編集長ヘッドライン日記 バックナンバー
2001.11月



11月29日(木) ウイルスに気をつけろ!

 しばらく留守にしたので、仕事場に野暮用山積。朝から忙しい。

 一段落してから銀座松屋で、お歳暮を注文する。こんなご時世だからこそ、少しでも 余裕を感じる国民は「消費」に協力すべきだ、と考え、夏より出費を増やした。要する に、知り合いがここ数年、猛烈に増えたと言うことである。

 知り合いが出来たことを喜ぶのが、お歳暮文化。「盆暮れはキチッとやれ!」が、お 袋の遺言。

 カネは天下の回りもの。カネを回そう。お足を懐に入れていれて、握り金玉では、人 がこなくなる。

 午後1時からJRA六本木事務所で、競馬運営委員会。事業計画、予算を審議する。

 JRAは「トータルコストダウン」に懸命で、賞金の見直しなどで、コストの削減に 成功しつつある。痛みを分かち合う姿勢。その成果が数字で現れるようになった。

 しかし、である。開催日割りには、納得できない部分がある。平成14年の有馬記念 は12月22日になった。それで良いのか!

 有馬記念は競馬サークルのものでもなければ、ファンだけのものではない。一年の終 わりを告げる風物詩。日本国民すべてのものだ。それが12月22日。クリスマスより 早くやってくる有馬記念。競馬の総決算が12月22日ではまずい。断じて、まずい。

 「学識経験者委員」という変な肩書きは嫌だが、ファンの代表の委員としては断じて 許せない。

 「この日割りには、反対せざるを得ない」と発言する。

 何故、こんなことが起こるかというと、農水省省令で開催日時、規模が定められてい るからだ。地方競馬に気を使い、年末年始の稼げる時期を地方競馬に譲れ!と農水省が 命じているからだ。

 競争をさせない役所。競争をさせない行政指導。規制緩和なんて、お題目だけだ。

 「規制緩和すべきだ!見直しすると、明言しなければ事業案に反対する」と発言する 。

 農水省と対決する委員は、いずれ交代させられる。が、何でも賛成の委員なら、や らない方がまだ良い。言うべきことははっきり言わなくてはーーとかなり厳しい口調で 意見を述べると、農水省側の出席者は意外にも「この件は、農水省もどうしたモノか思 案していた。今後見直す」と答えた。

 この言葉を信じて、事業案に賛成する。一委員の発言が、ひょっとすると、流れを変 えるかも知れない。

 仕事場に帰ると、例の女性弁護士さんから「ウイルスにやられた!」とメール。僕の ところにも、昨日夜から妙な添付文書付きのメールが大量に来ていて、放置していた。

 女性弁護士さんの数通前のメールにも「ウイルスにやられた」という毎日新聞記者の 通報もある。

 そこで、放置した添付文書を次々に削除する。が、その度に妙な誤作動?が起こる。

 何か、組織的なウイルスの散布のような気もする。ご用心ご用心。

 夜、たいとう診療所の理学療法士・伊藤さんを招待して「かに鍋会」をやる。金沢の Hが送ってくれた「かに」が朝一番で届いた。誰と食べようかな、と思って、伊藤さん の顔が浮かんだ。

 伊藤さんは、親分の石川誠医師を手伝って、東京ではじめての本格的リハビリ病院を 新宿区初台に作る。しばらく、その準備で会えなくなる。送別かに鍋会。

 この新しい病院はリハビリ革命の拠点になりそうなので、ゆくゆく見学に行くつもり 。

 たいとう診療所の立ち上げに3年余。たいとう診療所は、卓越した地域リハビリの 核になった。伊藤さんは大した男だ。

 昔の親友が送ってくれた「かに」を新しい親友と突っつく。俺、幸せだなあ。

<何だか分からない今日の名文句>

「かに」は何でも知っている



11月28日(水) 北陸紀行PART3

 27日、MROテレビ(北陸放送)の社長が金沢市の会席「石亭」で昼飯を食べなが ら「この辺の料亭は赤い壁の部屋が多いんだ。何故だろう?」と首を傾げていた。


 そこで一日かけた“取材”。

 地元の人も知らない「部屋の中の赤い壁」。それには深い理由があった。名前もあっ た。「朱壁」。

 江戸時代、この地の雪は並大抵ではなかった。積雪5メートルなんてザラである。辺 り一面の銀世界。

 外から戻ってきたお殿様が部屋に入ると「赤い壁」で、殿様は一瞬「暖かい空間」を 感じる。その工夫が「朱壁」になった。

 殿様だけの暖房。それが、老舗の料亭に受け継がれた、という訳。

 加賀の文化は「雪と殿様」で作られた。

 午前7時、起きると、相変わらず「快晴」と「曇天」がクルクル変わり、時々雨。兼 六園を散策して、Hと午前11時に落ち合い、ひがし茶屋街へ。格子の町並みを楽しん で「茶房一笑」で棒茶と菓子。格子は外から見るのと、内から見るのとでは「隙間」が 全く違う。中から路地に行き交う人が見える寸方。若干の観光客がすれ違う。同時テロ 以降、わずかだが観光客が増えた。

 安江町「いく代寿し」で昼飯。ここもHのおごり。ご主人、北島さぶちゃんの大ファ ンで「加賀の女」を熱唱するらしい。Hとはカラオケ仲間。Hには「くれぐれも歌わな いように」と注意したのだが……金沢市民がすでに迷惑している?

 近くの近江町市場でカニを送ってもらう。これもHのプレゼント。多謝。12月に入 るとブリの値段が上がる。歳末らしい熱気。

 仕事をさぼったH、小松空港に送りに来てくれた。何から何まで、スマン。

 午後4時25分発のJAL。滑走路に入ろうとした時、訓練中の自衛隊機が入って来 たので4分間待つ。

 約100メートル先をファントムらしき機体がスッーと着陸する。ビクビクした。民 間機と自衛隊期のニアミス?はごく普通のようだが、何か起こったら?

 新聞はその時になって「考えられない無謀訓練」なんて書くのだろう。それにしても 、はじめての経験。不安を感じたのは僕だけだろうか。

 帰宅後、名物編集者・西井一夫の死を知る。カメラ毎日、クロニクル編集長。昭和史 もので一世を風靡した。55歳。早すぎる。無念。

 告別式は間に合わなかった。

<何だか分からない今日の名文句>

雪と殿様



11月27日(火) 北陸紀行PART2

 山代温泉の朝。霰時々雪。朝飯を食べているうちは快晴。旅籠を立つ午前9時には豪 雨。美川町長の竹内信孝さんが「弁当、忘れても、傘、忘れるな!」と話したのが現実 になった。

 午前11時、金沢市の北国新聞社表敬。ただ一人の女性参加者が「ぜひ訪ねたい」と いうので付き合う。

 部数30万部の巨大新聞。富山新聞も発行している。

 近代的な建物に隆盛を感じる。学芸部長さんが会ってくれた。

 友人が社長を勤めているMROテレビを訪ね、昼飯をいただく。会席の「石亭」。お じやの味が抜群。

 地方テレビ局の苦労。並大抵ではない。「会社も社員も自立する」と社長業の友人、 柔らかい口調だが、固い意志。頑張れ!

 香林坊の大和デパートの前で同行の3人と別れ、単独行動。片町筋を散策して、喫茶 店「ぼたん」に入る。そこから後輩記者のHに電話して落ち合う。

 今は毎日新聞北陸総局長に出世したH、東京にいた時より血色が良い。

 雨の中、タクシーで市内を案内して貰う。

 金沢は浅野川と犀川に囲まれた小さな町。ひっそりとした寺町である。「ひがし茶屋 街」「主計町茶屋街」「にし茶屋街」の3つの花柳界があるという。

 まずは仕事場を見学。総局は金沢駅裏の7階建て。なかなか立派だ。

 「とことんやりましょう」とHクンが言うので、雨の町に出て「酒のうまい、魚のう まい居酒屋」でまず、ブリを食べる。冬の雷がやってくるとブリがうまくなる。これを 「ブリ起こし」という。脂が載っている。それに白子。うまい。良い季節に来た。

 「主計町」で一見客を入れない「まゆ月」。ママは現役の芸者さんで笛の名手。頭の 回転が早い美形。僕の好きなタイプ。

 片町へ出て「牧」「花かご」「マーブル」と梯子する。みんな良い店だ。

 「行きつけの店を全部、見せたかった」とH。「今度また、来るから」で梯子を止め ると、午前1時過ぎ。

 かつての部下だった後輩の記者のこの歓待ぶりに、出来の悪い先輩記者はつい泣けた 。

 ホテルで夕刊を見ると、石川県内はこの冬一番の寒さ。窓に星空。北陸の空はクル クル変わる。

<何だか分からない今日の名文句>

狐の嫁入り



11月26日(月) 北陸紀行

 午前9時50分の羽田発の飛行機で小松へ。中年男3人、松阪慶子似だが幾分、ふく よかな女性1人の北陸珍道中。

 小松空港に、ちょんまげのお侍さんが立っている。

 「何の格好ですか?」と尋ねると「実は仕事中に急に用事が出来まして」。近くの加 賀百万石時代村で働いている若者らしい。来年のNHKの大河ドラマは加賀百万国。

 安宅の関の隣の「長沖」で、名物の「かにの甲羅揚げ」。確かに美味。築100年? の和風建物も素晴らしい。

 北前船が往来した港町、美川町。明治初期に石川県庁が置かれたこの町に「呉竹文庫 」なるものがある。

 北前船主・3代目熊田源太郎は文学青年で、当時としてはびっくりする「質と量」の 蔵書を所有した。その私的図書館。今は町が管理しているというので、見学。

 北前船の経済力を痛感する。

 そこで、思わず知ったスクープ。その3代目は京都のやんごとなき方のご落胤?だっ たのだ。

 朝から氷雨。かなり寒かったが、午後3時ごろ、雨がひょうに変わる。

 手取川は鮭の南限。調査のため、ひょうの中、鮭の一本釣りをする人が数人。黙々と 釣り糸を下げている。

 真っ黒な雲。その向こうに青空が糸を引く。北陸の空は色彩画のようだ。

 夜、山代温泉で町長の竹内信孝さんと懇談。この町の偉人・奥田敬和の話で盛り上が る。

 森前首相との「いろいろな確執」。小説になりそう。

 遺言で「ささやかな蓄え、妻や息子、誇れ」と書いた奥田は、びた一文、カネ儲けを することはなかった。

 竹内町長は「政治は貧乏をなくすことだ」と言った奥田に心酔して政治家の道を歩ん だ。町長3期目。

 「運だけですよ」という彼。政争が激しい土地で、無競争当選3回。北陸では珍しい ことだ。

 清酒・手取川。まろやかで、奥深く、ついつい、杯を重ねる。

 午前1時、冷え込む。

<何だか分からない今日の名文句>

努力1、運9の人生(町長の口癖)



11月25日(日) こんなことって、あるのかしら

 JCダートのクロフネのレコード勝ち。想像出来ない強さだった。

 朝、TBSラジオで生放送。クロフネの強さを強調すると「今日のJC、牧さんの本 命は?」と聞かれ、いつもなら「当たらないので、話しません」と答えるのだが、つい 「3歳は強い。ジャングルポケットが勝つ」と言ってしまった。

 午後から東京競馬場。

 8レースから馬券を買うと的中。9レースも的中。

 そして、JC。6のジャングルポケットから1、4、8、10の馬連4点。それが6 −4−10−8ー1と来てパーフェクト。4−6で710円。

 そして、遊び心の最終まで当たる。

 こんなことってあるのかしら。気味悪い。

 もしかして、悪いことがおこるかも……日記を書くのも気味悪い。

 早く寝よう。

<何だか分からない今日の名文句>

好事魔多し!



11月22日(木) 「魔」の季節

 空気が乾燥すると、放火魔が登場する。冬の東京の風物詩?

 今年は新宿から世田谷にかけて、同一犯人と思われる放火が起こっている。

 冬の「木の芽時」のようなもので仕方がない。砂漠のような大東京だから「やるせな い思い」をぶつけるところがない。一人や二人「孤独」にいたたまれなくなっても、不思 議ではない。

 やるせない者にて「真っ赤な炎」は魅惑的である。たまらないのだろう。病気だ。

 何しろ、注意しなければならない。

 「魔」の季節だ。

 12月になると「死にたい願望」が出てくる。一人になると死にたくなる。ホステス さんの自殺を何回も見た。

 「魔」の季節だ。

 だから、ごくごく「まともな人」にも「魔」が差す。

 民主党の佐藤某議員に「魔」が差した。元検事さんに「魔」が差した。

 「指輪を買いに行かせたんでしょ?」と根堀り葉掘りとネチネチと聞く。これは「魔 」である。

 指輪なんて、どうでも良いじゃないか。すでに真紀子さんの人間性については、皆さ ん、ご存知。どうでも良いじゃないか。

 大の大人が、国権の最高機関で取り上げるテーマじゃあない。「ネクタイを買って来 い!」と怒鳴った、お行儀の悪い大臣は何人もいた。それと、それほど変わらない。

 「その通りです」と真紀子さんが言ったって、どうという訳でもない。元検事さんのお 手柄にもならない。

 元検事さん、なぜ、こんな質問をし続けたのか、不思議だ。民主党の路線なのか、テ レビに出ないと「阻害された気分」になり、ワイドショーが喜ぶ場面を演出したのか。 いずれにしても、これは「魔」だ。

 あのインテリの議員さんが、イジメ質問をやりたくなる「魔」。恐ろしい。

 大学の先生が「指輪の話はノーコメントで行け、と真紀子大臣にアドバイスしたのは 僕です」と週刊誌に“告白”するのも、多分「魔」なんだろう。

 正常な判断力を失うのが「魔」。

 日本は「魔」の季節に突入した。交戦好きで、エキセントリックな指導者の「魔」に 、高い支持率で応える国民。その「魔」が何よりも恐ろしいのだが……。

 朝、野暮用二件。昼、近くの蕎麦屋「あさだ」で「鴨せいろ」。午後、近く行われる 競馬運営委員会の勉強会。

 夜、新宿・京王プラザホテルで「ジャパンカップ・ウエルカムパーティー」。今年は、 かなり質素。ご時世だから当然である。

 あご足付きで、世界の名馬を集めようとしたのはもう昔のこと。日本の馬のレベルが 飛躍的にあがった今、お祭り気分のパーティーが必要なのか。

 親しい奴と新宿・南口の鮨屋でワイワイガヤガヤ。

 「魔」に無縁の仲間は愉快だ。

<何だか分からない今日の名文句>

呪力



11月21日(水) スパイ疑惑

 小春日和が続く。日中は15度を越える。

 若干の調べものがあって、JR総武線小岩駅から江戸川土手に向かう。

 途中、無数のフケが黒いセーターに散らばっているのに気づく。ああ嫌だ。洒落た床 屋を見つけて、シャンプーして貰う。

 若い床屋クンが言うには、僕の地肌は乾燥肌。だから、油をとるようなシャンプーを 使うのはまずい、とのこと。

 若い頃は油顔だったが、何時の間にか乾燥肌になっていたのだ。歳を取った証拠?  柴又に住んでいる床屋クン、「これを使いなさい」と乾燥肌用のシャンプーのサンプル を4つもくれた。優しい。

 彼の住んでいる柴又の帝釈天は寅さんが死んでから、人出が少なくなっているらしい 。近くに温泉は出ないか?と聞く。あそこに温泉が出れば勝負になるのだが……。

 何しろ、熱心に洗髪してくれたので、気持ちが良い。

 午後、出社。「2頭目の狂牛病」で忙しそう。

 社会部OB会の模様を聞く。大物ばかりが集まるので、誰に挨拶して貰うか、で舞台 裏は大変、苦労したらしい。ご苦労さま。

 鳥ちゃんも、顔を見せたとのこと。残念だった。

 午後4時、例のお勉強。夜になっても暖かい。

 お酒の情報誌「たる」の12月号。いつも楽しみにしている入野忠芳さんのエッセイ 「拝啓、患者サマ」を読む。

 いつもの軽快な文章。筆者は大阪のお医者さん。お酒に蘊蓄がある。

 今回は、くも膜下で倒れたおばあちゃんの「死に顔」を綺麗にしようと、おばあちゃ んの体を氷でぐるぐる巻きにした話。

 若いころはさぞ美人だっただろう。人工呼吸器を取って、体温を下げ、延命して、す やすやした顔を作る。

 3日後、おばあちゃんは、大勢の家族に見守られて、静かに息を引き取る。今で言う 「尊厳死」。

 一週間、病院に泊まり込み、おばあちゃんと付き合った入野センセイは帰り道、病院 の近くでいっぱいひっかける。

 「先生、いつものオンザロックでよろしいか」

 「アカン、アカン。今日は思い切りの熱燗一本!」

 これが“落ち”になっている。

 うまい。お医者さんは概して文章がうまい。欄外に「この話は、すべて事実に基づき ますが、記憶違いによる多少のフィクショッンを混在しております」と断り書きがつい ている。これも、実に「洒落た表現」ではないか。僕は「入野ファン」である。

 情報通から、夜、電話。夕刊紙に「ヒゲの槙田邦彦駐シンガポール大使(前アジア大 洋州局長)のスパイ疑惑」が載っているとのこと。

 彼が交際した韓国クラブの女性が北朝鮮と極めて近い、とのこと。北朝鮮の情報機関 の手先なのか。うかつ?だった。あす(22日)発売の月刊誌「テーミス」に詳しく載るら しい。

 槙田さんは、真紀子外相から「ヒゲを刷りなさい!」と言われた「あの人物」。田中 角栄の日中国交回復に加わった。いわゆる「田中家の使用人」で、当初、真紀子さんと 親しかったが、情報漏洩で真紀子さんから疑われて、遠ざけられていた。

 これ、ひょとすると政治問題化?



11月20日(火) 不景気になると……

 19日の日記に競輪革命のことを書いたからだろうか、ファンが「これ、妙じゃない 」と知らせて来た。

 19日の花月園、1レース。締め切る寸前にオッズを見たら車単620円前後だった のだが、実際には1000円を越す配当。「こんなに配当金が変わるんだろうか。妙だ 」と言うのだ。

 締め切り後にファンの見えないところで、不正投票行為が行われているのではないか ーーと彼は言う。

 その昔の「お伽噺」として、読んで貰いたい。東京の某競艇場では「ある人たち」の ためにスタート後に舟券を発売していた。競艇は初めてのターンで勝負が決まる。だか ら当たり舟券を売るようなものだ。××接待舟券?

 こんな馬鹿な!と誰もが信じられない。だから「お伽噺」なのだ。でも、ギャンブル 業界では、知る人ぞ知る「お伽噺」なのだ。

 しかし、21世紀の今、そんなことは全くない(だろう)。花月園に1レース、売り 上げが500万足らず。そうなると、ちょっとした高額投票で一瞬の内にオッズは変わ る。

 知らせて来た人物は「いつもより締め切りが早かった」と半信半疑の様子。不景 気になると、この種の噂話が充満する。

 あさひ銀行は、年内中に1300人リストラをする、と発表した。新聞は赤字の額を 大々的に報じるが、これは数字の上のこと。銀行本体は数字上、不良債権を処理して身 軽になるだけ。問題はリストラである。全金融機関が厳密に不良債権を処理するとなる と、銀行関連のリストラだけで1万人規模の首切りになるだろう。その予感。それが大 変なニュースなのだ。

 これから、金融商品を扱うところでは、不景気ゆえの「妙な話」が次々に出てくる予 感がある。

 こんなご時勢だというのに、国権の最高機関・国会は、まだ「首都圏機能移転」をオ モチャにしている。

 日本人は歴史的に首都移転をは何度か経験している。だから、議論の対象になっても おかしくない。しかし、過去の移転は「革命的な政治体制の変化」に伴って起こったも のだ。

 江戸以来、明治以来、官僚支配の政治は何ら変わってはいない。もしあったとすれば 、アメリカ文化に日本の文化が、めちゃくちゃになったぐらいで、その文化の象徴とし て東京は良い意味でも、悪い意味でも、機能し続けている。

 何よりも、気候が温暖で、地理的にも東京は中心に相応しい。東京でいいじゃないか 。

 「いや、通勤ラッシュの解消のためにも、移転すべきだ」なんて馬鹿げたことを言 う議員もいる。

 本当に、そう思っているのか。

 戦後の首都移転はすべて、地価をあげるための詐欺話、と言って良い。候補地を次々 にあげることで、地価をあげ、その後、微妙に売り逃げする「悪徳政治家とその一味」 のやる大芝居だ。

 それが証拠に、霞ヶ関で中央庁舎は立て替えられ、首相官邸まで新しくなる。東京首 都機能強化が進んでいるのだ。

 マスコミはなぜ「大芝居」を「大芝居」と書かないのか。

 年の瀬、また「首都機能移転」の話が始まるぞ。

 夕方、社会部OB会。先輩の顔を見たかったが、野暮用で欠席。申し訳ない。

<何だか分からない今日の名文句>

M資金がなけりゃ、首都移転があるさ



11月19日(月) 寺銭を値下げしろ!

 出社後、午後から松戸競輪に行く。

 11月30日から始まる「競輪革命」の取材兼情報集め、と言えば聞こえがいいが、 半分以上は「遊び」。

 競馬関係者、競馬記者は月曜日がお休み。そこで、ある者はゴルフに行き、ある者は 家族と一緒に紅葉を見に行き、競輪好きは松戸へ行く。

 今回の松戸組は競馬関連会社の大社長、JRAの幹部3人、競馬評論家の原良馬さん 、日刊スポーツのAさん、報知のBさん、デーリーのCさん、東京新聞の元運動部長の Dさん……と言った面々。競馬の取材では新参者の僕だが「遊び仲間」として認知され 、夏以降、参加している。

 「遊び」の方は6レース参加して的中2回。ちょっとマイナス。その後、いつもの北 松戸駅前の居酒屋で、いつもの通りジャンボメンチ、げそ天、ラーメン鍋などを食べな がら反省会。「どうして当たらないのか」を中心に激論する。

 競馬記者さんは週末、競馬で損をして、週明け競輪でも損をする。

 さて「競輪革命」の話。

 競輪は30日の立川から「7賭式」が始まる。

 現在は「枠連」と「車単」の二つしか車券を売っていないが、これがいっぺんに7 つになる。

 「枠復」(1着2着の枠を当てる)「枠単」(1着2着の枠を順位通りに当てる)「 車復」(1着2着の選手を当てる)「車単」(1着2着の選手を順位通りに当てる)「 ワイド」(1着、2着、3着になった選手の内2人を当てる)「3連復」(1着、2着 、3着になった選手全員を当てる)「3連単」(1着、2着、3着の選手を順位通り全 員当てる)

 この7つの賭け方が一挙に誕生する。これは革命である。

 一番、難しい「3連単」を当てると、100円が1万円、10万円、100万円にも なる。宝くじ感覚で、競輪を楽しむ人も出るかもしれない。しかし、枠復でも当たらな いのに、果たして当たるだろうか。下手をすると、逆にファンをなくすことにもなりか ねない。

 ファンサービスを考えるなら、まず寺銭(控除金)を値下げするのが、本筋だ。寺銭 25%は高い。酒税についで高い。世の中、デフレ傾向は強まるばかりだから、まず寺 銭を下げなければファンは離れる。

 とりあえず、寺銭23%を目指すべきだ。競輪が先か、競馬が先か。

 実は、競輪はかつてギャンブルの王だった。中央競馬より、人気があった。ところが 、30%を越す寺銭を続けて、ファンから見放された。

 その教訓を生かして、チャレンジしてみたらどうだろう。当然、競馬も値下げすべき だ。

 競馬はファンのために存在する。農水省のお役人のためにあるのでは断じてない。

 新松戸の小料理「藤」で二次会。

 「75歳を過ぎるとローンを受け付けないローン会社がある。これは憲法違反ではな いか」とか「叶姉妹は本当の姉妹なのか」なんて馬鹿げた話に終始する。

 「ある新聞に『叶姉妹解散か?』と書いてあるから、偽姉妹」という結論になったが 、これも的中であるかどうか、定かではない。

<何だか分からない今日の名文句>

馬が喰わせる農水省



11月18日(日) 小泉新党?

 先週始めに「アフガン情勢は今週がヤマ場」と書いたが、見通しとしては半分当たり 。北部同盟が首都を奪取したのは予想通りだが、ビンラディンの捕獲にまでは進まな い。 米軍はまだ確実に居場所を確認していないのかも知れない。それとは別に「生け 捕りにすべきだ」という意見と「即射殺」の意見に軍部が分かれているらしい。

 もう時期、雪が降る。

 金曜日(16日)、毎日新聞東京本社があるパレスサイドビルの喫茶店「花」を貸し きって、佐藤忠峰さんの送別会。早稲田の新聞学科で2年先輩の「ちゅうほう」さんに は、よく面倒をかけた。良く酒を飲んだ。

 警察の幹部と朝まで酒を飲み、パトカーで送られたこともある。しかし、特ダネ意識 がまるでない先輩で「他紙に遅れても正確な記事を書く」が彼の信念だった。だから、 他人を蹴落とすことなんかしない。送別会では、特別参加の同級生が「もっと出世する と思った」と正直に話したが、僕と同じように出世には縁がなかった。

 まあ、いろいろな記者がいるから、自由な社風の毎日新聞なのだ。

 会場の片隅でボーナスの話。どこもかしこも大幅ダウン、運が悪ければ「ボーナスな し」と言うのに、我が社のボーナスは僅かながらも前期を上回る。それには、理由があ って、創立130年の祝い金を加えての数字。

 同業他社と比べて給与体系が低すぎる、と言われているが、まあまあの支給額ではな いのか。

 土日は野暮用。結構、年の瀬を感じる野暮用がある。少し時間を作って、例によっ て競馬。土曜はまずまずだったが日曜でマイナスになる。競馬は難しい。

 永田町の情報。少し、政変含みになっているという。民主党が来年の委員長改選を前 に鳩山、菅の戦いは熾烈を極めているらしい。例の「1000円党員」に投票権を持た せると「人気の菅」が有利という話。だから、両派が角付き合わす。だが、果たして読 み通りに行くものか。

 もしかすると、もっと人気のある人が民主党の党首選びに立候補したりして。

 その「もっと人気のある人」に対する自民党の包囲網は着々と健在化する。そうなれ ば、自民党の若手・50人前後を引き連れて、小泉さん、民主党と合体するーーなんて 考えすぎか。

 特殊法人の改革、とりわけ住宅金融公庫、日本道路公団の行方が、小泉さんの決断に 関係するというのが、情報通の話。それより、小泉さんの応援団の一人がHさんが梗 塞で倒れ、その後、便りがないのが心配。

 改革は一人でやるのではない。味方がいなければ、党を割っても、実現しない。

<何だか分からない今日の名文句>

「ガラガラポン」は世の習い



11月15日(木) 税金、払うな!

 ビル管理業界では1、2を争う「日本ハウジング」が、ビルオーナーを対象としてセ ミナーを開くと聞いたので、勉強のために潜り込んでみた。

 主なるテーマは相続税節税対策。講師はその道の権威、藤間秋男さん。公認会計士で 税理士で司法書士。

 彼のアドバイス、以下の通り。

 (1)必ず遺書を書くべし。なぜなら、どんなに仲の良い兄弟姉妹でも、遺産相続に なると、泥沼の争いになる。遺書があれば、法的にあきらめがつく。兄弟が喧嘩をする と、遺産が確定できず、まず泣くのは妻。

 (2)遺書は毎年、書き変えるべし。「誰が親孝行したか、で評価する」と子供たち の前で宣言すべし。

 (3)完璧な節税には10年かかる。

 (4)節税の方法。いくつか有るが、例えば「養子を作る」。一人、養子が増えると 、基礎控除として1000万円が控除される。孫を養子にするのが、一般的だが、過去 に従業員全員を養子にした例がある。

 (5)「贈与」をうまく使う。贈与税の基礎控除はことしから110万円に増えた。

 例えば300万円の贈与したとすると、21万円の贈与税を払うことになる。

 贈与した額の7%を払ったことになるが、相続税よりかなり安い。10年間、毎年、 贈与すれば、かなりの節税になる。

 と、まあ、勉強になることばかり。

 お年寄りが真剣に聞いている。当方の印象「あるところにはある」。

 しかし、このところ、税金の使い道に疑問大。我らは、知恵を絞って節税すべし。こ れが反戦にも繋がる。

 出社後、秋葉原の電気街で若干の取材。今週はアメリカの飛行機墜落で紙面が一杯に なって、火曜日の「ここだけの話」は休載。一週延びたが、原稿は使えるので、書く方 としては「儲かった気持ち」。ゆっくりと、町ダネ取材が出来る。

 夜、赤坂プリンスで「民間放送50周年記念全国大会記念パーティー」。当方、民放 連賞の審査員ということで招かれたが、テレビ各社の幹部が集まるパーティーだから、 知り合いは何人もいない。

 一人ぼっちで立っていたら、北海道放送の方から「牧さんですね」と声をかけられた 。もちろん、初対面。なぜ、分かったのかと聞いたら「二代目魁の読者で、写真を見た から」。これには感激した。

 それにしても、テレビ業界は派手派手しい。陰りが出たと言っても、相変わらず儲か っているのだろう。

 それに引き替え、新聞業界は?

 会場で会った代理店の人の話によると、某新聞の下期予算。広告収入は前期の90% 。実績はさらに落ち込むから、冬のボーナスはかなりダウンする。

 ローンを抱える仲間は深刻だ。

<何だか分からない今日の名文句>

越すに越されぬローン坂



11月14日(水) 昨日タリバン、今日北部

   中世の映像を見ているようだ。

 カブールで逃げ遅れたタリバンの兵士が、拷問を受ける。昨日タリバン、今日、北部 同盟。内戦はまだまだ続く。中世はまだまだ続く。

 それに引き替え、外務省砦は「真紀子のさらし首」を目前にしている。これで外務省 (の悪)は安泰、と官僚たちは、ほくそ笑んでいる。外務省は内部告発した人間を洗い 出そうしている。

 外務省改革は露と消え、中世どころか、太古に戻る。

 そんな中、国会で民主党の某議員は真紀子さんの「指輪」問題を追及した。こんなこ と、どうでも良いじゃないか。

 多くの人は「変わり者の真紀子に外務省退治を任せた」のだから、そんなこと、どう でも良いじゃないか。

 民主党は結果的に「さらし首」に荷担する。民主党は「昨日タリバン、今日、北部」 。

 何か、むなしい感じだ。

 朝、専売病院で検診。血圧130−70。すこぶる順調。散髪した後、野暮用。

 夜、若い友人と「赤兎」でサンマの刺身。「折り合いが付かぬ父親」との関係修復の 相談に乗る。

 新聞を読むと、小泉さん、特殊法人改革に相変わらず、威勢のいいことを言っている ようだが、果たして、本当のところは?

 なんとなく、むなしい。

<何だか分からない今日の名文句>

蛮勇なくして



11月13日(火) 「真紀子殺し」の最終局面

 皇居から外務省に戻って、真紀子さんが得意気に「陛下は私がいうのに大きく頷い た」と話した時から、もう駄目だ、という印象だった。

 陛下が「頷いた」というのは、単に首を上下に動かしただけで、もちろん、賛成の意 志表示ではない。

 でも、そこまで真紀子さんが言うのなら、開き直って「陛下は自衛隊派遣に反対」と 言って、外務大臣を辞めるのも一興、と書いた。多分、陛下も、戦争遂行に賛成である ハズはない。

 あの時点は、真紀子さん、投げ出すのに良いタイミングだったかも知れない。

 内奏騒動はなかった、と言ったところから、外務官僚の攻撃が始まる。

 「私はテロの背後に、シリア、イラク、イランがいる」と真紀子がさんが言い、陛下 が「イランは関係ないのでは?」と怪訝そうに言った、なんて笑い話が作られた。外務 官僚が「指輪泥棒と言われた」と言い出した。こんなこと、どうでも良い話だが、ワイ ドショー向きの話を用意することで、真紀子人気に揺さぶりを駆ける。

 嘘の内奏を話す真紀子は殺さなければならない、と言わんばかりの個人攻撃。

 巨悪の外務省が「小悪の真紀子」を虐めている。どうして虐めることが出来るのか、 と言えば、福田官房長官が「俺が本当の外務大臣だ」という顔をするからだろう。

 組閣の時、福田さんは「外務大臣」の内示を受けていた(と、思われる)。真紀子さ んは文部科学相と言われた(と、思われる)。

 「外務大臣じゃなきゃ嫌」と真紀子さんに言われた(と、思われる)小泉さんは急遽 、人事を変更した。福田さんは煮え切る思いだったのだろう。人事は怖い。

 第二次角(の娘)福(の倅)戦争。

 戦争を引き起こしたのは、小泉さんの差し替え人事。だから、何かあると、小泉さん の「任命責任」が問われるのだ。

 その真紀子さんが、外務省の裏金問題で記者会見。「職員が裏金返済」を明らかにす る。

 外務省改革で一定の前進ーーを「花道」に外相交代のシナリオ。「真紀子殺し」は最 終局面?  昨日の日記で、小泉政権の手詰まりに触れたが、どうも永田町の風向きがおかしい。

 昼、リフレッシュ昼寝。夕方、赤坂の鰻や「重箱」。友人のおごり。

 女将に「なぜ重箱なの?」と聞けば「江戸時代、ウナギは丼にいれるものだったんで す。ところが、この店が冷めないように重箱を使ったんです。それが評判になりまして 。当時は別の屋号でしたが、お客が『重箱』というんで、通称が正式な屋号になったん ですよ」

 保温のため「丼から重箱へ」。これも革命だった。

<何だか分からない今日の名文句>

変える勇気



11月12日(月) ビンラディン、今週がヤマ
           そして来春、日本は政変?


 アフガン情報では北部同盟が50%を制圧したことで、今週が最大のヤマ場を迎える 。

 戦況中継をする気持ちもないし、それほど情報を持っている訳でもないが、少なく ても、日本政府は洞窟にいるビンラディンは、この一週間でいぶり出させるのではない か、と見ているようだ。

 それが出来なければ、アメリカは長期戦を覚悟しなければならない。

 そして、もう一つの心配はタリバンが持つという「スーツケースの核」。果たして持 っているか。アメリカは「脅し」としているが、少なくても「核と同じ威力の化学兵 器」は持っているだろう。

 午後、出社。同僚と産経、朝日の紙面展開、経営状態の噂話。どこも大変だ。

 午後6時、プレスセンターの「出版に生きる女性たち+池田恵美子と語る宵」。「総 合ジャーナリズム研究」の池田さんが「出版女性史」を出した。20世紀に足跡を残し た出版に生きる女性のインタビューを一冊にまとめた。そのお祝い会。親しい人が少な いので、ボサッとしていたが、TBSの吉永春子さんら数人と挨拶できた。

 久しぶりに会ったテレビ朝日系のキャスター蟹瀬誠一さんは「毎日、腹が煮え返るよう にしてますよ」と話す。どういう意味か分からないが、テレビの世界も大変なのだろう 。

 午後7時、リハビリ仲間の相川さんの誘いで、六本木「ロアビル」で「福岡政行先生 の講演」。

 福岡さんの講演の「書いてもいいだろう」と判断される部分。以下の通り。

 (1)小泉支持の自民党国会議員は50人を割った。石原Jrは橋本竜太郎事務所に 顔をだしており、親父の慎太郎は小泉との距離を置いている。

 (2)古賀前幹事長が政変の仕掛人になる。彼の頭には麻生太郎が後継首相だろう。

 (3)そうなれば、小泉は解散して、小泉新党を作り、民主、自民の若手を集める。 いずれにしても、政変。

 と言うような話。(もっと、おもしろいこと多々あったが、そのくらいにしよう)

 福岡センセイは多分、早稲田の同級か、一年下。20年ぶりの再会。「うまいモノば かり食べたので、倒れたんだろう。もったいない」とセンセイ。半身不随を気の毒に思 うのだが、当方、それほど「気の毒」ではない。

 元気だから安心してくれ。

 後援会を終え、相川さんと浅草の「ひまわり」。失語症の相川さん、何故か、カラオ ケになると、上手に歌える。脳卒中って妙な病気だ。彼の「ネオン川」、絶品。

 午後11時、帰宅するとニューヨークの飛行機墜落。テロかどうか分からない。

 米軍はニューヨークでスクランブルしたと思われるから、やばい。事故か、テロか、 分からないうちに、民間機が撃ち落とされることが現実になりうる。

 単なる事故だとしても、アメリカ経済最悪の兆し。

 もう少し、テレビを見たいと思ったが、午前2時、日記を書いて就寝。

<何だか分からない今日の名文句>

喧嘩過ぎてのスクランブル



11月11日(日) 「新そば」を食べる

 9日の金曜日は「緊急討論会・海上における危機管理」を聞きに行った。

 主催は財団法人・シップ・アンド・オーシャン。海洋シンクタンク事業を行っている 組織で、防衛庁事務次官を勤めた方が会長である。

 海洋でおこるテロ、海賊行為に対する「手だて」を考える会合だが、基調講演の角間 隆さんは、かなりエキセントリックだった。

 ニューヨークから帰ったばかり、と話す彼は、日本の平和ボケを痛烈に批判し、憲法 改正して「交戦権」を確保する、と持論を展開した。

 「秘密な会合などで話すが……」ととっておきの話?を披露されるが、目の前にテレ ビのカメラがあるのに「秘密」めかして話すのに、違和感を感じる。

 交戦派?は嫌に元気はいいが、その議論は地に足がついていない感じ。

 土曜日、雨にも負けず、寒さにも負けず、福島行きを敢行した。

 磐越東線で隣り合わせた熟年のご婦人と一時間話す。彼女、東京・東大和市から山都 町へ行く途中。「我々、姉妹都市を結んでいるので、ことあるごとに相互訪問している 」。保護司をしている彼女、仕事の難しさを話す。当方、身分を話さなかったので、平 気で何でも話せたのだろう。いろいろなことを聞いてしまったが、もちろん、書かない 。

 今回の催しは山都町の「新そば祭り」。ここは蕎麦の里である。白いそばの花をイメ ージしたら、急に食べたくなって、会津若松で「うまいそば屋」を探した。

 あったあった。「蕎麦工房す〃勘(鈴木勘右衛門)」(会津若松市中央1−3−15  0242−32−6777)。

 創業210余年の漆器業を受け継いできた8代目勘右衛門が始めた蕎麦屋。器も素晴 らしいが、腰のある蕎麦は絶品。「つなぎ」を使わない純手打ち。実にうまい。幸せ、 これにすぐるものなし。

 850円の「納豆天そば」をお勧めしたい。

 ところが、宿がどこも満員で「たまたま空きが出た」という、常磐熱海温泉の老舗に 泊まって、驚いた。

 トイレの電気が切れている。頼んでも、つけてくれず、再三催促。午後8時半、やっ と灯りがつく。料理は冷たく、料金は一流?

   まいった、まいった。

 日曜日(11日)の福島競馬もまいった、まいった。(「まいった」の中身は、今週 の「おけら街道」で書く。)

 新幹線、故障で2時間遅れ。まいった、まいった。

 震えるような寒さにもでくわした福島行。でも、紅葉は盛り。福島大学付属小学校 の銀杏並木に、しばし、我を忘れる。

<何だか分からない今日の名文句>

器もひとあじ



11月8日(木) 浜岡原発の教訓

 久しぶりに診療所。また一段と患者が増えた。

 患者の要望をアンケート調査したのも好評らしい。患者の希望で、受付、診療室、リ ハビリ室に絵が飾られた。

 だが、患者の数が急増しているので、二つしかない自転車型訓練機の順番を待つのに 10数分かかる。まあ、この待ち時間が、リハビリ仲間の談笑を誘発するから、いいの かも知れないが。

 浜岡原発の事故。緊急冷却系の配管破損。二つの点で重視したい。

 一つは、二重三重の安全機能でも、必ずと言ってもいいほど、故障は起こるという事 実。でも、これは防ぐことが出来る事故だ。

 二つは、事故発生の情報伝達が遅いこと。マスコミへの通報だけで良いのか。町は、 情報伝達にもっと積極的であるべきだ。

 僕は、新たなシステムが見つかるまでは、徹底した安全運用で原発を利用すべきだ、 という意見の持ち主である。原発容認派と言ってもいい。いくつかの原子力発電所を見 学して、それなりに二重三重の安全装置を確認している。

 しかし、どんな施設でも、疲労破損は起こり得る。システムに慢心すると、飛んだこ とになる。

 原発容認派の僕だが、今回の事故の報道は小さ過ぎるような気がしてならない。む しろ、極めて重大な事故と認識すべきだ。

 同時テロが起こってから「本来なら大事件」の衝撃度が薄くなっている。我々はこの 原発事故に驚くべきだ、と思う。東海地震が起こると仮定して、安全点検を実施すべき だ。マスコミも戦争ごっこ報道?よりも、身近な危険をきちっと報道すべきだ。

 午後、浅草公会堂の火災予防週間のイベント見学。その足で浅草ビューホテルで、浅 草・上野法人会の「文化後援会」。吉野家の阿部社長の講演を聞く。凄く勉強になった 。吉野家が倒産から立ち直るまでの話、実に勉強になる。

 官僚の講演は為にならないが(失礼)、民間の話は生き生きとしている。来賓の税務 署長さんが、熱中して聞いている。

 あす(9日)自衛艦がインド洋に向かう。この国家的危険も、見逃せないのだが…… 日本人は好戦的気分に流されているようで、困ったものだ。

 夜、社台のテレホンサービスで「デリキット、日曜の福島競馬メインレース出走」を 知る。

 ローカルだが、メインはメイン、福島に行ってみるか。

<何だか分からない今日の名文句>

戦争ごっこに冷却水



11月7日(水) 産経新聞社員の運命?

 市川の朝の散歩で、K学園の校門に「法語掲示板」なるものが掲げられているのに気 づく。

 「人間の値打ちは、生まれによってでなく、その人の努力によって決まる」。

 「生まれ」によるものでないことは、当然だが「努力」「努力」というのも考え物だ 。

 人間、ほどほどに「努力」しないと、軋轢が起こる。「努力」したって不運はやっ て来る。なぜ、こんなに努力しているのに、という不満も出る。

 学内向けの標語ならまだしも、こんな“立派なお言葉”を「学外向け」に麗々しく掲 示するところに“嫌み”を感じる。

 第一、「努力」という行為は隠すモノで、麗々しく論うモノではない。少し「欲しが りません、勝つまでは」的全体主義の臭いが芽生えている。

 帰り、本屋で立ち読み。「ダガーポ」の書評欄に小さく「マスコミ芸能笑辞典」が紹 介されていた。うれしい。サンケイ新聞にも載っていたらしいが、知り合いが応援して くれたのか。それとも、読むに値する本と認定?されたのか。もっともサンデー毎日の 書評は僕が後輩に頼んだもの。ちょっと恥ずかしい努力?

 知人からFAXで「産経新聞社報」のコピーが送られてきた。昨日(6日)清原武彦 社長は東京本社で拡大東西局長会を開いて、東京本社管内の産経新聞を来年4月から、 朝刊単読紙にするーーと発表した。多分、今頃、記者会見で発表しているはずだ。

 社報のなかで、清原さんは「時代は産経」と力説している。「憲法問題、自衛隊の海 外派遣問題、教科書問題、すべて世の中は産経の主張する方向へ向かっている」

 だから、夕刊を止め、朝刊単独で月額2950円で、部数拡大に進む、というのだ。

 ワシントンポストも、ニューヨークタイムスも、朝刊だけではないか、と言うのが、 彼の主張。

 実は、夕刊廃止はちょっと前まで、どこの会社が最初にやるか、という感じだった。 読者の「夕刊離れ」はもちろんだが、一番の理由は広告が集まらないこと。だから「や めたい」というのが、全国紙の本音だった。

 ところが、これほど、事件がグローバルになると、夕刊帯のニュースは無視できない 。同時テロ、大リーグ……速報はテレビだけに任せていいのか。

 難しいところだ。

 しかし、新聞社の経営はさらに悪くなる。同時テロ不況(本当は小泉不況かもしれな いが)で、広告出稿は激減して、夕刊を発行する余力がない。

 どうしたものか。そこへ、産経の決断。

 産経の最大の狙いはリストラだろう。夕刊発行停止で300人前後の首切りをする。

 産経マンに取っては、より右向きの思想的な締め付け、さらなる合理化……厳しい現 実に複雑だろう。毎日は経営状態は必ずしも安泰ではないが、極めて常識的な自由が保 証されている。が、果たして、このままでいけるのか。

 夕方「円より子さんにエールを送る会」。ニコニコ離婚講座の円さん「離婚女性の経 済力確保に全力を挙げる」と意気軒昂だった。

 民主党の幹部が勢揃いしたが、壇上での「立ち振る舞い」がおもしろい。鳩山さんは 、自分の話が終わると、舞台の端に行く。菅さんは、話が終わっても平然と最後まで中 央に位置する。

 羽田特別代表さんは、乾杯の音頭で極楽トンボ風。鳩山さんも、羽田さんも育ちがい い。

 誰かが「民主党は女性に人気がない。男性の支持率は15%。女性は7%前後。代表 が悪いのか、政策がわるいのか」と冗談を飛ばすと、鳩山さん、頭を下げて見せた。

 人柄はいいが、鳩山さん、政治家に向かないような気がしてならない。

 円さんは、彼ら民主党の紳士?より数段上の政治的人物。期待が持てるけれど、どう だろうか。

<何だか分からない今日の名文句>

政治は「生まれ」による?



11月6日(火) 「おひとりさま」の時代

 風が強い。JR市川駅の前でバスから降りた瞬間に、かぶっていた帽子が飛んでしま った。近くの若者数人が追跡してくれたが、ダークグリーンの帽子はコロコロと車道を 走って……大騒動。市川市民の皆さん、ご面倒をかけた。申し訳ない。

 「木枯らし一番」ではないのか。

  朝「おけら街道」を書き上げ、タクシーで神田小川町、若干の取材を終え、地下鉄 千代田線・JR常磐線で松戸。若干の取材の後、京成バスで市川。風の中を結構、飛び回 った。

 電車の中では必ず、中刷り広告を見る。「週刊ディアス」に「入手!“狂牛病疑惑” 日本人男性の死亡証明書」。スクープなのか。松戸駅のキオスクで、買い求める。

 72歳でなくなった愛知県の男性の死亡診断書を手に入れ、狂牛病によるCJD(ク ロイッフェルット・ヤコブ病)ではないか、と指摘している。

 だが、良く読むと「シロ」の感が強い。トップに据えるような情報か、若干の疑問。

 同誌は「週刊宝石」に代わって、生まれた光文社の切り札的雑誌。編集長の三橋和夫 さんとは、昔からの知り合いである。「週刊宝石」創刊のスタッフで、カッパブックス 編集長をしていたのだが、突然、新しい週刊誌創刊を任された。

 週刊誌不況の中、苦戦しているように思う。特に広告を集めるのに苦労しているよう な気がしてならない。

 でも中身は、読ませる。

 シリーズの「30代の軌跡」は話題だし、軽い3ページ特集がおもしろい。

 今回は「おひとりさまの楽しい時代がやってきた」。女ひとりということで、ホテル に「満室です」と言われ、レストランでは「客単価が安い」と嫌がられていた「おひと りさま」が、いまや、大歓迎される。

 そう言えば、エースJTBも「自由気ままにひとり旅」プランを売り出している。( 岩下久美子著「おひとりさま」中央公論新社は参考になる)

 「一人で楽しむ」のは良いことだ。パートナーといるのも良いが、一人でいるのも良 い。いつも一人ぼっちというのは耐えられないが「一人」ってのも乙なもの。

 実は女性だけでなく、男は、いつも一人になりたい、と渇望している。俺もその一人 。

 脳卒中で倒れてから「一人旅は御法度」のような状況が続いているが、これから は堂々と「一人旅」を楽しむぞ!

 気がついたら市川駅前。あわててバスを降りた途端に、冒頭の“帽子事件”。

 一人旅では、帽子に「顎ヒモ」をつけないといけない。

<何だか分からない今日の名文句>

individual



11月5日(月) とかくサラリーマンは……

 未明、「ここだけの話」を書き上げる。紅葉が盛りになる頃なので、行楽モノにする 。

 頼まれものの原稿が溜まって四苦八苦。なんとか午後2時に仕上げる。

 出社して、郵便物点検。配られた今月の社報を隅から隅まで読む。

 トップ記事は北海道支社の「旧石器発掘ねつ造」報道に日本新聞協会賞、早稲田ジャ ーナリズム大賞、菊池寛賞のトリプル受賞。凄い。毎日新聞社は、ことスクープに限れ ば間違いなく「日本一の新聞社」である。新聞協会賞の受賞回数は他を圧している。

 だが、残念ながら販売戦略が大人しいので損をしている。例えば、社報の7ページに ある炭そ菌勉強会の話など、社報に終わらせず、毎日新聞読者に「炭そ菌マニュアル」 を公開して、販売戦術に使うことを考えたらいいのに。

 読者向けのネット社報を作ったら……というのが、僕の意見。毎日新聞愛読者限定ネ ットで、得になるマル秘情報を流す。読者と社員のネット化。工夫一つで商売になるハ ズだが……。

 午後7時、同僚2人が柳橋の仕事場に来てくれて一杯会。特別、うまいモノもないの だが、出費が続いているので“倹約の自宅酒”。外に出ると、やはり見えない金がかか る。

 話題は、社長はいつまで「その座」にいるのか。次期社長は誰か、テレビに出て いるスター記者が、実は社内でイジメられているとか、関連会社に出た某氏が、カムバ ックを狙っているとか、何しろ、たわいのない話ばかり。

 ところが、これがおもしろい。つい興味深々の顔。出世話はドラマ満載である。名誉 毀損あり、差別用語あり、なんでもありの伸び伸びとした評論。ああ、おもしろい。

 この種の話題を話したことが、ついぞなかったから、愉快で仕方ない。出世にトンと 関係のない当方は、まるで爆笑喜劇を見るような楽しさである。でも、ご両人は、まだ まだ、出世街道を意識しているから、若干、複雑な顔つきにもなる。

 久しぶりに「サラリーマン」になった気分。楽しい。缶ビール4本、開ける。「内酒」 もたまにはいいものだ。

<何だか分からない今日の名文句>

出世酒、愉快酒、ホロ苦い酒



11月4日(日) 虚構の戦争

 アメリカ人とイギリス人の「戦争」に関する温度差にかなりの開きが出てきた。「冷 静さ」において、まったく違う。

 民主国家・アメリカは冷静さを失っている。c報道管制が暴走している。言論の規制が 暴走している。

 例のアメリカの女子高校2年生の反戦ビラ事件。アナリストクラブを作って、反戦ビ ラを配った。

 校長は「このような国難の時期に無政府主義者を気取るのは、真珠湾攻撃直後に日の 丸を振りかざすようなものだ」と三日間の停学を命じた。

 50年以上も前の真珠湾のことを言い出して、停学を命じる教育者。無神経過ぎる。

 女子生徒は地方裁判所に訴え、その判決は「教育現場を混乱させる」と校長を支持し た。

 妙な話だ。アメリカは冷静さを失っている。小さい時から、責任ある自由な発言が保 証されるーーと教えてきたアメリカなのに、教育者が「反戦の主張」を弾圧する。冷静 さを失っている。時間が経てば、アメリカは冷静さを取り戻すと、思っていたが……。

 イギリスのメディアは「この戦争は虚構だ」とクールな評をしている。

 アメリカは「テロの犯人を探す戦いだ」と言った。しかし、今では平気で「戦争」と 言う言葉を使うようになった。犯人を探し出すことは不可能だ、と言いながら、空爆は 続き、アフガンの人々が誤爆されて死ぬ。何時の間にか「対アフガン戦争」になってし まっている。

 一握りの共産主義者をあぶりだすために始めた、あのベトナム戦争と同じじゃあない か。あの時、何人の人が殺されたか。

 もし「戦争」なら、日本はアメリカに手を貸す必要はまったくない。アフガンとアメ リカの戦争なら、ご自由にーーというのがイギリスの、日本の、ロシアの、中国の立場 である。

 アメリカの国防長官が「日本をやってつけるのに、真珠湾攻撃から3年以上もかかっ た。だから今回も長期戦」と話しているようだ。あの高校の校長もそうだが、50年も 経ってから「真珠湾」を持ち出すところに、今のアメリカ人の「無神経」を感じる。

 湾岸戦争で、日本がどれだけ負担したのか。経済的負担は日本経済に多大な打撃を与 えている。そして、今回も打撃を与える。

 その日本に対して、真珠湾を、広島、長崎の勝利を上げつらうアメリカ人の無神経さ に腹が立つ。

 日本は自衛隊を派遣するべきではない。

 日本は軍隊を持たない世界でただ一つの国家である。だから、世界の各地で信用され ていた。海外援助という形で安全保障政策を遂行してきた。だから信用された。

 その努力が戦争加担で、水滴に帰す。

 自衛隊を「軍隊とは違う」と言い張っても、世界の誰が納得するか。神戸の大地震で 、外国の軍隊がやって来て、災害援助すると言ったら、日本人は拒否するハズだ。軍隊 が領内に入るということは大変なことなんだ。

 指導者は「テロ撲滅の宅急便」ぐらいに考えている。

 日本人は、もっと冷静になろう。

 4日、坂本弁護士一家の十三回忌。合掌。オウム事件を風化させないのが、我々の勤 めだ。その意味でも、重ねて言うが、自衛隊派遣より、日本に必要なのは化学、生物兵 器に対する準備である。坂本弁護士の霊に応えるためにも。

 「2代目魁」のヒット30万。掲示板の書き込みで、気が付いた。去年の七夕の日から 始まった数字。我ながら、健闘している。個人のHPとしては、支持されている方では ないのか?

 ページごとのアクセス件数を見ると、掲示板、続いてしりとり俳句のページを開く人 が多いようだ。(最近は「掲示板が低調だ」という指摘もあるが、それも時代の雰囲気 が出ていて、おもしろいかも知れない)要するに、HPは参加するメディアなのだろう 。

 北海道、青森で初雪。富士山が綺麗だった。

       
<何だか分からない今日の名文句>

掲示板にも温度差



11月1日(木) 演歌の秋がやって来た

 午前4時に起きて、頼まれた書評を書き上げる。10月31日までの約束だったので 、約8時間強の遅れでFAXで送り終わったのが午前8時半すぎ。

 気がついたら、演歌歌手・白川桔梗さんにスポットを当てたNTV系の「ズームイン SUPER」を見るのを忘れてしまった。

 石川県美川町が募集した短編集「おかえり」をテーマにした演歌「おかえりの詩」。 これを歌う桔梗さんは、全国の刑務所を訪れて、無事の社会復帰を願っている。

 数ヶ月前、この話を「ここだけの話」で紹介した。

 慰問歌手活動は一つ間違えると、ストーカーの被害に遭いかねない。それでも、歌い 続ける勇気。あんまり得意ではない「美談風」で書いた。

 それがNTVの目にとまったのだろう。テレビの特集になった。

 「必ず見るよ」と約束したのに、原稿に夢中になり、忘れてしまった。数人から「良 い放送でしたね」と電話をもらい、恐縮する。

 行きつけの浅草観音裏のスナックのママも、僕の紹介で桔梗さんと親しくなったよう で、テレビに登場したらしい。

 しばらく、話題になるだろう。

 実は、スナックの気のいいホステスさんが、この夏、自殺した。ママの涙は枯れ果て た。ようやく、明るい顔に戻るキッカケになると良いのだが。

 午後1時、東大病院で目の検査。特別の異状なし。医師の話では2、3年後、左の目 の白内障の手術が必要になるらしい。右の目はすでに手術しているので、バランス上、 依怙贔屓がないように?手術するか。何しろ、白内障は手術後、世の中が明るくなる。

 しかし、パソコンの前に長いこといることは、厳に慎むつもり。手術なんてない方が 良いに決まっている。

 岩崎電気の株があがっているらしい。アメリカの郵便庁から同社に「電子線殺菌装置 」の引き合いがあった、という噂。炭そ菌騒ぎは株価に現れる。僕の推理だが、株の動 き具合が犯人をあぶり出す手だてになる。

 夜、新高輪プリンスホテル国際館パミールで、サブちゃんの芸道40周年のパーティ 。

 700人を超える人が着席で祝う。安倍官房副長官が小泉さんの祝辞を代読する。 有名人、オンパレード。凄いスケールだ。社民党の土井さんは真っ赤なスーツで最後ま で、ご機嫌だった。

参加者の一人は「これが最後の歌謡界大型パーティだろう」という。演歌の世界は低 迷が続いている。これだけのパーティを打てる実力者は北島三郎しかいない。

 「おみやげ」がまた、凄い。豪華4点。

 それ相応のご祝儀を用意し、花も送ったが、サブちゃん側の持ち出しだろう。

 11月。紅白歌合戦のトリ、レコード大賞……と演歌の世界も活気づく。

<何だか分からない今日の名文句>

パーティも実力のうち



10月31日(水) 大井のナイターに5万人

 近くの某銀行の支店が、隣の駅前の支店に吸収される。この銀行、数年前だろうか、 埼玉県の某銀行と合併し、名前が変わった。そして、今度は関西をホームグランドにす る別の銀行と合併するらしい。

 どうも「この街」と縁が薄くなるような気がして、定期預金の解約に出向いた。

 浅草橋、柳橋界隈で、この銀行を利用しているお年寄りは、大昔、支店長さんが「新 円切り替え」のニュースをいち早くお客さんに連絡、素早く対応したことに感謝してい るから、「銀行は××」という信用が出来た。

   母親から「あそこは、大銀行ではないけれど、地域を大事にする銀行」と聞かされい たが、こう不便になると、解約も致し方ない。

 これで、この辺りは「東京三菱」の一人天下になる。

 十年前の金利で預けたままの定期預金、かなり増えていた。本当は、このまま高金利 ?のままで預けていても良いだが、お人形、玩具、衣類と言った苦戦する?地場産業の 浅草橋、横山町、柳橋、蔵前を袖にして「パソコンの秋葉原」にシフトする姿勢が、何 となく許せない。

 これは気分の問題だ。

 午後、例のお勉強。少し難しくなった。

 午後6時半、大井競馬場へ。地方競馬が一日にG1を2レースも行う。賞金総額3億 円の大興行。じっくり、観察しなければならない。

 入場人員5万。地方競馬では空前の数字だ。全国の地方競馬場をWINSにすること で、売り上げは歴史的な数字になるだろう。いよいよ、大井は地方競馬をネットして「 JRA」に挑戦する。

 3レース、馬券を買ったがカスリもしない。取材の時は馬券を慎むべきだった。

 家に戻ると、知人から馬鹿でかい大根の贈り物。新潟県入広瀬村の特産で、太さは直 径13センチ、長さ60センチ。無農薬。立派だ。早速、いただく。こんなでかい大根 、食べたことはない。

 メールに「抗議」が2件。「ここだけの話にホモ、レズという表現がある。これは差 別用語、陳謝して欲しい」という趣旨である。

 同性愛を差別するつもりは毛頭ない。

 しかし、現実に「結婚した相手が、ホモ(レズ)で、いたたまれない」と悩み「別れ たい」と訴えるケースもある。離婚訴訟の難しい事例の一つとして例示した。

 ホモ、レズは下世話な表現だが、一般的に使われている言葉で、僕に差別する意図は ない。

 僕は、どちらかというと、その場その場に「ふさわしい言葉」を探す方で、まず「差 別用語と非難されないように注意しよう」なんてことは考えない。この場合、法曹関係 者が現場で使っている「下世話な表現」を使った方がふさわしい、と考えた。

 「ホモ、レズ」という言葉は不快で、差別された……と言われる「抗議の主」の意見 は(十分ではないが)理解出来る。この種の文言を「差別用語」として指摘する運動を 否定するつもりもまったくない。むしろ、啓蒙にあたる部分もある。敬意を表する。

 しかし、運動の結果として「表現の自己規制」が強制されるのには反対である。ホモ 、レズと言った言葉まで、差別用語として目くじらをたてるのは、どうだろうか。

 節度を持って、自由にモノを言う世界が理想だ。言論は「自由」が大前提である。「 規制」はむしろ例外である。

 差別用語に「不快な言葉」をリストアップして、言葉を闇に葬っても、現実の差別は 一向になくならない、なんてこともある。

 一つ間違えると「言葉狩り」になってしまう言論抑圧の風潮に僕は反対だ。

 夕刊に「院内総務にあてられた炭そ菌は200万人を発症させる量」という報道。再 三、言う。日本政府は一日も早く、化学兵器に対応されたし。

<何だか分からない今日の名文句>

一晩に、G1やって、またG1