編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2004.6月

6月28日(月) 「年金改悪法案」は駄目?

 テレビ、ラジオの関係者から聞いた話。選挙選に入ってから一段と、報道の自己規制が強くなったという。与党関係者が、番組をモニタ ーして「偏った報道!」と文句をつける。あるいは「文句を言ってくる」と放送局側が勘違いする。

 そこで、自己規制。「年金改悪法案という表現はやめてくれ!」というディレクターもいる。特に零弱な製作会社の人間は過度に「抗議」 を怖がる。これも、よく理解できるのだが。

 連日の世論調査で、必ずしも自民有利とも言えない結果が出ているから、与党の圧力は逆に強くなっているのかも知れない。「○○党の 人が煩くて、仕事が出来なくなる」と自己規制の理由を言う関係者がいるが、○○党もそれほどバカではない。普通におかしいと思ったら、 出演者が「おかしい」と言えばいいのだ。

 それにしても‥‥マスコミの現場で「自由」はなくなりつつある。

 今週の「ここだけの話」(6月29日毎日新聞夕刊)で、ネットの「匿名」が暴力性を露呈する、と書いたが、その原因の一つに、既存 メディアの「建前」「臆病」「自由放棄」がある。期待できない苛立たしさが、言論の暴力性を生む。

 我々が「建前の報道」を続ければ、ネットはより戦闘的になる。しかも、そのネットを巧みに使おうとするのが権力。「匿名」という名 の世論操作が横行する一方で、既存メディアがかじかんでいる。

 来る日も、来る日も「権力の言いなり報道」、これで良いのか。

 終日、厳しい野暮用。夕方、保険屋さんの女性軍を他愛のない話で息をつく。

 夜、知人がJRAの要職に付くことになった、と電話をくれた。前任者と同じように信頼できる人。一度、意見が合わず、抗議を受けた こともあるが、彼は冷静に反論するタイプ。気が合う。相変わらず、書きたいことはズバズバ書くつもり。

<何だか分からない今日の名文句>

規制するより知恵使え!

6月28日(月) 献上の穴子

 朝一番でサンデー毎日が届いた。広瀬金四郎編集長の最後の作品。トップは「NOと言えないニッポン人」。小泉さんに舐められた国民、 メディアを数字的に検証している。

 お得意の諫早ものもあって、彼らしい「重層的に時代の本質を見据えた」最後の号になった。後記に「スクープ記事は取材が間に合わな かった」とあったが、越川新編集長にバトンタッチされたのか。

 午前中「ここだけの話」をまた書き直し。読み直すたびに「ええぃ、下手糞!」と叫びなくなる。

 参ったところに、親友のケンゴから、約束の「穴子」が届いた。加古川市駅前本通、の下村商店の献上もの。好物の穴子の食べ方は茶漬 け、寿司、どんぶり、玉子焼き、雑煮、茶碗蒸し。とりあえず、昼飯に焼いて食べる。美味。夜は穴子酒にするか。

 「男の隠れ家」の8月号は「一泊2日ローカル線の旅」。この種の旅ものは、何回見ても飽きない。JR釧網線が良い。水森かおりの 「釧路湿原」は大ヒットしているようだが、湿原を果てまで続くのだろう。気分は歌謡紀行の鈍行列車。1日に4、5本ぐらいしかないら しい。この夏はどこに行こうか。

 昔の記者仲間から突然、電話。「世界週報を読んで、キミのことを思い出した。いま、大分に居るんだ」。時事通信の政治部記者だった 彼、大分選出代議士の政策秘書になって、故郷に帰ったとのこと。「自民党候補を破った数少ない無所属候補で、将来が期待できるので、 政策秘書になった。世界週報を読んで勉強していたら、キミの核エネルギー論が目に入って」。やっぱり、東京で活躍したかった様子だ が、父親の介護の問題があって、故郷に帰り、地元代議士の政策作りに励んでいるという訳。考えてみれば、政策秘書がわざわざ永田町の 欲張り村に居ることもない。再会を約す。

 出社。情報交換。夕方、日本橋・高島屋で、芳江さんの誕生日プレゼントを買う。Tシャツ2枚。花柄を選んだ。自慢じゃないが、美し い嫁さん。多分、似合うぞ。

 地下の食品売り場で、アメ横のオヤジにばったり。コーヒー豆を買いに来た、という。「コーヒーはここが一番」と言う。彼、食い物に は目がない。箱根の「早川」という鰻屋も彼が教えてくれた。

 夜、自衛隊創設50年の新聞記事をスクラップ。読めば読むほど、政権の言いなり、と感じがする。

<何だか分からない今日の名文句>

魂、かじかんだら「言いなり記者」

6月27日(日) 原始福音信仰

 誰が送ってくれているのか、詮索せず、読ませてもらっている「原始福音信仰証誌・生命の光」のNO・622が届いた。 無宗教の僕だが、届くのを楽しみにしている。

 巻頭の手島郁郎さんの聖書講話<マタイ伝>が興味深い。「その死人を葬ることは、 死人に任せておくがいい」とイエスは言った。それを、どう理解するか。

 「永遠の否定」から「永遠の肯定」に変わることの意味は‥‥勝手に勉強する。

 手島さんは無教会主義で、ただただ旧新約聖書に学ぶ人物らしい。若い頃、尊敬した五井先生に似た風貌が親しみやすく、 読み始めたら、少しずつだが、理解できるような気もする。ここだけしか、読まないから、宗教として評価するというものでもないが、 何か、惹かれる。

 週末は「ここだけの話」の原稿で四苦八苦。前回の「梅雨の夜の夢」と書いたら「チンプンカンプンで、 何を書いているか、まったく分らない」という指摘を受けた。もの書きとしてはメッセージが届かないのは、 未熟者の証拠。何とか、メッセージが届くようにフォローしなければならないのだが‥‥どうにも下手糞で仕方がない。 打っては消し、打っては消し、俺、プロ失格だ!

 でも、書き続ければ、道は開ける。

 イエスは幸せ者だ。良く分らない文句を書いて、それを何十億の人が勉強する。イエスという人に会いたいものだ。

 週末、唯一の楽しみは宝塚記念。天皇賞で本命にしたシルクフェイマスから入って、何とか浮く。やはり4歳世代は弱いのか。

<何だか分からない今日の名文句>

魂、かじかんだら負け!

6月24日(木) 金四郎・最後の特ダネ

 6月3日の日記に「情報通から、救う会の“ちょっと嫌な話”を聞かせれた」と書いた。拉致被害者「救う会」が下手をすると、分裂し かねない情報。だから、日記でも、新聞でも、詳しく書くのを止めていた。カネが絡んだスキャンダルは嫌なものだ。

 それが、今日(6月24日)発売の週刊新潮に載った。「寄付金1000万円の使途をめぐって拉致被害者“救う会”が大分裂!」

 ついに出てしまった、という感想である。それも、参院選公示日。せっかく、最高の市民運動と評価していたのに‥‥。ごたごたが続き そう。

 6月22日夕刊の「ここだけの話・梅雨の夜の夢」が宮内庁で話題になっているらしい。誰が、漏らしたのか、という詮索? 歴史の デッサンとして、書かねばならぬ! と思っても、迷惑を掛ける人が出るので、仕方なく「御伽噺」にするしかなかった。

 朝、郵便局から預金を下ろす。倅のために貯めていた僅かな預金だが、10数年間、放っておくと、下ろす権利がなくなる、と近所の人 が言うので、本当なのか、と疑りながら解約する。利息が高いときの貯金だから、元金の1.4倍になっている。倅にやるのが、惜しくな った。

 午後、TBSラジオ→JRA→八重洲口→出社。

 7月1日、サンデー毎日の編集長が交代する。広瀬金四郎編集長はここ数代の編集長では秀逸だった。平気で編集長の座を次なる野望の ステップにする、例の「インチキ野郎」とは、まったく違う。ホンマもののジャーナリスト。辺見庸の起用、石原慎太郎研究と功績は多い。 ちょっと息切れした頃、この日記で、ボロクソに紙面を批判したのは、先輩編集長の務め。正直なところ、僕には真似が出来ない「ひらめ きの編集長」だった。ご苦労さまでした。

 サンデー毎日の異動も、新聞社の人事異動の一環で仕方ないことだが、もう少しやってもらいたかった。彼、最後の号はスクープでいく! と張り切っているらしい。6月28日発売の「金四郎・最後の特ダネ」にご期待あれ。

 後任は越川である。僕が編集長の頃、社会部から来てもらった人である。その後、社会部・学芸部・甲府支局長・編集委員を渡り歩いた。 人柄は保証する。可愛い後輩だが、力量は海のものとも、山のものとも、判然としない。打診を受けた時「やって良いものですか?」と相 談された。「やれ!」と言った手前、応援しなければなるまい。

 夜、社の地下の「赤飯」で、その越川の社会部同人送別会。「週刊誌は部数のみ!」と挨拶して、後輩に「そんなに部数が大事なのです か?」と聞かれる。

 何を言うか! 商品は売れて、何ぼじゃあ! 少し酔った。

 ともかく、越川、頑張れ!

<何だか分からない今日の名文句>

川を越したら、帰る途なし

6月23日(水) 韓国の「書き込み」

 左手の中指、針を刺して貰ったが、タコのような袋は小さくならない。もう一度、たいとう診療所で、女医さんに今井クンも加わって、 針を刺して貰う。別に痛くもないし、それほど、気になると言うわけでもないが‥‥包帯を巻くので、パソコンが打てなくなる。

 帰り、JR浅草橋駅近く歩道で、黄色いシャツ、黄色い半パンのヘンな中年男に声を掛けれた。彼、一方的に話す。「半月前、秋葉原で 倒れたんだ。頭蓋骨に血が充満して。これここ、ここだよ」と頭を指す。五分刈の頭に確かに傷がある。

 「どうしたんだ?」「それよ。地震で家具が倒れ、頭に当たったと思いねえ。そのままにしていたら、血が頭中に滲んで‥‥」よく分 らないが、くも膜下でも起こったのか。

 「その血を、両国の病院で抜いた。3日で退院した。えっ、早い? こちとら、首から上はお釈迦だが、下は元気だ。入院なんてできね えや。“退院する”と言ったら、驚きやがって“何が起こっても、責任はとらない”という念書を書された。官僚的だな。病院は。何しろ、 俺、忙しいから、病院なんかにいられないや。何をやってる? 新宿で不動産屋やってるんだ。忙しいから‥‥そうそう、入院中も午前5 時に抜け出して、携帯で、商売成立させた。俺、出来るんだ。仕事が」

 ヘンな中年男、元気だ。それにしても、見ず知らずの人間に、なぜ、一方的に話すのか。良く分らない。

 「ところが‥‥聞いてくれるか?」 「聞いてるじゃないか」「今日、病院に言ったら、また、血が滲んでいる、と言うんだ。深刻だよ。 “ヨイヨイになるのか?”と聞いたら、医者は“その可能性がある”と言うんだ。びっくりしたよ。アンタみたいになるてんだ。これ、脳 の病気だろう。辛いだろう。へぇ、どうなんだ、辛いよな」と気の毒そう聞く。

 「それほどではないよ。辛いと言えば辛いけど」

 「そうか‥‥」 ここで、彼は初めて、ちょっと沈黙した。「そうか、辛いと言えば辛いか。アンタ、強いお人なんだ‥‥そこで、相談 だけど、女房に言った方が良いかなあ。俺がヨイヨイになると言ったら、女房、びっくりするだろうな?」「そんなこと、分らない。亭主 が死ぬと喜ぶ女はゴマンといる」

 「本当か? 嘘だろう。俺の女房なんて、泣くぞ、絶対、泣く!」と本人が泣く。

 「まあ‥‥泣く、泣くだろう。いや、絶対に泣く。俺が保証する。奥さん、絶対に泣くから‥‥それは良いが、まだ、ヨイヨイになると 決まったわけではないだろう」「それは、そうだが‥‥医者は深刻な顔していたぞ」「気のせいだよ。大体、危なかったら、病院がお前さ んを帰すはずがない。脅かしただけさ」

 「あのセンコウ、脅かしたのか? 太てい野郎だ!」「大丈夫。大体、見たところ、何も悪くないようだし、ちょっと傷を見せてみろ。 大丈夫、大丈夫。こう押したって‥‥当分、大丈夫だ」

 「そうか、大丈夫か。分った。あんた、偉いな。分るのか」「分る!」「そうか、ありがとう‥‥アンタ、電車に乗らないの?」「おれ、 近くだもん」「ああ、そう。残念だねぇ。それじゃ、元気で、な」とヘンな男はスタスタと浅草橋駅に向かって歩いて行った。最近、何故 か、見ず知らずの人に声を掛けられる。この一件のあった5分ほど前にも、蔵前の歩道で、自転車の女性から声を掛けれらた。こちらは、 ご主人が脳卒中に倒れたということで悩みを切々と訴える。僕より軽い症状だから大丈夫、と応える。この女性「家に来てくれ」と言う。 「インターネットに書いてあるから」と言ったら、早速、メールがやって来た。何か、町内のよろず相談のようになったみたいだ。

 午後「競馬はロマン」を書き上げ、若干の昼寝。30度を超えたようだが、続いて、モバイルを打つ。

 韓国人の人質が殺害され、韓国はイラク派兵で国論が二分しているようだが、朝鮮日報の書き込みでは「戦闘部隊を送って、イラクの武 装勢力と戦うべきだ」という若者の書き込みが多い、との情報。クワバラ、クワバラ。

 夜、浅草で炭火焼肉。うまかった。

<何だか分からない今日の名文句>

書き込み世論はトゲトゲ世論?

6月22日(火) 左手の中指に異変

 左手の中指、パソコンを打つ指に異変発見。タコのようなものが出来、次第に大きくなった。たいとう診療所の女医さんが「原因は分ら ないが、針を刺して、水をだそう」と言うので、やってもらう。

 抗生物質をつけて、包帯をまいてもらう。包帯を付けてみると、非常に不便だ。パソコンは打ちづらい。極めて打ちづらい。おしっこ が‥‥。右手が麻痺しているハンデを嫌と言うほど痛感する。哀れなり、片手人間。

 診療所の帰りにイトウさん宅訪問。社台の牧場めぐりに行ってきた報告を聞く。話題のクロフネの全妹、ケチが付けられない、そうだが、 ある調教師が「問題は、何故、会員むけになったか。本来なら、クロフネの金子さんがはなすわけない」と言ったとか。

 この話を聞くと、また、悩む。

 夜、競馬記者会の面倒を見てくれた女性の送別会。挨拶に立った彼女、感極まって、涙ぐむ。ご苦労さんでした。

 読売新聞の記者さんが、台風6号で飛ばされたホテルの屋根が、新幹線の架線にかぶさったところを写真に取ろうと、敷地内に入った。 それが新幹線特例法に反する、ということで書類送検されるらしい。

 この程度のことで、捕まるのか。クワバラ、クワバラ。

<何だか分からない今日の名文句>

記者を殺すに刃物は要らぬ、微罪が3つもあればいい

6月21日(月) なめられるなよ!

 同僚の岸井記者もテレビで話しているようだが、飯島首相秘書官は日頃「普通の人は忙しくて新聞なんて読まない。大事なのは、テレビ とスポーツ紙と女性誌」と言っているそうだ。

 日刊ゲンダイの二木君は「活字メディアが批判しても“テレビの使い手”首相の支持率は高いままだ」と話しているらしい。

 ペテン師に騙されるなよ! と言いたい。それこそ、飯島さんの「思うツボ」。飯島が一番、気にしているのは「新聞」なのだ。週刊 文春、週刊新潮なのだ。

 何故か。新聞の一次情報の量、質はテレビとは比べものにならない。テレビの数倍、数十倍、量なら数百倍である。

 例えば、テレビを見ているから、金持ちになれる、なんてことはまずないが、新聞のツボを読めば、金持ちになれるヒントが転がってい る。

 まず、新聞ありきで、テレビ局の一日が始まる。プロディターは新聞から必死でネタを探す。新聞がテレビを作っている。だから、飯島 さんは「新聞は怖い」と思っている。テレビが新聞で知りえた情報を二次加工していることをよく知っている。新聞の特ダネが、テレビを 動かし、雑誌を動かす。これが怖い。

 新聞は新聞人が作る。その新聞人を気弱にするのが飯島さんの仕事。新聞の弱体化、が仕事。飯島さんの言葉には「忙しい」「普通の人」 という2つのキーワードがある。「忙しい」は褒め言葉、遊んでばかりいる人間とは違う、と褒めている。「普通の人」とは(権力に) 歓迎される人、という意味である。平凡な人、革命心、革新心のない人、裏を返せば、批判能力のない「ぼんくら人間」である。ぼんくら 人間を褒める言葉が「普通の人」なのだ。

 「忙しい=善意の人」「普通の人=善意の人」という図式で「読んでいない層」が大多数のように思わせる。これが手管。

 飯島さんごときに、尻尾を振るな! 何故、飯島さんは記者を選ぶのか。それは「新聞」を意識している証拠だ。

 そして、もう一つ、良くも悪くも、新聞を利用しようとする新しいWEB勢力。それを飯島さんは意識している。テレビと同じような力 になることを権力者は恐れている。

 今まで、スポーツ紙、女性誌をバカにしていた大新聞の出来の悪い記者に向かって「スポーツ紙、女性誌の方が影響力がる」ということ で、一般紙の記者を誑かす。「隣の貧乏人の倅の方が頭がいい」と言われて、シュンとする大家の馬鹿ムスコみたいだ。

 なめられるなよ!

 台風6号。外に出られない。

<何だか分からない今日の名文句>

気弱はノイローゼの始まり

6月20日(日) 高すぎる「うな丼」

 18日、知り合いのライターがやって来た。「この3月、高名な作家が旅先で脳卒中で倒れた。かなり、参っている。彼は、脳卒中の 先輩の牧さんのことをイロイロと知りたがっている」という。

 会うのは結構だが、ライター氏が持参した「最近の写真」を見ると、作家先生、杖なしで歩いている。僕から身れば「健常人」である。

 それでも、倒れて4、5ヶ月は精神的に参る季節。闘病記「新聞記者で死にたい」に激励のサインをして、ライター氏に預ける。芥川賞 作家にサインするなんて、光栄の行ったり来たり。

 夜、社台の2004年募集馬見学ツアーに参加中の駿ちゃんと電話。フェリーで八戸に帰る途中だった。彼の報告によれば、クロフネの 全妹「ブルーアヴェニューの2003」はなかなか良いらしい。フェザーレイの全弟「エルファインフェザーの2003」とどちらを選ぶ か。抽選で落ちるかもしれないから、慎重にしなければ‥‥。

 土日の週末は野暮用兼取材。

 浜名湖花博が250万人を超えたらしい。予想以上の出足。ここにも、景気回復の兆し? しかし、某君の報告が土産にくれた、会場内 で販売されている「うな丼」金1800円。安物の鰻に精一杯、タレをつけているそうな。1800円は高すぎる。本当に浜名湖のものな のか。甚だ疑問。地元を蔑ろにする商売だとすれば?

 「ここだけの話」に相応しいネタが入ったが、どう表現すべきか。2日間考える。この種のものは、なかなか、発信するのが難しいが、 是非、書きたい。

<何だか分からない今日の名文句>

名物に美味いもの‥‥

6月17日(木) 会社のオンナに‥‥

 昼、内幸町の会員制のレストランで“恩人”の送別会。脳卒中で倒れた直後、なかなか思うように原稿が書けなかった。 “どん底時代”。その時、長めの原稿を書くチャンスを与えてくれた。“恩人”人事異動で東京を離れる。淋しくなる。

 餞別に‥‥と考えた末、気に入っていた油絵を贈ることにした。北海道の中堅作家・玉井吉雄さんの「菊」。

 実は、25年前ごろ、ある人物から、贈ってもらった。何故、贈ってもらったかは覚えていないが、その人から 「娘をもっらてくれ」というようなことを言われたことがあった。「いや、僕、ムスコがいます」で、大笑いになったが、 それ以来、何となく兄弟のような間柄になった。彼の愛人と3人でゴルフに行ったこともある。

 そんな付き合いの中で、彼が「故郷の画家が書いたものだ。恩ある人に贈るなり、勝手に使え!」と持ってきた記憶がある。 彼はもう、この世にいない。彼が言った通り、恩人へのお礼の印に使わせてもらった。あの世で、喜んでくれるているだろう。 平凡だが、部屋が明るくなる良い油絵だと思う。

 送別会には和気あいあい。TBSの人が面白い話を披露してくれた。「入社した時、橋本という副社長が “社内のオンナに手を出すな。社内のカネに手を出すな。それ以外は何もやっても良い”と言いまして。 この年になると、つくづく、そうだなと思います」

 入社式で偉そうなことを言いながら、本人がお縄になるなんてことが多々ある時代。「女とカネにキレイであれ!」 というのは、組織人の基本中の基本。なかなか、上手いことを言う人がいる、と思ったら、どうやら、 毎日新聞社の新しい主筆・橋本たっちゃんのお父さんのようだ。

 終わって、JRA六本木事務所。例の「役員慰労金引き下げ案件」のこと。賛成18、反対1だったとのこと。 僕だけが反対だったらしい。反対意見があることが、記録に残れば良い。また、睨まれそうだが。

 帰りに東麻布の例のカリスマ美容師。「この間、お前さんの1年半前の記事を頼りに、北海道からやって来たお客さんがいた」。 本当か。俺もうれしい。

 夜、社台の2004年募集馬のビデオを見る。じっくり見る。買いたい。でも、カネがない。 最後のサンデーサイレンス産駒は一口400万円もする。

 もし、お金があったら「ブルーアヴェニューの2003」。クロフネの全妹。 フェザーレイの全弟「エルファインフェザーの2003」も欲しいけれど。カネがない。

 何とか、するか。

<何だか分からない今日の名文句>

梅雨時はボーナスの計算

6月16日(水) 「儲けた特殊法人」が損をする

 数日、判断に迷っていたのだが「日本中央競馬会役員慰労金支給規定の一部改正」の表決に反対票を入れ、郵送した。

 競馬運営委員会は年2回、開かれるが、その間に、緊急を要するもの、事務的なものは書面表決になる。ほとんど事務的な規定改正で、 機械的に「賛成」すれば良いのだが、今回は違うように思えた。

 政府が、独立行政法人、特殊法人の役員の退職金を一律にカットすることにし(平成15年12月閣議決定)、JRAも規約を改正して 下げるという議案だ。JRAの退職金も「安いに越したことはない」と言う人もあっても良いが、僕は、反対だ。

 閣議決定の趣旨は「補助金を貰っている特殊法人が退職金を貰いすぎているので、下げる」というものだ。事実、大部分の特殊法人は赤 字で補助金を食いつぶしている。だが、JRAは違う。補助金なんて貰っていない。逆に国庫納付金を3000億円以上払っている。儲か っている、国家財政に寄与している法人だ。

 納付金は競馬ファンが提供してくれる浄財。このカネを集める努力がJRAに課せられている。(儲けはファンに還元せよ、と常々、主 張している。が、同時に、ある程度、国家財政が苦しい時は、社会福祉面の協力も必要だ、と考えている)

 バブル崩壊で、可処分所得が小さくなった。当然、一時、4兆円産業の中央競馬の売り上げも3兆円になった。その数字をどう見るか。 売り上げが下がったことは「日本人が健全だった」という証でもあった。ギャンブルなんてする余裕はない。地方競馬、競艇、オート、競 輪すべて、赤字に転落するのも、ある意味で健全だった。JRAだって、売り上げが2兆円になってもおかしくない。

 その中で「儲け」を作り出し続けた。10%の国庫納付金、3000億円を払い、そればかりではない、政府・自民党の要請で50億円 の特別納付金まで捻出した。国家に貢献する特別法人である。それでも、JRAの役員は退職金を削られなければならないのか。何故、だ ろう。

 補助金を貰って、何もしない天下り官僚の退職金は下がっても良い。しかし、プロパーのJRA職員は努力して、やっと役員になって、 また汗を流し、その結果、退職金を引き下げられる。矛盾ではないか。

 儲かった、社会的責任を取った法人と、補助金垂れ流し法人を一緒にするなんて‥‥俺は賛成できない。

 僕は5年ほど前、スポニチで「JRAの給料は高すぎる」と論陣を張った。JRAの仲間、親友のKからは「俺たちの生活をめちゃくち ゃにするのか」と言われた。でも、高すぎた。ファンより高すぎる所得では、ファンは納得しなしい、と書いた。JRAの給料は徐々に下 がった。毎日新聞の給料よりは高いけれど、かなり「普通の給料」になったように思う。

 僕はJRAが独自の判断で、退職金を下げたのなら、何も言わない。これも企業努力である。しかし、お上の意向で、下げざるを得なく なっていることに、矛盾を感じるのだ。書面表決で「反対」する人は少数だろう。あるいは、僕だけ「反対」かも知れない。でも、記録に 反対意見があったことを残しておきたい。

 農水省から、また「困った委員」と思われても、筋を通したい。個人的に、親しい理事長と、一時、仲たがいになってしまうかも知れな いが「反対」した。

 午前、専売病院で大山ドクターの問診。「朝、腸を刺激するために荒塩を入れた水を飲んでいる」と話し「それは止めろ!」と叱られる。 確かに血圧が上がっている。このところ、ちょっとイライラしていたのは、血圧の関係か?

 地震の権威にして、僕のファンの「草加の老人」から「煎餅」の中元が来る。そんな季節なのか、と銀座松屋で中元の注文を済ます。中 元商戦は半月ぐらい、早くなった。

 八戸の愛馬仲間「駿ちゃん」 がトマト、ニンニク、大根、それに、スパゲッティのソースを送ってくれた。隣の「松の湯」(伊藤博文の 隠れ風呂)のおばあちゃんにおすそ分け。

 駿ちゃん、Jr.、それに僕がそろって愛馬会員の「ロックスピリット」は山元トレ戦に移り、入厩の準備。夏競馬の季節だ。

<何だか分からない今日の名文句>

代議士の退職金「議員年金」を下げろ!

6月15日(火) プロ野球の終わり?読売の終わり?

 プロ野球パ・リーグの大阪近鉄とオリックスの合併問題は、各紙の社説がなかなかユニークだ。巨人を二つに分けたら、という奇策を 提案する朝日新聞。でも、毎日新聞が、一番、痛烈だ。「強大な影響力を持つ一部の金持ち球団が、自分の都合の良いように『独り勝ち』 をもくろんで‥‥」と書いている。もちろん、読売巨人のことだろう。「歪んだ制度」とまで書いている。喝采。各紙とも、かなり痛烈 な言い回しで書いている。

 プロ野球崩壊前夜、と言った雰囲気? 10年後、プロ野球はなくなる、という意見もあるらしい。

 長嶋さんがいない事(元気なら、彼に意見を求めるものばかりだったはず。そして、緩やかな流れになったはず。ちょうさんがいれば、 巨人批判は出来なかった。ちょうさんはプロ野球の神様だ。僕、長嶋茂雄の大ファンだ)

 実質的なプロ野球の大統領、渡辺恒雄さんが高齢で、幾分、影響力に陰りが出た事。(巨人人気→読売の部数増→なべつねの「言いたい 放題」の図式が崩れる。読売の部数も、かなり減っているらしい)

 ともかく、サッカーに比べ、子供の野球離れは激しい。

 巨人人気に胡坐をかいた読売の「哲学なき大部数」が、日本の衆愚政治を許していた、という一面を思うと複雑。

 朝、蔵前デニーズで納豆定食。午前中、野暮用一件。「おけら街道」を書いて、三越まで歩き、人事異動で東京を離れる恩人にネクタイ を買う。

 午後、住友生命の女性が2人、来訪。「医療分野を充実するように変えたら」と勧める。熱心である。どうしたものか。ついでに、当方 も、保険業界を取材? 僕も熱心。

 夕方、出社。ナイスライフ相談室に行く。ことしの下半期の定年退職予定者は研修? を受けなければならない、僕は10月10日、満 60歳を迎える。「専門編集委員」という役職は最高65歳まで勤務できる、と言うことなので、喜んで、このまま勤めるつもりである。 みんなに支えてもらって、僕は幸せである。聞いてみると、退職金は満60歳の時点で出るらしい。年金の計算とか‥‥研修を受けること が一杯あるらしい。

 つい、大学の先生の話もあったんですが‥‥と打ち明けてしまったら、ナイスライフの人が「先生になれば私学共済に入ることが出来ま す。有利ですよ」と教えてくれた。でも、誘われても、先生稼業になるつもりはない。僕には無理だ。死ぬまで記者でいたい。

 夜、神保町の中華の店で、夕刊馬ランドの暑気払い。例年より早くなったのは、馬ランド面の生みの親の一人、北村主筆が社長になるの で、忙しくなる。今のうちにやっておこうと言うことになった。

   各自の馬券自慢で約2時間。他愛のない話ばかりで楽しい。でも、他愛のない話題にも、大事なことが隠れている。例えば、武豊は毎日 スポーツ人大賞に相応しいが、反対意見がまだあるらしい。未だに、日本には「誤ってる儒教精神」が蔓延している。何とか、打破しなけ れば。

 仕事場に戻ると「橋田信介さん、小川功太郎さんお別れ会」のお知らせがファックスで届いていた。19日午後4時から、文春ビル西館 1F「ラウンジ春秋館」。行きたいのだが先約がある。残念だ。

<何だか分からない今日の名文句>

野球は新聞(拡張)の道具ではない

6月14日(月) 酷税に泣く

 毎年この時期になると頭が痛い。義母がなくなって11年余。相続税を延納している。相続した時はバブルの最中。現在、相続した土地 はどうやら10分の1の価格になった。相続税の方が、相続した財産より高くなった。ああ、矛盾。

 午前中、相続税を何とか、払う。

 所得税は「所得の再配分」であるから、胸を張って払う。が、矛盾だらけの相続税は‥‥家代々、先祖が守ったものを売るわけにも行か ず、歯を喰いしばる。ああ、酷税!

 物凄く、消耗して、夜の会合、競馬評論家Mさんとたまちゃんと僕、3人の暑気払いも、途中で失礼する。

<何だか分からない今日の名文句>

人生イロイロ、税もイロイロ

6月13日(日) ファシズム?

 昨年11月の衆院選で、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」号外を配布したとして、 国家公務員法違反(政治的行為の制限)で、社会保険庁係長が逮捕された件。 家宅捜査したら年金個人情報が40人分出てきた、という続報が出ている。悪者だ、という宣伝?

 まあ、こんなこともあるかとは思うが、これまで、政党のビラを配布しただけで、 公務員が逮捕されることは、寡聞にして聞いたことがない。共産党は全体主義政党で、僕の趣味には合わないけれど、 共産党支持者ということで逮捕されるなんて‥‥公明党支持者の知人(国家公務員)から、 この種のビラを貰ったことが再三ある。あれもつかまるのか。

 あな、恐ろしや。

 「あんまり、現政権を批判すると、脚元をすくわれるゾ!」と友人に言われてはいるが‥‥ 情報提供者が国家公務員法違反(守秘義務違反)を問われては大変なことになる。 クワバラクワバラ。公務員の告発はなくなってしまう。事実上の「透明性の放棄」。

 なにやら、かつてのイタリアの‥‥クワバラクワバラ。

 学校の国旗掲揚、国家斉唱を巡っては、東京都で238人の教員が処分された。教委は 「起立しない生徒の名前」まで把握している。クワバラクワバラ。

 週末は、面倒な原稿で四苦八苦。日記を書く余裕なし。

<何だか分からない今日の名文句>

合理的な思想体系を持たず、もっぱら感情に訴える国粋宣伝

6月10日(木) 二通の葉書

 東北の某地方都市で起床。ホテルの隣の「運気向上横丁」という路地をひと回り。深夜まで営業する屋台横丁である。朝から開いている 定食屋が一軒。とろろ、納豆‥‥屋台で食べたくなった。いかにも上手そうである。旅先では、ちょっと非日常的になりたいもの。しかし、 ポケットにホテルの朝飯券がある。ここで食べれば、朝飯券が無駄になる。どうしたものか。

 午前7時。まだ、客が居ない。オヤジが、迷える羊のような当方を見て「入るのか、入らないのか、ハッキリしてくれ」というような顔 をしている。

 行ったり来たりして約5分。結局、経済的な理由で、ホテルで食べることにする。ガラス越しに、屋台のオヤジの落胆が見える。ゴメン !ここで500円節約して、週末、馬券を買うのだ。

 ホテルの朝飯は正直言って不味かった。失敗した。これは判断ミスである。

 同行の某氏が「朝市に行った」というので、飯の後、約350メートル離れた朝市に行く。が、もう終わっていた。何か、ついていない。

 朝市の帰り、もう1人の同行の人物が小走りに横断歩道を歩いている。「××!」と叫んでいるが聞こえないらしい。後を付けてみると、 彼‥‥本屋の開店を待って、今日発売の「文藝春秋」を4冊、買ってきた。

 彼は編集のプロ。関係のある記事があるのだろう。その真剣な姿を見て、旅心が少しシュン。

 それでも、ウミネコの群を見に海岸へ行く。「山背」と言われる深い霧。8月ごろまで続くらしい。それから、牧場、展望台、城跡を見 学した。中世の平たい南部の城。ボランテイア・ガイドは名調子。

 例の友人のスパゲティ屋で昼飯。当地の競馬仲間が2人が待っていてくれた。今年の競市の話を約30分聞く。(これはスポニチの「お けら街道」に書くつもり)

 駆け足、駆け足‥‥午後2時の新幹線で東京へ。夜はちょっと難しいテーマで、待ち受ける知人と会食。とは言っても、サッカー談義な どで、盛り上がる。

 深夜、郵便物を点検すると、小畑和彦記者、遠藤満雄記者から葉書が来ていた。二人とも5月末に定年を迎えたという。

 小畑記者は何度も何度も病気をしたが、そのたびに立ち直った好漢である。その昔、埼玉・富士見産婦人科事件でコンビを組んだ。朝日 新聞が抜いた事件で「応援に行てっくれ」と言われ川越の埼玉西支局に泊り込んだ。朝日に負けてなるものか! 

 夜も寝ないで、走り回り、一面で特ダネを続けざまに書き捲くった。ああ、あの時は、若かったなぁ。よく酒を飲んだ。真面目に飲んだ。 奴の家に泊まったことを思い出した。小畑記者「中学2年の時に後にした郷里・鹿児島の桜島と西郷隆盛さんは、こころの支えだった」と 書いてあった。ジ〜ンときた。エキサイテイングな36年と2ヶ月。ありがとう。思い出をありがとう。

 遠藤記者は「毎日新聞記者の大看板をはずして、何事が出来るのか、見極めるべく、フリーの物書き稼業を続ける」とある。いかにも 彼らしい、物言いだった。ライターとしてすでに実績を上げているから、自信満々なのだろう。有名なツーリングの「遠旅組」はさらに 発展するらしい。これからもよろしく。

<何だか分からない今日の名文句>

いつまで経っても戦友だ

6月9日(水) 多国籍軍という名の米軍

 朝、羽田から青森空港へ。お土産の清酒3本が羽田のカウンターで引っかかり、1本1本検査。時間が掛かる。厳戒である。 例のサミット開催中、特に6月11日前後に何かある、という説が飛び交っている。

 小泉さんはいち早く日米首脳会談で「イラク多国籍軍」に参加することを表明。誰よりも早く、同盟をアピールした。 誰よりも、誰よりも、ブッシュを愛する。自衛隊派遣、資金協力の負担が、重くのしかかる。盲目愛!

 国連安保理決議を評価しながら、個別の理由で参加しない国が沢山あるのに。憲法をすててまで。 イラクでは「多国籍軍」と言う名のアメリカ軍と認識されているのに。小泉さんの愛ゆえの「なし崩し軍拡」が止まることがない。

 実質的なアメリカ統治が続き、まだ混乱は続くだろう。

 青森県内で終日、取材。雨は降らないが、ちょっと肌寒い。

 当地も、平成の大合併で悩んでいる。貧乏町と貧乏村が合併して、何が出来るのか。首都圏の市町村合併なら、 まだメリットがあるが、東北はそう言うわけには行かない。地元の識者が怒りを隠さない。

 毎日新聞の新しい社長、北村さんの親戚の町長と遭遇。「よろしく、と言ってくれ」と頼まれる。 北村家は三沢の名門。縁者が多いらしい。

 夜10時、当地の競馬仲間のカップルがホテルを訪ねてくれた。「今年は、どんな馬にしようか」という話。 やっと、重苦しい話と解放され、一口馬主情報で、夜遅くまで。「そうめんかぼちゃ」という珍しい、そばのような野菜を送る、 と約束してくれた。楽しみ。

 この夜、霧深。

<何だか分からない今日の名文句>

毒を食らわば‥‥

6月8日(火) 最後のSS産駒

 朝、たいとう診療所。また一段と患者が増えた。1年前に現在地に移ってから、スタッフも3倍ぐらい増えた。

 待合室では、長嶋さんが奇跡的な回復だ、という話題。我々、脳卒中患者には、大きな励みだ。 凄いなあ。ちょうさん。やっぱり、長さんは中高年の星だ。巨人は大嫌いだが、長さんだけは別。

 女医さんが火曜日の担当だが、忙しくて今井院長も応援。彼に見てもらった。 「10日の鳥越神社のお祭りで1000貫神輿を担ぎました。初めてです」。 へェー、見たかった。「雨が降って、大変でしたでしょう?」と聞くと、ラクビーと同じで、 少し降ったほうが良いらしい。

 「でも、オンナが担ぎ手に入ると、神輿は重くなって」と肩をさする。

 「赤ひげ今井」は地域とも、良い付き合いをしているらしい。

 「便秘は、食物繊維、運動、水分、それに少々のにがりで、行きたい」と話し、 今井君も「薬を使わない方がいいでしょう」と言うことになった。はたして、我が便秘はどうなるか。

 米韓同盟に若干のゆらぎが出ているようだ。ノムチョン大統領は「自主国防」を唱え、米軍は在韓米軍3分の1削減。

 そこで「日米一本化」が急速に進む。掲示板で、鋭い人が「日米一本化」の具体的な流れを指摘しているが、 すべてを年金問題にかくして、日本の「51番目の州」化が進む気配。勉強しなければ‥‥。

 午後は原稿。夜、両国まで歩いて「餃子会館」で、評判の餃子を買う。隅田川を渡って行き帰り1・5キロ。 歩いて、飲み、食べ、そして出したい。

 社台から2004年募集馬のパンフレットが届く。最後のSS産駒である。欲しいけど一口250万円。 400万円もある。とても無理だ。クロフネにするか、と深夜まで検討。でも、ことしは無理だ。

 今の3頭だけで、飼い馬料が月3万6000円。安サラリーマンとしては限界だ。 でも、馬券で儲ければ‥‥。この一週間、悩ましい。

<何だか分からない今日の名文句>

高いばかりが、駿馬じゃないぞ!

6月7日(月) 小泉さん、サマワへ行く?

 強い雨とカンカン照りが変わりばんこにやって来る。五月雨と五月晴れが変わりばんこにやって来る。ヘンな梅雨空。

 小泉再訪朝の直前「25万トンのコメ支援が焦点」と報じた日本テレビを飯島秘書官は嘘を決め付け、小泉訪朝の同行取材を拒否した。 あの謎の暴走。何故なのか、分らなかった。朝日も「25万トン」と書いていたし、日本テレビは全体的に現政権寄り。そして「25万 トン」は事実だったのに‥‥何故、日本テレビだけが苛められたのか、分らなかった。

 それが、分った。今朝、届いた月刊誌「創」の佐高信の「筆刀両断!」は「原因はマツタケ事件だ」と書いている。始め小泉訪朝の帰り に一行は「マツタケ300個のお土産」を受け取った。それが問題になると、飯島秘書官は羽田から2台のトラックで、いずれかに 「300箱のマツタケ」を持ち去ろうとした。その模様を映像でスクープしたのが日本テレビだった。遺恨があったのだ。

 その飯島さんは「森政権の世論調査負け」を見ていたから、小泉政治の目的は世論調査で勝つこと、と決めた。世論調査にマイナスのも のは全て隠す。プラスになるものは何でも見せる。

 今週の「ここだけの話」は「その数字、印籠?」というタイトルで、馬鹿げた世論調査の話を書いた。読んでくれ。

 その小泉支持率、一部では、年金法案強行採決でかなり下がっている。とのこと。そこで更なるパフォーマンス。シーランド・サミット の帰路、小泉さんはサマワを電撃訪問する、という怪説が永田町を駆け巡っている。何故、小泉さんはレーガン国葬に欠席するのか。準備 が整わず、実現はかなり難しいが、いずれにしても「サマワの自衛隊員と握手する小泉」はいつか、映像になるだろう。

 夜、プレスセンターで競馬記者クラブの懇親会。ことしのGTの成績で賑やか。82歳の長老記者の一本締めで終わって、近くの、威勢 のいい女将の店に流れて、午後10時に仕事場に帰り、原稿1本。

 コロンビア・トップ死去。こちらも82才だった。

<何だか分からない今日の名文句>

パフォーマンスも詭道

6月6日(月) にがり

 4日(金)、例の朝散歩で声を掛けられた。「犬、飼っているの?」。気が付くとブルドックが僕の脚にまつわりついている。振り向く と、ブルドックそっくりの顔立ちの中年女性が立っている。つい「あなたのお子さんですか?」と言ってしまいそうだ。でも、可愛い奥 さん。

 「ブルドックではない。シーズ犬よ。頭、良いんだから」で立ち話。散歩も楽しい。

 しばらく行ったら、カラーコピーショップ「ピッピ」のオヤジに声を掛けられた。吉田政弘さん。台東区立育英小学校の同窓生。彼は 6年1組の秀才。当方は6年4組のワンパク。在学中は声を掛けたこともなかったが、昨年、お祭りで「ホームページを読んでいます」と 自己紹介された。

 「実は、こんなものを作ったんだ」。縦45センチ横90センチのセピア色の大型写真。昭和32年3月25日、卒業式後の父兄だけの 集合写真。アルバムに張ってあった小さな写真を拡大したという。創立80年で記念に新築された図書館を背景に、200人あまりが写っ ている。

 「お袋、いるかなぁ」と探したら、いたいた。3列目の中心に居る。口を真一文字にしている。美人じゃないか。

 お袋の写真が少ないので、同じものを作って貰うよう頼んだ。これも、散歩の効用。

 散歩をしている理由は目指せ! 便秘解消。適度な運動。食物繊維、それに水分。と思っていたが、友人から「試してみろ」と言われた、 「にがり」である。豆腐を固める「にがり」。マグネシウムなどミネラルが豊富で、糖尿、高血圧に効くという評判だが、便が柔らかにな る、という副作用? があるらしい。本当かしら。

 「大変なブーム」と言うので、少し飲んでみる。これが、功を奏したのか、土曜、日曜と、朝さわやか。暫く、やってみるか。

 レーガン死去。日米首脳会談で、ホワイトハウスの執務室で、中曽根さんと会ったところを下手な写真に収めたことを思い出した。

 「強いアメリカ」を強調したレーガン。「双子の赤字」のレーガン。評価はマチマチ。さて、ブッシュと小泉の「強い日米同盟」の評価 は? イラクの自衛隊を多国籍軍に参加させようとする。その理由は「武力行使はしない、人道支援をする多国籍軍」が在り得る、という 屁理屈。ああ、もう駄目だ。

<何だか分からない今日の名文句>

兵は詭道

6月3日(木) 小泉再々訪朝?

 朝、例によって浅草まで歩く。ちょっと半袖では寒い。

 情報通から、救う会の「ちょっと嫌な話」を聞かされる。カネが絡むと大事だ。もし、本当なら、拉致家族の団結に‥‥。

 小泉さんの再々訪朝が検討されている。9月とか、もっと早くとか。タイミングが難しいが、亡くなったとされた拉致被害者の中から 二人を連れて帰る、という情報。かなり信憑性が高いように思うのだが。

 年金法案。参院厚生労働委員会で強行採決。社民党、共産党に質問させない。護憲政党に影響力がまったくなしをアピールする作戦。 自民。民主の出来レース。民主党は修正に応じたのだから‥‥そういわれても文句も言えないだろう。年金法案で何も言えなかった社民は 選挙後、土井さんが委員長になって、その上で消滅する、という話を否定できない。

 法案通過のメドをつけて、4日の閣議で「骨太の方針」を発表する予定。平気で「年金一元化」を方針から削るつもり。悪い奴!  行く行く、年金が破綻した時、彼らはどんな責任を取るのか。「勝ち組」の本音は年金なんて破綻してもいい、と思っているのだろう。

 夜、大井へ。東京ダービー。クラウンレコードとタイアップしたキャンペーンに極めて近いステージがアトラクションとして、連日、 用意されている。この日は真咲よう子「あじさいの雨」。ただ今、演歌部門でチャート1位。「自分でも、大ヒットにびっくりした」と言 う、ちょっと太目の演歌歌手は「私も競馬大好き。でも、よう子ですので、いつも4−5です」。

 ついている奴に乗るのが、ばくち打ち、と思って、東京ダービーの出走表を見ると14が1本被り。そこで「4・5・14」の三連単 ボックスの穴をちょっぴり買う。ところが、こんなことあるんだろうか。結果は5−4と来て大穴。3着に本命の14が‥‥と見えたのだ が、3着16、4着14と来て5−4−16の3連単は50万円馬券。16なんて考えなかった。涙ちょちょ切れる。

 4−5−総流し、5−4−総流しにして置けば、200円券でも100万円。落ち込む。たまちゃんと早々別れて、寝る。

<何だか分からない今日の名文句>

権力者のイロイロ狂い

6月2日(水) 街を歩けば‥‥見えてくる

 競馬仲間の友人が「便秘には、歩くこと」と主張するので、朝5時から歩く。 蔵前橋を渡って安田庭園。ここで、安田記念必勝祈願?

 国技館の前で一休み。稽古帰りの取的の頭から、ぷーんと男性用化粧水。相撲の世界も変わった。

 両国橋の上から野暮用の携帯。しゃべり終わると6時半。もう一度、江戸通りに出て、蔵前デニーズで、 食物繊維中心の朝飯。ひじき、納豆、とろろ‥‥

 出ると、通りに警察官が捕り物用の閂を持って立っている。警察官は見える範囲で10数人。何があったのだ。

 後で分ったことだが、約3キロ離れた三ノ輪の路上で、革労協反主流派全学連の五十嵐委員長ら2人が殺された。 ちょうど、その頃、デニーズを出たので、犯人を追跡する警官を見たという訳。それにしても、 まだ内ゲバを続けているのか。内ゲバも連鎖。

 街を歩けば「時代遅れ」も見えてくる。

 JR浅草橋駅東口、江戸通り沿いに提灯がぶら下がった。この辺り、6月5、6日はお祭り。 第六天榊神社、鳥越神社、蔵前神社がそろって例大祭である。(6日はアテネ五輪聖火リレーも行われる)。

 ところが、提灯橋の下のビルはシャッターが閉まったまま。どうしたのかしら。張り紙を見る。「民事再生‥‥」。 「人形の秀月」が倒産したのだ。まだ倒産ラッシュは続いている。歩けば、中小企業の苦悩が見えてくる。

 仕事場に帰って、3日ぶりの便通。ああ、さっぱりした。

 出社後、午後6時、弁護士会館で「日弁連幹部と記者懇談会」。何故か、当方に案内が来た。

 今まで司法記者クラブだけを対象にしていたが、幅広く「知り合いの記者」に声を掛けた、という。 行かねばならないのか。30分ほど、余裕があったので顔を出すことにした。が、知り合いなんて1人もいない。困った。

 ぼさっとしていると、若い弁護士さん2人が相手をしてくれた。助かった。僕の方からは 「勝ち組と負け組がはっきりしている。弁護士さんは、結果的に勝ち組に味方する。少しは負け組の味方になれ」 と率直な意見を述べて。制度として、カネがない人でも裁判は出来るが、その予算が少ない、という答えだった。

 ちょっと気になったこと。女性の弁護士さんの1人が「イラクとか、イロイロあるけど、仕方ないな、 という投げやりな気になって」と話していた。彼女が投げやりになっているということではなく、時代の雰囲気が 「仕方ない」なのだろう。しかし、弁護士さんには、もっと熱くなって、世の中を変える気概を持って貰いたい気分。

 夜、情報通から電話。小泉さんが国会の答弁で「人生いろいろ、社員もいろいろ」とみょうちきりんな答弁したらしい。 「ひょっとすると、昨日の『ここだけの話』で、キミが『お宝イロイロ』と書いたのを見て、小泉さんの頭に 『人生イロイロ』が浮かんだんじゃないか」

 そうかなあ、小渕さんはいつも読んでくれたが、小泉さんが読んでいるかどうか‥‥。読んだとしても「○○イロイロ」の名文句を、 質問をはぐらかす言葉に使うなんて、いかにも小泉流。

 深夜、掲示板を読む。おけら道人さんの書き込みによると「佐倉居住のみみず次郎長さん」がなくなった、という。

 「みみずの次郎長」って、良い名前じゃないか。会いたかったな。合掌。

<何だか分からない今日の名文句>

権力者のイロイロ狂い

6月1日(火) 神助さん、ごめんなさい

 正午前「ここだけの話」の担当デスクから携帯。「今日(6月1日夕刊)の『お宝イロイロ』で、島田紳助さんが『紳介』になっていま した」。エッ、なんと言う勘違い。HPの日記では、読み返す時間がないので、この種の誤りは勘弁してもらっているが、お金を頂いてい る商品で、こんな誤りをするなんて。

 「2版はそのまま行ってしまったので、2版だけ“お詫び”を出します」。夕刊には締め切りの早いものから2版、3版、4版がある。 その2版に訂正が間に合わなかった。

 迷惑を掛けて申し訳ない。我が記者生活で「お詫び」を出したのは、多分、3、4回? 情けない。読者のみなさん、ごめんなさい。 紳助さん、ごめんなさい。

 午後2時半ごろ、今度は競馬担当デスクのたまちゃんから携帯。また、何か、失敗したか、と思ったら悲しい知らせ。我が社の佐世保 支局長の娘さんが、友達に刺されてなくなった、と言うのだ。「午後3時のNHKニュースで放送されるでしょう」。

 奥さんをなくして、男手一つで育てた娘さん。絶句。

 その直後、また携帯。何だろう。不安。どうも携帯が鳴ると、良くないニュースばかりじゃないか。

 今度は、競馬仲間の親友からだった。「便秘なんだって?」「うん、そうだ」「歩けば良いんだよ、歩けば」「うん、そのくらい知って るよ」「歩いているのか?」「今も歩いているじゃないか」と言ってはみたが、そうそう、携帯では当方の歩く姿は分らない。テレビ電話 にするか。

 親友のアドバイスに従って、夜まで歩く。が、成果なし。

<何だか分からない今日の名文句>

最悪の死因、糞づまり

5月31日(月) モノが言えない

 曽我さんが「出来れば中国以外で」と“書いて”コメントした。「自由に話せない中国は嫌だ」と再三、意思表示したのに、杉浦副長官 は「中国でOK!」とワザと? 誤認した。「政府に任せなさい。良いですね」と念を押すだけの話し合い。曽我さんは「書くこと」で 真意を述べた。書いて記録に残さねば。

 小泉再訪朝が国民に支持されている。家族会が混乱している、と判断したのだろう。杉浦さんの強引さ。無理押しの儀式。曽我さんは決 然として「書いて」発言した。

 何も言えない雰囲気が、この国にある。平気で、日本人を「安全だから」と言って戦地に送り、平気で「危ないから行くな、と言ったの に」と平気で日本人の死を「事故死か、自死」のように扱う。

 その上、言論を封殺する。昔の「隣組」。隣組みによる密告で、押さえ込む。今「2チャンネルのパッシング」。物を言うものに鉄砲が 飛んでくる。

 曽我さんは政府より、正しく発信するメディアを選んだ。しかも、文書を残した。勇気があった。

 それにしても、モノが言えなくなった。福田前官房長官の前で、何も言えなくなった官僚が、今、飯島秘書官の前で萎縮する。メディア は最初から、飯島秘書官の鼻息を伺う。ああ、モノを言わない人ばかり。

 家族会だけが、頑張っている、という雰囲気だ。

 「ここだけの話」は、日本人の宝について書く。

 東京競馬記者クラブの事務をしていただいた女性が6月31日で定年退職された。約5年間、厄介になった。ありがとうございます。

 お礼に、夕食をおごる。話している内に、意外なことを知った。彼女、若い時、国会周辺で働いていた。そんなこともあって、以前から、 僕の名前を知っていたという。調査取材では、ちょっとだけ有名だったので、彼女、何故、こんな札付き記者?(彼女がそう言ったではな く、僕が誇りを持って言っているだけ)が競馬界に潜り込んでいるのか、不思議だったという。「JRAに、何か、不祥事があるのかしら」 と心配していた、と笑いながら話してくれた。

 驚かせて申し訳ない。単に、競馬が好きだった、と言うこと。これからも、競馬で飯を喰うつもり。これからも顔を見せ、応援して下さい、 とお願いした。

 9時帰宅。雨が降ってきた。

<何だか分からない今日の名文句>

臭いものの蓋はずし