編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2002.11月

11月28日(木) 浅草花街ご案内?

 朝飯前に「競馬はロマン」を書き上げてから、週刊文春、週刊新潮の類を漁る。

 真紀子さんの秘書給与ピンハネの捜査がスクープ扱いになっている。警視庁捜査2課 四知(第4知能犯係)が密かに進めている辻元さんの捜査もそろそろ山場。年内にカタ を付けるということになると、そろそろ立件しなければ…地検に送ってからの時間が足 りない。

 それに、あまり知られてはいないようだが、破産した某牧場に関して「きな臭い話」 もあるようだ。でも、これは事件になったとしても来春?

 午後、銀座松屋でお歳暮を注文する。「早出し」に割引があるのでお得。11月中に 注文するのがコツ。

 盆暮れの挨拶は地域経済の活性化に欠かせない、というのが、お袋の考えで、いつも 「落ちのないように」と言われていた。お歳暮を出し終えると、何かホッとする。

 夜、新しい友人・福ちゃんと夕食。仕事場に近い「赤兎」で一杯やってから「浅草の 芸者さんがやっている店がある」と言うので、福ちゃんについて行く。

 国際通りからちょっと入ったところの「スナックM」。(隠れ家にしたいので匿名) 。靴を脱いで入る京都茶屋風。ママは現役の浅草芸者。チーママは現職の向島芸者。 まるでお茶屋で遊んでいるような感じだ。付け出しが本格的で、しかも洒落ている。

 ママが言うには「本格的な芸者遊びも一人6万円ぐらいだったが、今は不景気で一人 4万円も可能」とのこと。福ちゃんは「一度、お座敷で遊びたい」と言う。僕もそうだ が「二人の懐ではちょっと無理」と笑っていると、ママ、それとなく浅草界隈の情報を 幾つか教えてくれた。

 例えば、一番安上がりのお座敷お遊び。「浅草花街お座敷入門講座・お座敷遊び」。 浅草見番を料亭に設えて、芸者、幇間衆と遊んで、一人12000円。松花堂弁当、飲 み物がつく。

 この企画、今年は11月16日。すでに終わってしまって残念だが、評判が良いので 、また行われるらしい。(浅草見番は頑張っている。11月30日土曜日3時から「浅 草見番寄席」が開かれる。3500円で林家正雀の長講「双蝶々」が聞ける。TEL0 3−3874−3131)

 ママさんから色々なことを聞かせてもらったが「ヤクザ屋さんのお座敷も、昨今はウ ーロン茶になっている」というのは傑作。色々な意味で「時代」を感じた。

 11時帰宅。かなり寒い。

 
<何だか分からない今日の名文句>

お座敷に四季あり


11月27日(水) 競馬運営委員会の緊張

   比較的早く出社。同僚と話題にしたのは高円宮様の葬儀。お棺の脇で歩く人物が決ま ったらしいが、その7.8人の中に、マスコミ人が2人。海老沢NHK会長、渡辺読売 新聞社長。宮家の意向だが、現在のマスコミ情勢を語る「物証」? 週刊誌のネタにな るかしら。

 昼、急にウナギが食べたくなって、一人で地下の「大作」へ。女将が「牧さんちの近 くの宝くじ売場、テレビに出たよ」と話しかけてきた。例のJR浅草橋駅東口に並ぶ3 つ売場。「良く当たるのは3つ並んでいる真ん中だ」と話す。毎度毎度の3億円騒ぎ。 浅草橋は年末ジャンボで列が出来る。

 午後2時から、JRA六本木事務所で競馬運営委員会。すべにJRA側から議題の説 明があったが、僕は平成15年度日本競馬会予算案について反対意見を述べた。

 「平成14年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律第4条に よる特別国庫納付金」として50億円が国庫に追加納付されるのに賛成出来ない。

 国庫の税収欠陥を補うために、本来、競馬ファンに還元されるべきサービスの原資が 国庫の一般財源に廻されることは、いわばファンとの「約束違反」である。

 こんなことを許しておけば、恒常的にギャンブルの寺銭は政府の使い放題になってし まう。

 第一国庫納付金2966億円、第二国庫納付金140億円。これに加えて50億円だ せ、とは強欲だ。

 いつも酒、たばこの増税で帳尻を会わせる「庶民いじめ」。許せない。  競馬はギャンブル(夢産業)であり、スポーツであり、文化であり(馬事)、国庫協 力である。その目的がバランスよく機能するから、競馬の存在意味がある。まず、国庫 納付ありきでは、バランスを逸する。

 「反対したいので採決して欲しい」と議長に求める。「いつも全会一致で採択してい るので…」と議長は困った様子。弁護士の山内委員が「今回だけ」という付帯事項を付 けて「全会一致で了承にしたら」と発言されたが、僕は「一人は明確な反対だったとい う事実を議事録に止めたい」と改めて主張する。

 このため審議時間が大幅に遅れた。議事録に残すことで、財務当局も来年は無理が言 えないと、若干の圧力になると判断した。

 実は政治家の一部に「寺銭を値上げしよう」なんて意見もあるのだ。僕は寺銭の25 %は値下げするべきだ、と主張し続ける。

 儒教の教えを背景に「博打は悪。悪いことを許すのだから、もっと寺銭をよこせ!」 というのは、ヤクザ国家だ。禁酒法の思想が「ご意見無用の酒税」に繋がっているのと 同じだ。

 これ以上審議が長引くのもまずい、と思い、結局、僕が折れる。「全委員が反対だが 、了解した」という付帯文書をつけることになった。あるいはこの方が効果があることかも 知れない。

 さて、このやりとり、会見を聞いたスーポツ新聞はどう書くのか。

 委員会後、委員が3人交代したので、ささやかなパーティ。新しい競馬監督課長と談 笑したが、比較的柔軟な姿勢で好感が持てた。友達になれそうな予感。

 少なくても財務当局の言いなりにはならない器と見た。

<何だか分からない今日の名文句>

寺銭は酷税


11月26日(火) 「みのもんた」は怪物だ

 朝、「おけら街道」を書き上げてから野暮用一件。雑談はまた不景気の話。同じよう なことを毎日、喋ってるような感じがする。

 思い立って銀行預金をおろそうとする。何年ぶりに通帳を見たら、この銀行、多分、 名前が変わったような気がする。カネにどちらかというと無頓着で、この辺のことが不 得意。この銀行の浅草橋支店があったところに行くと、とうの昔に移転している。移転先 が分からない。

 電話で問い合わせ、浅草支店に行くが、着いた時刻は午後3時14分。アウト。カー ドを作っておけば良かったのに、と思ったりするが、変な神経がいる時代になった。

 仕方がないので、銀行の近くの隅田川沿いの「CAFE MEURSAULT」でケ ーキセット。ここも旨いぞ。(雷門2ー1−5 TEL03−3843−8008)

 出社。不景気が原因なのか、コンドームの売れ行きが落ちている。エイズ拡大パター ンか、と言った話題。

 午後9時から赤坂で「みのもんたを囲む会」。テレビの打ち合わせを30分早く切り 上げても、この時間にならないと、みのは時間が取れない。

 「どのくらい仕事があるの?」と聞けば「月〜金は日本テレビの思いきりテレビ。朝 、7時に逗子の家を出て、午後2時半まで本番。水泳をしてストレスを解消して、5時 ごろから他の番組の収録をする。一日に2本かな。土曜日は午前4時にTBSに入り、 どの局より早いニュースワイドを2時間。それから文化放送に入る。週に本番レギュラ ーは7本、収録6本。あとはもろもろ」

 年末はもっと忙しくなる。睡眠時間平均4時間。多分、一番忙しいテレビ人間だろう 。

 俺が毎日新聞に合格、奴が毎日に落ち、久米さんがTBSに合格、奴はTBSに 落ちた。そして文化放送に行く。それが人生の分かれ道。奴、週刊誌によると「1年に 10億円稼いだと推定される」。こちとらの年収は……。

 それにしても、テレビが大好きで大好きで、奴、ストレスなんてないのだろう。

 二人だけの秘密の話もあって、実に楽しい夜だった。

<何だか分からない今日の名文句>

睡眠時間より睡眠深度?


11月25日(月) 北川新党→民主崩壊?

 朝、お袋の夢を見る。珍しいことだ。

 午前中は野暮用。「来年は苦しくなるぞ」と一般論を話している最中に「早田牧場、 倒産」のニュース。馬産地は氷河期だ。

 世界週報は北朝鮮ものを断念して「不景気の建築ブーム」を書く。「ここだけの話」 は、中高年の女性の気持ちを“手紙形式の手法”で書いてみたが……滝野デスクが「表 現に違和感がある」というので、考えた末、手直し。

 午後1時、急に眠くなって、モバイルの前でうつらうつら。ベットに入って2時間眠 る。野暮用が続いて疲れたのか。

 JRA汚職捜査の見通しについて若干の情報。これも野暮用の部類だが、大体、3つ の見通しが推測されているそうだが、どうだろうか。

 予想された北川・三重県知事の三選不出馬宣言。いよいよ新党だろう。

 気分の上では「崩壊寸前」の民主党に手を入れて、政党再編を目論むのだろう。多分 、石原慎太郎は動く。

 野暮用の途中で、たまちゃんから携帯。「おけら街道のネタあります」と親切な申し 出。ありがたく、頂くか。野暮用が多いと、取材に割く時間がない。

 夜、浅草の「釜飯・春」に行く。お袋の夢を見たので、つい縁の店に行きたくなった 。お袋はここが贔屓で、観音様の帰りは大黒家の天ぷらか、釜飯だった。

 10年以上来ていないが、まったく変わっていない。 1300円の牡蛎鍋に黒ラベル。2000円で済む。

 8時過ぎ、途中で雨が降って、帰りは難儀したが、まあ、アーケードがない参道を濡 れて行くのも乙なモノ。

 そこに携帯。誰かと思えば「六本木の帝王」の奥さん。「主人が退院しました」。奇 跡の退院。万歳!

 彼が電話口に出て「アー、アー」と言葉らしきものを発している。

 万歳、万歳。仕事場に帰ってから、また缶ビールを開けた。

<何だか分からない今日の名文句>

永田町、ご存じガラガラポン


11月24日(日) デビさんに会った!

 仕事場のあるJR浅草橋駅界隈。東口の江戸通りには玩具問屋が軒を並べる。毎年、 この頃になるとクリスマスグッズで舗道が満杯になる。

 日曜日、5歳の誕生日を明日に控えた愛子がやって来た。例の「キティちゃんの靴」 をプレゼント。クリスマスツリーが並ぶ駅周辺を歩いて「シモジマ」を覗く。真っ赤な サンタクロースの衣装、電飾のツリー……愛子、満足。

 店内で颯爽と英語を話すご婦人に出会った。東南アジア系の女性を二人従えたご婦人 。赤い半コートにベージュのパンツ。お化粧がケバケバしいが、美人である。

 ツリーに飾りつける銀色の鐘を手にして「これ、60個いただけません?」という独 特の抑揚で、デビ婦人と気づいた。

 本物に出会ったのは初めてである。何か、得をした気分。何か大々的なパーティを開 くらしく、至極熱心に品定めをしている。

 有名人まで浅草橋に姿を見せ始めると、もう12月だ。

 「世界週報」は北朝鮮ものを書こうと思ったが、どうも原稿の締切と、実際に店頭に 並ぶ時間にタイムラグがあって、新事実があっても、上手に料理出来づらい。まったく 北朝鮮に関係ない話にするか。悩む。夜になっても書けない。

 それにしても、拉致事件がないと夜も日も開けない今日この頃。ワイドショーの情報 にも、不確実なものがありすぎる気もする。伝聞情報が、いつか既定の事実として流さ れる。ちょっと危険だ。

 午後3時半、テレビでジャパンカップ。武豊が「ジャパンカップをダート、芝を連覇 すれば最高」と言っていたが、デットーリがその「最高」を実現した。恐れ入りました 。現場のたまちゃんから携帯で「外国の馬なんて、全く考えなかった。惨敗です」。元 気がない。大勝負したのか?死ぬなよ!たまちゃん。

 「十番勝負」でファルブラヴを的中したのは八人、とJr.からメール。誰が当てたの か。興味津々。馬券名人はどこにも、何人もいる。

 まだ、勝負の行方は分からない。君だって、いつかは名人だ。

 それにしても、クリスエスで間違いない、と思ったのに……次回からは大穴を狙うし かない。

 そろそろ「十番勝負」の賞品を用意しなければ……2002年大予想の方もそろそろ 、結果を気にしなければならない。Jr.の話では「こちらは的中者が大分いるらしい」 。これは困った。郵送料だけで、参ってしまう。

 二代目魁新聞社、当てモノ企画で破綻……の様相。

 夜、テレビ東京で「作詞大賞」を見る。最近、友人になった某氏がノミネートされて いるので、真剣に見る。「男と女の夢違い」という殺し文句で、ひょっとしたら……と 思ったが残念。大賞は阿久悠「傘の中」。男と女を表現するのに、阿久は数段勝ってい た。

 夜になると寒い。この日から西洋股引を着る。

<何だか分からない今日の名文句>

男も女も水びたし


11月21日(木) 宮様のお蕎麦屋

 前夜、少し夜更かしをしたので、午前8時に起床。すぐモバイルに向かって、月刊コ ミュニティケアの原稿を書きまくる。400字10枚、やっとのことで書き上げる。

 朝飯代わりにジュースを飲み、続いて「競馬はロマン」。書き上げたら正午。

 郵便物を整理したりしていたら、もう午後2時。結構、忙しい。

 副編から「日記が更新されていない」という電話。気がついてみると、ホームページ を開く時間がなかった。

 開いてみると、確かに日記が更新されていない。更新係のJrに連絡する。「更新し たはずが……ちょっとしたミスかなあ、変わっていなや」。Jrが外出していて更新出 来ないので、サンフランシスコの有希がやってくれた。

 その間、友人2人から「日記はどうした?死んだかと思った」と問い合わせの携帯。 心配させた。ごめん。友人は僕が倒れた10年以上も前のことを思い出すのだろう。

 そとへ出ると、日が傾いている。浅草橋の例の上海食堂で定食を食べてJRA六本木 事務所へ。午後7時から、東京ドームホテルで「ジャパンC・ジャパンCダートのウエ ルカムパーティ」を覗く。

 いつも、新宿の京王プラザで行われていたのだが、手違いで予約が一週間ずれ、会場 が取れなかった。

 学会の季節で、どこのホテルも一杯だ。

 武豊は「土日、どちらも勝てたら最高だ」とニッコリしている。まあ、武は強いがペ リエも強い。そこで、土曜日のジャパンCダートは雨に強いハギノハイグレートで行く つもり。

 (10番勝負は「ジャパンC」だけですので、お間違えないよう。ジャパンCダー トはやりません)

 パーティを途中で抜け出し、知り合いと浅草観音裏の「むらた」。早稲田の学生時代 、家庭教師をした坊主のお姉さんがやっている日本料理店。

 倒れられた高円宮様のことが気になる。スカッシュの最中に倒られた言うけれど、まった くお元気でいられたのに……

 「むらた」の女将さんは何度も宮様を目撃していた。宮様は並びの蕎麦屋「大黒家」 がご贔屓で、いつもお忍びでやってくる。

 この店、マスコミに登場することはないが、この辺りでは有名な老舗。宮様がくると 、常連客以外はご遠慮願っていたらしい。

 「カモスキ」という、合鴨の入る暖かい蕎麦がお好きだったらしい。庶民的な方だ。

 病態が心配で仕事場に戻ると、テレビで逝去の記者会見。47歳。早すぎる。そうい えば、僕が倒れたのも47歳だった。

 明日(22日)は「小雪」。寒いらしい。

<何だか分からない今日の名文句>

秋の日は釣瓶落とし


11月20日(水) 紅葉に無粋な携帯?

 町内の第六天榊神社の銀杏が一面、黄色くなった。紅葉も真っ盛り?

 朝の散歩が一段と楽しくなった。

 ところが、携帯というものが風情を壊す。

 例えば、友人から「昨日のここだけの話、おもしろかったよ。君が辟易としている『 ずる賢いマスコミ人』というのは筑紫哲也さんのことだろう」なんて電話が入ってくる 。

 「いや違う。あれは一般論だよ」と答えるが、今朝(20日)発売の週刊文春、週刊 新潮が「週刊金曜日の編集委員をしていることを明らかにしないで、金曜日の報道ぶり を養護している筑紫さんは理解できない」と批判を書いている。これを読んだ人なのだ ろう。僕が両誌と同意見と思っている。

 別に筑紫さんを頭に描いて書いたのでは断じてない。

 長いこと拉致事件の存在を放置しておいて、今度は集中砲火的報道。関係者のプライ バシーをズタズタにするマスコミ全体の姿勢に腹を立てているのだ。

 オウムの時もそうだった。「オウムは反社会的存在だ」と我々がキャンペーンを繰り 広げた時、全く無視し、あるいは「サンデー毎日は宗教の自由を奪うのか」と我々を攻 撃した多くのマスコミが一転して、オウム叩きの大報道。あの時も不愉快だった。

 拉致事件の関係者はメディアのいい加減さをあざ笑っているのではないだろうか。

 そういう怒りに近いものを書いてので、特定な人物を頭に描いて書いたわけではない 、と話す。無粋な携帯だ。

 千代崎・立山両君がスクープしたJRA元職員の汚職事件。ついに鈴木善雄・元京都 競馬場長が逮捕された。この関係でも携帯に電話が掛かる。

 「まさか、毎日さんが書くとは思わなかった」というJRA関係者の電話。これも大 いなる誤解である。毎日が書いたから、捜査が速まり、即逮捕となった、と勘違いして いる。明日強制捜査の確かな情報をつかんだから、毎日新聞は書いた。

 JRAには親しい友人が多いが、この人「牧君はJRAに不利なことは書かない」と 思っているのかしら。今までもJRAを批判は堂々と書いているのに、彼は僕の書いた ものを読んでいないのだろう。

 友情は友情。仕事は仕事。むしろ厳しいこと、と言うより事実を事実として書くのが 友情ではないか。

 もちろん、ここのところを十分、理解して付き合っている人が大部分だが、こういう 非常時になると、つい愚痴も出るのだろう。

 特に「膿を出す」と頑張って鈴木容疑者を組織から排除するのに力を注いだ人たちに 取って「JRAの企業犯罪」と取られる報道はやりきれないだろう。これは十二分に分 かる。

 月刊コミュニティケアに頼まれていた、武蔵野市の先進福祉のルポ。暇が見つからず 、締め切りを過ぎているので、午前11時から必死に書く。

 午後4時、浅草橋の例のお勉強。終わって仕事場に戻り、もう一度、モバイルに向か おうとすると、たまちゃんから「6時半からJRAが会見するようです」と携帯。

 仕方なく、麻布十番のJRA六本木事務所へ。会見の中身はこれと言ったものなし。

 まだ事件の全貌はハッキリしないから、何とも言えないが、今の段階では、鈴木容疑 者の強烈な個性が生んだ個人的犯罪の様相である。組織ぐるみの犯罪ではないと思う。 が、同時に、こうした個人犯罪が生まれる土壌があったことも事実である。とりあえず 、捜査の展開を見るしかない。

 この後、たまちゃんと柳橋「赤兎」。また、ニンニクを丸ごと食べてしまった。無粋 な食欲。

<何だか分からない今日の名文句>

悪縁契り深し


11月19日(火) 三越って駄目だなあ

 愛子が誕生日を迎えるので「買って、買って」と言っていた「キティーちゃんの靴」 をプレゼントすることにした。

 昔から「買い物は三越」と牧家では決めていた。「今日は帝劇、明日は三越」の時代 から、そうなっていた。

 まだ柳橋・深川亭が隆盛の頃は三越に外商の口座があって、母はお金を持たないで三 越で買い物をした。戦後、落ちぶれても?三越、白木屋(居酒屋ではない)だった。

 今でも、散歩のついでに三越に寄る。多分、僕も一番、買い物をするのは三越だろう 。

 愛子の靴も三越にした。ところが、である。「キティちゃんの靴、ありませんか? 」と女性店員に聞くと「キャラクターものはデパートでは売らないんです」とつっけん どんに答える。当方に常識がないような顔つきだ。

 「申し訳ありません。扱っていないんです」と言えば良いのに、聞きもしないのに「 ああいうものは、流行があって、定価が上下するんで、デパートでは扱わないんです」 と説明する。

 「どこで売ってるんです?」と聞くと「スーパーならあるでしょう。でも、この辺り にスーパーなんてありませんよ」。

 大きなお世話だ。

 この受け答えに、何か「こんなものを三越に買いに来るなんて」という“あざけり” のようなものを感じさせる。

 情けない。三越は三流、四流の店になってしまった。

 僕は、この「キティちゃんの靴」なるものを見たことがない。でも、子供たちの間で は人気がある。だから、愛子が欲しがり、僕も買ってやろうと思った。

 百貨店なら何でもあると思うから、三越にやって来たのだ。どうやら、キャラクター の付いた靴は安くて、商売にならないからだろう。腹が立つ。

 去年の秋、定価を見間違えて、八万円のセーターを二枚も買ってしまった。その後「 結構なお客」と判断したのだろう。毎週のようにダイレクトメールでブランドものお知 らせを寄越し「お待ちしております」と宣伝しながら、その一方で、客を小馬鹿にする 。

 大体、ズボンの裾である。

 スーパーなら10分で裾を直すが、日本橋・三越では買ってから一週間もかかる。

 こんなことだから「○○社のひとつ」にランクされるんだ。

 無謀なゴルフ建設で100億の赤字を出しても平気で、役員が責任を取らない体質。 その体たらくが、染みわたっている。情けない。

 午後、赤坂で野暮用を済ませ、その帰りにJR錦糸町駅前スーパー(放漫経営で倒産 した百貨店「そごう」の跡に出来たスーパー)で「キティちゃんの靴」を購入。500 0円で二足も買えた。

JRA汚職

 日記で何度となく「気になること」と書いていたJRAの汚職事件が明るみに出る様 子だ。

 JRAの元幹部職員がカードシステム会社から賄賂を受け取った事件。毎日新聞の事 件記者が深夜の取材で「強制捜査まじか」という確証を得た。

 警視庁の幹部は「書いたら恥をかく」と言ったようだが、捜査の事実は否定しなかっ た。毎日は14版から書くことにする。多分、特ダネになるだろう。

 実は、問題のSさんに関してはとかくの噂があり、理事長が自ら「辞職」を求めた経 緯がある。しかし、元職員とは言え、ジャパンカップの前の捜査は、JRAにとっては 痛い。

 実は9月29日ごろから、警視庁はJRAに任意で資料の提出を求め、問題のSさん のことに関して幅広く事情聴取を始めていた。と、言うより、もっともっと前から毎日 新聞の後輩記者はこれを追っていた。半年がかりの特ダネ。

 職務権限、時効と捜査の壁は厚かったが、警視庁は、それを乗り越え、Sさんを近く 取り調べ、容疑が固まれば逮捕ということになる。

 他社の事件記者の大半が、内偵捜査を知っていたので、すぐ、毎日の朝刊を見たら追 いかけるだろう。

<何だか分からない今日の名文句>

飽きないから「商い」

飽きない取材が「特ダネ」


11月18日(月) 北にクーデター期待?

 新潟と北朝鮮の元山を準定期で走っている「万景峰92号」。長いこと新潟に停泊し ている、という情報があったので「拉致事件と関係あり」と睨んでいたが、そうでもな いらしい。

 往復で燃料が60万円必要だが、この60万円がなくて、すでにことし3回も欠航し ているのだそうだ。

 北の経済はどん詰まりに来ている。

 こんな情報を提供しているのが月刊「草思」。「北朝鮮に拉致された日本人を救うた めの全国協議会」会長・佐藤勝巳さんが、北の情報を分かりやすく分析している。

 彼は僕と同じような「見通し」を持っているらしい。

 「拉致されている人間は70人ぐらいと我々は推定していますが、この人たちの解放 はこの政権が存続するかぎりあり得ません。つまり、倒れれば金正日が拉致してきたん だということで、全部彼の責任にできる」

 しばらく彼とは会っていない。忙しいと思うので、声を掛けるのを遠慮しているが、彼 も、現在の膠着状態を僕と同じように感じているのだろう。

 日本は北朝鮮の人々に「過去の精算」をしなければならない。しかし、その相手は金 独裁政権であってはならない。どう考えても、この時期の経済援助は金体制の強化に使 われるだけで、人民の食料にならない。非人道的な援助になる。

 国際的な機構に供託してでも、金体制に渡さない。そうなれば、北の内部でクーデタ ーが起こるのを待つしかない。

 日本はあくまでも強い意志で、拉致事件の解明を要求し続けるしかない。脅しに負け ず、要求するしかない。

 数年前、アメリカのスパイ衛星は「北にクーデターのような動き」をキャッチしたと 言われている。クーダテーは非現実的と決めつけることはない。

 出社後、若干の拉致事件情報交換。

 たまちゃんが、妙な文書を独占入手?したので、これをどう料理するか相談。もちろ ん、競馬関係。奴はいつも変な特ダネを持ってくる。

 「ここだけの話」は、ジャーナリストの仲間からは批判されそうなことを書いた。あ まりに「報道の自由」を盾に、拉致被害者に対する集団取材が度を超えていると思えてな らないからだ。

 一企業の利益のために「言論の自由」を盾に彼らの生活がめちゃくちゃになってもお 構いなし……という場面を見る。もう少し節度を持っても良いじゃないか、というよう なコラムになった。自分の過去を棚に上げて……と言われるのを覚悟して書いた。まあ 、読んでくれ。

 うれしい知らせ。佐々木竹見の冠をつけたレースが実現する。「竹見カップ・ジョッ キーグランプリ」。賞金が200万円。地方競馬としては破格の賞金。ジョッキーも喜 び、竹見さんは大喜びだろう。

 奥さんと3人でカラオケに行こう、と約束したまま、奥さんは亡くなり、竹見も引退 した。ファンの頭から「鉄人・竹見」も忘れられてしまいそうだったが、これで一安心 である。

 今日は一日中、暖かい日だった。

<何だか分からない今日の名文句>

独裁者に鉄人なし


11月17日(月) 兵本さんVS共産党

 週末は、忙しく読めなかった雑誌類を読破する。寒い日に読書が一番。

 友人の兵本達吉さん(元日本共産党議員秘書)が文藝春秋12月号に書いた「不破共 産党議長を査問せよ」をまず読んだ。

 日本共産党の橋本敦参院議員は1988年3月、兵本秘書の資料をもとに、拉致疑惑 を取り上げ、当時の梶山静六国家公安委員長から「昭和53年以来の一連のアベック行 方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが濃厚でございます」という答弁を引き 出した。

 その歴史的事実を元に、共産党は「拉致疑惑解明に熱心」と宣伝しているが、実は共 産党はある時点から「疑惑解明に後ろ向き」なり、熱心に調査活動を続ける兵本秘書に 難癖を付け、党を除名した。

 その一部始終を兵本さんは詳しく書いている。

 彼は隠し事が出来ない人間で洗いざらい書いている。

 現在の小泉首相の秘書官を勤めいる外務官僚(当時の 外務省北東アジア課長)と共に神戸に停泊中の北朝鮮の船に乗り込み「北の幹部」に会 いに行ったことまで書いている。拉致事件解明の裏舞台。興味をそそられる。

 それにしても、共産党はどうして拉致事件を解明に後ろ向きになったのか。

17年間も思想的に北朝鮮と不仲だった共産党は、兵本さんを除名した後、北朝鮮と の交渉ルートを作り、1999年村山訪朝団に加わり、2000年11月の党大会に朝 鮮総連を来賓として迎えへ「北との手打ち」を行った。

 当初、唐突と思われた今年の小泉訪朝を共産党だけが、手放して歓迎したのには、そ れなりの背景がある。

 文藝春秋が出たから、沈黙を続けてきた共産党は17日から「しんぶん赤旗」で兵本 弾劾キャンペーンを始めた。それも一面を丸々使うキャンペーンである。

 兵本さんはあくまでも、料理屋で公安警察と食事して「就職の斡旋」を頼んだ。それ が党の規律に違反したので除名した、と主張するのだ。

 失礼だが、兵本さんには若干の「おっちょこちょい」があるけれど、元々、正義を求 める立派な人間だ。僕は、共産党の言い分に無理を感じるのだ。

 学生時代、カントの理想主義に熱心だったからか、共産主義に走った理由はまだ、は っきり聞いてはいないが、その後の彼は「共産党こそ正義」を信じていた。

 その彼が、拉致事件をイデオロギーとは関係ない「国家犯罪」を考え、調査を続けた 。彼は公安警察官に就職を頼むようなことはない。

 彼は、もう一度、文藝春秋の1月号で改めて反論するつもりだろうが、除名された一 個人を相手にこれほど、反撃を加えるのは、共産党の存続に関わる「何か」があるから だ。彼には、まだ書いてはいない「新事実」がいくつかある。

 横田めぐみさんが1997年に生存していた、という記事が一部の新聞に載った。こ の「生存説」を漏らした「橋本政権の中枢」とは誰なのだろう。

 雑誌を総点検する合間に京都のマイルCS。どの馬が来ても万馬券、と見て、絶好調 の14番のメイショウラムゼスの馬単、馬連、ワイドまで買った。一瞬、やった!と思 ったが僅差の5着。無念。

 でも、トウカイポイントの単勝も穴で2380円。我がHPの10番勝負も「けんじ 」さん以下4人が的中。菊花賞的中組を猛追。おもしろくなった。

 掲示板を読めば「キーちゃん」は3000円を50万円にした。仰天。

<何だか分からない今日の名文句>

権力を信じるか、己を信ずるか、
予想屋を信じるか、己を信じるか、
それが生き様


11月14日(木) 25%の寺銭は高すぎる

 午後4時から九段農水省分庁舎で行われた「競馬のあり方有識者懇談会」を傍聴する 。

 この手の諮問委員会が傍聴可能とは知らなかった。

 と言っても、別室で音声だけの傍聴。発言内容は分かるが、誰が発言しているか分か らない場合がほとんど。発言者の表情もまったく分からない。

 それでも、議事の流れはよく分かる。むしろ、真剣に聞くようになるからよく分かる 。 事務局が資料をもとに「競馬制度の概要」「競馬の現状」を説明してから、委員の 質問が始まった。

 競馬に素人の人が多いので、的確な質問が出るかどうか、不安だったが、なかなか良 いところを突いている。

 例えば「バランスシートを出して貰わなければ議論にならない」。JRA、地方競馬 全国協会の組織見直しが大きなテーマである、と言われれば「民間ならバランスシート を明らかにしてくれなければ、論議にならない」と言うのは、至極、当然である。  「魅力のある商品を生み出すのが大切だが、払い戻し額が75%というのは、妥当な のか。海外との比較を知りたい」と言った意見も出た。

 常々「25%の寺銭は高い」と思っている当方、鋭い質問!と思わず拍手した。

 ところが、事務局は「日本より寺銭の率が高い国」を幾つかあげて、最後に「フラン スは安いですが、まあアメリカとフランスの間」と答えた。

 問題は「率」だけのことではない。各国の競馬ファンが国家に貢献している総額が問 題なのだ。

 競馬ファンが、それほど国家財政に寄与しなければならないのか。

 次回は12月18日。

      「週刊金曜日」特ダネのジレンマ」

 夕方、出社すると、社会部の話題は「週刊金曜日」の曽我ひとみさん家族のインタビ ュー記事に集中していた。

 曽我さんの夫、2人の娘さんが”北朝鮮のお膳立て”でインタビューに応じた。夫は 「拉致は知らなかった」と言い、子供は「お母さん、北に帰って」と話す。

 あの国で、今の時点で、政府のお膳立てインタビューすれば、そういう発言になるだ ろう。それほど、驚くべき特ダネではない。

 まあ北の宣伝に乗った形だが、皮肉を込めれば、逆に「北の意図」を明確に捉えるう る資料、データでもあることはある。

 週刊金曜日の報道姿勢に対して、批判が相次いでいるようだが「北の本性」を報じた インタビューと捉えれば良いじゃないか。このぐらいのことで、マスコミ同士がいがみ 合うこともない。

 報道の段取りに配慮がなく、バランスに欠けた面はあるけれど……まあ、普通の特ダ ネということだ。

 それよりも、気になるのは報道内容を「正義の報道」「不正義の報道」「国策の報道 」「非国策の報道」……と言った色分けをしようとする風潮である。

 もう一つの視点、被害者の子供が引き裂かれている現実を書いただけで「非国策の報 道」とするのは、あまりに無理がある。

 報道は「事実」であるか、「嘘」であるかで、判断されるべきものだ。国策か、非国 策か、で判断すべきものではない。

 週刊金曜日のインタビュー。「インタビューが行われたこと」は事実、彼らが「北の 国策に沿って話した」ことも事実で、その結果、曽我さんの家族の発言に「本音」と「 嘘」が混じり合っていたということである。(編集者の意図はもうひとつ分からないが )「嘘」の報道を意図したものとは言えない。

 ちょっと前まで拉致事件を放置した政府が、拉致事件解明を「第1の国策」にした。 それはある意味で歓迎したいが、これをきっかけに「国策に反する報道を国民の世論で 排除しよう」という本音が見え隠れする。

 感想を求められた小泉さんは「狙いはよく分かりませんが、最近の週刊誌は虚偽報道 も多いし。報道の自由を盾にして、報道される人の迷惑を考えないから」とコメントし ている。

 いかにも、当たり前の言い回しだが、週刊誌の報道がすべて嘘ということは断じてな い。週刊誌の報道があったから事実が明らかになったことは数々ある。

 権力の「嘘」はもっと多いだろう。

 ただ、間違った特ダネ意識で突っ走ると、結果的に「権力の言論封鎖」に力を貸すこ とになる。気をつけたい。

 この勘所をわきまえないと「権力の監視」という本来の存在意義を失うかもしれない 。

  
<何だか分からない今日の名文句>

特ダネもまた人格なり


11月13日(水)「コメント力」って?

 朝、東京専売病院で検診。前日の「たいとう診療所」の検診では血圧が幾分、高かか ったが、この日は138ー80。極めて正常。大山ドクターに「あまり血圧のことは考 えなくてよろしい」と言われる。寒くなれば誰でも若干、血圧は上がるのか。

 幾つか、本が送られてきた。有田芳生さんの「コメント力を鍛える」(NHK出版・ 生活人新書)。さっそく、バラバラとではあるが、一気に読む。

 「コメント力」というものは果たして、どういうものなのか。「筆力」は分かるが、 コメント力とは?

 あるとしたら、話す人間の総合力のようなものではないのか。有田さん流のわかりや すい分析は出来ないが、テレビの場合、視聴者は肩書きを見て安心し、着ている背広を 見たり、ネクタイを見たり、髭を見たり、要するに風体を見て、ある程度の評価をして 、あるいは有名な人間であったら、その人物に関わる雑誌の記事を頭に描いたりして「 コメント」を見ているのではないのか。それほど、何を言ったか覚えているものではな い、と思う。

 場合によっては、コメンテーターを茶化して見ているの時だってある。

 有田さんに怒られそうだが、僕は有田さんのコメントより有田さんのドキュメントの 方が好きだ。大好きだ。

 「あとがき」を読んでいたら、朝日新聞が彼の肩書きを「ジャーナリスト、TVコメ ンテーター」と書いたエピソードが紹介されていた。コメンテーターは「職業」なのか 。複雑な思い。

 続いて「世界12月号」を読む。「日朝不正常関係と拉致問題」は時間をかけて読ま なければならない。データが豊富だが、ちょっと僕の認識と違うところも多々ある。で も、こうした「世界」らしい、整理も必要だ。すべて「文藝春秋」でも困る。

 もう一つ、贈っていただいた、六さんの「名スカウトはなぜ死んだか」(講談社)は 時間がなくて机に置く。すこし経ったら必ず読む。

 夜、二の酉。

 こんなに暖かい「お酉さま」は珍しい。昔の酉の市の写真を見ると、みんな外套を来 ているのに。すこぶる温暖化。

 寒くないので、屋台のおでん屋は閑散。いつもおでんだったが、そういう雰囲気では なく、雷門に出て「神谷バー」で電気ブラン。冷や奴を食べる。

 ビンラディン生存説。アフガン南部に潜伏?

 本当なのか。

 この時期に(イラク査察、場合によってはイラク攻撃秒読み段階?)ブッシュはビン ラディン生存説を流すのか。

 分析しなければ……

<何だか分からない今日の名文句>

コメントは人格なり


11月12日(火) 某国の人、証言を!

 北朝鮮拉致事件。急展開。一時帰国の5人、北朝鮮が死亡した8人の他に拉致された 疑いがあるのは日本人は約70人と報道される。

 「死んだ」と北朝鮮が発表した松木薫さんの遺骨は別人……と次々に新事実が政府( 捜査当局)から出て来た。

 ことし3月19日夕刊の「ここだけの話」で「拉致された人間は47人前後いる」と 書いた。(「拉致が問う『外交の力量』」)

 この時点では拉致疑惑を本格的に追うジャーナリストは限られいて、事情を知らぬ同 僚記者は「こんなにいるのか?信じられない。いい加減なことを書くと、外交問題にな るぞ」と注意された。温度差の違いだろう。

 それから半年。9月24日の「ここだけの話」では「生きている『理由』」と見出し を付けて「死んだとされる8人は生きている」という兵本達吉氏(元共産党参院議員秘 書)の見解を紹介した。(この「ここだけの話」がきっかけで、兵本君は今発売の「文 藝春秋」で「共産党と拉致事件」を書くことになった)

 その時も僕の周辺でも「5人の生存を認めているのだから、悲しいけれど8人の死亡 を認める方が自然ではないか」という意見が強かった。

 それが、次第に8人は「政策的に殺されただけで、本当は生きている」と言う観測に 変わってきた。

 すべて家族会が一致団結して「北は信じられない」と言い続け、世論を形成していっ たからだろう。

 こんな見事な運動は見たこともない。

 政府も、もはや、歴史の闇に拉致事件を隠せることは出来なくなった。「10人ぐら いの拉致で、国交正常化が遅れては……」と言っていた、外務省の馬鹿どもも、いまや 沈黙している。(「馬鹿」なんて言葉使って恥ずかしいが「馬鹿」としか言いようがな い。) ここで「1999年にAさんに会った」と証言する人物が出てくれば、北朝鮮 側の「偽装」がハッキリするのだが……。北は10年以上前に死んでいる、というのだ から「1999年の面談」は、北のシナリオを根底から崩すのだが……。

 某国の人。証言して欲しい。

 昼、たいとう診療所。ちょっと血圧が高い。

 「おけら街道」は競馬有識者懇談会が14日に開かれるので、そのことを書く。「こ こだけの話」は、コーヒーとマンションの関係?を書く。

 夕方、床屋。いつもの床屋が休みなので、少し歩いて別の床屋へ。午後5時だという のに真っ暗。でも今夜は暖かい。

<何だか分からない今日の名文句>

声ある声が真実を証す


11月11日(月) 小学生の青田刈り

 紅葉の永観堂、真如堂を見てから帰京。永観堂の拝観料1000円は庶民感覚を無視 している。真如堂はただ。その違いは何なんだろう。

 武豊の家が、南禅寺、平安神宮の近くにあると聞いたので探してみたが、分からなか った。

 家並みが低く個性的で、寺町はゆったりしている。京都はどこからでも山が見えて良 い。何日いても飽きないが、坊さんが巨大な富を独り占めしているような感じは、ちょ っと嫌。

 哲学の道で、東京の東大病院に入院してガンと闘っている先輩記者の誕生日と気づき 、携帯で浅草橋の花屋に「花束を贈ってくれ」と頼む。「後で払うからな」でOK。結 構、あの辺りでは俺、信用がある。

 先輩に紅葉が見せたいが、多分、来年は彼も京都に行けるだろう。ガンの治療は、か なり信頼出来る。

 新幹線で、ここ数日の新聞をおさらい。東京の新聞には、多分、載っていないと思う が「小学生の青田刈り」。大阪では、中学校が入学生を確保するために秋にプレテスト をしている。

 大学では、推薦入学といった形で「青田刈り」をしているが、大阪ではここまで来た のか。

 受験産業は苦しいはず。

 再三、言うようだが、少子化が不況の原因。

<何だか分からない今日の名文句>

子供がすべて


11月10日(日) 京都に遊ぶ

8日(金曜日)から京都に遊ぶ。

初日は清水寺、三年坂、二年坂、高台寺。高台寺の境内は10数年ぶり。紅葉は始ま ったばかりだがライトアップがこのあたり大変な人気。坂が多いので、見ず知らずの人 の手を借りて走破?する。

夜、北海道の馬産地から「どうしても会いたい」という方が京都駅まで来られる。夕 飯を一緒にしながら、馬産地の悲惨な状態について説明を受ける。

このまま、地方競馬が衰退の一途をたどるとなると、馬の生産は縮小し、結果的に日 本の馬事は徐々に姿を消すかも知れない。ともかく地方競馬がなくなると年間4000 頭の需要がなくなる計算だから、馬産地は生きていけない。

 しかし、このデフレ経済。地方競馬の振興はなかなか難しい。発想の転換をしなけれ ばならないが……今の段階では「勉強します」と言うしか、答えようがない。

 ただ、日本の競馬は法的の見直しの段階に入ったことは確かだ。

 9日の朝、ホテルでバイキングの朝飯を食べていると、一人の紳士が黙々と料理を皿 にのせている。黙々と、である。

 どこかで見た人、とよく見ると鳩山由紀夫さんではないか。SPも連れていない。隅 のテーブルで壁に向かって食べ始める。黙々と。

 政治家は一人で飯を食わないもの、と信じていたから、あまりにも、その「孤独」に 愕然とした。

 鳩山さんと分かっても、誰も声一つかけない。ひょっとすると、彼、情報疎外地にい るのではないか。

 廊下ですれ違った時、思わず「頑張って下さい」と言ってしまう。面識がない同士だ から、当方が新聞記者とは思わなかったと思うが、彼「ありがとうございます」と威儀 を正して一礼した。でも、それだけの反応である。

 「寒いですね」もなければ「どちらから?観光ですか?」もない。政治家は人気商売 、ということを彼は理解していない。

 その仕草には「民主党の顔」の意識がない。彼が馬産地のことを考えていると思えな い。

 午前、京都御所一般公開。午後、京都競馬場。馬券惨敗。夜、競馬仲間と鉄板焼き。

 10日朝、TBSラジオは電話で出演。エリザベス女王杯の予想。3連複は1−5− 12、5−6−12と話しておいたが、運良く1−5−12が的中した。

 しかし、馬券の儲けは少々。最終レースで小牧が頑張って、両日の収支決算。5万円 ほどの浮き。

 薄紅色の空を見ながら満足満足。

<何だか分からない今日の名文句>

顔が命


11月7日(木) 「北朝鮮」ではいけないの?

 この秋、はじめて暖房を入れた。立冬。今年の秋は短かったのか。

 午前中「ここだけの話」を書いてから散歩。浅草橋周辺を歩いていると良い匂い。牛 肉とニンニクの茎炒め(880円)を食べる。これは5つ★。上海ブラッセリー?(名前 は忘れたが、住所は台東区浅草橋1−1−8)満足満足。

 そのまま出社。3時から社報の取材。コラム「ここだけの話」の裏話を聞きたいとい う。

 「人気コラムですから」とお世辞を言われ、ついなめらかに答えてしまう。

 話しているうちに、これは話したい、と思ったことがあったが……取材した後輩に迷 惑をかけるので止めた。

 そこで、ここに書く。表記について不満がある。

 何故「北朝鮮」ではいけないのか。僕はわざわざ「朝鮮民主主義人民共和国」と断ら なくてもいい、と思う。

 中華人民共和国は中国で分かるし、大韓民国は韓国じゃないか。

 何故「北朝鮮」だけは特別なのか。分からない。

 「これは表記だから」と言われれば、従わざるをえないが、自分のコラムの中だけで も「北朝鮮」と書きたい。民主主義なんてどこにもない国をわざわざ「民主主義人民共 和国」なんて書きたくない。

 明日(8日)一番で京都に行くので、日記はここまでで終える。寒いので防寒万全で 行こう。

 10日は歴史的なエリザベス女王杯だ。

 長屋のみなさん、十番勝負、忘れないように。

<何だか分からない今日の名文句>

名は体を表わせず


11月6日(水) 集団過熱取材の嵐

 午前中の散歩が辛くなった。日差しが淡い。東京はビルの影ばかりで、どこへ行って も日差しがない。ただただ寒い。

 午前8時に仕事場を出て、浅草橋→鳥越神社→春日通り(痔の大黒堂を左に折れ)→ 御徒町(アメ横で歯間ブラシを買い)→(Uターンして)秋葉原。ちょうど午前10時 になって淡い日差しが差し、やっと右脚がいつものように動くようになった。麻痺した脚 は、そう簡単には動かない。

 それから出社。社会部で若干の情報交換。

 つくづく思うのだが、帰国した5人に果たして「自由」があるのか。

 集中取材の砲火でボロボロになってはいないか、と心配する。もしかして、5人が病 気になったら……。

 北朝鮮に残した子供のことを考え、胸が張り裂けそうになっている…と想像できる… …のに……テレビ屋さん、新聞屋さんは平気で集団過熱取材を繰り返す。

 5人の思いが、テレビ屋さんに、新聞屋さんに分かるものか……。

 少しは、節度ある取材であって欲しい。テレビを見る度に「何で1企業の視聴率(= 売り上げ)のために5人がもみくちゃになるのか」と腹が立つ。

 本当の愛情を持って欲しい。

 でも、必死で取材する記者たちに一概に「集中取材はいかがなモノか?」とは言えな い。「エッ、一生懸命に飛び回っているのに……彼等だって若い頃には無茶な取材をし たのに……取材は正義だ……年寄り記者が何言ってる」と反発を受けるだけだろう。 取材の最前線で頑張っている取材陣に水をかけることも出来ないし……。

 それでも、毎日新聞は節度を持っている。礼儀を持ち続けていると思う。が、その分 だけ、テレビのような「おもしろさ(興味本位)」に欠ける。それでも良い、と僕は思 う。ここぞ、と言う時「スクープの毎日」なら良いと思う。1企業のためだけではな い、本物のスクープがあれば良い。

 午後4時過ぎ、JRA六本木事務所。新任部長さんの研修が行われていて、相手をし てくれる人は限られていたが、取りあえず「気になること」の進み具合を聞く。進展な し。出来れば、そんなことにならないと良いのだが……。

 記者クラブにいた報知新聞の竹さんが「11日に松戸愛輪会だぞ」と声を掛けてくれ れた。松戸競輪。行きたいが、コトの進み具合ではその頃、忙しくなるんじゃないか。

 夜は浅草で店舗デザイナーの取材。大寒い。

<何だか分からない今日の名文句>

メディアスクラムは毒キノコ


11月5日(火) 銀行を救って国民を殺す?

 月刊「現代12月号」が郵送されて来た。昔、同誌に原稿を書いた縁で、ズーと送っ てくる。いつも5日頃、まだ書店に出ていない頃だ。

 この号には小気味良い憂国提言が載っていた。作家・高杉良さんの「竹中大臣を即刻 クビにしろ」である。

 彼が指摘しているのは「不良債権を処理すると、また不良債権が増える」という簡単 な現実である。

 1992年度から2001年までの10年間に大手銀行は67兆円の不良債権を処理 している。それはバブル期に発生した不良債権とほぼ相当する金額である。バブルの後 始末をこうして終えたハズなのだが、2002年3月末、大手銀行の不良債権は15・ 4兆円。この不良債権はその後に起こった資産デフレが原因で生まれたものだ。

 デフレが続く限り、不良債権を処理すれど処理すれど、新たな不良債権が生まれる、 と彼は指摘する。

 実は、僕にも、そうとしか思えない。

 「不良債権」という表現には元々「からくり」がある。

 「不良債権」は銀行側から見た「価値」である。表現である。

 しかし、銀行から融資を受けている個人、法人、組織から見れば、この15・4兆円 は「債務超過」である。そう表現すべきである。

 「銀行の不良債権」=「産業の債務超過」である。

 しかし、小泉さんも、竹中さんも、政府自民党も「銀行を助ける不良債権処理」は 言うが「産業を再生する処理」には、いっさい触れない。

 その片手落ち政策(「差別用語」だというお叱りがあるだろうが、あえて使う。「差 別のある事態」を強調するにはこの表現が良い、と思っているからだ)がある以上、つ まるところ、債務超過の産業をつぶすしか策が浮かばないのだろう。

 債務超過の企業が潰れれば、デフレ圧力は強まって、資産デフレがさらに進む。また 新たな不良債権(つまり債務超過)が増える。そのイタチごっこだ。

 銀行は国有化できるが、産業は国有化できない。出来るかも知れないが、それは自由 のない共産主義である。

 「債務超過の産業」の再生策がないままに「不良債権」を処理すれば、倒産に次ぐ倒 産、「クビを切り」に次ぐ「首切り」、自殺に次ぐ自殺……それは当然である。

 日本を買い叩く向きは「不良債権処理」を求めるが、アメリカの良識派は「日本は不 良債権処理を急ぐべきでない」と言っている。これも当然である。

 ペイオフを延期するのも、銀行救済。それではなく、産業再生の2年間、と何故、位 置づけないのか。

 すべて「不良債権処理」だけの目的でものを考えるから間違っている。

 銀行ありて国民なし。不良債権処理は銀行のためにだけあるのだ。(もちろん、最後 は銀行の本来の仕事はなくなるが……)

 出社。サンデー毎日の後輩記者と立ち話。「ことし下半期の売り上げでは、週刊ポス トを週刊文春が抜いて第1位だろう」という業界話。

 六ちゃん(運動記者の六車記者のこと)に呼び止められて「本を送るからな」。彼、 野球のスカウトの自殺を追いかけていて、その真相を一冊の本にまとめた。話を聞くか ぎり、そのストーリーにはドキドキする。

 このところ、テレビでおなじみになった松田論説委員と「競馬は当たらない」とぼや きながら、若干の北朝鮮情報の交換。

 3連休で、同僚と会うことがなかったので、雑談に次ぐ雑談。楽しいが、新聞社に危 機感なし、と言った感じもある。

 帰りに三越。傷だらけになった杖を買い換える。デフレ阻止の賢明な(懸命な)努力 ?

 金を使おうキャンペーンだ。

 夜、育英小学校の同級生から電話。「今、石川先生が来ているんだ」。直接、教えて もらったことはないが、人気のある先生だった記憶がある。

 黒ちゃんをはじめ5,6人が近くのラーメン屋で石川先生を囲んで一杯やっているら しい。

 行きたい。でも原稿の締切があって行けない。お詫びに、友人からいただいたワイン を届ける。

 深夜、寒くなる。

<何だか分からない今日の名文句>

ネーミングの大嘘


11月4日(日) 死んだはずの人に会った人物?

 東京は青空で17度を越えたが、全国的には12月、1月の陽気らしい。いやに冬が来 るのが早い。

 野暮用の合間に少々時間があったので、衆院憲法調査会の中間報告書(1日発表)を 熟読する。当然、9条問題が焦点だが、環境権、同州制……と新しい価値観が並べてあ る。これらを列挙しただけで、方向性を明示したものではないので、論議は難しくなる のだろう。真剣に勉強するには、かなりの時間がいる感じ。

 新聞の織り込みに入っている「しんぶん赤旗・2002年10月号外」を読む。

 「北朝鮮拉致問題・事実をねじ曲げた公明党の党略的な攻撃に反論します」。公明・ 共産が北朝鮮問題で喧嘩しているとは知らなかった。

 公明党が「共産党は拉致事件に後ろ向き」と批判しているが、共産党は「我が党こそ 、拉致事件の疑惑を提起した」と主張している。

 もう、こうした後ろ向きの議論は必要ない気もする。今時「北の味方」なんて言う党 ないんだから。

 北朝鮮は日本の世論を分裂させようと画策しているのだから……「政府が悪い」「社 会党が悪い」「共産党が悪い」「公明党はコメ支援に賛成した」とか言った論争に血道 をあげるのは、なんら意味がない。

 それより気になるのは、共産党はこの号外で相変わらず「88年、橋本敦参院議員が 拉致事件を提起し、拉致の事実を政府に認めさせた」と書いている。

 確かに、この問題を橋本議員は国会で提起し、当時の梶山静六国家公安委員長は「拉 致」を認めた。大変な功績だと思っている。

 しかし、この「拉致事件」を掘り出し、質問を造ったのは、橋本議員の秘書だった兵 本さんである。彼の仕事がなかったら、質問はなかった。それは、拉致事件の解明に力 を貸した人々は誰でも知っていることである。

 その兵本秘書に対して、北朝鮮労働党との微妙な関係から、共産党のトップは「真相 解明をほどほどにしろ」と命じ、これに従わない兵本秘書を除名した。

 この号外でも、共産党は一面に「橋本質問の手柄」を大々的に載せ、4面の下に小さ く「兵本秘書は公安警察官に就職の斡旋を頼んだから除名した」と書いている。

 冗談は休み休みにしてくれ。

 拉致事件の真相を探るには、様々な人に会わなければならない。拉致された人の家族 、友人、政府関係者、韓国大使館、北朝鮮元工作員……あらゆる関係者に会わなければ ならない。彼に取って、公安警察官も大切な取材源だ。

 兵本さんは、公安警察官と会い、食事をして情報を交換した。当然のことだ。これを 「就職の斡旋を頼んだ」というのは嘘である。「党則違反」をでっち上げ、除名する姿 勢に許されないものを感じる。

 橋本議員が質問した相手は「国家公安委員長」である。国家公安委員長に事実を正し たのと同じように、公安警察官に事実を正した。それが何故、除名されるのだ。

 共産党は彼の名誉を回復すべきである。共産主義を正義だと信じていた彼は、党にた いして、北朝鮮が拉致を認めた時点で「除名を取り消せ」と要求している。

 彼の名誉を回復せよ。

 そうしなければ、共産党は他党の批判を受け続けるだろう。

 僕には共産党に親しい人がいるが、この「兵本事件」を隠蔽する共産党の体質に「北 朝鮮的な匂い」を感じてならないのだ。

 拉致事件関連の情報。

 生死不明者8人のうち1人に会ったという人物が海の向こうに実在する情報が飛び込 んで来ている。

 事情があって、まだ「その人物」は表面に出ないらしい。その人物が真相を話せば「 8人死亡」説が根底から崩れるのだが……。まだまだ、真相究明には時間がかかる。

<何だか分からない今日の名文句>

真相を「拉致」する勢力


11月3日(日) 沖縄が緊張!イラク攻撃か、
          北のミサイル実験か


 11月に入った。急に寒くなった。

 1日の金曜日は小雨の中、徒歩でお酉さまに向かったが、途中から雨が激しくなり、 浅草・田原町あたりで断念。タクシーで仕事場に戻るが、ずぶ濡れ。頭を必死で拭く。 風邪を引いたら大変だ。右半身マヒで傘がさせないのが悔しい。

 午後、誘われて新宿厚生年金会館で行われた日本ハウジング主催のセミナーでお勉 強。

 不況でマンションが売れ残っている。多分、ことしは2万戸強が売れ残りそうだが、 商品性が優れているものは必ず売れる。その秘密?

 なるほど、なるほど。マンションはアクセス、価格の以外にも「非日常的お洒落」 が売り物になるのか。

 不況でも知恵ある人はキチッと儲ける。

 土曜は午前中から東京競馬場へ。

 2年4ヶ月間、改築していた新スタンドが完成、この日からWINSとしてオープンし た。今や「建築現場監督」になってしまった感がある東京競馬場長さんに「おめでとう 」。今回の改築では色々な工夫が生かされているが、今度は検量室がガラス張りになり 、ファンが見えることになる。欧米並だ。

 世界一の競馬場になる予感。来年のダービーの一週前から府中の開催になる。

 新スタンドでメインレースの検討をしていると、知人から携帯。

 「安全保障関連の人物が嫌に忙しくしている。沖縄・嘉手納にアメリカのミサイル監 視部隊が集結している様子だ」という。

 イラク攻撃に備えるため、途中に嘉手納に寄ったのか。はたまた、北朝鮮のミサイル の実験に備えるのか。一切分からないが、政府の一部に緊張が走っているらしい。

 どうしても、アメリカに協議の席について欲しい北朝鮮が「脅しのミサイル実験」を 沖縄周辺で行う可能性がまったくないとは言えない。常識では考えられない行動に出る のが金体制だ。

 この日の報道によれば、北朝鮮は韓国との実務者協議で「韓国人の拉致はない」と強 弁しているらしい。北はしばらく強行路線?

 いずれにしても、米国の軍事機密。一般人は知る余地もないが……。

 「10月の魁社説・西山太吉氏の怒り」(読んでいない方は是非読んで欲しい)に書 いたが、西山氏は「原潜寄港」という最高機密をスクープした日から、外務省機密事件 も容疑者としてマークされた。

 国民はどこまで軍事機密にコメントすべきなのか。考えさせられる。

 3日の日曜日は、のんびりとしながらも、若干の情報収集。空が綺麗な一日だったが ……緊張の週末だった。

<何だか分からない今日の名文句>

北の常套、日本の安閑


10月31日(木) 国家との契約

週刊現代に「年金はもうもらえない!」という大特集を載せているらしい。普段、週 刊誌を読まない友人が「わざわざ買った」と電話してきた。

 そう言えば8月26日の日記で「年金の危機」を書いた。年金は危ないというのは、 ある意味で常識?だが、あの時点で書いたのは、どうにも深刻なデータが発表されてい るのに、新聞は注目していないからだ。以下のように書いた。

 「多分、新聞では小さな扱いになるようだが、もっと注目すべき『深刻なデータ』が ある。2000年度の厚生年金基金の決算である。いまごろ2000年度を厚生省が発 表するのもおかしいが、26日に静かに?発表されたところでは『現時点で解散した場 合、加入者に予定通りの給付が出来る最低積み立て基準額が不足している基金』が77 %に達している。大変なことではないか。

 すでに厚生年金基金が赤字で解散するところが出ているが、前年度はまだ『不足基金 』は44%だった。

 確かに株価が上がり、資金運用がもとに戻れば、改善される数字だが、これは冷静に みて危機的なデータではないのか」

 約2ヶ月前、以上のように書いた。が、その時点ではこの「深刻なデータ」を重視す る向きはほとんどなかった。新聞はベタ扱いだった、と思う。

 その翌日の日記で、それこそ、思い切って「銀行の国有化」を指摘した。その時も、 本気で「国有化」のことを心配する向きは少なかった。「まさか」と言うのが大勢だっ た。銀行の経営者もそうだった。

 それから2ヶ月。その不安が週刊誌の大特集になり、徐々にだが現実になりそうな気 配である。困った。そうあっては困るから指摘しているのだ。

 株価は恐ろしいものだ。株価が持ち直せば、年金の運用にも明かりが射し、銀行の自 己資本率も上がる。

 株という資産のデフレが日本人を苦しめている。

 そして、このまま株価が低迷すれば、国家が国民との「契約」を破りかねない。今の 内閣は「痛み」を強制するのが政治と勘違いしている。やり兼ねない。国家が契約違反 するのなら(それが理不尽なものであれば)……我々は、どうしたら良いのか。納税を 拒否すべきなのか……。

 経済危機を隠すため、小泉政権は唐突な日朝国交正常化に踏み込んだ。その後の展開 は、知恵ある家族会の団結で日本の世論が形成され、外交らしい外交が可能になった。 が、その一方で、隠した「経済危機」は表面化して、未だに手の打ちようがない状態に ある。

 もっと国民は危機意識を持たなければならない、と思う……。政権をクールに 判断しなければならない。

 僕は、善意のペテン師・小泉さんに「投げやり」を感じてならないのだ。

 午後1時、日本橋「三越」に「おめでとう。読売ジャイアンツ」のセールを見に行く 。福袋が売れ残っている。巨人は強い。でも巨人だけでは売り上げはそれほどあがらな い。巨人だけで、新聞の部数を増やすのも、もう限界だと思う。

 赤坂、調布で野暮用2件。

 ここでも、話題は拉致and経済。「むしろ拉致事件の方が、解明が簡単なのかも知 れない。経済はまだ、原因が解明されていない」と言う意見もある。

 明日(1日)はお酉さま。東京競馬場の新スタンドが完成するので、週末は府中に行 こう、と思う。

<何だか分からない今日の名文句>

野球だけは読売