕事(労働)が、同じ ように報われる日本を作るべきだ。

 パート、アルバイト、派遣社員、フリーターの「非正規労働者」の年収が余りに低く抑えられている。これでは結婚して、子供を作るこ とは出来ない。

 で、今週のキレ珠は「同一価値労働・同一賃金」を提唱することにした。題して「やだねったら‥‥」。エッ、何のこと? とにかく、 18日夕刊「キレ珠」を読んでみて欲しい。

 日曜日、京都で武豊の神業を見る。素晴らしかった。

<何だか分からない今日の名文句>

95%がヒラリーマン

10月13日(木) 西洋梨の食べ方

 朝、たいとう診療所。一ヶ月に1度の外来リハビリになったこともあって、診療所の動きに鈍感になっていた。僕の担当だった療法士の 吉良さんが体調を崩して、お休みになっていた。知らなかった。心配だ。

 で、新しい担当は大木さん。独身男性。僕は小学校の3年まで「大木太郎」だったから、これも奇縁。初台リハビリセンターで伊藤先生 と一緒に働いていた人なので、何か、初対面という感じがしない。上手く行きそう。

 昼、銀座で散髪。銀座・松屋で「男の銀座市」が開催していたので覗いたが、別段、消費欲を刺激しない。

 仕事場に帰ると、山形支局長に栄転した中山君から、マレギレットマリアなる西洋梨が送られてきていた。いかにも美味そうで、齧り付 く。ちょっと硬い。

 西洋梨は山形県の特産らしい。16世紀頃からドイツ、イギリスで栽培され、18世紀に、イギリスの代表的品種「バートレット」が日 本に入ってきたらしい。モノの本によると、東置賜郡屋代村(現在の高畠町)で明治8年から植え付けたという。

 しかし、当時は、不味かった。実ったはずと、食べてみら石のように固い。

 確かに、堅い。こんなに堅いと、売れないな、と思ったら、説明書が入っていた。「室温で保管し、皮が黄ばみ、梨を指で押し『ちょっ と、軟らかいかな』と感じるとき、食べるべし」

 ああ、慌てて食べてしまった。

 夕方「蒼い空 白い雲」をやっとのことで書き上げる。内容は朝日新聞批判。

 午後8時、サンデーの仲間がやって来て、12時ごろまで、談論風発。

<何だか分からない今日の名文句>

食いしん坊の美味貧乏

1月12日(水) 支援競争?

 12日の日経「海外論調」。インド洋津波支援について、各国の論評を並べている。英国フィナンシャル・タイムス紙は「日米独豪のど こが公的資金拠出国第一になるか、などは問題ではない。問題は約束が守られるかどうかだ」と書いているそうだ。英国では「支援競争」 と見られているのか。

 はっきり言って、ことが起こると「支援する」「応援する」と言いながら、約束された支援が守られないことは、過去に幾つもある。

 支援競争であってはならないが、日本はアジアのリーダーとして、相応しい役割を果たすべきだ。日本は支援の約束を履行する国。それ は、世界から信じられている。

 それにしても、残念なのは対中東である。田中角栄の頃、独自の外交政策で、中東から支持を得た日本は、今「米国の走狗」と思われて いる。支援が無に帰す。残念ではある。また、サマワは幾分、緊張?

 神の怒りのような大災害に莫大なカネがいる。大国の「戦争ごっこ」の後始末にアリバイ支援する場合なのか。この「戦争ごっこ」はま だまだ続く。「テロに負けるな!」という掛け声と共に。

 もちろん、未だに大国の中国を援助する時代なのか? これも、結論を出さなければならない問題だろう。津波が、多分、世界のシステ ムを変えるだろう。これは好機かも知れない。

 終日、野暮用。毎日新聞金曜夕刊の競馬欄。ことしは「牧太郎の競馬ロマン大学」と題した。二回目は「ウララが走らないと‥‥」。 経済学部の講義? を深夜、書く。

<何だか分からない今日の名文句>

支援は哲学

10月11日(火) 縄張り

昼、高原の駅の気温11℃。寒い。そのまま帰京。少し寝て、午後「競馬ロマン大学」執筆。

福山市に45万本のバラが咲いている。その秘密を競馬と絡めて書く。

夕方、健康散歩。某駅の近くの路上で“その筋”と思われる人々が屯している。

最近、東京駅の新幹線口でも同じような場面に遭遇しているが、何やら「西のお方」を地元の人が案内しているような雰囲気である。 国粋会が山口組の傘下に加わったことと関係があるのか。某駅近くは国粋会系S一家の縄張り。

穏やかで、地元になじんでいる組織だが「西」が入って来るとなると‥‥関東も黙って居ないだろう。

日本の暴力団地図は山口組一極集中。ブッシュ・アメリカ組の世界制覇に似ている。その分だけ、反対勢力は先鋭化する‥‥関東には「縄張り」を持たない、と約束した山口組だが、国粋会の組織入りで関東進出は名実共に定着した、ということだ。 もっとも、三代目田岡組長の倅さん・満さんと話した時、田岡組長と東急の五島昇さんの親密さ?の話になったら、満さんは「渋谷の地上げで山口組が力を貸した」と話していた。

その真偽は分からないが、ともかく山口組は水面下では、かなり前から東京進出を果たしていたのだろう。

これからはフロント企業だけでなく、大手を振って、山口の代紋が首都・東京を進む。

若干、注意が必要なのかも知らない。

夜、雑誌、新聞の整理。財務省が明治から昭和にかけて発行した金貨を公開オークションしたというニュース。

20円の金貨が1000万円とか。発行した本人がオークションをする。ちょっとヘンなシステムだ。国家が貨幣の値段を吊り上げる。妙だ。 山口組東京進出も、貨幣のオークションも、村上ファンドの株買い占めも‥‥バブル再現期待の機運?
<何だか分からない今日の名文句>

義理と人情を秤にかけりゃ、カネが重たい渡世人

10月10日(月) 61歳の誕生日

 ちょっと肌寒いところで、61歳の誕生日を迎えた。

 この1年は、何か、それまでの1年と違うような気がしている。去年の10月10日、 毎日新聞を定年退職した。だが「専門編集委員」は65歳まで、 これまで通りの待遇で「社員」でいることが出来る。それを適用してもらった。

 実に有難いことである。経済的に安定するし、文筆を続けるとしても、 フリーになれば、新しい媒体を探さなければならない。大学の先生を勧める人も居たが、 筆一本という生活は到底出来なくなる。だから、社に残り、 コラムを書き続けることが最高して最強の選択。有難い事だ。

 多くの同僚の好意に感謝しつつ、それに相応しい執筆活動をしなければ‥‥と、覚悟した。

 「量」の面でまず、応えなければならない。60歳と同時に、サンデー毎日に 「青い空 白い雲」を始めた。先ずは「量」で応えなければならない。 「量」の方がまずは「努力」を感じさせる最良な策である、と思った。

 その次に「質」である。僕に求められる「質」は、他の人が持ち合わせない 「感覚」を提供すること、と理解した。確かに正論だが、切り口が平凡で、 面白さを感じない文書では、読者は納得しないだろう。

 そこで「ここだけの話」というタイトルを「キレの良いのが珠にキズ」と変えた。 「キリが良い」が俺の売り物!と自分自身に言い聞かせた。

 強い意思を要した。つい、曖昧に書こうとする自分に「キレ良く、モノの本質を露にする、 それが俺の役目だ」と叱り飛ばす。これが辛い。

 キレが良いと、読者は喝采する。しかし、モノによっては、反対意見が数多くやって来る。 反対意見が来なければ、本当のことを書いていないんだ、と思う。が、その、 見えない圧力を感じることもある。それに屈しないためには、強固な意志が必要だ。 (中には、国語能力に欠けるという訳でもないんだろうが、冗談、洒落、皮肉が分らない人もいる。 そんな時は、笑い飛ばすことにしている)

 ともかく、キレを良く書く。当然、反権力的な言い回しになることもあるから、 文句が来るのは当たり前だ。だから、時に疲れる。

 しかし、その意思を持ち続ければ、怖くない。モノ書きは覚悟だ。この一年、 やり甲斐があった。皆さん、ありがとう。

 まるで、梅雨のような毎日。氷雨が降り続く。色づき始めた群馬県境の山。 ボサッとして、時々、月刊「文藝春秋」をパラパラ。また昼寝。またパラパラ。

 「日本共産党の戦後秘史」(兵本達吉著)の書評が載っていた。 評者は佐藤優さん。実に上手い。

 「『絶対の真理は我のみにある』というプログラムが組み込まれた有機体が、 兵本氏のような正義感が強く行動的な知識人を、あるときは包摂し、別のときは排除して、 自己防衛を繰り返し、生き残っていく姿が見える。小泉改革に面従腹背し、 生き残りを図る霞ヶ関の官僚組織に通じる文化だ」と言うくだり。僕には、なかなか書けない。 僕も週刊文春で、同じ本を書評したが‥‥完敗だ。

 今週の「キレ珠」は「金月の恐怖」。読んでくれ。

<何だか分からない今日の名文句>

勉強、勉強、また勉強

10月9日(日) 府中で見せた毎日新聞の底力

 8日から東京競馬場で、本格的な秋競馬。9日は天皇賞のステップレース・第56回毎日王冠。

 今から10年前、毎日新聞は「馬柱」を入れた競馬面を作った。「馬柱」とは、 競馬新聞並みの詳しいデータを「箱」に詰めた出走表。スポーツ新聞にも掲載されているが、 ギャンブルに一定の距離を置く一般紙には載ったことがない。社会はギャンブルに拒否反応を 示している、と判断する向きもあるのか。

 しかし、10年前、サラリーマンは平気で通勤電車の中で競馬新聞を読んでいた。 そんな拒否反応を示しているのは大新聞だけではないのか。

 読者のニーズに応えるのが新聞である。我々は「馬柱」の掲載を決断した。 当時、ちょっとした「一般紙革命」と言われたものだ。

 掲載されるのは金曜、土曜の夕刊。「馬柱」が載るのはメインレースだけ。 でも、大部分のファンはメインレースしかやらない。だからメインレース中心で十分。 メインレースだけの情報のために410円の競馬新聞を買うのか、130円のスポーツ新聞を 買うのか。毎日新聞夕刊は50円だ!という売りで、毎日新聞の新設の「うまランド」は 少しづつ読者は増やしていった。

 それから10年たった。当初、社内にギャンブル欄に批判的な意見もあったが、 今や、そんな意見はまるでない。

 そこで、10年を祝って、何か、イベントをしようということになった。それなら 「毎日王冠」の日に‥‥企画・発案は、たまちゃんである。

 その日がやって来た。あいにく雨だった。東京競馬場の開門と同時に、毎日新聞「うまランド」 の特別刷をファンに配る。3万部印刷した。

 配る人間は、たまちゃんが独自な人脈を駆使して集めた。ボランティアである。 実は販売店に頼もうとしたが、その日の朝刊を配ったばかりの販売店に頼むわけにはいかない。 新聞配達は激務だ。ところが‥‥府中の販売店のメンバー40人が自主的にやって来てくれた。 感激した。ほぼ降る雨の中の新聞配り。毎日一家。みんな感激した。

 11時40分、レースの昼休みはトークショー。サンデー毎日でコラムを書いている井崎さん、 「うまランド」のコラム担当の鈴木淑子さんの他にテレビ「伊藤家の食卓」で人気のタレント ・山口美沙さん。予想陣から本紙担当の世良和夫さん、それにたまちゃん。 僕も出演予定だったが、雨が降っていて、右半身麻痺には危険だ、と辞退した。

 鈴木さんが、上手に交通整理したので、井崎さんがユーモアたっぷりで、 良いトークショーになった。

 お客さんが帰る時には「毎日王冠」の結果を掲載した号外を配った。 記事を書いたのは名文の論説委員の石原進、カメラは若手の佐藤賢二郎。 整理はその道の名人と言われる川合寛。レースが終わった直後に号外が出来た。 印刷はリコー販売の面々。たまちゃんに仲人をしてもらった関亮典さんが人肌抜いでくれた。

 販売局の面々、広告グループの面々は機敏に動いてくれた。たまちゃん、競馬仲間・ 東尾吉信さん、「久原」の女将‥‥もちろん、東京競馬場の面々‥‥ご厄介になりました。

 たまちゃん、ご苦労さん。何も出来なくてごめん。毎日一家の底力を見せてもらって感激する。

 毎日王冠は3連単147万円の大穴。愛馬・フェザーレイは9レース。 13着。でも楽しい一日。

 夜、野暮用1件。パキスタン地震犠牲者2万人を超す。

<何だか分からない今日の名文句>

一家は一家 夢は夢

10月6日(木) 忘れてしまった

 鳥ちゃんの手術が気に掛かり、午前2時に起きてしまった。 仕方なく「青い空 白い雲」を書く。頑張れ!鳥ちゃん、 というような原稿になってしまった。最近のガン治療の進歩は凄まじい。 直腸ガンで万一、人工肛門になっても数ヵ月後、もとに戻る。鳥ちゃん、大丈夫だ。

 予定より早く、原稿が出来たので、秋葉原から、開通したばかりの「つくばエクスプレス」に 乗って終点まで。料金片道1150円。快速の所要時間45分。 地下を走る分量が多くて、楽しくない。それより、秋葉原の変貌、凄まじい。 制服喫茶の女の子からティシュを貰った。

 午後、出社。同僚の女性記者から「ミラーさんのこと、覚えてる?」と聞かれた。 ミラーさんと言えば、今話題のニューヨークタイムズ女性記者・ジュディス・ミラーさんの ことだろう。アメリカの連邦地方裁判所から取材源を明かさなかったため 法廷侮辱罪で有罪判決を受け、収監された女性だ。つい先頃、釈放された。

 「そのミラーさん?」と聞く。「そうよ、忘れていた?」

 同僚の女性記者が言うには、僕は6年ほど前にミラーさんの取材を受けている、というのだ。

 本当かいな?

 同僚記者の記憶では、ミラーさんはオウム事件の取材に来日して、その折、 僕をインタビューした。同僚記者は同席したという。すっかり忘れていた。今、 世界中で一番、知名度が高い記者さんを忘れていたとは?

 ちょっと恥ずかしい。

 9日、東京競馬場で毎日王冠イベントが行われる。たまちゃんの企画、演出。 井崎さん、鈴木淑子さんの他に、タレントの山口美沙さんも加わりトークショー。 たまちゃんも出る。「牧さんも出なければいけない」とたまちゃんが命令するが、 どうしたものか。

 謹んで、ご辞退する心算なのだが。晴れればいいのだが。

<何だか分からない今日の名文句>

忘却とは忘れ去ることなり(「君の名は」)

10月5日(水) インパクトのいない記念写真

 今日発売の週刊文春に「日本共産党戦後秘話」の書評が載る。 筆者の兵本君からお礼の電話。「二刷」に入ったという。同慶。

 昼、TBSラジオ→JRA。世間話2時間弱。阪神競馬場の神戸新聞杯の時、 優勝馬・インパクトの馬主・金子真人ご夫妻の好意で、記念写真に入ることになった。 「口取り写真に」と勧められたが、報道陣が殺到して、危なくて、 インパクトに近づけなかった。」

 口取り写真には入れなかったが、金子ご夫妻、武豊、池江調教師、吉田勝哉さん、 神戸新聞社社長の記念写真に脇にチョコンと入った。その写真が届けられた。 インパクトが居ないけど、僕に取っては良い記念である。

 来週のサンデー毎日のグラビアに「武とインパクト」を書いている。 読んでくれ。インパクトとは、彼が引退後、どこかで、ツーショットで写したい。 サンデーサイレンスの写真も、ツーショットで記念に残してある。

 仕事簿に帰って「青い空」に取り掛かる。休日が入ると、締め切りが一日早くなるので、 せわしない。鳥さんのことを書くつもりだが、なかなか、進まない。

 夜、例の「せんべい汁」を食べる。Jr、大相撲のラスベガス巡業の仕事で、アメリカへ。

<何だか分からない今日の名文句>

女優より 写真を撮るなら 競走馬、
澄んだ瞳が違う

10月4日(火) 僕も「大使」になった?

 朝、必死で歩く。小雨の中を御徒町まで。何しろ、太って太って。糖が心配だ。

 アメ横の「差し色名人」を訪ねる。2日前、公園でいる時、急に頭が痛くなって、病院でCTを取ってもらった、と言う。原因が分から ない。

 「ストレスかな」と無責任に話すと「そう。生まれて初めてのストレスなんです」。彼に何が起こったのか。

 せめて、彼の売上げに協力しようと、ちょっと高価なシャツを買った。それくらいしか、手助けが出来ない。

 帰ると、仕事場のドアの前に紙袋。せんべい汁が入っている。

 青森県八戸市の「せんべい汁」は奇妙なグルメである。肉、魚、野菜、キノコ、豆腐、糸こんにゃくなどの具がふんだんに入った汁に 南部せんべいを入れる。それだけだが、実に美味い。健康志向で、秋田のキリタンポに似ている。

 2003年11月、突如「八戸せんべい汁研究所」なる市民集団が誕生した。煎餅製造業者でも、飲食関係者でもなく、あくまでもボラ ンティア集団である。昔から、受け継がれていた「せんべい汁」の商品化を提唱して、それが、今や、八戸では約180軒の店が「せん べい汁」を出す。

 それだけではない。「好きだDear!せんべい汁」という歌がジワジワと流行っている。

 その話を9月初めの「キレ珠」に書いた。「そのお礼に」と八戸せんべい汁を研究所が2個プレゼントしてくれたのだ。「キレ珠」が 出た日、研究所の公式サイト「八戸せんべい汁研究所」には、訪問者が過去最高の1041人を記録したそうだ。

 で、紙袋に、名刺が1箱入っている。何だ、これは? 良く見ると「八戸せんべい汁大使・牧太郎」の名刺だ。俺、大使なんだ。

 手紙には「大使になって下さい。確認しないまま名刺を作りました」というようなことが書いてある。「大使」は数人いるらしい。洒落 なんだろう。精々、せんべい汁をPRするか。

 午前中、雑誌「JREAST」を書き、夜「競馬ロマン大学」を書き、あとは野暮用。加古川の友・宮山から「少し誕生日には早いけど」 とお祝いの「穴子」が送られてきた。好物を忘れないでくれた。うれしいじゃないか。

<何だか分からない今日の名文句>

感謝感激 雨アラレ

10月3日(月) 公費なのに領収書がいらない?

 鳥越俊太郎さんのことが気になって、テレ朝「スーパーモーニング」を見る。鳥ちゃん、電話出演で「直腸ガンの治療のため、しばらく 活動を中止する」と話す。入院は2週間ほどになるようだ。早期発見らしく、安心する。

 でも、やっぱりショックだ。親しい人間が大病を患う。これはショックだ。電話を掛けようかと、思ったが、人気者だから事務的な整理 が忙しい、と判断して、後日に譲る。

 産経新聞が「武部自民党幹事長の“郵政贈賄”疑惑」をスクープした。

 衆院の郵政民営化関連法案採決の直前、6月27日、自民党の武部勤幹事長が反対派の副幹事長(先の総選挙で落選)に「政策活動費」 として現金30万円が入った封筒を手渡した、というのだ。産経によると、自民党の副幹事長は当時18人。このうち法案に反対したのは 2人。もう1人の反対派副幹事長(落選)も「6月に副幹事長職の辞任を願い出た後、幹事長から活動資金の提示を受けたが受け取らなか った」と関係者に話しているという。

 それほど、ビックリするようなことでもないが、武部勤幹事長は「買収ではない」というような意味のこと話しているらしい。

 7月頃に、官房機密費3億5000万円が参院対策に使われた、という噂もあったし、事実、夕刊紙では活字になっている。だから驚か ない。

 問題は「買収であるか、ないか」ではない。政党の「政策活動費」の扱いが問題なのである。自民党の平成16年の収入は約264億円。 そのうち、6割が政党交付金。つまり公費である。その公費がどう使われたか、それが全く分らない。領収書がいらない、自由に使えるカ ネになっている。

 官房機密費は、性格上、明らかに出来ない部分もある。公開すれば外交関係を壊すことにもなる。が、政党交付金は、政党がどうカネを 使い、どう政治活動しているのか、公開されるべきものである。公費は透明性が前提である。(官房機密費に関しても、例えば、30年後 に、その使い道が公開されるべきだ、と僕は考えている)

 約264億のうち、34億円が党の幹部に渡り、その使途が「政策活動費」で、すべてヤミからヤミに片付けられる。これは「資の面で の独裁」が行われていることにならないか。

 買収であるか、ないか、という問題ではない。そんなこと、幾ら問い詰めても「買収ではない」と言うに決まっている。そうではなくて、 システムの問題なのだ。

 午後、出社。たまちゃんの「馬小屋」が引っ越した。同じ四階だが、こんどは「教育取材班」と同居。顔出すと、たまちゃん、ちょっと 居心地が悪そう。

 社会部も大掛かりな異動で緊張感がある。部長と世間話。サンデー毎日に顔を出すと、ガラッと変わっていた。机の上の本棚みたいなも のが、すべてなくなり、編集部員の顔がお互いに分るようになっている。風通しが良い。

 僕の「青い空 白い雲」の担当デスクが隈元君に決まった。金四郎元編集長の秘蔵っ子と聞いている。挨拶。上手くいきそうだ。

 夜「おけら街道」を書く。

<何だか分からない今日の名文句>

すべては風通し(透明性)

10月2日(日) サンデー編集長交代、鳥ちゃん、ガン?

 10月。一年で一番良い季節‥‥だと言うのに1日夜、インドネシア・バリ島で自爆テロ。 22人死亡。大惨事だが、テロに慣れて、あまり驚かないのが怖い。

 一番良い季節だと言うのに暑い。2日朝、某駅前の新装開店のメガネや店頭で、 メガネの掃除(この店では「メガネのリフレッシュ」と言うそうだが)をしていたら、 中から若い店員が出て来て、手伝ってくれた。

 「今日は30℃を越えるそうですよ」と青年。「暑いだろうね」と応えると、 若者、口を尖がらして「10月ですよ。これでは四季がなくなちゃう。 四季があるから日本なのに、常夏の日本では困りますよね。何か損したような気持ちですよ」

 なるほど、なるほど。四季がなくなる‥‥そうだよな。ハリケーンもそうだが、 地球温暖化が人類最大の課題なのに‥‥政治家は、それに気づかない。気づいても動かない。

 日刊スポーツに鳥越俊太郎さんの体調について、短い記事が出ている。 病気と断定的に書いていないが、聞くところによると、内視鏡でガンが見つかったようだ。 鳥ちゃん、切れば治るさ。ガンは普通の病気だから。暫く、休むのもいいだろう。 遠くからみると、今のテレビがいかに小泉翼賛であることに気づくハズだ。 もちろん、鳥ちゃんも気が付いているんだけれど。

 サンデー毎日の編集長が交代した。先月、元編集長の僕の仕事場に、前編集長の金四郎君、 現編集長の越川君、それに実名は書かなかったが「次期有力編集長」が集まり、 酒を飲んだと、この日記に書いたが、予想通り、10月1日付けで山本編集長が誕生した。

 越川君は僕が編集長になった時、初めて、編集部に来てもらった仲間。 新編集長の山本君は編集長の最後に編集部に取った仲間。たまちゃんは 「二人とも牧学校の卒業生ですね」と言うが、牧学校なんてないし、山本君とは一緒に 仕事が出来なかった。むしろ、僕の二代後の近藤編集長の下で、活躍した人物。 近藤さんは名編集長で、その参謀という立場で大活躍した。二人とも、先輩の敏腕・ 広岩記者の薫陶を受けたとう意味では、広岩学校の優等生同士のバトンタッチとでも言えば 良いだろう。(広岩は「小説を書くから編集長はご辞退」だった)

 二人とも、人情に厚い好漢。スムースな交代がうれしい。

 山本君は以前「編集長をやって見たい」と言っていたが、一番、厳しい環境。 若さで頑張ってくれ。

 サンデーの編集長は激務。いくら越川君でも少しは疲れただろう。 少しは気楽に休んで貰いたい。一緒に、旅行でも行こうか。

 「青い空 白い雲」の担当デスク・中山君も支局長に栄転する。これも同慶である。

<何だか分からない今日の名文句>

10月は新学期