編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2005.3月

3月30日(水) 虚業! 虚婚?

 29日は伊東に泊まった。伊豆の山々を見ながら、伊東の歓楽街で若干の取材。いい天気だ。友人から、携帯で、農水省の競馬監督課長 の異動の知らせ。知らなかった。フットワークの良い課長さんだった。官僚的でない人物で、好きなタイプだったが、彼が変わって、JR Aの組織問題はどう変わるのか。微妙。

 「キレ珠」(「ここだけの話」の改名)の第1回にイロイロな読者の反応がある。「反ホリエモンなのか」という質問も来る。別に嫌い と言う訳ではない。

 ただ、自ら新しい技術を作るのではなく、技術を持った企業を買い取るのが合理的だ、と考えるのが、嫌いなのだ。「稼ぐが勝ち」が嫌 なんだ。人はこれを「虚業」と言う。テレビで、尊大な顔つきの北尾さんも、似ているように思う。虚業が蔓延るのが、嫌なんだ。「虚業 屋」「乗っ取り」という表現を、自己規制して使わないマスコミが嫌なんだ。

 森昌子、森進一別居。おしどりが虚婚? だった、とでも言えば良いのかな。寂しいな。

 
<何だか分からない今日の名文句>

起業は作る喜び 乗っ取りは奪う悲しみ

3月29日(火) 衝動的に

 仕事が一段落する。衝動的に東北へ行きたいなあ、と思う。報知の竹内さんら松戸友の会の面々から、再三「平に行こう」と誘われてい た。泊まりがけの競輪旅打ち。行きたいなあ、と思っていたが、仕事が詰まって、どうしても、都合がつかなかった。

 でも、仕事が一段落すると、血が騒ぐ。新聞を見ると、準決勝は伏見で堅いように思える。雪が残る東北で一泊して、翌日は決勝。良 いじゃないか。

 衝動的に東京駅に向かう。もしかしたら、間に合うかも知れない。ああ、何という遊び人? 恥ずかしい。

 ところが‥‥切符を求めようとして、勘違いに気づく。大いなる勘違い。上野発なんだ。ああ、万事休す。

 どうしたら、良いのか。そして、僕は‥‥僕は、某地に向かった。駅の前で「はなわ」の女将にアマダイの干物を送る。この間の豆のお 礼。必要なものは、まず買っておかないと、スッカラカンになる。サイフ一つの旅打ちだから。

 伏見はだらしなかった。情けなかった。でも、僕は川沿いの遊歩道で、サクラの開花を見た。

 例の吹き出物、まだ健在。

<何だか分からない今日の名文句>

サクラの前にサイフ散る

3月28日(月) 「キレの良いのが珠にキズ」

 終日雨。終日、机に向かう。「ここだけの話」改題「キレの良いのが珠にキズ」 (通称・キレ珠)の第一回を書く。歯切れ良く書くと、一部の読者から、決まって文句が出る。 「理論的過ぎる」「感情的だ」「差別用語だ」「新聞は客観的に書くべきだ」‥‥に始まって 「こんなこと、政府は発表していないゾ」といったものまで、歯切れ良く書くと、文句が来る。 歯切れがいいのが、コチトラの真髄?

 ソフトに書くと、何を書いているのか分らなくなる。

 先輩から「最後の江戸っ子記者なんだから、今まで通り、喧嘩覚悟でズバッと書けよ」と 言われた。よりズバッと書くことにした。「申し訳ありません。珠にキズなんです」と初めから、 謝っておこうという魂胆だ。

 第1回は「何故、マスコミはホリエモン(北尾さんも)を“乗っ取り”と書かないのか?」 といった話を書いた。

 松山市長の中村時広君が4月19日に東京で励ます会を開くという知らせ。 何で、東京で会費2万円の「囲む会」を開くのか。そろそろ国会に色気が出たのか。

 顔を出したいが、丁度、その日、競馬運営委員会有志の「美浦・調教」見学があるので、 行かれない。欠席の葉書を出す。

 右の目の上に吹き出物一つ。若けりゃ、ニキビと言えるんだけれど。

<何だか分からない今日の名文句>

野望はニキビ 絶望は吹き出物

3月27日(日) ある時は競馬師、ある時は私立探偵

 25日のセンバツ高校野球2日目第二試合、東京代表「修徳」はエース斉藤の不調で惜敗。親戚の杉江クンも出番がなかった。でも、 ベンチの最前列で大声を掛ける姿がテレビで何度も見られたから、幸せだ。

 26日夜はサンデー毎日の歓送部会。実は甲子園に応援に行くつもりだったが、この部会があるので断念したくらいだったが、知人が 東大和市方面の病院に入院していることが分り、急遽、見舞い。部会を欠席した。是非、古巣に戻った湯浅記者と話したかったのだが。 彼が編集長を務めた「私の食卓」はこのところ好評で、レールは敷かれた、ということ。ご苦労さん。

 週末は、この見舞いもあって大忙し。どうしようもない。

 27日、関貞三さんから、近著「多羅尾伴内・七つの顔を持つ男」が送られてきた。ある時は競馬師、ある時は私立探偵、ある時は画家、 ある時は片目の運転手‥‥あの片岡知恵蔵扮する「しかし、その実体は正義と真実の使徒・藤村大造」の特集本である。関さんは、この物 語が大好きで大好きで。やはり多羅尾ファンの林家木久蔵さんの協力で、この本を出せるようになったらしい。

 「終章に牧さんのことを書きました」と手紙が添え書きがあったが、読む時間がない。ともかく、締め切りが近いので、日記を書くどこ ろではない‥‥。

<何だか分からない今日の名文句>

トイレも代わりにやってくれ

3月24日(木) 再び登場!孫正義の野望

 ライブドアと楽天を掛け合わせて、その影で、何の抵抗も無くダイエー球団を手に入れた孫正義。大方の予想通り、ニッポン放送騒動に 顔をだした。

 水面下の工作は19日から始まっていた。孫の方からフジに手を差し伸ばしたのか、フジから「白い騎士になってくれ」と言ったのか。 それは謎。フジのトップは社員に「安心しろ。ソフトバンクが味方」と説明したようだが‥‥お人良し、じゃあないのか?

 元々、日本のマスコミを制圧しようと考えているのは孫兄弟。(ちなみに、弟は中学、高校でホリエモンの同級生。弟はホリエモン支持 を装っている) テレビ朝日の株を20%以上、買いしめた実績がある。フジ・産経グループは孫に飲み込まれるゾ!

 株を預かったソフトバンク・インベストメントの北尾さん。「土足で乗り込んで、仲良くなるうなんて」とホリエモンを批判したが、 彼らはM&Aの先駆者。「本家・土足」みたいな人だ。

 まあ、6月の株主総会まで、二転三転。その間に、既存マスメディアの「情けなさ」を我々は何度と無く、見せ付けられるのではないか。

 午前中、野暮用。午後、TBSラジオ→JRA六本木事務所。夜、社会部送別会。例によって、乾杯の音頭を取る。ついでに、簡単な挨 拶。「送別会に相応しくないが、これからは、毎日新聞社がネットと、どう向かい合うのか。新聞記者として、ネットと、どう付き合い、 情報発信人として、生き残るのか、それを考えて欲しい」と話した。

 ネットの広告売上げはラジオを抜き、新聞広告に肉薄している。その認識に社会部記者は疎いように思うのだ。

 センバツ高校野球。2日目の25日第二試合で東京代表「修徳」が出場する。親戚の杉江クン、出られれば良いが。

<何だか分からない今日の名文句>

目指すは「超〜にんげん主義」

3月23日(水) 「ひまわり」の桜

 朝、猫の額のような裏庭に出ると、紫もくれんが咲いていた。いつ、咲いたんだろう。ちょっと前まで「早く咲け!」「早く咲け!」と、 小さな枝を撫でていたのに、気づかなかった。仕事場から200メートル離れた柳橋の欄干にミヤコドリが並んでいる。雨もようだが、気 持ちの良い朝。

 午前、国際医療福祉大学付属三田病院(旧東京専売病院)で、大山ドクターの検診。新しい組織になって始めての外来。受付、会計、投 薬のカウンターが、いつもよりキビキビしている。買収のプラスなのか。「でも、病院の名前が長すぎる」と文句をつけた。患者に分りや すい名前をつけるのも、改革ではないのか。

 午前11時には、雨、本降り。夜、競馬仲間が8人集まるので、食材を探しにいった日本橋高島屋で、ジャンパーを衝動買いしてしまっ た。春がくると、買いたくなる。これ、病気?

 夜の集まりは愉快だった。取り留めのない話ばかりだが、会の中心の長老が、良く言えば柔軟、悪く言えばガサツ(失礼)なので、スト レスが溜まらない。

 言いたい放題の長老、終わってみると、全員、どこかしら、長老から褒められていることに気づく。流石だ。

 宴会の最中、携帯がなる。「ひまわりです。花が満開よ」と叫んでいる。浅草観音裏の「ひまわり」のママである。去年、お酉様で会っ た以降、忙しくて、ご無沙汰になっている。

 「ひまわり」は毎年、今時分、店内に本物の桜を植える。福島から取り寄せた大きなサクラは世間より一週間ぐらい早く満開を迎える。 「早く来てよ」とママ。このイベント、彼女の道楽で、その費用はウン十万円? いや、もっと掛かるかも知れない。お客さんが一杯にな ると、床に座って、花見になる。下町浅草の名物?

 「これから行こう!」という意見もあったが、当然、僕が払うことになりそうだから‥‥ちょっとサイフの中を計算すると、軍資金が足 りない。そこは我慢。昼の衝動買いが響いた。後日、参上!ということにする。

 10時過ぎ、お開き。後はまた原稿。奮闘する。

<何だか分からない今日の名文句>

サクラは散りぎわ

3月22日(火) ホリエモンは愛称で得してる

 たいとう診療所に行くと、藤原成子ドクターが「来月8日から三日間、京都へ花見に行く」と話し出した。もう、桜の季節なんだ。

 彼女、家の前にも大きな桜があるらしいが、去年もこの季節、高遠城に出かけた。「あと何回、桜を見られるかしら」。先生、結構、 お歳を取ってるかな? お若いけれど。新潟の高田城の桜も良い、と進める。

 リハビリの担当は吉良さんに代わった。3年ぶりではないか。「最近は転ぶことは無い」と手足の状況を説明する。彼の次男・共生クン 1歳の写真が台東区の広報に載っているというので、持ってきてもらう。オヤジそっくり。頭の刈り方まで似ている。奥さんは共生クンを 「泣き相撲」に出場させる魂胆らしい。

 ゲラゲラ話しながら、リハビリは1時間。昼はコンビニのパスタで済まし、午後は原稿。

 夕刊フジがホリエモンの側近逮捕を載せている。夕刊フジは一貫して反ホリエモンである。それにしても、ホリエモンという通称、その 響きが、堀江社長に味方している。エモンという響きに明るさがある。たとえ、悪知恵のカネの亡者でも、そう感じない。

 サンデーの「青い空 白い雲」もホリエモンものにした。今週は白木屋乗っ取り(蝶ネクタイの横井英樹の買占め)の話を書いた。消息 筋から「あれ、読んだ。こんな話もある」と電話で連絡してくれた。来週、続報を書こう。白木屋騒動はホリエモンとそっくりだから読ん でくれ。ホリエモンと蝶ネクタイは瓜二つだ。

 夜、西新橋の「はなわ」の女将が「北軽井沢からお豆(花豆)を取り寄せたので煮てみました」と送って来てくれた。美味い。大きな豆 を3時間も煮詰めてくれたので、ことのほか美味い。彼女、栄養管理士の資格を持っているから、薄味で煮込むのが名人芸だ。原稿が少な くなったら、店に行かなければ‥‥近藤さんの顔も見たいし。

 夜、また原稿。

<何だか分からない今日の名文句>

愛は薄味

3月21日(月) どこでも起きるなら

 午前9時半、Jr.から「日記はまだ?」と携帯。いつも彼に日記の更新を頼んでいる。「エッ? 今日、日曜日じゃなかったの?」。 原稿が立て込んでいたので、つい、曜日の認識がなくなっていた。「休日ということで、今回は、日記をお休みにしましょう」とJr.。 ご無礼することにした。ゴメンなさい。

 福岡県西方沖地震。政府・地震調査委員会の臨時会では「地震を起こしたのは『未知の断層』で、現在のところ、(明らかになっている) 断層が動いたということはない」という結論が出した。「震度6弱の地震を引き起こした断層は玄界灘にあるけれど、今まで見たことがない もの」ということである。

 余震域の南東延長線上には、福岡市から筑紫野市にかけて「警固(けご)断層」があるが、これとは別。要するに、日本全国、いままで 地震を感じたことの無いところでも大地震が起こり得る。

 だとすれば「予知」って何だろう。「予知」出来ないのが地震を考えた方が良いかも知れない。「予知」より「現実に地震が起きた直後 の対策」にカネを使うべきではないのか。パニックに陥れるものを除去する方策を考えるべきだ。

 地震を前もって知る国になるより「地震後」にカネを使うべきだ。例えば、日本国地震保険機構をつくることで「地震がやってきても安 全」という国にする。その方が意味があるのではないのか。別に予知の学問を軽視するわけではないが、僕が生きているうちに、予知が出 来るとも思えない。災害は常に未知との遭遇だから。

 毎日新聞「ここだけの話」は22日夕刊で、一先ず終わる。と言うよりも、コラムのタイトルが変わる。何故、変えるのか、について書 いた。是非、読んでもらいたい。

<何だか分からない今日の名文句>

覚悟が一番、予知は二番

3月17日(木) 「牧太郎の産まれたまんま」

 市川で起きて、東京に戻る途中、雨。右手が不自由で傘がさせないので、ずぶ濡れ。いつもながら、ちょっと落ち込む。

 連休になるので毎日新聞火曜夕刊「ここだけの話」はいつもより、締め切りが早い。午後から書き出した。

 実は4月の紙面刷新に合わせて「ここだけの話」の“看板”を変えたら、という意見もあり、このところ、新しいタイトルを考えていた。

 なかなか、良い案が出ない。友人に意見を求めたら「牧太郎の天真爛漫」が良いという。「筆者の性格が出ているじゃないか」と言う。 別の友人(新聞記者の仲間の発想はつまらないから? これも芸能界の友人)は「牧太郎の産まれたまんま」が良い、という。「牧は産ま れたまんま、子供のように考え、子供のように行動する。この良さがコラムに生きているからファンが多い」と解説してくれた。他人と比 べてファンが多いのか、少ないのか、分らない。が、徐々にだが、読書の反応がハッキリ分るようになった。

 「牧太郎の産まれたまんま」。それで行こうか、と思ったが、そうとも行くまい。新聞社は結構、古いから「これでは何のことだか、分 らない」と反対意見も出るだろう。

 考えた末に、デスクと相談して、新しいタイトルは「××××」に決めた。最後の「ここだけの話」になるので、ちょっと力んだ。それ で、何度も何度も書き直す。俺って、下手糞だ。

 午後5時30分、FM・NACK5の「アフター5」という番組に電話出演。テーマはオウム。20日で地下鉄サリン事件から10年。 20日朝のTBSラジオでも、この事件に触れることになるだろう。

 雨が上がったので、浅草橋周辺を散歩。衝動的に「加賀屋」という居酒屋で“煮込み”を食べる。

<何だか分からない今日の名文句>

昔の名前で出て〜いたい

3月16日(水) テレビ、ラジオの高給

 東京地裁が、ニッポン放送の「新株予約権差し止め異議申し立て」を却下した。両者とも、これは“折込済み”のこと。それより、ホリ エモンのニッポン放送保有率がほぼ50%になったことが、かなり衝撃的である。

 誰に取って衝撃的だ、と言えば、まず「ニッポン放送社員の妻」に取って衝撃的である。ニッポン放送の社員の給料は、正直言って、経 営状態からすれば高すぎる。平均1200万円と聞いて驚いた。

 ラジオは構造不況産業。(ラジオの可能性を否定しているのではない。単に儲かっていない、という現状を述べただけだ。誤解ないよう に)その構造不況産業がテレビ局並の高給を払っている。多分、フジの儲けから、この高給を出しているのだろう。

 ホリエモン支配になれば、当然、彼らの給料は「出来高払い」になるだろう。ニッポン放送社員の妻はいま愕然としている。

 多分、ホリエモンという「黒船」は幾つか、問題提起することになる。が、テレビ・ラジオの高給も、遡上に上るだろう。

 大体、テレビの高給は異常である。電波という公共物を使って、その上、仕事の大部分を下請けに回し、テレビ局の正社員は高給を貰っ ている。10年以上前の銀行のような高給である。銀行員は「日本銀行券」という公共物を使って、高給を貰っていた。そして、世の反感 を買った。

 この、かつての銀行員が反感を受けたように、銀行員に批判が集まりつつある。これが、何時か、社会問題化する。その時が、刻一刻と 進んでいる。これにテレビ関係者は気づかない。

 我が毎日新聞は新聞業界1の薄給会社だから「テレビ局の給料は高すぎる」キャンペーンが出来る。サンデー毎日の編集長だった僕は、 かつて「銀行員の給料は高すぎる」キャンペーンを始め、メインバンクの幹部から「キミは出世しなくていいのか?」と脅されたが、僕は 出世はしなかったが、いまだに僕の言論は確保されている。それが民主主義だ。 電波を使って、常識を超えた賃金を貰うのは許されない。 それ以上に、下請けの仲間が経済的に困っているのは、黙って放置するのは許されない。

 午前中、原稿。午後、市川へ。晴れ渡った一日だった。

<何だか分からない今日の名文句>

民主主義は自由と平等のバランスの哲学

3月15日(火) 正社員が増え出した

 FAX機の営業の若者がやって来た。これまで数回やって来たが、その度に「忙しい」「出直してこい」と断わり続けていたが、諦めな いでやって来る。少し、好きになった。

 明治学院を卒業して3年間、ブラブラしていたという彼。正社員にならないとマズイと思い、新聞広告で今の会社に入った。「営業の仕 事が良いと思って、決めました」

 「ご両親は?」と聞くと、お父さんは郵便局、お母さんは病院の看護士。両親が働くと息子は安心して、遊んでしまうのか。

 それが突如「仕事を始めよう」と思ったのは、郵便局の民営化騒動。父親の仕事が場合によっては、リストラの対象になるかも、と不安 になったかららしい。

 今週のエコノミストが「あなたは知っていますか? 娘、息子の悲惨な職場」を特集している。フルタイムで働く一般労働者(正社員) が3210万5000人(1月平均値)を記録した。実に 7年4ヵ月ぶりの上昇だ。非正社員の待遇が、一段と厳しくなっているのか。 この特集は勉強になる。

 さて、正社員のFAXセールスマン君、一生懸命、新機種の特徴を説明する。でも、それほどメリットがあるとも思えないが、その一途 さに負け、見積もりを頼むことにした。何しろ、この若者、笑顔が可愛いから。

 センバツの組み合わせが決まる。親戚の杉江の倅(修徳の3年生)が、また甲子園に行く。毎日新聞の主催だから、今度は応援に行くか。

 例のニッポン放送騒動。村上ファンドの保有株は3.44%に減った。15.13%を売ったことになるが、まだ「第3の大株主」であ ることは事実だ。3.44%という数字。意味がある。ホリエモンが47%前後の数字なら、決定的なキャステイングボートになる。村上 ファンドは賢い。ひょっとすると、ホリエモンを利用しているのは、外資でなくて‥‥。

<何だか分からない今日の名文句>

不安が「就職の母」

3月14日(月) ホリエモンは勝ったの?

 一週間前、3月8日(火)の日記で「ホリエモンは負けたの?」と書いた。ここで再録してみる。

 「3月8日(火) ホリエモンは負けたの? フジテレビがニッポン放送の株を36.47%を手に入れた、と発表した。マスコミ各社 は『TOBが成立して、ホリエモンは敗北した』」と報じている。

 僕は別段、ホリエモンの味方をする訳でもないし、姑息な時間外取引で買占めをするなんて、僕の性に会わない。しかし『堀江敗北』と いう表現には、かなり恣意的なものを感じてならない。

 フジの『ライブドア対策』は二つある。一つはニッポン放送を守ること。一つはフジテレビ(牽いてはフジサンケイG)を守ること。今 回のTOB成立で、取りあえずは、フジに伸びる『直接的支配』を追い払ったが、ニッポン放送の支配権は現時点でフジサンケイグループ にあるのか、ライフドアにあるのか、まったく分らない。ホリエモンの持ち株が42%に達していることの方が、冷静に見て、衝撃的であ る。

 マスコミはどうもフジ寄りだ。フジのTOB価格がニッポン放送の株価は5950円で、7日の終値は6600円。フジ支援の企業が、 何故、市場より安い価格で売ったのか、と株主代表訴訟が起きるケースだってある得るだろう。(10%程度の差は認めるだろうが、今回 の場合11%。微妙である)

 どちらにも言い分があり、どちらにも『強引な(違法スレスレの)手口』がある。何しろ、長期戦になるのだから」と、書いた。

 ともかく長期戦である。

 そして、その長期戦の通過地点として、東京地検がホリエモンの訴えを認めた。そうなると、今度はマスコミは平気な顔で「フジの敗北」 と報道する。どうも、マスコミは一喜一憂。どうもいい加減だ。

 この騒動は、気分的には、現指導者層の「ホリエモンに対する嫉妬」がことを複雑にしている。(このことは、今発売のサンデー毎日3 月27日号「青い空 白い雲」に書いてある。読んでくれ) 奴らは、ホリエモンに焼き餅を焼いているのだ。

 冷静に考えて見れば、問題は、この株買占めが、真っ当な結果を生むかどうかである。要するに、経営者が駄目で、業績が低迷している 会社を資金力があり、経営能力がある法人・個人が買収し、業績が確実に回復するかどうか、その一点、である。焼き餅とは、無縁のこと である。

 政府が、焼き餅? で、過度のポイズンピル(毒薬条項)に走ろうとする。そこで東京地検はストップを掛けた、と考えるべきだろ う。

 戦術的には、フジは、むしろ毒薬条項を求める前に、時間外取引の違法性を徹底的に突くべきだった。談合があって、時間外取引で、株を 手に入れていれば明らかな証券法違反だ。それを立証できれば勝つ。それが、勝負の分かれ目だ。それを「政府筋が毒薬条項を支持してい る」と考え、常識ハズレの新株発行に出た。

 それにしても、法制度の不備、そして、指導者層の油断。ホリエモンは一時、勝つかもしれないが、どうだろう。結果的に外資の代理戦 争をしてしまうだけのことではないのか。

 日本全体が油断している。ホリエモン現象をファッションのように捉えている人が多いのも、不安でもある。(日本国の油断については 今週の「ここだけの話」で書いた)

 今週のサンデー毎日は東大・京大合格号。一年で一番、売れる週だ。でも、僕が一番、うれしかったのは「シリーズ憲法」の登場である。 日野原重明・聖路加国際病院理事長が「日本人は平和憲法に殉する覚悟がない」と話している。こうした言葉を載せることが出来るのは、 毎日新聞という自由な、見識のある、部数を時に無視する会社の週刊誌だから出来るものだ。

 構成は「本誌・堀和世」とある。僕が編集長をした時の最大の成長株だった堀。地道だが、メディアの責任を心得ている。堀、成長した。 何となく、うれしい。

 午後、循環バス・南めぐりんを使って、下町取材。合羽橋珈琲で、リンゴのタルトを食べる。

<何だか分からない今日の名文句>

油断 雷 火事 オヤジ

3月13日(日) 生命年表

 11日夕、取材。「大作」で、社会部の同僚K君と落ち合い「移籍の理由」を聞く。記者交換で一時、在籍したRKB毎日から、たって の誘いがあり、断りきれなかった様子である。RKB毎日にいた時「攻防 蜂の巣城〜巨大公共事業との戦い4660日」というドキュメ ントを製作して、幾つかの賞を取ったK君を「是非に」と思うのも無理が無い。仕方がないか。

 「テレビでは全国放送が可能だから」と言う。新聞記者の場合(特に地方記者の場合)全国に知らせたいと思い、力を込めて書いても、 全国通しという訳には、なかなか行かない。僕の「ここだけの話」も大阪地区では、どうしても掲載されない。「その点、企画がしっかり すれば、RKB毎日の枠があるから全国放送が約束される」と言う。なるほど。 K君が「渡したかったものがある」と小雑誌をプレゼン トしてくれた。僕が「父」のことを調べていたことを、このホームページで知り、これに刺激されてか、実家の古文書を頼りに「先祖」を 調べたらしい。その集大成。

 仕事場に帰って、読むと、これが素晴らしい。物語りも面白いが、16代前、約400年前の6万5536人の「血」が、平成の彼の 「血」になっていることを説明している。6万5536人の血‥‥それを、彼は「生命年表」と名づけている。K君の力作。命の尊さを教 えてくれる。

 13日、阪神で、レースウイングが最後の逃げを見せた。四角まで逃げた。突付かれながらも逃げた。小牧が押した。あと200メート ルのところで捕まった。1頭、また1頭、と抜かれる。最後は終わりから3、4頭目を走っていた。逃げ馬の悲しさ。

 最後まで、良く頑張った。ありがとう。愛馬バブルカムフェローの産駒ということで、選んだが、牝馬の5勝は胸を張って良い。僕にと っては名牝だった。牧場で、僕の左腕に噛み付いてくれたことを思い出した。ちょっと、涙ぐんでしまった。

 ありがとう。良い子供を産んでくれ。

<何だか分からない今日の名文句>

血で走り、血で産む

3月10日(木) それまで生きられる?

 朝飯前に「競馬ロマン大学」を書き上げたら、急にカレーが食べたくなってデリー上野店へ。上野は19日から桜まつりが始まる。開花 は3月30日頃?

 松坂屋の前で、威勢の良いホームレスさんが「ビッグ イシュー日本版」を売っている。定価200円。その内110円が販売者、つま りホームレスの収入になる。いつも、ここで、この雑誌を買う。

「特集・ホームレス、その人々の今」は格好なネタだった。この雑誌を買う人間は「何時か、オレもホームレスになる」と密かに恐れ、あ るいは憧れ? ている奴だろう。僕も、その一人。だから、ホームレスの実態が知りたい。どちらかと言うと、これまで映画ものが多いよ うに思ったが、今回の特集はストライク!

 松坂屋で、ネッカチーフを買い求める。たいとう診療所で、僕のリハビリを担当してくれた理学療法士の女性が、今月で退職する。餞別 のプレゼント。ありがとう。

 夕方、JRA六本木事務所で、岡部引退記者会見。潮時を岡部さん、自分で決めた。淡々と、時々、左手を頬っぺたに添えて、考えなが ら話す。目が綺麗だ。

 「武もいつかは引退するのかな」と呟くと、隣のたまちゃん「ご心配なく。その時は、牧さん、この世にいないから」。大爆笑。

 13日、阪神で、レースウイング、ホンマもんのラストラン。先週、大損したので、新幹線代がなく、泣く泣く、中山で応援するしかな い。

<何だか分からない今日の名文句>

心は二つ、身は一つ、サイフはゼロになりました

3月9日(水) たまちゃんと一触即発?

 たまちゃんから、午前中、電話が入った。暫く会っていないので「ご機嫌伺いです」という。「夕方、行くよ」と答えた。

 午前中は原稿。午後、丸ビルで野暮用。午後3時TBSラジオ。終わって、JRA六本木事務所。夕刊フジの古参記者が「岡部があす 引退の記者会見をする」と教えてくれた。

 2月20日の騎乗後、体調が悪く、岡部さんの引退は時間の問題になっていた。最後まで騎手でいたい、と話していた岡部さん。良く頑 張った。感涙する。ご苦労さま。

 たまちゃんに「岡部の記事、どうしたの?」と携帯で聞けば「3日ほど前に聞いたんですが、記者会見の後、書くつもりです。岡部は、 記者連中に迷惑が掛からないように、発表で一斉に書いてもらいたい、と言っている」と言う。たまちゃん、御人好しだ。

 そんな約束なんて、当てにならない。事実、東京スポーツ(夕刊)に「スクープ・岡部引退」の文字が躍っている。でも、たまちゃん 「これは仁義です。記者会見の後、書きます」と言い張る。

 出社して「馬鹿野郎!」と怒鳴った。「知っていて抜かれるほど、恥ずかしいことはない」と一発、噛ました。たまちゃん、一瞬、喰っ て掛かる様子を見せたが、我慢したのだろう。ついにパソコンに向かった。

 岡部とたまちゃんの「仁義」は分るが、読者に対する「他紙より早くて正確な情報を提供する」という仁義はどうなるのか。久しぶりに、 怒った。

 仕事場に戻って「青い空 白い雲」を書く。今週は東大合格者号。だから、締め切りが早い。ホリエモンのことを書く。

 午後9時、たまちゃんに電話。「ご苦労様」と言えば「僕が甘かったです」と塩らしい。まあ、喧嘩にならなくって良かった。

<何だか分からない今日の名文句>

心の駒に手綱許すな

3月8日(火) ホリエモンは負けたの?

 フジテレビがニッポン放送の株を36.47%を手に入れた、と発表した。マスコミ各社は「TOBが成立して、ホリエモンは敗北した」 と報じている。

 僕は別段、ホリエモンの味方をする訳でもないし、姑息な時間外取引で買占めをするなんて、僕の性に会わない。しかし「堀江敗北」と いう表現には、かなり恣意的なものを感じてならない。

 フジの「ライブドア対策」は二つある。一つはニッポン放送を守ること。一つはフジテレビ(牽いてはフジサンケイG)を守ること。今 回のTOB成立で、取りあえずは、フジに伸びる「直接的支配」を追い払ったが、ニッポン放送の支配権は現時点でフジサンケイグループ にあるのか、ライフドアにあるのか、まったく分らない。ホリエモンの持ち株が42%に達していることの方が、冷静に見て、衝撃的であ る。

 マスコミはどうもフジ寄りだ。フジのTOB価格がニッポン放送の株価は5950円で、7日の終値は6600円。フジ支援の企業が、 何故、市場より安い価格で売ったのか、と株主代表訴訟が起きるケースだってある得るだろう。(10%程度の差は認めるだろうが、今回 の場合11%。微妙である)

 どちらにも言い分があり、どちらにも「強引な(違法スレスレの)手口」がある。何しろ、長期戦になるのだから。

 午前中、懸案だった、光ファイバーの設置が完了した。一安心。

 午後、石川県の旧美川町の前町長、竹内さんが上京したので、プレスセンターで会う。合併して、誕生した「白山市」の市長に、という 声もあったが、辞退した、との報告。彼の能力を野においては勿体ないが、彼には彼の考えがある。

 夜、赤坂で知人と夕食。新しい“要人”を紹介された。考え方がまともな、武人である。江戸の歴史にも詳しく、気があって、今度は、 門前仲町あたりで飲もう、ということになる。

 最高気温が15℃を越す、春の陽気だった。

<何だか分からない今日の名文句>

下駄を履かねば?

3月7日(月) お休み

 超〜多忙につき、日記お休み。未明、就寝。

<何だか分からない今日の名文句>

寝るより楽はなかりせん

3月6日(日) お口ベッピン?

 4日午後、大阪で講演。夕方、京都先斗町でポン友と夕食。素敵な女性を紹介された。地元の信用金庫の常務理事を務めるキャリアウー マン。ざっくばらんで、何ごとにも率直に、何事にも興味を示す。知り合いの話によれば、彼女の人脈は並では無いらしい。京都では、 知る人ぞ知る女傑らしい。

 彼女、「真ん中に4人の人物を通せば、会いたい人に必ず会える」と信じている。例えば、ブッシュ大統領に会いたいと思えば、まず親 友のAさんに相談する。Aさんから映画関係の日本人Bさんを紹介してもらって、Bさんから、アメリカの映画監督Cさんの紹介してもら う。Cさんは、映画制作のスポンサーである石油産業のDさんに話を通してもらい、ついにブッシュさんに会う。と、まあ、こんな風にす れば、世界の王様にも会える。だから、京都は狭い土地。必ずVIPに会える、というのが彼女の信念である。出来の悪い新聞記者に教え てやりたい。

 彼女、顔が輝いている。「綺麗ですね」と言ったら「お口ベッピン」と言われた。「お口がお上手ですね」と言ったような京都弁らしい。 「コンインザイムのお陰よ」を笑わした。

 彼女の話が面白いので、10時過ぎまで。再会を約す。

 5日は哲学の道を散策して、あとはホテルで原稿。6日は阪神競馬場でロックスピリッツのデビュー戦。パドックで入れ込んでいたが、 レースでは「どうぞ、お先に」と他の馬に先を譲り、決して追いかけない。育ちが良いのか、間抜けなのか。競走を知らない。これ、 かなり訓練がいるだろう。シュン。

<何だか分からない今日の名文句>

小股を取っても勝つが本

3月3日(木) 決まっていた「3日堤逮捕」

 予想通り、と言うより、“確定通り”にコクドの堤逮捕。“確定通り”と書くのは、堤逮捕の日時について、約束事があったと見るのが 常識?

 2005年予算案が衆院通過した「翌日」は阿吽の密約。予算案の年度内成立が確定してから、堤疑獄に手をつけないと、下手をすると、 国会が紛糾しかねない。

 堤さんと現政権は蜜月。ひょっとすると、飯島秘書官の東京プリンスの定宿問題も紛糾のタネになりかねない。

 彼が使った一泊4万2800円のスイート。政権発足後、約1400日使っているから、ザッと計算すると‥‥こんな莫大な費用が小泉 事務所にあったのだろうか。便宜強要?の匂い。それだけではない。堤家の脱税も当然、視野にあるから、何かにつけ、小泉さんはピンチ になる。

 予算案を上げておかなければ、堤逮捕にGO!と言えなかった。予算案成立が確定して、3日逮捕が確定した。一応、これからは、検察 はフリーハンドということだが。

 夜、雪になると言うので、一日早く関西へ。頼まれた講演を済ませたら、6日まで、当地に残り、阪神競馬場でロックスピリットのデビ ュー戦を観戦したい。

 出走メンバーは6頭。2000メートルの新馬戦は敬遠されるのか。ちょっと寂しい感じもするのだが‥‥。

<何だか分からない今日の名文句>

自腹? ワイロ? 官房機密費?

3月2日(水) 丸善の番頭だったら

 朝、月刊TARUをパラパラ。ちょっと気になるエッセイ「京都・祇園のキツネとタヌキ 第27話・春は名のみ不通坊」が、今回もケ ッサクだ。

 おんば日傘の女給稼業。ちょっとそこへ行くにもタクシー。支払うチケットはお客のもの‥‥と、まあ、いかにも贅沢な毎日だったが、 客もいなくなり、やむなくアルバイト。そして、最後にはヤクザ屋さんから「窮地を救うのは、どうしてやっぱり、このワシだ。涙・笑顔 に 三十路の身体、全部くるめて賭けへんか」と言われる‥‥と、いった話を書いているのだが、独特な筆まわし、というか、節回しと言 うべきか、何しろ、面白い。

 「作家・花瀬七穂子」って、何者だ? 化けるかも。

 午後3時まで執筆。後は八重洲口方面で取材。散髪をして熟睡する。中央通りをブラブラすると、高島屋の前の丸善が新築するらしく、 高い塀に囲まれている。塀に明治時代の丸善の写真が載っている。暫く、立ち止まった。

 母方の祖父・牧文次郎は日本で初めて洋書を扱った丸善の番頭だった。一枚だけ、写真が残っているが、細面のいい男だ。母の話では、 何度か上海に仕入れに行っていたそうだが、姉の牧トクから「手伝ってくれ」と頼まれ、料亭・深川亭の番頭になる。暫くの間が、長くな り、独身だったトクさんが亡くなった後は、自分の次女キミを養女にして女将に据え、実質的な経営者。柳橋料飲組合の組合長になってし まった。もし、このまま、丸善に勤めていれば、僕の養母キミ、実母フミの人生も大きく変わっただろう。

 文次郎は僕が生まれる前になくなっていたから、もちろん、人柄は分らないが、浅草の芸者さんに子供を産んでもらっている。この所業 に、4人の娘は激怒して、おじいちゃんが亡くなった直後、その芸者さんとは縁を切ったという。僕におじさんがいたことになるのか。ど んな人だったのか、興味があるのだが、記録が無い。

 それにしても、丸善の番頭は高給取りだったらしいが、お妾さんが持てただろうか、なんてことを考えながら歩く。

 そうそう、3月2日は母・フミの誕生日だった。珈琲が大好きなお袋だったので、室町の160円珈琲屋で、2杯注文。お袋とデート?  二杯とも、一人で飲んだ。

<何だか分からない今日の名文句>

権妻と言えども妻は妻

3月1日(火) それぞれの3月

 毎日新聞社の隣の丸紅の片隅で、河津桜が満開になった。日本で一番、早いお花見をしようと、社から出ようとしたら、階段で、社会部 のY記者にバッタリ会った。話すことはないのだが、彼、二代目魁の愛読者。時々、メールをくれる。数日前に、メールで「退社する」と の連絡があった。

 「辞めるのか?」「ええ、RKB毎日にいきます」

 彼、数年前、RKB毎日と“記者交換”でテレビの世界の勉強に行った。その時の縁なのか。聞くところによると、彼はかなりの敏腕記 者だったようだから、わが社に取っては、痛手かも知れない。複雑な思いである。

 「飲みに行くか?」と誘ったが「これから、一件、取材に行かなければ‥‥」と言うので、後日に譲る。

 夜桜を見ながら、仕事場に戻ると、これも二代目魁の熱心な読者・船さんから電話。彼、3月1日から「首都新聞」なるものを発行する らしい。正義感の強い人で、WEBの掲示板では我慢できないらしい。

 「是非、牧さんにも、書いてもらいたい」という話。「どんな新聞だか、分らないのに、寄稿はできないよ。一年もたって、良心的な意 見の場になったら、書きます」と約束した。大胆に、かつ冷静に、究極的に「自由な言論」になることを期待する。

 週刊ギャロップの「注目新馬」の欄でロックスピリットが紹介された。「見た目には太めに見えるが、腹袋が張っているので体型的なも の」とのこと。徐々に良くなっているそうだが‥‥同馬の馬主でもあるJr.にコピーを送った。

 さあ、3月。いい事が一杯ありますように。

<何だか分からない今日の名文句>

三月桜褪め

2月28日(月) 通訳の新兵器?

 午前、若干の取材。午後、内幸町のプレスセンターで、ファイナンシャル・タイムズ東京特派員のデビット・ピリング記者の取材を受け る。1995年3月20日、地下鉄サリン事件。アレから10年経った。来日3年目のデビット記者は、この十年、日本はどうなったの か? を取材している。

 大江健三郎氏、村上春樹氏をすでに取材されたと言う。僕は「オウムの狂気」を初めて暴露した、ということで、取材対象になったらし い。大江氏、村上氏の見方をどう思うか、と再三、聞かれたが、恐れ多くて、コメントは控えさせて貰った。

 ただ、オウム事件で「日本人の知的基礎体力の欠如」を指摘した僕としては、十年経って「基礎体力の欠如」はさらに深刻度を増してい る、と話した。オレオレ詐欺に騙され、民営化という「言葉の呪縛」で身動き出来ない。この「知的基礎体力の欠如」。日本は危うい。

 面白かったのは、女性の通訳。電子辞書を片手にしている。時折、当方の表現を電子辞書で指し示す。最近、通訳を間にして、取材され たり、取材したことが無かったので、ちょっとビックリ。

 夜、再三「会いたい」と電話を掛けて来た小学生時代の友人が「君のためだ」と“先生”と称する人物を連れてやって来てくれた。「言 語障害が治る水」があるという。「先ず、このビデオを見ろ!」と言われたが、辞退した。ブン屋のカン。これは、ある特別の××商法に 似ている。まさか、この話が××商法とは思いたくないが、友人の善意が身に滲みるほどだから、後でトラブルになっては、人間関係にヒ ビが入る。一時、嫌われても、この話では、距離を置いたほうが良い、と思った。時間が経てば、彼だって、分かるはずだ。

 明日から3月。梅は満開。

<何だか分からない今日の名文句>

君子、危うい××商法に近寄らず